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第2435話 U−33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2005/12/11(日) 19:47:40 ID:4l5nCEEL
『いいかげん目ざめなさい』

 今日は終業式、楽しいはずの日なのにニホンちゃんはなぜか憂鬱そうです。
「ただいま。はい、これ成績表」
 お家に帰ったニホンちゃんは、おずおずとママに成績表を差し出しました。
 ママは渡された成績表を険しい表情で見つめました。
「また少し成績が下がったわね。この間の全校テストでもシンガくんたちに抜かれてたし。
さくら、この冬休みはスキーもスケートも無しね。塾に通って学力をつけなきゃ。三が日
以外は毎日お勉強よ」
「あのう、12月の29・30日に町の体育館を借りてマンガの即売会の計画が…」
 ママはニホンちゃんをにらみつけました。
「いいかげん目ざめなさい!
 地球町ではね、町の2割以下のお家が町の富の8割以上を握っているの。地球町は
そんなところなのよ。あなたも支配する側でいたいのか、それとも支配される側になって
しまってもいいのか、よく考えなさい!」
「そんな、支配するとかされるとかって…。人間はみんな平等って学校で教わったけど」
 そう口答えするニホンちゃんにママが言いました。
「そう、人は生れたときから貴賎や貧富の差があるわけじゃないわ。でもね、学問をして
物事をよく知る人は偉くなって豊かになるし、無学な人は貧乏で低い地位のままなのよ。
塾の創立者の人がそのことをわかりやすく書いたものがあるから、読んでおきなさいね」
 そう言って、ママは塾のパンフレットを指さしました。
 そこにはこう書かれていました。「フクザワユキチ『学問のすすめ』ケイオーギ塾」と。

(ソース)
学力のデータはこちら
http://www.nakajima-msi.com/mzbox/mz094.html
元ネタは、「女王の教室」と『学問のすすめ』です。
http://www.inet-mitakai.com/gakumon.html

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