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第31走者 書き人知らず ◆PWTa2EFE 投稿日: 2004/07/25(日) 19:26
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第30走者」

「なんで、こんなに人が多いニダ・・・」
メゾン・ド・イベリアからフランソワーズ家に向かうカンコ君でしたが、なにやら人出があったようで、なかなか先へ
すすめません。 周りにいるのは、背の高い金髪さんばかりで、おちびさんのカンコ君にはすごいプレッシャーです。
たまに勇気を出して聞いてみようと思っても・・・
「坊やの言うことはよく分からないねぇ。」
「むこうに交番があるから、そっちで聞け。」
「ほほほ、私、急いでおりまして。 こんどのハレー彗星がくるときに、またお会いしましょう。」
などという状態で、コミュニケーションが成立しませんでした。

そんなとき、このあたりではちょっとお目にかかれない服装をした2人の女性と1人の少女が連れ立って歩いて
いるのが、カンコ君の視界に飛び込んできました。
「アレは・・・先生ニダ! やっと捕まえたニダ。」
まるで地中池の青で染めたような地に、青紫の朝顔の図柄の浴衣を、黒い帯できゅっとしめ、髪に光る簪は、情熱の赤。
すれ違う男がみな声をかけ、それらを軽くいなしながら、優雅に歩くその姿は、まさしくフラメンコ先生。
「ああ、夢にまで見た先生ニダァ〜。 せんせぇ〜カンコニダぁ〜!」

カンコ君の声は雑踏にかき消され、先生は振り向いてくれません。 こうなってはしかたありません。 カンコ君は
回れ右をして、先生の後を追い始めました。

<次の走者へ続く>

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