戻る <<戻る | 進む>>
第67話 かなだらま 投稿日: 2006/03/32(土) 00:00:45 ID:pZ8hJmm2
「ハングクちゃん 〜今日だけの特別出演よっ(はあと) の巻〜」

「ガガガガ・・・ピー・・・あーあーマイクのテスト中…。
おほん、ボクの家は学校にたくさん寄付をしているデス!
チューカちゃんやルーシちゃんの家よりたくさんしてるデス!
そんなボクが学校の常任委員に選ばれないのはおかしいデス!!」
放課後の校庭で、一人の男の子が拡声器片手に熱弁を奮っています。ニホン君です。

アジア班のみんなに謝罪の心がまだまだ足りないのに常任委員だなんて!
正義の塊、ハングクちゃんはすぐさまニホン君に詰め寄りました。
「ニホン君!どおゆうことっ!?反省の心はどおしたのっっ!」
「反省は十分にしたデス!もうハングクちゃんやチューカちゃんの言いなりにはならないデス!!」
釣り目を一層つり上がらせ、ニホン君は唾を飛ばしまくります。
「……!ニホン君、一体どおしたの!?」
「…クスクス…お兄ちゃんは真実を知ったデス」
隣でビラを配っていたウヨちゃんが笑みを浮かべハングクちゃんに囁きました。
「ウヨちゃん!あなた、ニホン君に何したの!?」
「えへ、お兄ちゃん、最近私にめろめろデス。お兄ちゃんは私の思い通りデス♪」

大変!ウヨちゃんにたぶらかされているニホン君を正しい道に戻してあげないと!
「ニホン君!あなたの祖父がアジア街で一体何をしたか…!」
「ふん、その手には乗らないデス。もうジギャクシカンはこりごりデス」
完全に目が“テンノーヘーカバンザイ”状態のニホン君。なんとかしなくてはいけません。
「ふぅーん。じゃあ、もうニホン君とは口きかなーい」
「!!」
ハングクちゃんの一言に、ニホン君の表情が変わりました。
ハングクちゃんなしでは何もできないニホン君。ハングクちゃんに無視されたら生きていけません。
「わーーん!ゴメンナチャーイ!もう常任委員なんて言わないから、許してくれデス〜!!」
拡声器を手から落とし、ニホン君は頭を地面にこすりつけます。
「でもさぁ、ニホン君っていつも謝ってるだけじゃない。誠意が伝わらないわ」
「そ、そうデス!ハングクちゃんを学級委員長に推薦するデス!!これなら許してくれるデスカ!?」
目から涙、鼻から鼻汁を垂らしながらニホン君は嘆願します。
「わかったわ。ニホン君がそこまで言うなら許してあげる」
優しい眼差しでハングクちゃんは答えます。
「わーー!ハングクちゃん、ありがとうございますデス!!」

「ちっ!悔しいデスぅぅ!」
熱く握手をかわす二人の横で、ウヨちゃんは地団駄を踏み続けました。

fin

解説 かなだらま 投稿日: 2006/03/32(土) 00:07:26 ID:pZ8hJmm2
【解説】
今日はエイプリルフールということで、ニホンちゃんじゃなくてハングクちゃんです。
随分前に別の作家さんが書いてはったものですが、自分なりにリバイバルしてみました。

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: