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第2014話 シェロ 投稿日: 04/10/14 02:13:54 ID:2UPYYC6f
「前夜」

カラ・・・・・・カラ・・・・・・
夜の豪邸の一室。氷がグラスに当たる音だけが響く。
そこにいるのは、地球町最古の一族の次期当主。
生まれながらにして皇帝の座を約束された少年。
地球町の現盟主すら、恐れを成す男。
「・・・・・・そう、朕を恐れない者などいないはずアル」
ただ一人を除いては。

「チューゴ、私達の家の関係について、もう一度じっくり話し合おうよ。ね?」
その日少女は、彼にそう持ちかけた。優しい笑みを湛えた、彼の腹違いの妹。
だがその瞳の奥に、彼は少女の強い意思を見ていた。
『・・・あんたの言うことなんか、絶対聞いてやらない。あたしの家は、あんたの家じゃないの』
小さい家で、表向き村八分にされても、ひたむきに頑張り続ける少女。
その姿は常に彼の脳裏に焼きついていた。
それが、少女への恋慕からなのか、意のままにならないものへの憎悪からなのか、まだ分からずにいたが。

『・・・息子よ。お前は余の跡を継いで、この町の盟主たらん人間だ。
そしていつかは、あの一族を超えて、世界に君臨せねばならぬ男だ。
たかが娘娘一人に、いつまで梃子摺っている?』
父は彼にいつものようにそう話す。圧し掛かる一族の悲願。四千年分のプレッシャー。
『わかっている。わかっているとも。朕がこんなところで留まっていられないことは。
いつかは隣の日出づる一族を押さえて、アジア町の王に。そして西の一族を超えて世界の王に。
それが我が一族の願い。次期当主としての使命。皇帝になるべくして生まれてきた朕の存在意義。
あんな女ごときに・・・・・・・・・・!』

パシッ!!

「なめられるわけには、いかないんだ」
グラスを握りつぶし、彼は闇を睨んだ。

解説 シェロ 投稿日: 04/10/14 02:23:00 ID:2UPYYC6f
どう見ても小学生ではないので、かの未完大作「S○ill・・・」の一年後の世界だと思って、
No93氏の描くチューゴとタイワン嬢を脳内補完してくだされ。

参考ソース:<中国報道官>対話再開呼びかけた演説は台湾独立と批判(毎日新聞)↓
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041014-00000004-mai-int
さらにタイワン嬢もナイフを隠し持っていそうです(IAEAが調査)↓
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041014-00000623-jij-int

中台情勢に変化が出たら続きます。なんかろくでもねぇ話になりそう・・・

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