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第31話
名無しさんお腹いっぱい
投稿日: 2004/10/01(金) 19:34
おはかー。
いつもの登校の光景。
ニホンちゃんとタイワンちゃんが仲良く並んで歩いていました。
「うーん。困ったなぁ・・・」
タイワンちゃんは口元に手を当てています。
「どうしたの?」
ニホンちゃんは不思議そうに訪ねました。
「うーん。困ったなぁ・・・」
ニホンちゃんに気付かないように、タイワンちゃんは先に歩いていってしまいました。
「あ、待ってよぅ」
授業中
「ねぇねぇ。何が困ってるの?」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「ちょっとー。さっきから無視しすぎだよ。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「ぷんぷん。もう怒ったぞ。アメリー君に頼んで、タイワンちゃんにお金貸すの止めちゃうぞー。そしたら、一家みんな飢え死にしちゃうぞー・・・」
「うーん。困ったなぁ・・・」
空を見て、虚ろげな表情で、その後もタイワンちゃんはぶつぶつと言い続けていました。
「だめだこりゃ」
帰り道
「じゃあね。家はあっちだから。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
別れた後、ニホンちゃんはタイワンちゃんのおかしくなった原因を探るため、電柱に隠れて、彼女をつけていきました。
ちなみに、尾行には最低8人の人間が必要です。
メールで、ウヨ君、サンケイ君、パパ、ママ、ハイチちゃんに呼んで貰ったニッテイジジ、ババ様、そしてアサヒちゃんに緊急要請をしました。
「みんな用意はいい?タイワンちゃんの行動は逐次メールで連絡してね」
「おー」
CC ウヨ
件名 ターゲットはハンバーガーショップに入店した。
彼女はキョキョロ当たりを見回しつつ、入店して、店員に歩み寄る。
その後、バイトをさせてくださいませんかと頼み込むが、小学生なのでと断られた。
かわいそうだ。
それから、とぼとぼと、帰路につく。
(タイワンちゃんはおこずかいが欲しかったのかな?)
CC サンケイ
件名 ターゲットは裏山へ登っていった。
タイワンさんは自宅にまで至る。
そのまま、家に入っていくかと思ったが、裏山の方へ走り去ってしまった。
ちなみに自宅にいたる間、チュウゴ君の家を通り、表札に一蹴を加えていた。
(裏山に何があるんだろう?)
CC ぱぱ
件名 たいわんちゃんはどこかいせきみたいなばしょにいたよ。
いしがいっぱいあるところ。あれていた。
(うわーん。漢字変換されてないよTT)
CC ママ
件名 タイワンちゃんはお墓にいました。
うちのパパがこんなに機械類が下手ですいません。
それはともかく、タイワンちゃんが行ったのは、お墓でした。双眼鏡で氏名を読むとタカサゴという名前でした。
ずいぶん荒れ果てていて、それを彼女は必死で直していました。(ついでに私も参加。)
この頃あまり彼女の家に行っていないので、久しぶりによく話しました。
けれど、これをやってる理由は語ってくれませんでした
(お墓?タイワンちゃんのおじいちゃんのお墓かな?)
CC ニッテイジジ
件名 ツートントンツートントン
ツーツートントンツートントンツーツーツーツートントンツートントン
ツーツーツーツーツートントンツーツーツーツートントントン
ツートンツートンツートントン
トンツートンツートンツーツー
(きゃー!モールス信号だよ!)
プルルルルル
「もうすもうす、ニッテイジジにありならん」
「もしもし?えっと、メールがよくわからないので、口で教えて貰いたいんです。タイワンちゃんは何をやっていたんですか?」
「パープル暗号は解かる可らず哉。されば伝えたるなり。かのタカサゴ、亜米利ゐとの戦を共に戦いたる盟友にて、其の働き尋常ならざるや、音を立てずにアメリーに忍びより、敵状を完璧に索敵す、
又突撃においても、毎度多大なる戦果をあげ、我を助けれり。将に是覇王項羽のごとくなり。是かのものの墓なり。さればとて、台彎恩義を感じる故・・・」
(きゃー、口で言っても分かんないよー!)
「ごにょごにょ・・・少し変わってくださいな。・・・えーもっと孫と話したきに候。・・・怒りますよ。・・・代わらないこと非ざるなり。ウワーン」
「はいはい、代わりました。」
「えっと、なんでタイワンちゃんはお墓を直してるんですか?」
「あの墓はね。タカサゴさんっていって、お爺さんとの旧友なのね。昔は宿敵だったんだけどねぇ、アメリー君との喧嘩で意気投合しっちゃったのよ。
その時、大怪我を負ってねぇ。チュウゴ君の親戚にも色々虐められてねぇ、今、どうなってるかと思ったら、お墓があんな風に荒れちゃってたなんてねぇ・・・」
「はぁ・・・」
「アメリー君のお父さんは昔はそれはそれは怖かったんです。まあ、浮き世でも変わってませんが。その時、ちっちゃいタイワンちゃんを必死で守ってたんですね。それを彼女が知ってるのかもしれません。」
「えっと、じゃあ、タイワンちゃんは」
「それを知ってなおそうとしてるんでしょうね。でも、人力じゃあねぇ・・・ブルドーザー等使って、やっぱりお金が必要だと思います。」
「・・・」
「ふっ・・・それを聞いたら、日本男児として、助けなきゃいけないな!」
「ウヨ!」
「はいはい。募金は私が集めますよ。じゃあ、さっそく明日の夕刊に載せますかね。そうなると明日はタイワンさんの家には配れないかな」
「サンケイ君!」
「とうさんがせわになったなら、わたしもやらなければならないか」
「今月の家計を切り詰めなきゃ」
「パパ!ママ!」
「遺産を使うこと良きなり」
「私は死んじゃったから何もないけどねぇ。祈るだけでもやってみます」
「ニッテイおじいちゃん、おばあちゃん!」
「みんな、私の友達のためにありがとう!」
「それは、できてから言うセリフですよ」
それから、
「うーん。困ったなぁ・・・」
「タイワンさん。これをあげます。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「タカサゴさんのお墓を直してね。」
「うーん。困ったなぁ・・・え?」
「言わなかったのに、何で知ってるの?」
「友達だもん。」
終わり。
解説
名無しさんお腹いっぱい
投稿日: 2004/10/01(金) 19:35
「高砂義勇伝」
http://www.takashago.com/index.html
高砂義勇兵の慰霊碑 資金難で存続危機 台湾
http://www.sankei.co.jp/event/takasago/0806.html
【義勇兵慰霊碑の義援金に3000万円】
台湾先住民出身の「高砂義勇兵」戦没者を祭る慰霊碑保存のため、
「高砂義勇兵英霊慰霊碑を守る会」が行ってきた義援金の受け付けが30日、締め切られた。
産経新聞読者などから寄せられた義援金は総額3145件、
3075万8511円に上った。同会は台湾側へ寄付する手続きに入る。
義援金は慰霊碑保存を求める国民の声にこたえ、8月6日から守る会を中心に呼びかけてきた。
ttp://v.isp.2ch.net/up/4baae2a10d03.jpg
記念小説でござる。
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