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第2154話 マンセー名無しさん 投稿日: 05/02/13 01:51:10 ID:limrdEjs
 二月に入ったある日。廊下から聞こえてくる嬉しそうな鼻歌に、何事かと
居間から顔を出したニホンちゃん。
 その正体を確かめたニホンちゃんは、一瞬、狐につままれたようにポカー
ンとしてしまいました。それでも何とか気を取り直して、ニホンちゃんにも
気づかず、今にもスキップし出しそうな勢いで玄関に向かうその人に、何と
か声をかけました。
 「・・・城元お姉さん、一体その格好どうしたの?」
 「あらニホンちゃん。今から、待ちに待った休暇なのよ!!」
 背後にハートマークをまき散らしそうな程の、嬉しそうな表情をした城元
お姉さん。旅行バックを引っ提げて、綺麗なお化粧ときらびやかなアクセサ
リーに飾られたその姿に、普段のキリリとした面影は微塵もありません。
 「休暇って、お正月も済んだばかりなのに、またお休みできるの?」
 キョトンと首をかしげるニホンちゃんに、城元お姉さんはよくぞ聞いてく
れましたとばかりに語り始めます。
 「ニホンちゃん。実は可哀想なお姉さんには、正月もお休みがなかったの。
 ・・・みんなが紅白見たり、初詣に行ったりしている間も、ずっと、ずっ
とお仕事だったの!
 だから、やっとお休みがもらえるというわけ!」
 城元お姉さんは、どうやら相当ハイになっているようです。ニホンちゃん
の頭を、嬉しそうにクシャクシャにしながら、再び玄関へと歩き始めます。
 「何たって旧正月にキッチョム君のお誕生日ですもの!
 休暇、休暇!10日ぐらいはゆっくり遊べる^^ ニホンちゃん、お土産
期待しててね!!」
 意味不明なことを口走りながら旅行に旅立つ城元お姉さんを見送りながら、
ニホンちゃんはただただ、首をひねるしかありませんでした。
 次の日の朝。
 心も凍り付くような悲鳴に驚いたニホンちゃんは、慌てて悲鳴がした玄関
に駆けつけます。
 「・・・城元お姉さん、一体どうしたの!!」
 ニホンちゃんの目の前には、昨日旅行に旅だったはずの城元お姉さんが、
昨日とはうってかわったやつれ果てた姿で、新聞受けの新聞を握りしめて、
燃え尽きたように立ちつくしていました。
 「旧正月なのよ・・・・。キッチョム君の誕生日なのよ・・・・」
 うわごとのように同じ言葉を繰り返す城元お姉さんに、どうしたらいいの
か分からないニホンちゃん。
 そのニホンちゃんの後ろから、リクジ兄さんが駆けだしてきました。
 「城元、やっと帰ってきたか!早くしろ、仕事だぞ!!」
 そう言うなり城元お姉んを引っ掴んで、家の中に引きずっていくリクジさん。
 「リクジ兄さん、お正月、休暇取っていたじゃない!!
 ・・・・私の休暇!!!!!」
 城元お姉さんの心の叫びは、どこまでも物悲しい響きに彩られていました。

 「・・・いったい何だったのかしら?」
 一人取り残されたニホンちゃんは、城元さんが取り落とした新聞を拾い上
げます。
 その一面には大きな見出しが踊っていました。
          『キッチョム君、花火保有宣言』
                             解説へ続く

解説 マンセー名無しさん 投稿日: 05/02/13 01:54:39 ID:limrdEjs
 花火ネタ、第一陣越されたようですので、補完といいますか。
 キッチョム君の家では毎年、冬の間に大規模な警備員の演習を行っていま
すが、旧正月からキッチョム君の誕生日までの間は、休暇期間といった感じ
だそうです。今年は二月九日から十六日まで。
 ですから、この時期の保有宣言というのは、あからさまにブラフなのかな
あと思える次第。それに付き合わされる城元さんとか、同じく旧正月を祝う
チュウゴ君は大変でしょうが^^;
 それでは。

 て、コテ入れ忘れ^^; ab−proでしたm(_ _)m

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