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第94話 処女作? 投稿日: 2006/05/16(火) 10:30:45 ID:mWeAWSdX
『世界に一つだけの緑』


「Allahu Akbar, Allahu Akbar♪ Allahu Akbar Fauqua Kaidi Lmutadi♪」
 広い校庭の隅っこ。走り幅跳びの時などに使用される砂場の前で、声高らかに歌う少女がいました。
「Alla hu Lilmazlumi Hairumu ayidi♪ Ana Bilyaqini Wabissilahi Saaftadi♪」
 彼女の名はアル=ジャマーヒーリーヤ。
 しかし、ちょくちょく変わるので、みんなはリビアンと読んでいます。エビアンじゃないですよ。リリアンでもないです。
「こんなとこに居たのか、相変わらず砂が好きだなお前たちは」
 ズカズカという表現がコレほど似合う少年は、まず、いないでしょう。
 そう。声をかけたのはアメリー君です。
「Allahu Fauqua Lmutadi!」
「『神は偉大なり』は、いいんだが、話をさせろ。というか、こっち向けよ」
「何の用?」
 振り向かずに返事をするリビアちゃん。顔は校庭の芝生に向けられたままです。
 決してアメリー君に顔を向けませんが、それはそれで良いと思ったのでしょう。アメリー君はそのまま話を続けます。
「お前の家に、ウチの別荘を置く話だよ。お前もお前のパパから話を聞いてるだろう」
「知ってる。テロ支援認定が外れたって、アブーがいっていたもの」
「そういうことだ。うちのパパからお前のパパに話はいっているんだろうが、お前にも言っておこうと思ってな」
「そう。わざわざありがとう」
 そういうと、リビアンちゃんはまた歌い始めました。
 置いていかれた形になったアメリー君は、肩をすくめただけで何もせず立ち去りました。

 彼女は、校庭の隅の芝生に目を向けたまま動かしません。
 歌う彼女は何を思っているのでしょうか。
 彼女の庭が、家の旗のように緑になるように祈っているのでしょうか?

解説 処女作? 投稿日: 2006/05/16(火) 10:39:19 ID:mWeAWSdX
追記
はい、何故か三話連続投稿している処女作?です
みんなー、もっとSS投下しようよー

今回は、リビアとアメリカの26年ぶりの国交正常化に向けてのSSです
http://news.google.co.jp/news?hl=ja&lr=&tab=wn&ie=UTF-8&q=%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%80%80%E3%83%86%E3%83%AD%E6%94%AF%E6%8F%B4%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%80%80%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%A2

リビアの国旗は、完全に緑一色で
世界でも、一色のみの国旗はリビアだけだそうです
リビアに関してはウィキペディアを参考にさせていただきました
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%A2
あと、ここと↓
http://www.dososhin.com/dictionary/libyan/
水を確保するのに4000kmものパイプを通さないといけない国って……想像付きません

ちなみに
新キャラのリビアを女性にしたのは、趣味です(ぉぃ

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