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第2166話 PLANET-B ◆AFkIyra1jg 投稿日: 05/02/22 05:11:59 ID:ap4VufKH
『お時間よろしいかしら?』

突然の電話。声の主はフランソワーズちゃんでした

「うん、大丈夫。でもどうしたの突然電話なんて?」
『H-2Aの打ち上げがもう少しかと思いまして激励ですわ。調子の方はいかが?』
「うん、今のところ順調よ。フランソワーズちゃんたちに負けてられないもの。
 そうだ、アリアンV-ECA成功おめでとう」
『ふふ、ありがとう。一足お先といったところですわ。
 かなり緊張しましたけれど成功してホッとしてますわ。』
「えぇ〜、フランソワーズちゃんでも緊張するんだ」
『あら、それはどういう意味ですの?』
「だって、もう160回近く打ち上げしているんでしょ?」
『アリアンVもアリアンV-ECAも1機目は大失敗ですのよ。何度打ち上げをしても緊張しますわよ。』
「それでもすごいよね。最近の失敗はその2機だけでしょ?」
『あら、ニホンちゃんも最近の失敗は3機だけでなくて?』
「あははHの失敗はね。ほら私の所はミューもあるから4機失敗なの」
『まったく、あなたのお小遣いでどうやったら2種類も作れるのか・・・
 昔からやっているアメリーもロシアノビッチも首をひねってましてよ』
「でもフランソワーズちゃんたちは羨ましいよ。失敗してもすぐ次を打ち上げるでしょ?」
『そうでなくては何処がいけないのか調べられませんもの。他に方法ありまして?』
「私の家は失敗しちゃったら原因が分かるまで打ち上げちゃいけませんって言われるから・・・」
『それは考えものですわね』
「ペットボトルが大きくなって、お金が掛かっちゃうから無理言えないの」
『とにかく、成功を祈ってますわ。ライバルがいなくては張り合いありませんもの』
「そんなこと言っていると、すぐに追い抜いちゃうんだから」
『あら強気ですこと。それでは良い知らせをお待ちしていますわ』


受話器を置き、発射台に目をやるニホンちゃん。
そこには白とオレンジ色の機体がたたずんでいる。
失敗したところは見直した。
組み立ても万全を期した。
やれることは全てやった。
あとは自分とロケットを信じるだけ。

「きっとみんなに追いついてみせるから」

そっと自分に言い聞かせた。

解説 PLANET-B ◆AFkIyra1jg 投稿日: 05/02/22 05:13:40 ID:ap4VufKH
本スレ初投稿となりますPLANET-Bと申します。

ソースは直前に迫りましたH-2A7号機の打ち上げでございます。
JAXA 宇宙航空開発機構
http://www.jaxa.jp/index_j.html
株式会社ロケットシステム H2A7号機カウントダウンサイト
http://mtsat1r.rocketsystem.co.jp/
【社会】H2A、24日打ち上げへ−成功に自信、技術陣
http://www.sanspo.com/sokuho/0220sokuho093.html

一方、フランスを中心とする欧州宇宙機関のアリアンV-ECAロケットが先日打ち上げに成功しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050213-00000020-kyodo-int

失敗するのは自分で技術を習得している証拠!
打ち上げ成功を祈っております。

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