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第33話
書き人知らず ◆PWTa2EFE
投稿日: 2004/10/24(日) 01:05
〜 Good Taste その1 〜
どんぶりの中のそれは、とても無造作におさまっていて、およそ売り物とは思えません。
「あとは醤油をまわしかけてと。 そうそう薬味がないとね。」
ネギを一束、ニホンちゃんはハサミでジョキジョキ。
「これが名物なのよ。 カンコ君も食べて。」
透明感のある白に、ネギの青と醤油色がうっすら。 箸で持ち上げると、切れてしまいそうな
危うさが。
しかし実際に持ち上げてみると、切れることなくちゅるちゅるとすすりこめるのです。
口あたりやわらかいくせに、噛むと不思議な弾力で口の中をはねています。
薄口なのに自己主張する醤油と、ときおり紛れ込むネギがちょっとした辛味をアピール。
単純な三重奏でありながら、なかなかどうして飽きのこない味をだしてます。
「どうしたのカンコ君? おいしいよ、さぬきうどん。」
言われるままに、カンコ君もすすりこみました。
「まあまあニダ。」
「まあまあって、あまり好みじゃなかった?」
ニホンちゃん、残念そうです。
「ウリはキムチと韓国料理がないと不満ニダ。」
カンコ君の言い分にも一理あることはあるのですが、やっぱりニホンちゃんには、
納得できません。
「普段行かないところへお出かけしたら、そこのおいしいものを食べようって思わない?」
「思わない! ウリナラ一家は、キムチと唐辛子と焼肉とポシンタンがあれば誰にも負けないニダ!
こんなガムみたいなのを食べてるから、ニホンはどろけいで負けたニダ!」
〜 Good Taste その2 〜
しょうがない、といったふうでニホンちゃんが切り出しました。
「キムチはあるんだけど、チューゴ君の家から買ったキムチでいい?」
「ウリをパカにするニカ? チューゴのキムチは、パクリなニセモノで、ウリナラの敵ニダ!」
ニホンちゃん、地雷踏みましたね。
「とにかく、ニホンのもてなしではウリは満足しないニダ。 遊びに来て欲しいなら、ウリ好みの
食事を出すニダ!」
「カンコ君の言うことはわかるんだけど・・・」
「だったら、ちゃんと用意するニダ。 来た人が満足する食事が出せないから、ニホンの家は
遊びに来る人が少ないニダ!」
ニダッ、と決め付けるカンコ君。 手入れの行き届いていない鼻毛がふんふん、と見え隠れします。
「じゃあさあ、家から持ってくれば?」
「せっかくニホンが来いっていうから、ウリは手ぶらで来たニダ。 わざわざ食事を持ってくるなんて
失礼にあたるハセヨ?」
おやおや? いつものカンコ君のセリフとは違います。
「ニホンの家の玄関には、爆発物センサーは付いてないニカ?」
「付いているけど?」
「ウリの家にも今度新型をつけたニダ。 ニホンの家のは古いから、キムチに反応するニダ!」
「やだぁ、そんなことあるわけないよぉ。」
半分呆れて、半分冗談と解釈したニホンちゃんは笑っています。
「ととと、当然ニダ。 キムチは爆発なんてしないニダ。」
カンコ君の額に、やな汗が。
「・・・センサー反応したのね?」
脱兎よりも早く逃げ出すカンコ君、遠くからあの声が響いていたのはきっと幻聴なんでしょうね。
解説
書き人知らず ◆PWTa2EFE
投稿日: 2004/10/24(日) 01:10
おひさしです。
決算業務と試験が重なって、なかなかネットにつなげませんでした、
と言い訳をひとこと(w
さて今回のネタは、
「キムチを爆発物と誤認」
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1098151062/
「香川県への旅行者、料理に不満」
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1098167683/
です。
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