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第2167話 シュタイナー 投稿日: 05/02/22 18:18:36 ID:KQB92OcC
 「所詮は他人事」

 ある日、フランソワーズちゃんとチュウゴ君が話をしていました。
「じゃあ、これとこれとこれをお売りしますね」
「頼むアルよ。フランソワーズ」
「まぁ、それ相応の御代を払っていただければ……」
「当然アルよ。チュウゴ家の商家としての歴史を甘く見ないで欲しいアルね」
「ま、信用しますわよ」
 二人は話をつけると、帰っていきます。
 ですが、帰路にあるフランソワーズちゃんに近づく影が一人……。
「フランソワーズちゃん」
「きゃ、に、ニホンちゃん? 脅かさないでくれませんこと」
 影の正体はニホンちゃんでした。彼女が作ったホラー映画の幽霊バリに恐ろ
しかったです。アメリー君の家でTVに流したらクレームが来そうなほどに。
「あのね……」
「な、なんですの?」
 いつもは明るく、でも自分の意見はオブラートに包んで後ろ手で渡してしま
うニホンちゃん。でも、何だか今日は変です。変といっても、ウヨ君のように
変なのではなくて、言は多くなく態度も積極的ではないのですが、どこか恐ろ
しげです。背筋に来るものがあります。
「あんまりこういうこと言いたくないんだけど、でもエリザベスちゃんやゲル
マッハ君やアーリアちゃんには言ったんだけど……」
「ハッキリしてくれませんこと?」
 フランソワーズちゃん、ニホンちゃんが何を言いたいか今一掴めません。
「うん、あのね、チュウゴ君に双眼鏡とか水鉄砲とか売るの止めて欲しいんだ
けど……」
「………」
「何だか最近チュウゴ君の家、繁盛してるし。他にも爆竹とかもいっぱい買い
込んでるし。ユーロ組の質の高いのをもたれると、何だか怖いんだ……。
 それに、アメリー君も私と同じ意見だし……」
 ニホンちゃん、やっぱりどこか自信なさ気です。まぁ、もともと自分の意見
を言うのが苦手な子ですから仕方ないですね。ただ、こんな時までそうなの
はどうか、と思いますが。
 フランソワーズちゃんは少しだけ考えるような仕草をした後、きっぱりと言
いました。
「解りましたわ。でもね、ニホンちゃん。チュウゴ君だって最近は丸くなって
ますし、それに、私が誰かに何かを売るのは私が決めることですわよ」
「う、うん……。そうだよね」
「解っていただけましたか? では、失礼しますね」
 フランソワーズちゃんはそう言って、立ち去ってしまいました。
 一人残されたニホンちゃん、表情はもちろん暗いです。
「はぁ……。やっぱりユーロ組の皆には解らないよね。テポドン持ったお兄さ
んが近所をうろついてるわけでも、周りを乱暴者に囲まれてるわけじゃないん
だもんね」
 ニホンちゃんはそう言うと、やっぱりチュウゴ君をさっさと殴り倒しちゃおうかな
ぁなどと危ないことを呟いて、家に帰っていきました。

解説 シュタイナー 投稿日: 05/02/22 18:22:20 ID:KQB92OcC

 と、いうわけで、久しぶりの投降失礼します。
 元ネタは、

ttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20050221AT3L2104S21022005.html

 ……やっぱりユーロ組の皆さんには、今の緊迫したアジア状況なんて
解ってもらえないんでしょうね。

 今回結構急ぎで打ったので、ミスとかあったらすいません。

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