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第4走者 有閑工房 ◆aKOSQONw 投稿日: 2004/07/24(土) 19:32
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第4走者」

 まったりしてしまう音楽に身を任せて海岸でミックスジュースを飲むと、
いつものわずらわしい日常から開放されると思う。
 向こうで真っ赤なワンピースの水着を来たラスカが名前を呼びながら
手を振っている。やっと浮き輪でバタ足ができるようになったのが嬉しいみたいだ。
 ゆっくり手を振り返してまた安楽椅子に深々と身を横たえる。足が届いてないのは
内緒だけど。

 読みかけの蜘蛛男2(まむが)を手にとってふとラスカを振り返ると、沖のほうから
ラスカに向かって一直線に向かってくる映画で見慣れた背びれが…

「ラ…ラスカァアアーーー!!!」
 絶叫して瞬間海に向かって駆け出した。
 迫り来る背びれ。凄まじい水飛沫…この距離が恨めしい。きょとんとしてこっちを
見ているラスカが静止してしまっている。

 水に足をつけたかつけないかの内に背びれはラスカに迫った!
 万事休すかと思い、再び絶叫した…

 あれ?通過して砂浜に一直線に向かうサメ…と人影…

「アイゴォォォォォーーー!」
「な、なんだぁ?」
 水面がせり上がって出てきた人影は一直線に椰子の林の中に消えた…
 お尻にはコバンザメが食いついていた気がする…あの人影は痛くないのか?
「おにいちゃん、あれなぁに?」
 不思議な顔で椰子の木を眺めるラスカ…ごめん、お兄ちゃんもワケワカメ。
「さあ…なんかの訓練だろ。」
「ふぅん…」
 納得できなさそうなラスカ。そりゃそうだろうな。そんなときまたぞろラスカの横を
犬が泳ぎ過ぎる。
 砂浜で身震いすると、地面の臭いをかいで、人影の消えた方向に向かっていった…
「あの犬さんもくんれん?」
「………たぶんな……」

 考えるのがイヤになり、とりあえず蜘蛛男の続きを読むことにした…

(次の走者に続く)

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