連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 22クール目β
- 1 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:01 ID:in6ZmAak
- 地球小学校の体育館の演壇。
黒髪の少女にスポットがあたる。
ニホンちゃん
「……あっ、えーと、連続ドラマ小説『ニホンちゃん』22クール目βスレです。
これからも国際情勢を萌えと諷刺で語ってください。あまりえっちなのや気持ち
悪いの、萌えの趣旨にそわないお話はご遠慮ください。あと、ひとりで連続投稿
するのもやめたほうがいいかも……。でも良識にそった投稿をすればだいじょうぶ!
マターリマターリ逝きましょう!
最後になりますが、本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者
とは何の関係もありません。
以上をもちまして、スレ立てをおわらせていただきます」
少女は深く頭をさげる。
スポットが薄らいでいき、溶暗。
姉妹スレ
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 22クール目
http://ex5.2ch.net/test/read.cgi/korea/1087220403/
- 2 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:01 ID:in6ZmAak
- 既刊一覧
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」
http://teri.peko.2ch.net/korea/kako/994/994719628.html
大河ドラマ「ニホンちゃん」
http://teri.peko.2ch.net/korea/kako/995/995270347.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 3クール目
http://teri.peko.2ch.net/korea/kako/995/995710507.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 4クール目
http://teri.peko.2ch.net/korea/kako/996/996515142.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 5クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/997/997449486.html
愛と憎しみのドラマ小説「ニホンちゃん」 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/998/998497708.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 6クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/korea_refuge_old/999011509.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 7クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=100320260
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」避難所版 8クール目
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1006483116
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 9クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1010/10103/1010376182.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 10クール目
http://rkrc5w2q.dyndns.org/cache/korea/kaba.2ch.net/korea/kako/1014/10143/1014327874.html
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 11クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1018599620/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 12クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1021604702/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 13クール目
http://academy.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1024846941/
- 3 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:01 ID:in6ZmAak
- 既刊一覧その2
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 14クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1028225672/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 15クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1032396328/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 16クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1039534514/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 17クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1046677620/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 18クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1053855838/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 19クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1061554997/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 20クール目
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/korea/1069476618/
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」 21クール目
http://ex5.2ch.net/test/read.cgi/korea/1080127286/
- 4 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:02 ID:in6ZmAak
- <丶`∀´>このスレのまとめページニダ
目次+ログ ttp://nihonchanjiten.at.infoseek.co.jp/
1〜1095話 ttp://funshei.at.infoseek.co.jp/
1072話〜 ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/
<丶`∀´>このスレの起源は速報板ニダ「韓国逆切れ、日本に制裁措置発動!」
http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news&key=994649225
<丶`∀´>イラスト倉庫ニダ
http://page.freett.com/nihon_chan/
<丶`∀´>お絵描き掲示板ニダ
http://w3.oekakies.com/p/nihon2/p.cgi
<丶`∀´>このスレの検索エンジンニダ
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/mrcopa/
ニホンちゃん非公式サイト サクラノ花ガ咲キマシタ
http://pn-unofficial.hp.infoseek.co.jp/TOP.htm
- 5 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:02 ID:in6ZmAak
- 主な登場人物 (一部抜粋、順不同)
ニホンちゃん‥‥‥‥本編の主人公。可憐で弱気な美少女。
カンコ君‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんになにかとちょっかいを出すが自滅する事多し。強きに従い弱きをいたぶる。
アメリー君‥‥‥‥‥クラスの番長。一番大好きの陽気な暴れん坊。
エリザベスちゃん‥‥権謀術数に長けたお嬢様。ちょっと嗜虐的なところがある。
ゲルマッハ君‥‥‥‥金髪碧眼の知性派。マイスター並みの器用な手をもつ。
アーリアちゃん‥‥‥ゲルマッハ君の双子の妹。暗殺者として養成された暗い過去を持つ。ニホンちゃんが大好き。
フランソワーズちゃん‥ワガママいっぱいのクラスの女王様。エリザベスちゃんとの仲は宿敵と書いて友と読む。
マカロニーノ君‥‥‥美女と美食をこよなく愛するプレイボーイ。
ロシアノビッチ君‥‥良家の御曹司のはずが、家が破産して今は貧乏暮らし。小学生なのに呑んだくれる日々。
チューゴ君‥‥‥‥‥クールで不気味な策士。クラスの不良的存在。
タイワンちゃん‥‥‥ニホンちゃんの親友。元気印の拳法娘。チューゴ君に絡まれて困っている。
アサヒちゃん‥‥‥‥ニホンちゃんを困らせることが好きな捏造娘。チューゴ君が好き。
ベトナちゃん‥‥‥‥昔アメリー君とけんかしたときの後遺症なのかどこか影のある少女。
フラメンコ先生‥‥‥五年地球組の担任。情熱的指導で子供たちを導く。
ウヨ君‥‥‥‥‥‥‥ニホンちゃんの弟。姉を心配しつつ見守っている。三年地球組。
ラスカちゃん‥‥‥‥アメリー君の義理の妹。幼さを色濃く残す無垢な少女。三年地球組。
ハプスブルク先生……三年地球組の担任。没落した旧家のお嬢様で、保母さんタイプ。
<丶`∀´>詳しい登場人物紹介は誰かに聞くニダ、ウリは教えないニダ。
- 6 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:02 ID:in6ZmAak
- どうも皆さん初めまして。
当サイトは巨大匿名掲示板 2ch で大好評連載中の
連続小説ドラマ小説ニホンちゃんをまとめたサイトです。
元ネタはこちら
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=korea&key=994719628&ls=100
さて、2ch からこちらにいらした方はともかく、「ちゆ12歳」など、
このサイトの元ネタを知らずにここに来た方には、まず知っておいてもらいたいことがあります。
このサイトにある100話以上小説ですが、驚くべき事に
その全てが(多少の脚色はあるものの)歴史的事実に基づいています。
とても信じられない? では、そんなあなたに質問です。
問題1 サクラのソメイヨシノはどの国が起源でしょうか?
問題2 寿司はどの国が起源でしょうか?
問題3 剣道はどの国が起源でしょうか?
答え 上記問題1、2、3ともに正解は韓国
- 7 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:03 ID:in6ZmAak
- 嘘だと思いましたか? その通り、上記の答えは全て真っ赤な嘘です。
ただし、これを大まじめで主張している国があります。
それが韓国です。
言っておきますが個人がおかしな電波を飛ばしているのではありません。
韓国のマスコミなどが本気で言っているのです。
例えば剣道などは以下のサイトがとても詳しいです。
剣道の起源は韓国にあり!?
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/6963/
これらは氷山のほんの一角にすぎません。
韓国は知れば知るほど訳がわからなくなってくる謎の国です。
興味がわいたなら、2ch のハングル版を覗いてみればどうでしょう?
http://ex2.2ch.net/korea/
色々書いてきましたが、このサイトはそんな韓国に対して、
もう怒るのや呆れるのを通り越し、笑うしかねーYO! という立場に立っています。
読んでみればわかりますが、カンコ君に対する東海より深い愛情が感じ取れることでしょう。
それと一応最後に断っておきます。
本ドラマは全くのフィクションであり、実在の国家・指導者とは何の関係もありません
- 8 名前:北極星 :2004/07/17(土) 11:03 ID:in6ZmAak
- 本スレに掲載するのが微妙な作品や、長文感想や火病は総督府のスレを活用するといいかもしれません。
連続ドラマ小説「ニホンちゃん」補完・議論用スレ5
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1080970166
ではお楽しみください。
- 9 名前:地鎮祭(1/2) :2004/07/17(土) 11:04 ID:in6ZmAak
- スレを立て教室にもどったニホンちゃんを、
「アイゴーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」
ものすごい怒号が直撃しました。それは物理的な衝撃さえともない相手を薙ぎ
はらう苛烈なシュプレヒコールでした。
「ニホンがかっっっっっってにスレを立てたニダーーーーーーーッ!!」
ニホンちゃんはまったく不意をつかれ、バランスを失して教室の嵌め木細工の床に
手をついてようやく身体を支えました。
<彼>のアイゴーは心の準備がないと魂消るものがあります。
「ニホンは前スレで>>1000ゲットしてないニダ! スレを立てる資格はないニダ。
そんなだからいつまでもアジアの仲間になれないハセヨ。ニホンは反省汁!!」
「カ、カンコ君。ここは同人板じゃないわ」
まだ頭がぐらぐらしています。ニホンちゃんは頭をふりました。
「だれが新スレを立ててもいいの」
「アイゴー、ニホンのくせに歯向かうとは生意気ニダ。でもいいニダ。ニホンは
もっともっともーーっと大変なことをしでかしたニダ。今日こそ謝罪と賠償を
せしめてやるニダ。ニダハハハ!」
「あっ、カンコ君それは」
やめたほうが、と制するニホンちゃんに気づかず、カンコ君は絶望的に空気を読ま
ない科白を吐いてしまいました。
「ここはハングル総督府ニダ! 2chのハングル板じゃないニダーーッ!! ニホ
ンはさっさと削除依頼をだしてハン板にもどるニダよ!」
- 10 名前:火病する名無しさん :2004/07/17(土) 11:57 ID:in6ZmAak
-
- 11 名前:地鎮祭(2/2) :2004/07/17(土) 11:59 ID:in6ZmAak
- (あちゃー)
やっちゃった、と頭を抱えるニホンちゃん。
「そしてウリに謝罪と賠償と歴史教科書の修正と……!」
絶好調で糾弾するカンコ君。
その肩に、ぽん、と二本の手が置かれました。
「カンコ……。それを言うな」と、アーリアちゃんが呻き、
「そうそう。苦渋の決断、ってやつだよ」と、タイワンちゃんが後をひきとりました。
「2chには、どうしても残れない。すくなくとも当面の危機が去ったと確信できるまで
避難せざるをえない。だれが好き好んで分裂劇など演じるものか。『ニホンちゃん』に
とって他策なかりしを信ぜむと欲す。そういう心境だよ、私は」
アーリアちゃんは重苦しく語りました。
「ニダ?」
「そうそう。また騒動が起こったときの受け皿はやっぱ必要だと思うし。それにお互い
仲良くしてれば、すぐまたいっしょになれるって。そんなに遠いことじゃないよ。アー
リアちゃんってば暗く考えすぎ!」
タイワンちゃんは対照的に、手をひらひら振りました。
「ニダ?」
カンコ君は交互に二人の同級生に目を向けました。
なにをいってるのかわからないものの自分はどうやら反対されてるらしく、持ち前の
火病体質が爆発してしまいました。
「アイゴーーーッ!! アーリアもタイワンもなにいってるかわからんニダ!! ニホ
ンは謝罪と賠償と……」
「ええい、まだいうか」
「久しぶりにアレやる? アーリアちゃん」
「そうだな。まったくご無沙汰だが」
アーリアちゃんとタイワンちゃんは、大きく拳を振りかぶりました。
「「バカンコ逝って良し!!」」
「アイゴーーーーーーーーーーッッ!!!」
非常に久々に二人にぶっとばされるカンコ君なのでした。
- 12 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/17(土) 12:23 ID:in6ZmAak
- ありがとうございます。
自分で「スレ立てる」といっておいて、この体たらく・・・。
まあ気持ち新たに、スカッとさっぱりまったりいきましょう。
というわけで、栄えある一発目作品を投下します。
まあ燃料にでもなんにでもしてください。
- 13 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/17(土) 12:25 ID:in6ZmAak
- 〜 One Night in Heaven 〜
(昔より狭くなったのに、なんでガレキの山なんだ・・・)
深いため息をつきながら、しかたなく庭を整理する一人の少年がいました。 彼の名はユーゴ君。 かつては
東欧町有数の羽振りのよさで知られていましたが、その面影は近年まったくありません。
(っと、郵便来てるのか、なんだまた借金取りの催促かよ)
ユーゴ君は、めんどくさそうに郵便受けに来ていた封筒を開けました。
「お元気ですか? 実は今度私の家でシューキュー大会、といっても小さなものだけど、とにかく
試合をすることにしました。 ユーゴ君、よかったら参加してほしいな。 ニホン」
ニホンちゃんからの短い手紙、しかしユーゴ君の胸中には、あの日の出来事が鮮やかによみがえってきます。
フランソワーズ家で開催されたシューキュー大会。 この大会にニホンちゃんは初めて参加したのですが、
3戦全敗でした。 ユーゴ君はベスト16。 このとき、ユーゴ君の家の人もユーゴ君本人も驚くような
出来事があったのです。
「ユーゴ君、がんばれー!」 ユーゴ家の人なかで、赤のシャツを着て応援する女の子がいました。
「君はニホンちゃんだね。 どうして息子の応援を?」
「<ピクシーカード>を貸してくれたから。」 数々の伝説を持つユーゴ君自慢の逸品、<ピクシーカード>。 それを
快く貸してくれた恩返しにと、自分自身のレベルアップを助けてくれたユーゴ君に感謝を込めて。 ニホンちゃんは、
明快に答えました。
(ピクシー、ニホンちゃんの家に行ってくるよ。 いっしょに行こうぜ)
ユーゴ君がユーゴ君であるがゆえに、差別どころか歓待してくれる数少ない家、それがニホン家です。 今は大事に
しまわれている<ピクシーカード>と、家にあったカードでデッキをこしらえ、ユーゴ君はニホンちゃんの家に
急ぎました。
ユーゴ君とニホンちゃんの試合は、ニホンちゃんが勝ちました。
「おめでとうニホンちゃん。 そしてありがとう。 今度は僕の家でやろうね。 そして・・・。」
ニホンちゃんとユーゴ君、二人の声が笑顔が心意気がシンクロします。
「ゲルマッハ君の家に行こう!」
- 14 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/17(土) 12:28 ID:in6ZmAak
- 先の日本 VS セルビア・モンテネグロ のキリンカップサッカーを題材に、
http://yj.shueisha.co.jp/sports/finale/fainal4/4.html
のスパイスをふりかけました。
ところで、ユーゴ君の名前、変えたほうがよかったのかなぁ。
- 15 名前:どぜう :2004/07/17(土) 15:15 ID:in6ZmAak
- 恥ずかしながら書きこみますよ。
>>13
>書き人知らずさま
ソース読みました。いい話だあ。
1レスで完結しているのもイイ。
インタビュー記事の内容、人と人との関わり合いや、
地震の話なんかを作品に絡めてみても、
もっと素晴らしい作品になったかと思うのですが、
そうすると、1レスでは収まらなくなる。難しいですね。
自分が今後ここに書き込むことで、
あるいはご迷惑をおかけするかもしれません。
ともあれ、今後ともよろしくお願いします。
- 16 名前:火病する名無しさん :2004/07/17(土) 16:08 ID:in6ZmAak
-
- 17 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/17(土) 17:35 ID:in6ZmAak
- >>15
どぜうさん
恥ずかしい話ですが、70%程度の熟成です。
違う表現では10年もののウィスキー(すいません、30年ものなんて飲んだことないっす)
〜 ここから言い訳 〜
あまりエピソードを入れすぎると、主題がぼやけますからねぇ。
〜 言い訳終了 〜
まああれですわ。 「今年のワインのまずさを嘆くより、来年植えるぶどうの種について研究しよう」
byラインハルト・フォン・ローエングラム
ということで、どぜうさんもSS書きましょう。
〜 追伸 〜
やっぱ補完スレいりますよねぇ。 スレたてに挑戦してみます。
- 18 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/17(土) 18:25 ID:in6ZmAak
- 謹んでご報告いたします。
「ニホンちゃんβ」の補完・議論スレ立てに成功しました。
http://www.soutokuhu.com//test/read.cgi?bbs=bbs/korea&key=1090055658
「書いてみたんだけど、あまり自信ないなぁ」 って方 →補完スレへどうぞ。
「なんでこの作者はこういう表現にしたんだ?」 って方 →補完スレへどうぞ。
「作者に一筆啓上物申す! ってか聞け!」って方 →補完スレへどうぞ。
あとイベントなどでの業務報告などに活用していただけると、本スレが
すっきりしますので、よろしいかと思います。
ニホンちゃんは、みんなのものです。 「またーり」分を減らさないためにも
ご協力をお願いします。
- 19 名前:名無し改名 ◆AWACSt2A :2004/07/17(土) 20:37 ID:in6ZmAak
- >>18
> ニホンちゃんは、みんなのものです。 「またーり」分を減らさないためにも
> ご協力をお願いします。
大したウソツキだな。
ちゃんと「熱血君以外の」って文言挿入しろよ排他主義者が。
- 20 名前:名無し改名 ◆AWACSt2A :2004/07/17(土) 20:44 ID:in6ZmAak
- ありゃ、コテ入れちまったか・・・・まあいい。
どうせ冷静に共存図れないんだったら、βも本スレも潰れちまえよ。
以上。
- 21 名前:火病する名無しさん :2004/07/17(土) 20:56 ID:in6ZmAak
- マターリマターリ
- 22 名前:醜男 ◆KoOok7TQ :2004/07/17(土) 22:44 ID:in6ZmAak
- 自分に出来る事で盛り上げればいいのに、何が悲しゅうてわざわざ罵倒しに来るのか。
ともあれそういう事は見苦しいからお止めなさいな。
- 23 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/18(日) 00:52 ID:OcgCR1a.
- 補完スレに飛ばないなあと思っていたら、
アドレス間違っていたようです。 びみょ〜なとこで。
謝罪はいたしますが、賠償がご勘弁を。
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1090055658
ちきしょ〜 かちゅのあほ、かちゅのばか、かちゅのやくただずぅ(←責任転嫁
- 24 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/07/18(日) 13:40 ID:OcgCR1a.
- 果てしなき戦ひ。
ここはニホンちゃんの部屋。
ニホンちゃんの友達をお呼びして、今日は楽しくお茶会をするのです。
「ふふーん。アプリコットのお茶だよ〜。エルメスのカップにいれて、すっごくおいしいんだよ〜」
小さなちゃぶ台に座る二人の男の子に、おぼんから一つずつカップを置いていきます。
「はい。ウヨ♪あれ?何で、ブスッとした顔してるの?」
「いや・・・なんていうか。病気じゃないんだけど頭が痛くて。」
「病気じゃないのに?・・・変なの」
ニホンちゃんは首を傾げましたがすぐに気を取り直して、
もう一人の男の子の前にカップを置きました。
「はい。カンコ君♪」
「ホホホ、これはアプリコット。ウリの好みにザストミートなお茶ですねニダ」
「それを言うならジャストミートだろ・・・」
ウヨ君は頭を垂れてうなだれます。
ニホンちゃんは逸る気持ちを抑えるように、自分の座る席の前にお茶を置きました。
「じゃあ、これからカンコ君と仲直りしよう会を始めましょう。」
ニホンちゃんは嬉しそうにニコニコと開会の言葉を言いました。
「それ、絶対無理だから」
ウヨは頭を垂れたまま顔を見せずキラリと光る眼光だけで語ります。ちょっと怖いです。
「そんなことは無いニダ。ホホホ、ウリハカイシンシタニダ」
「そうだよウヨ。カンコ君は私に嫌なことをしないって一週間前に約束したんだから。」
「ウリハカイシンシタニダ。その証拠に笛を舐めたり、ブルマを頭に被ったり、授業中に謝罪と賠償の請求書を紙飛行機にして、投げつけたりしてないニダ。」
「っっっっっっその過去の罪、極刑に値する!」
「まあまあ、過去のことは水に流すことにしたんだよ。カンコ君は真っ直ぐ生きようとしてるんだから。それを阻んじゃだめだよ。」
ニホンちゃんは人差し指を立てて、叱りつけるように言いました。
「・・・そうかな。」
ウヨ君、お姉さんには弱いです。渋々ながらも納得してしまいました。
「あ、お菓子持ってくるの忘れちゃった。台所に取りに行くね。ちょっと大きいから、ウヨも来て」
「あ・・・うん。」
素直です。私もこんな弟欲しかった・・・
そして、二人は台所へと去り、ニホンちゃんの部屋にはカンコ君が一人残されました。
- 25 名前:名無しさんお@腹いっぱい :2004/07/18(日) 13:41 ID:OcgCR1a.
- ・・・
・・・
・・・
がさごそ、がさごさ、がささ、
はぁはぁ、はぁはぁ、はぁはぁ
パンツをかぶるカンコ君がいました。
「ニホンは半島起源のあんこより甘いニダ。しゃてしゃて、一週間我慢したウリのリピドーを放出するニダ。」
「ほほう、どうゆう風にリピドーを放出するんだね?」
「それはもう総督府じゃ言えないニダ。」
「そうか。で、覚悟はできたか?」
「何を覚悟するニ・・・」
前髪を横一閃に光る残像が走り、カンコ君の髪の毛がはらはらと落ちていきました。
頭に尊皇攘夷の鉢巻に、暗殺しやすいように紫に染められた羽織袴を着たウヨ君が、3尺はあるであろう日本刀を振りかざして立っていました。
「ちっしくじったか」
「アイゴー。し、仕方ないニダ。毒ガスを食らうニダ。」
カンコ君はウヨ君の鼻めがけて、キムチを1万倍濃縮した吐息を吹きかけました。
「ぎゃあああああ」
「アンニョンヒ カセヨ(さいならー)」
- 26 名前:名無しさんお@腹いっぱい :2004/07/18(日) 13:41 ID:OcgCR1a.
- その頃のニホンちゃんはというと、
「あれ?見つからないなぁ。帯広のあんころもちはここにあると思ったんだけど・・・あ、もしかしたら台所の下かなぁ?」
ニホンちゃんは食器棚の中に屈みながら顔を突っ込みました。
「興国の興廃此の一戦にあり!」
その時、二人が台所に入っていきました。カンコ君は屈んでいるニホンちゃんを飛び越え、ウヨ君とニホンちゃんを隔てて対峙します。
すると、カンコ君は台所に立てかけてあった包丁を片っ端からウヨ君に投げつけてきました。
「あ!おい!お姉ちゃんに当たるだろが!」
「し、知るかニダ。ウリは一刀両断されたくないニダ!」
この発言にウヨ君は怒髪天。ウリナラマンセーしか頭に無い馬鹿に、真剣ヤバイくらい切れてしまいました。
左胸に吊り下げていた御禁制のリボルバーがカンコ君に火を噴きます。
シュシュシュシュシュシュ
パパパパーーンパーンパーン
シュシュシュシュシュシュ
パパパパーーンパーンパーン
ニホンちゃんの頭の上で何十もの武器弾薬が飛び交いまくってます。危なすぎ。
「ハァハァ・・・き、今日はこれくらいにしといてやるニダ」
「カンコの癖になかなかやるな・・・ハァハァ」
「そ、それじゃあ。アンニョンヒ カセヨ(さいならー)」
「あ、マテ。パンツ返せ・・・」
カンコ君は台所の窓から外に飛び出し、自分の家に帰っていってしまいました。
ニホンちゃんの下着をパクるというエロパワーみなぎるカンコ君と違い、そんなアホなパワーが無いウヨ君は、精根尽き果てて追うことはできませんでした。
「あ、見つけた。」
「え?」
「あんころもちだよ。じゃ、ウヨはこっちの方持って、」
「いや、これ大きいなぁ・・・お姉ちゃんの部屋に持って行ってもいいけどさ。カンコはもう帰ったよ?」
「ええ?なんで?」
「ええ?なんで?っていうかさっきのカンコと俺のやりとり見てなかったの?例えばカンコの頭にあるものとかさ。」
「そういえばなんだか楽しく遊んでたね。」
「ちょっと・・・不用心すぎだと思う」
「ウヨがあんなに楽しそうに騒ぐなら、カンコ君とは約束しないで自由にウヨの部屋に行っていいことにしようかな」
「ああ・・・駄目だこりゃあ」
ウヨ君の受難の日々は続く・・・
その翌日、頭に被っていたものは実はウヨ君のものだと、ウヨ君に暴露されたカンコ君は、
げっそりとした表情で水道の前で、ずっとずっと嗚咽していましたとさ。
- 27 名前:名無しさんお@腹いっぱい :2004/07/18(日) 13:47 ID:OcgCR1a.
- http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/06/25/20040625000059.html
短期ビザで入ってきた調布の韓国人スリ団の話。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040715AT1F1201F14072004.html
05年に来日する韓国人観光客の短期滞在査証(ビザ)の免除を検討。
だってさ。
- 28 名前:火病する名無しさん :2004/07/18(日) 14:05 ID:OcgCR1a.
- 新スレ&地鎮祭乙カレー
>>13『〜 One Night in Heaven 〜』
それわガレキの山だからでつ。
整理しようにも下手するとセルビア、モンテネグロ、スロベニア、マケドニア、ボスニア、
そしてなぜかギリシアまでやってきて取り合いをする諸刃の剣。
ttp://search.goo.ne.jp/click.jsp?
DEST=http://ja.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%25A6%25E3%2583%
25BC%25E3%2582%25B4%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25A9%25E3%2583%
2593%25E3%2582%25A2&no=1
>>ところで、ユーゴ君の名前、変えたほうがよかったのかなぁ。
困ったときにはキニシナイ
>>24-27『果てしなき戦ひ。』
豆乳を体に投入するかのごとく。。。
ウリはびιょぅねソのものでも美味しく被れますニダ(マテ
- 29 名前:どぜう :2004/07/18(日) 16:43 ID:OcgCR1a.
- >>24-27
>名無しさん@お腹いっぱいさま
乙です〜♪
ラスト二行のカンコにちょっと同情…w
しかしカンコ、パンツにつけられたスリットに気がつかなかったのか?
案外、「む、これは空気穴ニカ?んもうニホンめ、
ウリが息苦しくないように穴を開けておくなんて気が利くニダ(スンスンスンスン)」
とか考えてたんでしょうか?
- 30 名前:火病する名無しさん :2004/07/18(日) 16:56 ID:OcgCR1a.
- >24-26
乙です。
きちんと元ネタがあって、嬉しい限りです。
お話としてもテンポ良く楽しめました。
ただ、「姉さん」ではなかったかと。
あと、アプリコットの元ネタ、何でしたでしょうか。
何かあったとは思うのですが、良く思い出せないモノで。
- 31 名前:名無しさんお@腹いっぱい :2004/07/18(日) 18:55 ID:OcgCR1a.
- >>28
ウホ!ですか。(((( ;゚Д゚))))ブルブル
>>29
まあ、興奮してるんで分かんないんじゃない?
>>30
姉さんとお姉ちゃん。
ショタ萌え度で言えば、 姉さん<<お姉ちゃん なの。ウホ
アプリコットでエルメスはニホンちゃんと全然関係ないです。
元ネタは電車のあれ。
まあ、皆さん適当に作品投下してきましょう。別に本スレもここも大差無いしねー。
- 32 名前:siki :2004/07/19(月) 11:55
- 「へんさい」
カンコ「ウリはもう自他ともに認める先進国ニダ
みんなはウリを見習、早く先進国になれるようにせいぜい頑張るニダ
まっ 無理だと思うニダが」
トル子「かんじわる〜〜〜 何よ、先進国 先進国って
自他ともにって言うけど、カンコを先進国って認めてるのはアンタを除けば、
だ〜〜〜〜れもいなんだから」
カンコ「あ〜あ 後進国のやっかみは本当に見苦しいニダ」
トル子「キィ〜〜〜〜 だいたい自分の事を先進国って言うのなら
ニホンちゃん所からしてる膨大な借金返したらどうなのよ!!」
カンコ「トルコは何も分かっていないニダ、ニホンからの借金はその気になればいつでも返せるニダ」
トル子「なによそれ〜〜〜負け惜しみぃ」
カンコ「まっ 特別に教えてやるニダ、これも後進国のトル子への施しニダ」
トル子「うぬぅぅぅぅ」
カンコ「ウリがニホンへ借金を返さないのはニホンがウリに好意を持つように仕向ける
心理学をもちいた巧妙な作戦ニダ」
トル子「心理学?作戦?」
カンコ「そうニダ 心理学的に金を貸した側は借りた相手に好意をもつニダ
本当はウリも借金を返したいニダが ニホンに嫌われたないから仕方が無く」
トル子「・・・・・・・」
トル子 「にほ〜〜〜んちゃん!」
ニホン 「あれ? トル子ちゃんにアジア町のみんな みんなして如何したの?」
アジア町ズ「ニホンちゃ〜ん お金貸して〜〜!!!」
ニホン 「なっなっなんですか〜〜〜 みんなして いったい何が・・・・」
おしまい
説明 元ネタは心理学 手元に資料が無くあやふやなデーターですが
お金を貸した側は『お金を返してもらいたい→貸した相手はいい人だから返してもらえるはず』
と精神状態を安定させるメンタルが働き借り手に好意を抱くそうです
とは言え友達同士での金の貸し借りは不仲の元、
カンコ君の真似だけは決してしないように
トル子 「でっ 借金を返さない本当の理由は?」
<丶`∀´>「借金も財産ニダ」
トル子 「・・・・」
おしまい
- 33 名前:D-13 :2004/07/19(月) 18:12
- >>1-11
スレ立て乙であります。
こちら用に保管場所を設けました。今までの本スレと区別するために"βスレ系"と呼称しています。
ニホンちゃん・βスレ系仮設保管所
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/
こちらには目次制作者様のカキコは無いですが取りあえず1からナンバリングしてまつ。
- 34 名前:どぜう :2004/07/19(月) 19:03
- >>33
>D-13さま
ご苦労様です。
ややこしいでしょうが、よろしくお願いいたします。
- 35 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/20(火) 00:09
- >>33
D-13さん
ありがとうございます。 かかる事態になってしまい、ログ管理されている方々には
余計な手間をかけさせてしまったこと、申し訳ありません。
かくなるうえは、このスレをどうにか盛り上げていく所存でありますので、
どうかご協力をお願いいたします。
- 36 名前:火病する名無しさん :2004/07/20(火) 18:08
- >>32
で、関心の度合いに応じて借金も増減すると。
http://www.jetro.go.jp/ec/j/econ/data/jfdi2003a.pdf
ニホソ「もっと仲良くしましょう(はぁと」
勝ち組負け組みはっきり分かれてますな。伸び率ベースで(藁
- 37 名前:火病する名無しさん :2004/07/21(水) 01:10
- >>35
がんがれ。
- 38 名前:どぜう :2004/07/21(水) 03:33
- その子は、幼稚園の頃から背が高く、
同い年の子の中に入ると随分目立つ割に、少しだけ内向的なのでした。
歳の離れたおしゃまな妹から逃げるように、
一人自分の部屋でテレビをよく見ている子でした。
そんな彼が子供の頃によく見ていたのは、日之本家製作の特撮映画です。
暴れ者のガッズィーラと違って、カメの怪獣、ガメラは子供が大好き。
そんなガメラが、その子は大好きでした。
『飛べよ大ガメ!』
「ハイハイ、みなさん、キリキリ掘るアルよー」
中華マンションの敷地で、アメリー君や、ニホンちゃんが、
コツコツと地面を掘っていました。
地球町は歴史が古い町です。その歴史、ざっと45億年。
あまりに古いので、昔にいた人(?)たちの骨が石になったりします、化石ですね。
みんなが集まって地面を掘っているのは、
その石になった骨を探していたからなのでした。
「なあチューゴよう、そろそろ休憩しようぜ」
この分野では一家言あるアメリー君ですが、朝から堀り続けてクタクタのご様子です。
「ふん、こんな作業、始皇帝陵に比べたらヌルいものアル。
化石になりたくなかったらみんなさっさと掘るアル」
現場監督のチューゴ君いい気なものです。
「し、始皇帝陵アルか…」
「見つからなかったら、僕らも埋められるアルか…」
なにやら物騒な事を呟きながら、
香ちゃんとマカオ君も悲壮な顔で地面を掘っています。一大事業です。
「…あ」
黙々と、あるいはブツブツ文句を言いながら化石を掘っていたみんなから、
少し離れた所で、控えめに声を上げた子がいます。
声の主はカナディアン君でした。
「お、なんだよカナディアン」
退屈そうに地面を掘っていたアメリー君が、
ここぞとばかりに目をつけました。
「何か出たよ」
生真面目な性格通り、彼はコツコツと地面を掘り続け、
ついに何かを探り当てたようでした。
「何が出たアルか?」
目ざとくチューゴ君が駆けてきます。
砂岩の中に、細かい骨が埋まっていました。
「ちょっと小さいなあ」アメリー君が呟きます。
実のところ、アメリー君の家もカナディアン君の家も、
大物の化石がよく出るのです。
「は、早く掘るアル!」せっつくチューゴ君。
「黙って!」いつになく厳しい表情のカナディアン君。
「化石が地表に出てきたら焦らずに丁寧に取り出さなきゃ駄目だよ!」
そう云って、カナディアン君はたがねを取り出しました。
- 39 名前:どぜう :2004/07/21(水) 03:34
- 『飛べよ大ガメ!』
ようやく、化石の上半身が現れました。
「おおぉ…」
みんな輪になってカナディアン君の仕事を見ています。
「カメだな、こりゃ」アメリー君が誰に云うともなく呟きました。
「か、カメアルか?!」チューゴ君が聞き返します。
「縁起ものアル…有り難いアル」
彼の家では亀は特別な存在なのです。
コツコツ、コツコツ。
たがねの音が辺りに響きます。
…
……
………
「…出たよ」
ふうっ、と息をついて、カナディアン君が笑いました。
そして、少しだけ誇らしげに取り出した化石をみんなに見せました。
「なんだあ、こりゃ?」
アメリー君がすっ頓狂な声を上げます。
「羽がついてるアル…」チューゴ君もびっくり。
「いにしえの霊獣アル。ありがたい化石アル」
しまいにはチューゴ君、ぶつぶつと化石を拝みはじめてしまいました。
しばらくの間、みんなカナディアン君が見つけたカメの化石を見ていました。
「で、どうするんだ?これ?」アメリー君がカナディアン君に尋ねました。
新種の化石を見つけた人は、その化石に学名をつけることが出来るのです。
「んー、そうだなあ…」
しばらく考えていたカナディアン君、苦笑しながら。
「もう、晩ご飯の時間だし、明日の朝までには考えてくるよ」
と云いました。
「た、頼んだアルぞ、かっこいい、壮健な名前をつけてくるアル。
この化石に相応しい名前をつけるアル!」
一人気を揉むチューゴ君。
「うん、じゃあ」
「じゃ、俺っちも帰るかなあ」
「私もー」
「香も帰るアル」
そうしてみんな三々五々、それぞれの家に帰っていきました。
「どうしようかなあ」
部屋のベッドでカナディアン君が悩んでいました。
「翼あるカメ、なんて名前にしよう」
食事が終わって、お風呂から出てきても、いいアイディアは出てきません。
「ダメだ、出てこないや」
気分転換にと、テレビをつけてチャンネルを回していると、
古い映画が画面に映りました。
「!!」
画面をしばらくの間見ていたカナディアン君。
何かひらめいたのか、ノートにスラスラと学名を書き記しました。
「よしっ、と」
- 40 名前:どぜう :2004/07/21(水) 03:35
- 『飛べよ大ガメ!』
次の日、始業前。
「で、これにしたってのか?」
半ば呆れ顔で、半ば感心した様子でアメリー君が、
カナディアン君に云いました。
「で、何になったの?カナディアン君?」
教室に入ってきたばかりのニホンちゃんも尋ねます。
「えぇと、これ――」
だだだだだだだーーーっ!
「み、見せ、見せるアル」
息せき切って駆け込んできたチューゴ君、
カナディアン君が見せようとしたノートを、ばっ!と奪うように受け取りました。
「…………」
しばらく学名を見ていたチューゴ君ですが、なにやら様子が変です。
「…よくよく考えたら朕はラテン語はあんまり得意じゃないアル、
カナディアン、朕に読んで欲しいアル」
「シネミス・ガメラってんだ」
「えええ?!」教室中に響く声二つ。
一人はニホンちゃん、もう一人は我らがチューゴ君です。
「ガメラって…、あの、ウチの映画の…?」
「うん、それから『シネミス』ってのは『シナの』って意味」
「でも、なんでガメラ?」
「だって空飛ぶカメって云えば、ガメラだよ、小さい頃よく見てたなあ…」
屈託なく笑うカナディアン君。
「そ、そうだったアルか。良かったな、ニホン」
ぷるぷる震えながらニホンちゃんの肩を叩いたチューゴ君。
「いい名前アル『シネミス・ガメラ』、いい名前アル…」
そう云っていたチューゴ君ですが、
『鳳凰とか玄武とか、もっと相応しくて壮麗な名前が、
我が家にはあるアルぞーーーーーー!!!!』
と思ったとか思わなかったとか。
- 41 名前:どぜう :2004/07/21(水) 03:46
- 元ネタ・ソースは以下の通り。
http://www.uha-mikakuto.com/saurus/18.html
ちなみにゴジラサウルス・クエイイという恐竜も実在するとか。
この作品ですが、しばらく前に作ったまま放置してあったものです。
今日仕事先で大映ガメラシリーズを手掛けた湯浅監督の訃報を聞き、
http://www.asahi.com/obituaries/update/0720/002.html
データの海から掘り起こしてほんの少し手直しをしてうpした次第。
偉大なる先達に、改めて敬意を表して。
- 42 名前:火病する名無しさん :2004/07/21(水) 20:04
- 乙です。
珍しく少年らしいカナディアン君だ。
ここまで主役なのは初めてかな?
- 43 名前:北極星 :2004/07/21(水) 22:10
- おお、カナディアン君ネタはひさしぶりですね。
>>5の登場人物紹介を現在のように改定したのは私なのですが、そのさい彼も
ばっさり削除しちゃいました。
「頂上会議メンバーなのに無視される僕って、ああ!」的な扱いがふさわしい
と思ったからですが、その後も「なんでカナディアン君いないの?」という
疑問の声が一度もあがらなかったあたりじつに彼らしいのです(w
- 44 名前:どぜう :2004/07/22(木) 07:00
- >>42
>火病する名無しさんさま
>>43
>北極星さま
カナディアン君にスポットを当てた話を、と思いまして、
コツコツと作ってましたw
http://www.ryugaku.kyudo.ca/rant.html
上のURLは一部で有名なCMです。実は激情家のカナディアン君。
これも話にしようとして、結局挫折したんだっけなあ…(しみじみ)
- 45 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/23(金) 02:42
- お久しぶりです。ゼロです。
>>33
これを見て、久しぶりに、あの某魔法少女物を書きたくなりました。
補完スレ第三のログ(最後の方)を見て、これはぜひ復活させるべきだと
思ったからです。(但し、いつになるか解りませんが・・・)
それでは、またお会いしましょう。
- 46 名前:火病する名無しさん :2004/07/23(金) 11:58
- >ゼロ様
お久しぶりです。
あのシリーズ大好きだったので楽しみにしてます。
- 47 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 18:20
- さあてあと15分。てぐすね引いて待ってる皆さん、参加規程をもう一度ご確認をw
ttp://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=korea&key=1090055658&ls=50
の>>41にて、早くもオージー君撃沈の予感w
- 48 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 18:32
- 『序章 釣り上げる者たちへw』
日差しが、責め立てる。暑さに立ち向かう気力を萎えさせるには充分だ。
俺は早々に宿題を投げ出すと、釣竿とバケツを抱えて表に飛び出した。
少しは過ごしやすい午前中の時間をたまの登校日で潰してしまい、はっきり言ってやる気
はゼロだ。昨日の晩に作っていた釣の新しい仕掛けと麦藁帽子。これさえあれば暑さなんか
すっ飛ぶ気がした。
散歩をおねだりするイーグルをお供にして、俺は太平池に向かった。
数多のポイントを持つこの池は、とっておきの場所を探すのにもってこいだ。
イーグルの鎖を解き、フライを取り付ける。その作業が蝉時雨やだるい暑さを少しはマシにする。
目標を見定め、思い切り竿をしならせる。疾走するフライは空気を何度も切り裂いた。
その音を心地よく聞きながら、俺は渾身の力を込めてポイントへ投げ込む。
「ァィゴォーーーーー!」
「!!」
右斜め後3メートルから聞き慣れた絶叫がする。忘れるはずがない、忘れるべくもない、
あの、絶叫・・・!誰も・・・逃すことのない・・・・・・叫び!・・・・・・・・・
まあそれはいいとして、俺は闖入者への侮蔑と共にゆっくりと振り返った。
そこにはヒュンダイマークの入った1号の封筒を抱えたカンコがいた。
「な、何するニダ!罪のないウリにあんまりな仕打ちニダ!」
「いや、別に悪意はないんだが…つか、何でお前ここにいるんだよ?」
「ウ…ウリにも色々とあるニダ!」
「あーあ、ライン切れちゃったじゃねえか…」
「しょんなことよりウヨはウリのベイビーフェイスをきじゅちゅけた事に対するしゃ(ry」
つづく
- 49 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 18:33
- *
釣りは魚との戦いではなく自分との戦いだ。それは魚との知恵比べ以上に自分の集中力や勘を
研ぎ澄ます事が…
「ファビョーーーン!モノローグに入ってウリを無視するんじゃないニダ!」
「なんで人の考えている事がわかる?」
「そんなのはウリの朝のキムチご飯前ニダ!」
「言ってる意味はよくわからんが、とにかく凄い自信だな…。で?お前何してるんだ?」
「ハッ!ウヨが年下で格下ということに免じて教えてやるニダ、ウリはついうっかり偶然忘れた
一学期の宿題を先生に届に行く所ニダ!たまには先生の言う事聞いてご機嫌取りするのが児童の
たしなみニダ。しょれで明日までに持ってけばいい宿題をナントウリは今日持っていこうとして
いるニダ!先読みのカンコの異名は伊達じゃないニダ!ウリナラマンセーーー!!」
「いや、伊達だろ。そもそもその宿題、休み前に終わらせるもんじゃねえの?」
その後カンコの口上が暫く続いた。
そうこうしているうちにイーグルが井田アルか農場のネズミを銜えてやって来た。どうも釣りの
餌に使えということらしい。いやな、イーグル…フライでは本物のデコイは使わないんだよ。何べん
言ってもその辺理解しないなこいつは……
しばらくイーグルと遊んでいたら、無視されたカンコは顔が嫌な赤い汁の色になった。いつもの事
だと無視していたら、いきり立って足音も荒々しく目的地へ向かい始めた。
まあ、イーグルの尻尾踏まなきゃもっと楽に着いただろう。
過ぎ去ってゆくカンコの絶叫とイーグルの喚声を聞きながら、俺はまた仕掛けを投げ込んだ。
と、いうわけでリレー小説スタートです!、さあて、皆さんならどこに食いつきますか?
- 50 名前:どぜう :2004/07/24(土) 18:34
- 次、漏れ行きます。
- 51 名前:どぜう :2004/07/24(土) 18:35
- 「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第2走者」
「うっふっふっふ」
土煙を上げて走り去っていくカンコの背後に、
電柱に隠れてほくそ笑む、少女の影一つ。
「これはいいネタだわ!夏休みだから大した事件なんて、
毎年恒例の喧嘩反省大会くらいしかないと思ってたけど、
カンコのお使いを中継すれば、壮大なドラマが出来上がるじゃないの!
しかも出演料だとか取材費だとかの心配をする事もない!!」
心中で快哉を叫ぶ彼女、そう、我らがアサヒちゃん。
きらーん、と夏の日差しに彼女のメガネが反射します。
彼女は電柱の影から日なたに出てくると、回りを見回して、声を上げました。
「みんな!いるんでしょ?!」
するとまあ、出るわ出るわ。ポリバケツの中から、塀の向こう側から、
電柱の上から、マンホールの中からわらわらと人影が現れました。
ヨミ、マイニー、サンケイ、キョウドウの4人でした。
「話は判ってるわね?」無言で頷く4人。
「じゃあ、今この時をもって、一大報道プロジェクト開始よ!
決してカンコにはばれないように!周囲の人達にも同様に!
報道センターは私の勉強部屋に指定します!では、全員解散!!」
蜘蛛の子を散らすように4人はカンコの後を追って駆け出しました。
夏の風がふっと道を通りすぎていきます。
後に残されたアサヒちゃんが、不意にこちらを振り向き――
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』報道開始よっっ!!!!」
http://www.soutokuhu.com/bbs/test/read.cgi?bbs=asahi&key=1007737898&ls=50
- 52 名前:北極星 :2004/07/24(土) 18:42
- 次は私が行きます。
あといきなり提案ですが、アップを終えたら「次の走者に続く」などの
明白に終了したという文言をいれませんか。
いや、名乗り出るタイミングが図りにくいので…。
- 53 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 18:42
- 了解。それで行きましょう
- 54 名前:どぜう :2004/07/24(土) 18:44
- 了解です。
- 55 名前:北極星 :2004/07/24(土) 19:10
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第3走者」
「ウリナラアイゴウ、ケンチャナヨ……♪」
カンコ君は鼻歌混じりに走りました。真夏のアジア町は蒸し暑いものですが
今日だけは空気が乾き、過ごしやすいのです。
太陽が容赦なく照りつけました。しかし肌がじりじり焼かれる感覚も、男の子
にとっては心地よいものがあります。
やがて彼は、ニホンからアジア町に伸びる陸橋にさしかかりました。
旧式ですが頑丈な木製の橋を渡っている途中、一陣の風が吹きすぎました。
「アイゴ!?」
風にさらわれ、橋の上を転がる封筒。
「あわわわ……。危ないニダ」
大急ぎで後を追い、キャッチしかけたその時、さらに強い風が封筒を舞い上げ
ました。
「ダ、駄目ニダ。いきなり宿題を失くすわけにいかないニダ!」
カンコ君は力の限りジャンプし、空中で封筒をつかみました。
「ニダハハハ! ウリナラマンセー!!」
しかし、彼は大事なことを忘れていました。
踏みしめる大地が足元にないということを。
頭に血の上ったカンコ君は、欄干から飛び上がってしまったのです。
「ア・ア・ア……」
細い悲鳴ののち、
「ア・イ・ゴ〜〜〜〜〜〜〜!!」
絶叫とともに、カンコ君は太平池に転落したのでした。
(次の走者に続く)
- 56 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 19:18
- では次行きます
- 57 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 19:32
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第4走者」
まったりしてしまう音楽に身を任せて海岸でミックスジュースを飲むと、
いつものわずらわしい日常から開放されると思う。
向こうで真っ赤なワンピースの水着を来たラスカが名前を呼びながら
手を振っている。やっと浮き輪でバタ足ができるようになったのが嬉しいみたいだ。
ゆっくり手を振り返してまた安楽椅子に深々と身を横たえる。足が届いてないのは
内緒だけど。
読みかけの蜘蛛男2(まむが)を手にとってふとラスカを振り返ると、沖のほうから
ラスカに向かって一直線に向かってくる映画で見慣れた背びれが…
「ラ…ラスカァアアーーー!!!」
絶叫して瞬間海に向かって駆け出した。
迫り来る背びれ。凄まじい水飛沫…この距離が恨めしい。きょとんとしてこっちを
見ているラスカが静止してしまっている。
水に足をつけたかつけないかの内に背びれはラスカに迫った!
万事休すかと思い、再び絶叫した…
あれ?通過して砂浜に一直線に向かうサメ…と人影…
「アイゴォォォォォーーー!」
「な、なんだぁ?」
水面がせり上がって出てきた人影は一直線に椰子の林の中に消えた…
お尻にはコバンザメが食いついていた気がする…あの人影は痛くないのか?
「おにいちゃん、あれなぁに?」
不思議な顔で椰子の木を眺めるラスカ…ごめん、お兄ちゃんもワケワカメ。
「さあ…なんかの訓練だろ。」
「ふぅん…」
納得できなさそうなラスカ。そりゃそうだろうな。そんなときまたぞろラスカの横を
犬が泳ぎ過ぎる。
砂浜で身震いすると、地面の臭いをかいで、人影の消えた方向に向かっていった…
「あの犬さんもくんれん?」
「………たぶんな……」
考えるのがイヤになり、とりあえず蜘蛛男の続きを読むことにした…
(次の走者に続く)
- 58 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/24(土) 19:38
- 次、わが部隊が突撃いたします。
- 59 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/24(土) 19:53
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第5走者」
「イーグルゥ〜、どこに行ったの〜。 もうすぐ晩御飯よぉ〜」
どことなく浮世離れした声が聞こえるアジア町。 声の主はニホンちゃんです。
「あ、武士、イーグル知らない? あんたが散歩に連れて行ったのでしょ?」
何匹かのバスを釣り上げ、ごきげんのウヨ君ですが、ちょっとまずいことになりました。
「カンコを追いかけて、どこかに行った。」
「そのカンコ君は?」
「知らないよ。 すごい水音が聞こえたけどさ。」
「探しなさい! それが飼い主の責任ってものよ。」
こうして二人はイーグルを探すことになりましたが、なんの手がかりもありません。 とりあえず二人はカンコ君が
走り去った方向へと歩いてみました。 と、池になにやらノートが浮いています。 二人はなんとか拾い上げ、
中を見ました。
「きったねぇ字。」
「これカンコ君のノートよ。」 さすがニホンちゃん・・・といいたいところでですが、特徴ある字ですから誰でも
分かるのでした。
「このあたりで落ちたのか。」 そういうと、ウヨ君が髪の毛をぼささっとかきあげました。
と、なにやら絶叫とすごい足音が聞こえてきます。 「アイゴー、こいつしつこいニダァ〜。」
- 60 名前:弓式 ◆QaokVnQg :2004/07/24(土) 19:56
- 次行きます。
- 61 名前:弓式 ◆QaokVnQg :2004/07/24(土) 19:57
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第6走者」
「アイゴーーーーー・・・・・ハッこの先は!?ニダリ」
カンコ君は犬に噛みつかれたり、サメにスルメのようにくちゃくちゃされて、散々でしたが光明があらわれました。
キッチョム家とカンコ家の間にある昔作った三角形の落とし穴がこのまま泳いでいくと突き当たることに気づいたのです!
「う、ウリナラマンセー!今日の晩ご飯はサメと犬のごちそうニダーーーーーーー!」
そして、カンコ君はサメにくちゃくちゃされたまま、対岸に立ちました。
「ってことらしいわよ。カンコはそのままポシンタンにして食べるつもりなの。」
と、アサヒちゃんは言いました。
「な、なんだってぇ!?ちっ、カンコにやられたぜ!時間がない。ボートにのって、対岸へ・・・」
「だめよ!ここのボートは使っちゃ駄目。」
「え、なんで?」
「未成年者は親の許可が無いと使っちゃ駄目なのよ!もう対岸でイーグルを救助しているアメリー君にまかせなさい
(もちろん。ウッソー。ウヨの犬なんてカンコに食われちゃいなさい!)」
「えぇ・・・(そんなん初めて聞いたっつうの。どうせ、嘘だろ?いや・・・万が一ってこともありえるぞ?ああぁどうすればいいんだぁあぁあああああ)」
ウヨ君はボートを使うかどうか迷ってしまいました。
[次の走者に続く]
- 62 名前:北極星 :2004/07/24(土) 20:07
- 次は私がいきます。
状況が錯綜しており、ばっさり無視する情報もあるかもしれませんが
ケンチャナヨ。
- 63 名前:北極星 :2004/07/24(土) 21:02
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第7走者」
「はぁ……はぁ……は。あのバカ犬、もうついてこないニダか?」
草原に膝をつき、カンコ君は呻きました。
イーグルはさすがに追跡を諦めたようで、膝丈の草に覆われた大草原にカンコ君は
一人ぼっちでした。
「ここはどこニダか?」
どうやらアメリカのようですが、彼には土地勘がないのです。左右前後どちらに
進めばよいのか判りかねました。
「まあいいニダ。適当に歩けば誰かに会うニダし、それに大西池横断の定期船に
乗せてもらえばいきなりユーロ街にひとっ飛びニダ。ニダハハハハ……。楽チンで
フラメンコ先生に宿題を届けられるニダ!」
手には封筒。死に物狂いで泳いでいる間も手離さなかったのです。
「アリラリラン、アリラリラン、アリラリラン――♪」
ご機嫌でカンコ君は草原を行進しました。気分屋の彼にとって、目まぐるしい転変は
それほどこたえることではありません。まるきりピクニック気分でした。
しかし――。
「ニダ?」
彼は異変に気づきました。
草原の緑はしだいに少なくなり、周囲は岩だらけの荒地になりつつあるのです。
サボテンの根元で茶褐色のトカゲがじっとしています。
空を白黒の巨大な鳥が横切っていきました。
「ひょっとして、あれがコンドルニダか?」
悪い予感が猛烈にします。引き返せ、と本能が警鐘を鳴らしました。
「ニダ……」
カンコ君は背後を振り返りました。
果てしない地平線が天地のかぎり広がっています。
ここまで来たのに引き返すニダか――。
「ええい、きっと人間のいるところに出るニダッ! もうすぐハセヨ!」
頭をつよく振って迷いを断ちきると、カンコ君は荒地へ突進したのでした。
………………………………。
「アイ……ゴ〜〜〜…………」
力なくカンコ君はつぶやきました。
周囲は見渡すかぎり赤褐色の荒地。岩とサボテン、暴力的に脳天を乱打する太陽。
アメリカの地理に無知な彼は、メキシコ砂漠に迷い込んでいたのでした。
どうっ。
ついにカンコ君は倒れました。
(次の走者に続く)
- 64 名前:更科うどん ◆/WMtRnlQ :2004/07/24(土) 21:06
- Λ_Λ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<丶`∀´>< 逝くニダよ? ウリ逝っちゃうニダよ?
_φ___⊂)_ \_______________
/旦/三/ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 盛岡 冷麺 |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 65 名前:更科うどん ◆/WMtRnlQ :2004/07/24(土) 21:25
- 「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第8走者」
乾いた太陽。
もうもうとけぶる砂埃。
その中を行くは、そう! 子供達のヒーロー、謎のマスクマンことメヒコ君です。
今日の試合も完勝。ファイトマネーを手に、孤児院でお腹をすかせて
待っているみんなの為に家路を急ぐメヒコ君。
ふと、この砂だらけの土地には珍しい人の気配に気付いて立ち止まります。
そして揺らめく大気の中からふらりと現われた、見覚えのあるあのエラは……、
ハバネロにも負けない辛苦…ちがった。真紅に染まったあの顔は……、
「あれ? えーと…、カンコ君? でもなんか縮んでない?」
「………ニ、ニダ………しゃ………謝罪汁…………」
砂漠を彷徨い、当社比4分の1に圧縮されたカンコ君。
その言葉を最後に今度こそ本当に力尽き、
まるで朽木が倒れるように、その場に倒れ臥すのでアリマシタ。
「わあ! カンコ君!? カンコくーん!!!!」
(次の人に続く)
- 66 名前:北極星 :2004/07/24(土) 21:27
- 次、いただきます。
またもう少し時間をください。
- 67 名前:北極星 :2004/07/24(土) 22:19
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第9走者」
…………………………。
長い時が経過したように思いました。
あるいは一瞬目をつぶっただけとも。
スイッチを切られたように、カンコ君の時間間隔は途切れたのです。
どぼどぼどぼ……。
水筒の水をかけられて、カンコ君は目覚めました。
「ニダッ!?」
毛布をはねのけて、彼は跳ねおきました。
「あ、起きたネ」
「元気そうね。まずは良かったわ」
狭いコテージの中。
青年と少女がカンコ君の顔を覗きこみました。
「こっ、ここは……どこニダか!?」
「南米町さ。あんな軽装でメキシコ砂漠に入っちゃダメだよ〜。あそこは火星と
大差ないんだからサ」
浅黒い肌のラテン系の青年が苦笑しました。非常にガタイがよく、彼がいるだけで
コテージは一気に狭くなったような気がします。
「むぐ……。いまは何時ニダか?」
「うん? お昼前だけど」
「まだそのくらいニダか……」
はやくも一生分の波乱万丈を極めつくした気がしますが、朝にアジア町を出発して
から、まだ3時間も経っていないのです。
気を失っていたのも、ほんの数分程度のことでした。
失神とは本人が思うほど時間は経たないものなのです。
カンコ君は、ゆっくりベッドから降りました。
思ったより力強く床を踏みしめることができ、まだ行ける、と思いました。
「ウリは……行くニダ!!」
拳を握りしめ、彼は宣言しました。
「ウリは絶対に、フラメンコ先生に宿題を届けることに決めたニダ。どんなトラブルが
襲いかかってもウリはくじけないニダ!!」
それは真実の誓い、男の叫びでした。
どんな想像を絶するハプニングといえど受けてたつ覚悟を彼は誓ったのでした。
(まだ続きます)
- 68 名前:北極星 :2004/07/24(土) 22:19
- 「ヒュー、なんだか判らないけど立派だね。感心したよ」
メヒコさんが口笛を吹きました。
「でも、どうやってユーロ街に行くんだい? 大西湖の定期便は北米からしか出てない
んだよ?」
「ニダ?」
カンコ君は水を差され、きょとんとしました。
「もう一度メキシコ砂漠を縦断するかい? でも俺はつきあえないな。べつにユーロ
に用はないし」
「ニ、ニダ……」
はやくも決心がくじけそうになったその時、
「私に考えがあるわ」
ポンチョ服の少女が、会話に割ってはいりました。
その少女は黒髪を三つ編みにしていました。肌は南米町の浅黒いものですが、顔つきは
不思議にアジア町の人間と共通するものがありました。
「ペルー! お前も助けてくれたニダか?」
「まあ、ね。あなたをリャマに乗せて運んであげたのは私よ」
ペルーちゃんは老賢人のようにゆっくり話しました。
地球町でも有数の高地に住む彼女は、どうも浮世離れしたところがあります。
「いい? ペルーからボートを貸してあげるから、ポリネシアを経由して、いったん
オーストラリアまで行きなさい。そこから東南アジア町に上陸すれば、あとは歩いてい
けるわ」
「ニダ?」
「ここから、直接ユーロ街に行くのは無理よ。大西湖はけっこう波が荒いのよ? かと
いって定期船にも乗れないし……」
「ニダ?」
「ね、そうしなさい。その線なら私も協力してあげるわ」
「ニダ……」
カンコ君は腕組みして考えこみました。
どうやら今日の自分は、地球町を一周する巡りあわせのようです。
一度来た道を引きかえすのは気がすすみません。それならペルーちゃんの話しに乗って
みるのも悪くないかも……。
「よし、そうするニダ! ペルー! ウリにボートまで案内してほしいハセヨ!!」
カンコ君は外につないであるペルーちゃんのリャマに飛び乗ったのです。
(つぎの走者に続く)
- 69 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/24(土) 22:25
- 書き人!行きます!
- 70 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/24(土) 23:03
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第10走者」
ぽっくりぽっくり。 特有のリズムでラマはゆっくり歩きます。 がしかし、カンコ君がそのリズムに同調する
ことはなかったのでした。
「ペルー、これでは日が暮れてしまうニダ。 もっと早く走れないニカ?」
「走れないことはないよ。」 鷹揚にペルーちゃんは肯定しました。
「では急がせるニダ。 ウリ自慢のKTXなら、とっくについていてもいいころニダ。」
じゃあ、とペルーちゃんがラマのお尻をたたきました。 とたんに、ぱっかぱっかとラマはその歩みを変えました。
「この速さなら、ウリは満足ニダァ。」 ご満悦のカンコ君ですが、あることに気がつきました。 「ペルー、お尻が
痛いニダ。ウリはとってもとってもデリケートハセヨ!」
じゃあ、とペルーちゃんは、ラマの肩を叩き、そのリズムはぽっくりぽっくりに戻りました。
やがてラマは、船着場につきました。 ところが・・・
「ボートはどこハセヨ?」
「あれ。」 ペルーちゃんが指差したのはスワンボートでした。 「じゃあね。 あとは自力でがんばって。」
「スワンボートでいけるはずがないニダ! 謝罪とエンジン付ボートを要求する!」
「いいけど、高いわよ。」
「スワンボートでいいニダ。 ウリはとっても感謝しているニダ。」
「そ。」
ということで、スワンボートをこぎこぎするカンコ君、努力が報われたのか、とっても大きな橋が見えてきました。
パラ雄君ちのあの橋です。
「ホルホルホルゥ ウリの体力をなめてはいけないニダ!」
しかし、のどの渇きと体の疲れはすでに限界近くにまで来ていました。 ふっと見えたのは大きな椰子の木。 そして
大きく黒い、椰子の実。 カンコ君がこれを見逃すはずはありません。 するすると木にのぼり、カンコ君は椰子の実を
叩き落しました。
「誰だ! うちの家の勝手に入る奴は!」
銛を片手に、怒り心頭のパラ雄君登場です。 その姿におびえたのでしょうか、カンコ君は椰子の木から落ちて
しまいました。
「カンコ君かぁ。 ドロボーは!」
「ウウ、ウリはドロボーではないニダ。 ちょっと椰子の実をもらおうと思っただけニダ。 友人が困っているのだから、
ここは助けてあげるのがアジア町のいいところハセヨ?」
「誰が友人? ここにいるのはドロボーだろ? その実を置いて出てけぇ!」
銛を突きつけられたカンコ君、それでも椰子の実だけはしっかと抱いて、スワンボートへと逃げ出しました。
(次の走者に続く)
- 71 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 23:07
- では次行かせていただきます
- 72 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/24(土) 23:13
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第11走者」
『走り出すカンコへの遠吠え』
時はさかのぼってちょいと前。カンコ君が走り始める頃…
「ベトナー、ちょっとぬるい。」
「あ…」
ニホンちゃんから借りた漫画に読みふけるうちに、いつの間にやら焚き口の
火が小さくなっていました。
慌てて小枝を焚き付けて、火の勢いを大きくします。しかし…
「あちちちちち!…こらっ!大きくしすぎ!程度考えなさい程度!」
湯船の君はなかなかに饒舌にして辛辣です。まあ早い話ワガママなんですけど。
「ご、ごめ…」
日頃のスパルタ教育の賜物、ベトナちゃんは実に従順です。まあ逆らったら
報復は宗主国が裸足で逃げ出す程なんですけどね。
そのとき、
「ァ…ァィゴォォォォ……」
聞いた事のあるような絶叫が随分遠くから聞こえてきました。その瞬間に背後の
藪の中からがさつく音が聞こえ、ホー兄さんが顔を出します。
「大丈夫。こっちに来ない。」
それだけ言うと、何事もなかったかのようにまた藪の中に消えていきます。
『兄さん、あなたは一体何を守ってるの?』
少し疑問に思いましたが、湯船の君のワガママにまたぞろ引っかきまわされ、
暫くもしないうちにそんな疑問は雲散霧消してしまいました…
『ちゅぎの走者に続く』
- 73 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/24(土) 23:23
- えー次漏れ逝きます。久しぶりや…
- 74 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 00:01
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第12走者」
スワンボートで太平池を爆走し、ついにベトナ家の敷地に紛れ込んでしまったカンコ君。
「ハア、ハア… ここはどこニダ? 今度は木ばっかりで右も左も分からないニダ…」
うっそうと茂る森の中。人っ子一人いません。なんとなくいつか来たことがあるような気がします。
頭上ではぎゃあぎゃあと鳥の鳴き声がします。カンコ君のおなかもククウ、と鳴りました。
「やっぱりあの椰子の実1つだけじゃ足りなかったニダ。おなかすいたニダ〜」
太平池は地球町内で一番大きい池です。スワンボートで横断するなんてよほどの馬鹿かカンコ君にしかできません。
さすがのカンコ君もかなり体力を消耗していました。もうおなかがペコペコで、幻さえ見えています。
すぐそこの赤い実に手を伸ばすカンコ君。カンコ君カンコ君、それはドクガエルですよ。
と、そのときです。
ワン!!
カンコ君はとっさに顔を上げました。ポシンタン!! ポシンタン!!!
「ニダああああああああああああああああああ!!!!!!!」
恐るべし生存本能。ポシンタンの声のするほうへカンコ君まっしぐら!
「どこニダポシンターン!! ウリに食わせるニダーーーーーーーーーっ!!!」
ぼそっ。
「キャアアアアアアアアアアああああああああああああ!!!!!!」
ばこぉっ!!
光のあるところへ出たカンコ君、顔面に桶がクリーンヒット!
なんとそこはベトナちゃん家の風呂場だったのです!
そこへベトナちゃんととママンの声を聞きつけたホーチミン君が登場。
「あっ、こいつまたきやがったな!! 今度という今度は許さないぞ!!」
「アイゴーーーーーーーーーーーーーーーーーっ! ポシンターーーーーーーーーーーーーン!!!」
(次の走者に続く)
- 75 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 00:20
- ……あのぉ、私も、行ってもいいですか?
行っちゃいますよ?
- 76 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 00:31
-
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第13走者〜時系列?ケンチャナヨ〜」
喧騒と雑音の塊のようなアイツが走り去ってから随分経つ。時間にして1〜2時間か。
アイツを追いかけて、イーグルは一体何処までいったんだろう。
まぁ、アイツと違ってイーグルが人様に迷惑を掛けるようなことは無いだろうから、
別に心配はしていないけどな。晩飯の時間になれば勝手に帰ってくるだろう。
一方、俺はというと、相変わらず太平池に釣り糸をたらしていた。
じりじりと照りつける太陽が、玉のような汗の浮ぶ俺の肌を更に赤く染め上げていく。
麦藁帽子に覆われた頭部まで、俺の体を伝ってその熱が伝わってくるようだ。
時折柔らかな池風に幾分か涼しさを感じることも出来るが、それも気休め程度。
このままでは、晴れ渡る夏空に、少々理不尽で不毛な八つ当たりすらしてしまいそうだった。
今のところ当たりが全く無いことも、俺の苛立ちに拍車を掛けている。
こんな時、マカオか誰かが連れいれば愚痴の一つも零せるのだが、生憎と今日は俺一人。
家を出る前に電話をして誘ってみたのだが、留守なのかだれも出なかった。
「……あー、だめだだめだ!」
さすがに集中力の切れた俺は釣竿を担ぎバケツを手に持つと、ひとまず場所を変えることにした。
適当に池のほとりを廻り、別のポイント……特に日陰になる所を探す。
鯨が増えたせいかなぁ、じゃあ姉さんにもうちょっと頑張ってもらわないとなぁ、などと当たりが
無かった原因を分析しながらぶらぶら歩いていると、視界に見知った人影が入ってきた。
考えるよりも早く、俺は大声を出していた。
「おーい! チョゴリー!」
- 77 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 00:33
-
と、相手も俺に気付いたようで、手を振りながら小走りで俺の元に近づいてくる。
軽く肩で息をしている所を見ると、何やら急いでいる用事があるのかもしれない。
そう思って、俺が口を開きかけたところ、
「ウヨ君、オッパ見なかったニカ?」
何か言う前にチョゴリは俺を見上げながら、問い掛けてきた。胸に手提げ鞄を大事そうに抱えて。
「ああ……見たことは見たけど……結構前の話だぜ?」
「そうニカ……カムサハムニダ」
疲れたような表情のチョゴリは礼もそこそこに、さっき走っていた沿道に戻ろうとする。
「あ、おい待てよチョゴリ」
「え、な、何ニカ?」
びくりと立ち止まり振り返るチョゴリに、ちょっとかまを掛けてみる。
「なぁ、それ、宿題だろ?」
「な、何を言うニダ!オ、オッパがそんなドジするわけないニダ!ウヨ君失礼ニダ!反省しる!」
チョゴリは顔を真っ赤にして、右手をブンブン振り回す。
……そのあからさまに「図星〜」なリアクションで言っても、全然説得力無いんだけどな。それに、
「俺、宿題、って言っただけだぜ? カンコのかどうかなんて聞いてないぞ」
途端に、チョゴリはストップモーションが掛かったように動かなくなった。
やがて上げたままだった右手をゆらりと膝の前に落としながら、項垂れてしまう。
……やりすぎたかな。
「……ちょっと付き合えよ」
俺はチョゴリの鞄を持ってない右の手首を掴んで、歩き始めた。
チョゴリは一瞬躊躇うような抵抗を見せたが、諦めたのか黙って俺についてくる。
- 78 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 00:36
-
程よく二人分の木陰があるポイントを見つけ、その辺の岩の上に腰を下ろす。
俺は再び竿を準備するとフライをポイントに投げ込んだ――チョゴリに当たらないように注意して。
竿を固定すると、チョゴリに並んで座って、
「お前さ、兄貴に甘すぎんだよ。甘やかしていい事なんて一つも無いさ。何度も同じ事繰り返すだけ」
「……」
「それに、お前にだって結構な負担だろ? これから先もずっとアイツの面倒見るつもりか?」
「……」
「ちょっとくらい、厳しい目にあったほうがアイツのためだと思うぜ?」
「……」
「……」
俺は言いたい事言ってしまったので、黙ってルアーの動きを見つめることにした。
チョゴリはチョゴリで何を考えているのか膝の上に視線を落したまま、何も話さない。
俺達が生み出す沈黙の間隙をついて、蝉の鳴き声がほとりの林で木霊した。
当たりはまだ来ない。
- 79 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 00:39
-
……と、
「……ダメニダヨ」
「え?」
「やっぱりオッパは、かっこよくなきゃダメニダ」
気がつけば、チョゴリはもう立ち上がっていて、
夏の太陽にも負けないくらいの眩しい笑顔で、俺を見下ろしていた。
「オッパのためなら、ウリは何でもするニダ……だって……オッパは、ウリのヒーローニダからね!」
一瞬、何言ってんだこいつは、と思ったが、こうも晴れやかな顔で言い切られると、もうどうでも
よくなってくる。
「ああ、そうかよ。じゃ、勝手にしな」
意識的に少々ぶっきらぼうな言い方をした。そうしないと、知らず知らず俺も笑顔を返してしまい
そうだったから。この兄妹に負けたような気になりそうだったから。
そんな思いを知ってか知らずか、顔を背けた俺に、
「ウヨ君……さっきの話、ウリ達のこと心配したから、してくれたニダネ?」
「買い被んなよ。それよりほらっ、その荷物早く届けてやれよ」
チョゴリの方は見ずに、俺は手をヒラヒラさせた。
ぺこりと頭を下げた気配を残して、チョゴリはパタパタ走っていく。
その足音が蝉の声より小さくなって、俺はチョゴリの去って行った方に視線を向けた。
もう、チョゴリの姿は無かった。
ついでに、チョゴリと会う前のイライラもどこかにすっ飛んで行ったらしい。
無駄だが、それなりに有意義な時間を過ごせたようだ。
「……さぁてと……」
俺は、腰の座りを整え――今日初めてのあたりに慌てて竿を握ったのだった。
(次の走者に続く)
- 80 名前:弓式 ◆QaokVnQg :2004/07/25(日) 00:46
- (;´Д`)ハァハァ つ、次逝きます。ウッ
- 81 名前:弓式 ◆QaokVnQg :2004/07/25(日) 01:12
-
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第14走者」
ここはニホン池の中、あのウヨ君のちょうど下当たりです。
キッチョムお手製、不審船ver潜水艦タイプが航行しておりました。
「ウリナラの晩ご飯を抜いて作ったこの最新型不審船ニダー。さすが、チュウゴ家の技術ニダ。
どんなとこでも楽々進入、楽々のぞき見できるニダ。」
そう言うとキッチョム君は潜望鏡を見ました。
実はキッチョム君、チュウゴ君からお駄賃を貰うかわりに、ウヨ君の弱みを握って欲しいと頼まれたのです。
この潜水艦もそのためにチュウゴ君がくれました。いくら暑い日でも自動販売機から冷たい飲み物は買わず、公園の水で済ます、守銭奴のチュウゴ君。
しかし、目的のためにはお金をドバッと使う漢であります。
「ん?ウヨと一緒にいるのはチョゴリニダか?うわ・・・いちゃついてるニダ。ウヨはいいニダねー。
いつも女の子に囲まれて、大体、一緒にいるのがラスカとタイワンとブータンとニホン・・・なんかむかついてきたニダ。
ウ、ウリナラの恨の魂が沸々と・・・沸々と・・・・あ、あ、あ、アイゴーー!!」
どうやら、むさ苦しい潜水艦生活で相当ストレスが溜まっていたようです。キッチョム君。
ガラスで守られたボタンに手をかけると、
ガンという音を立てて、一気にガラスをぶち破り中ボタンを押しました。
上に注意書きが有ります。
「もしもの時に使ってね。原子が分裂したりする花火。」
ってこれはあれですね。ヤバイです。地球町が無くなってしまうかもしれません。
「ウ、ウリナラマンセー!モテル男なんて大嫌いニダ!」
ああ、その言葉にははげしく同意しますが、そんなんで地球町が滅びて欲しくありません。
が、世の中には救世主がいるもの、何故か、空から飛んできたカンコ君が潜水艦をぶち破って、キッチョム君の手にダイレクヒット。
兵器格納庫ごと、潜水艦は壊れてしまいました。
うーん。世の中って都合良い。
「ってなんでキッチョムが釣れるんだ?」
ウヨ君は不思議そうに首を傾げました。
[次の走者に続く]
- 82 名前:更科うどん ◆/WMtRnlQ :2004/07/25(日) 01:26
- んでは、この辺で箸休めをひとつ。
- 83 名前:更科うどん ◆/WMtRnlQ :2004/07/25(日) 01:33
- 「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第15走者」
いんたあみっしょん:
パラ「カンコ君? 来たよ。なんか、ヤシの実取られた」
オジ「はあ、そうダスか(ちっ、一歩遅かったダス)」
パラ「この大騒ぎは何なのもう! オージー君なにか知ってる?」
オジ「もういいダス。ここは中継切られて……ハア、どうせワスはこういう役回りで……」
パラ「? ところで、あのさ…なんだいその鼻に詰めたティッシュは」
オジ「………子供の事情ってやつダス。突っ込まんでくれると助かるダス」
パラ「??? …そう。じゃ、いいよ」
オジ「―――太平池は今日も綺麗ダスな………」
パラ「―――キレイだねぇ………」
オジ「……………。」
パラ「……………。」
(次の走者に続く)
- 84 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 01:42
- 3回目の突撃開始!各員スタンバッておけ!
- 85 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 02:11
- 夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第16走者」
「こんなとこでナニをしてるんだ? そういえばチョゴリが探してたぞ?」
「うるさいニダ。 ウリは痩せても枯れてもニッテイの世話にはならないニダ!」
とまあ、こんな捨てセリフを残して、カンコ君はニホン池を飛び出しました。 向かうはユーロ街、まだまだ遠くです。
ウリナラドーピングしか手はありません。 そこでカンコ君は家に戻り、キムチ分の補充を開始しました。
「これがあれば、ウリは超人ニダ。 いまならほうれん草でパワーアップする船乗りにも勝てるニダ!」
あたりに赤い汁を飛ばし、キムチをむさぼるカンコ君。 誰が掃除するんだろう? という疑問を残し、カンコ君は
再び侵攻・・・ではなく、行動を開始しました。
「また来たのか? こりねぇ奴だなぁ」 ベトナ家にまっしぐら、カンコ君がやってきます。 ホーチミン君、
今度は容赦しないようです。 急ごしらえのバンジステーク、泥田と化した庭。 抜かりなく用意したトラップの
数々がカンコ君を待ちうけます。
しかし・・・
「ウりの前進を邪魔することはできないニダァ!」 キムチ分を補充したカンコ君、まさに星をとった配管工です。
泥田を駆け抜け、バンジステークを飛び越え、あらゆる障害物を破壊して、カンコ君は突き進んできます。
「なかなかやるな。 だが、ここは通さん。」 立ちはだかるホーチミン君。 文字通り体を張って止める心意気です。
「覚悟しろ、我が家の天敵!」
「無駄ニダ 無駄ニダ 無駄ニダァァァ。」 必死で抵抗するホーチミン君をネリチャギ一発で、KOし、カンコ君は
ベトナ家を突破しました。
「大丈夫、お兄ちゃん? ケガしていない?」 ベトナちゃんが、傷ついたホーチミン君のそばによります。 うるわしきは
兄弟愛。
「たいしたことないさ。 それより、あのバカはどこへ行った?」
絆創膏をそっと貼り付けつけながら、ベトナちゃんは答えました。
「右に曲がっていったけど・・・あの立て札、おかしくない?」
「そうか、最後のトラップだけは、成功したんだな。」
やがてホーチミン君は立ち上がり、片付け始めました。
<次の方、お願いします>
- 86 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 02:17
- そんじゃ行きまーす!
- 87 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 02:23
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第17走者」
今日も今日とてブータンちゃん。ニホンちゃんちとかみたくお風呂は
おうちに常備されていないので、夜も深くなった頃、川原で水浴びしています。
月の光に照らされて、いたいけな体は水面に舞っています。
夏の間だけ許されるこの開放感。目覚めの季節の乙女の秘め事。BGMは
バングルスですかね?
いわゆるあれです、マニアの間で妖精呼ばわりされるシチュですな。
目一杯開放感を味わった後、岸に戻って衣服を手繰り寄せたとき、山の斜面を
物凄い勢いで駆け下りてくる二つの黒い影。
近くに来なかったから確かめる術もありませんが、先行するはチンクシャな人影、
後続は優雅な曲線美を持つ肉食獣…まあ、トラですわ。
水の滴る体の前だけ隠して、ブータンちゃんはそのおっかけっこを眺めます。
あれは、どこかで見たことあるようなないような…
「ま、いっか…」
考えるのをやめておうちに帰ることにしました。
夜空には満天の星。そして月影に踊る少女がひとり。
[後続よ、ピンクタイムは任せたw]
- 88 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 03:12
- えー、皆さん力尽きたようなのでいったん放送終了と致します。
再開は希望者が今までと同じ流れで申し出してください。
ソレデハ再開まで下の画像をお楽しみくださいw
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725030327.png
- 89 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 03:25
- 次漏れ逝きます…
- 90 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 03:26
- 18走者、ゼロ・・・
逝きます。
- 91 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 03:27
- お?w
どうしよう
- 92 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 03:27
- かぶっちゃったので、黄鉄鉱さんどうぞ。
- 93 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 03:46
- うひー。すみませんです。
「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第18走者」
『ラッシー飲まない?』
「アイゴーーーー! なじぇこんなことになるニダ〜!!」
ブータンちゃん家の敷地内で巨大なネコ科動物を拾ってきてしまったわれらがカンコ君。
いくらなんでもこれはポシンタンにはなりません。下手するとこっちがユッケにされてしまいます。
ひたすら逃げて逃げて逃げて… 気がつくとちょっとした市場に出ていました。
振り返ると例の虎の姿は見当たりません。
「やっと諦めてくれたニダか…」
ほっと一息ついたカンコ君は、そこのベンチにどっかと腰を下ろし…
ぐるるるるるるるるるるるるるる………………
「アイゴーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
さっきのネコ科動物がカンコ君のお尻の下から猛然と立ち上がったのです! カンコ君大ピンチ!
そ、そのときです。 シュンッ!
風のように何かが駆け抜けていったかと思うと、虎の首から鮮血が噴きだしました。
そして虎はそのまま打っ倒れてしまったのです。
(ごめんです、次つづきます)
- 94 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 04:10
- しばしの静寂。カンコ君はあまりのことに放心状態。
倒れた虎の向こうには、一人の少年が短剣を両手に立っていました。
「カンコ君、大丈夫?」
少年がくるりと振り向きました。イン堂君です。カンコ君はその場にへなへなと崩れ落ちてしまいました。
「助かったニダ、危うくユッケにされるところだったニダ…」
「あはは、僕がいなかったらそうだったろうね。」
イン堂君が手に持ったカラリパヤットの短剣をくるくると回してみせました。
カンコ君、珍しくまともに感動しています。いきなりイン堂君の胸倉を捕まえて、まくし立てました。
「カムサハムニダ。カンコ家は恩を忘れない家系ニダ。このお礼は必ずするニダ。」
「いいよそんなお礼なんて。…あ、そうだ」
「…何ニカ?」
イン堂君、何を思ったのか、急に目が流し目です。
「ねえ、カンコ君。…そのお礼といっちゃなんだけど、……僕の「ラッシー」飲まない?」
「??」
………………………
………………………
「アーーーーーイゴーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!! ウリはそんな趣味ないニダーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「あっ、カンコ君!」
大量の涙と鼻水とキムチ汁を撒き散らしながら走り去るカンコ君を見送りながら、イン堂君がぽつりとつぶやきました。
「はじめて自分でラッシー作ったから、飲んでもらおうと思ってたのに…」
(次の走者にバトンタッチw)
- 95 名前:北極星 :2004/07/25(日) 04:38
- バトンを引き継ぎます。
- 96 名前:北極星 :2004/07/25(日) 04:49
- ビー玉さんの作品でしばらくお待ちください…
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725044242.gif
- 97 名前:北極星 :2004/07/25(日) 05:29
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第19走者」
「何だかウリは追いかけられてばかりいるニダ……」
這々の態でチベット山嶺を駆けおりて、カンコ君はぐったりしました。
さすがの彼も疲れ果て、しばしへたばって喘ぎました。
行く先々で何者かの悪意が待ちうけてるような気がしました。
と――。
「ニダ……?」
涼しい風が彼の頬をなでました。
いつのまにか平地の広い道にでています。アスファルトで舗装はされていませんが、
無数の人々の往来で砂をしっかり踏み固められた歴史ある大道なのです。
左手は虎から逃げまくったチベット山嶺、そして右手には芝生程度の草で覆われた
草原がどこまでも広がっています。
はるかかなたに屏風のように高い山々が連なっていました。
その頂点は万年雪をいただき、そこから吹きおろす風がカンコ君を蘇生させました。
「ここは――シルクロードニダ!」
町道1号線、シルクロード。古くから地球町の東西を結ぶ大動脈です。
この道をまっすぐ行けばユーロ街に着けます。
カンコ君は目の前の暗幕が取り払われた気分になりました。
「ヤッホーー! ウリナラマンセーー!!」
カンコ君は眺めは良いが埃っぽいシルクロードを駈けだしました。
通過するのはアフガン、イラン、イラクにトルコ、そしてギリシアで念願のユーロ
に入るのです。
まだまだ先は長いのですが、彼は一時の旅の歓びに夢中なのでした。
さてその頃、カンコ君の目的地であるユーロ街では――。
(つぎの走者につづく)
- 98 名前:どぜう :2004/07/25(日) 05:31
- むう、次はウリが行きますニダ。
シチュとか前後するかもしれないけどケンチャナヨ。
- 99 名前:どぜう :2004/07/25(日) 05:56
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第20走者」
その1
昨日の晩から走り続けているカンコ君、
流石に脚はふらふら、目の前も暗く霞みます。
「ウ、ウリは誇り高きミンジョクの末裔ニダ…
なにが目の前に立ちはだかってもケンチャナヨ、じゃなくて、ハァハァ、
乗り越えていかねばならない使命を持ってるニダ…」
そこいらから拾ってきた棒切れを杖代わりに、遅々と歩みを続けます。
と、道路の片隅にぽつんと置かれたダンボール箱を発見。
「ニダ?」
生来いじきた…もとい、物を大事にするカンコ君。
ふらふらと見入られたようにそのダンボール箱に近づいていきました。
「なにか、なんでもいいニダ、辛ラーメンでも、ペペロ一箱でも…
出来ればペプシか、それも駄目ならメッコールでも…」
半泣きの声と震える手でかぱっと箱を開けたカンコ君。
「にゃー、にゃー」
中には捨て猫が一匹入っているだけでした。
「……食いもんニカ?」首をかしげて猫に話しかけるカンコ君。
「にゃ…?」
自分に向けられた殺気(と云うか食欲と云うか)を感じとったのか、少し怯える子猫たん。
(続く)
- 100 名前:どぜう :2004/07/25(日) 05:57
- その2
「…くっ…!」きりきりと歯ぎしりをしたカンコ君。
「つまらないもんに関わってる暇はないニダ!時間の無駄ニダ!」
プリプリと怒りながら走り去ってしまいました。
「にゃあー?にゃーあ」
走り去っていくカンコ君を残念そうに見送る子猫一匹。
「ふう、ふう」
町外れの山あいの道を一人走るカンコ君。
けれども運命の女神様はそう簡単にカンコ君には微笑んではくれないのでした。
さあああああああああ…
「雨ニダ…」
いつになく悲壮な表情で天を仰ぐカンコ君。
容赦なく雨がカンコ君を打ち据えます。
「…しかし聡明なウリはこんな事もあろうかと、
お出かけアイテムは万全の準備をしていたニダ!!」
ばっ!と背中のナップザックから折り畳み傘を取り出しまして、
ぱぱっと開いておつかい再開です。
ざああああああ…ざあああああああああ…
雨足は強くなるばかりです、
とぼとぼと山道を走り続けるカンコ君の表情も曇り気味。
徐々に駆け足は遅くなり、やがて立ち止まってしまいました。
「…」
雨の中立ち尽くすカンコ君。
「…っ!」
不意に今来た道を引き返していきます。
ずるっ!
「!」
舗装されていない山道に足をとられ、べしゃっ、と地面に尻餅をつくカンコ君。
「…アイゴー」力なくそう呟くと、また立ち上がり、駆け出し始めました。
(まだ続く)
- 101 名前:どぜう :2004/07/25(日) 05:57
- その3
結局ふもとまで下りてきてしまったカンコ君、
道を確かめるように、今来た道を引き返していきます。
「…!…こっちニダ」
そして、カンコ君は何かを見つけたようでした。
「にゃー、にゃー」あの子猫です。
「ったく…お前はもう捨てられたんだから、
一人でちゃんと生きてかなきゃならないニダ、聞いてるニカ?バカ猫?」
「にゃー」聞いちゃいません、猫なんだから当たり前です。
「…ウリはよくよく考えたら池に落ちたりして、十分びしょびしょニダ。
今更雨を心配するこっちゃないニダ」
と、独り言のようにつぶやきながら、
「要するに、その、この傘はウリには無用の長物ニダ、
ここで捨ててってもじぇんじぇん問題ないニダ」
と、ダンボール箱に傘を立てかけたカンコ君。
「…にゃー」
くりくりとカンコ君の手に頭を押しつける子猫。
「この猫…やっぱりバカ猫ニダ…」
ニダリと笑ったカンコ君、気合いを入れるように立ち上がると、
脇に封筒を抱えて再び走り出したのでした。
「にゃー」
背中に子猫一匹の声援を受けて。
(次の走者よろしくw)
- 102 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 06:11
- 告ぎ、私ガ行きましょう。
ゼロ、逝きます。
- 103 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 06:13
- 「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第21走者」
その一
カンコ君は走っていた・・・
「ハナ、トゥル、ハナ、トゥル(1、2、1、2)・・・」
もちろん、夢中で走っているせいか、ここが何処かわからない。
カンコ君は、ヒュンダイのマークが入っている封筒を小脇に抱えて走り続けた。
そのとき、一台のジープがカンコ君の後ろから踊り出てきた!!秘密結社ソーレン
のマークが書いており、幹部らしき人物が2人現れた。
幹部1「秘密結社ソーレンニダ。カンコ君、その封筒を渡すニダ!」
幹部2「渡さないと痛い目に合うニダ!覚悟しる!」
幹部たちは、懐から、拳銃を取り出して、カンコ君に突き出した!もちろん、カンコ君
は、ひるまず走り続けた。
カンコ「ウリは、このときのために取って置きの秘密兵器を用意したニダ。出るハセ
ヨ!ウリナラ技術の結晶、キムチモン!!」
キムチモン「ワレラハキムチモン。ヒサシブリノトウジョウニダ。」
- 104 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 06:14
- 「夏のニホンちゃん祭り「となりのニホンちゃん」第21走者」
其の二
しかし、キムチモンたちは、あっさりとソーレン幹部たちにやられてしまった。
キムチモン「アイゴー!!」
幹部1「ニダニダニダ・・・こっちは怪人を呼ぶニダ。出るニダ!韓流(はんりゅう)
男!カンコ君をメタメタにするニダ!」
韓流男「解りましたニダ。カンコ君に冬ソナを売りつけるニダ。」
韓流男は、超スピードでカンコ君に追いつき、DVDを売りつけようとした。
カンコ「これは、ニホンの策略ニダ!ニホンはウリたちを使って大儲けしようとして
いるニダ。ニホンは謝罪と賠償を・・・(略)」
そのとき・・・何処からともなく、一人の人物があらわれた・・・
?「プリティラスカ見参!!あなたのハートに逝ってよし!!久しぶりの登場なんで、
がんがん逝くよー!!」
何と、現れたのは、魔法少女プリティラスカだったのです。韓流男は一瞬たじろぎま
したが、すかさず攻撃に移りました。しかし、プリティラスカには効きません。
プリティラスカ「アイスエッジファイナルイリュージョンスペシャル!!!」
韓流男「アイゴー!!」
韓流男は何処か遠くに飛ばされてしまいました。
プリティラスカ「これで大丈夫。さぁ、カンコおにいちゃん、走るのを・・・ってあれぇ。」
カンコ君の姿は何処にもありませんでした。彼は、何処までも続くであろう道を走り続
けるのを再開していました。刻一刻と迫る時刻まで・・・
- 105 名前:ゼロ ◆rWKtkPz. :2004/07/25(日) 06:15
- これで私の書き込みを終わります。
次の走者の人よろしくお願いします、
- 106 名前:北極星 :2004/07/25(日) 06:33
- 次行きます。
開始から12時間経過です。
- 107 名前:北極星 :2004/07/25(日) 07:17
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第22走者」
カンコ君は仔猫を助け、プリティラスカに助けられてシルクロードをひた走りました。
どんどん旅程がはかどります。
このペースならいっきに中央アジアを走りぬけるかも――。
「マンセー! ウリナラマンセーニダ!」
さて、その頃――。
メゾン・イベリア。
ユーロ街の西のかたピレネー坂を登りきったところに聳える宏壮なアパート。
屋根はオレンジ色、壁はクリーム色の南欧風で強い日光によく映えます。
中央の中庭(パティオ)に無数の鉢植えがたれさがり、ソラーナとよばれるバルコニーからは広大な
大西湖が一望に見おろせます。
このアパートは、ユーロでもっとも眺めのよい土地にあるのでした。
魔窟のごとき洋室に昼すぎの陽光がさしこみました。
埃の舞う瀟洒なインテリア。それはスペイン・バロック様式とスペイン・ロココ様式の混合であり、
壁には額縁いりの古写真がかけられています。
広大な室内に無数の人々がころがっていました。
年齢も風体もさまざまです。
二十代後半の女性に女子高生くらいの少女、二十前後の男性、三十がらみのむさい大男、頭の軽そう
な青年に白髪の老人、双子の幼児まで。
そして、その全員が酔いつぶれているのです。
灼けつくような甘ったるい酒気、テーブルに林立した酒瓶。
そして、ゴミだらけの室内。
ここ半年まったく掃除をしていないため地獄のごとき様相を呈しつつあり、床も見えません。
おもいきり世も末でした。
- 108 名前:北極星 :2004/07/25(日) 07:17
- ――と。
痩せぎすの少女が、年齢不相応に伸びすぎた長い手足をもてあまして、のろのろとベッドに起きあが
りました。
「うっ、くあ……。いま何時だろ」
時計をさがして、バスクさんは部屋を見まわしました。
メゾン・イベリアの住人全部をあつめて、飲めや歌えの乱痴気騒ぎをはじめたのは昨日の夜のことです。
バスクさんはまっさきに酔い潰れて寝てしまったのですが、大宴会は明け方までえんえんとつづいた
ようです。
部屋の片隅で、カラオケマイクをにぎりしめたポルとガルが抱きあって眠っています。失業保険でく
いつなぐジブラルタルさんとフリーターのロセリョンさんはかさなって昏倒し、二人の足で踏みつけ
られた浪人生のアンドラさんが呻いています。
「アネキは……?」
「すうすう」
そのとき、足元から涼しい寝息が聞こえてきました。
目をやると――。
絶世の美女がシーツをまとって丸まっていました。
戦いの女神のような凛とした美貌に、誰しも目を奪われる見事な肢体。
華奢な体型に似あわず豊かなバストが白のシーツを生地いっぱいに盛りあげて、美しい曲線が細いウエ
ストへつづいています。
「すうすう」
寝相悪くブランケットをはね飛ばし、長い脚を投げだしています。
彫刻のように端整なマスクは幼児のようにあどけない眠りをむさぼり、横ざまに枕をかかえながら、絶
世の美女は寝息をたてるのでした。
「まったく、いい気で寝てるよな。ポルとガルにまで酒飲ませて……」
姉の美貌にみとれていた自分にふと気づくと、バスクさんは無性にくやしくなり、姉の頬を引っぱって
みました。
けっこう伸びます。
「あはははは、ヘンな顔だ」
ぴんぽーん。
そのとき、玄関のチャイムが鳴りました。
「フラメンコ先生〜〜」
春風のようなソプラノが聞こえてきました。
「フラメンコ先生、いらっしゃいませんか? いっしょに花火大会に行きませんか〜? ほら、とって
もいいお天気ですよ?」
「はーい、ちょっと待っててください!」
バスクさんは玄関のドアを開けました。
「あら、バスクさん。あけましておめでとうございます」
浴衣姿のハプスブルク先生がぴょこんと頭をさげました。
- 109 名前:北極星 :2004/07/25(日) 07:18
- 「…………」
「あら? お休み中でした?」
「あー……。ハプ先生」
バスクさんは目頭をもみました。
「はい?」
「なに? その格好」
「浴衣ですわ。花火大会といったら浴衣にきまってますから」
ハプスブルク先生は、嬉しそうにくるりと一回転しました。
濃紺に白絣の浴衣にピンクの絞りの帯。
黒漆ぬりした桐の下駄に縮緬の手提げ袋をもち、髪まで高く結い上げていました。
「きまってたっけ」
「きまってるんですよ! ウヨ君に――あ、わたしの生徒です。とっても可愛いんですよ!――訊いて
みたら、夏はぜったいに浴衣なんだ、って力説されましたから」
「ふーん……」
「どうです? にあいます?」
「うん、にあうにあう。すごくいいと思うよ」
「へっへー」
ハプスブルク先生は得意満面でした。
彼女は可愛い服が大好きです。音楽大学を中退して地球小学校の先生になったのはつい最近のことであ
り、まだ女子大生気分が抜けません。
「アネキに用なの?」
「はい。花火大会に誘っていただきましたので。
『夏休みは花火見にいくわよ! ハプちゃんも思いっきりおめかししてきなさい。もう男どもを悩殺し
ちゃうようなのね! あはははは』
って……。バスクさんもご一緒にいかがですか?」
「え? ちょ、ちょっと待っててね」
ぐうすか眠りこけている美貌の姉のもとにもどると、渾身の力をこめてゆすりました。
「起きろアネキ! なに自分でした約束忘れてんだよ!」
「くうう」
「起きろってば! ハプ先生もう来てるよ!」
「ん、ん――」
深い睡りから一瞬にしてフラメンコ先生は覚醒しました。まるでスイッチが切り替わったようです。瞼
がぱっと開き、涼しいミッドナイト・ブルーの眼差しがバスクさんを見あげました。
「どうしたの、バスク。姉さんもうすこし寝かせて欲しかったわ……」
低い声がぞくぞくとバスクさんの胸のうちを舐めあげました。この姉の蠱惑的なチャームは油断すると
妹さえ骨抜きにするものがあります。
「お、起きなよ。花火大会いくんだろうが」
「花火? だれが?」
「アネキがだよ! ハプ先生と約束したんだろ!」
「うん?」
フラメンコ先生は、上目で宙を見つめました。
- 110 名前:北極星 :2004/07/25(日) 07:19
- すると――奇妙なことがおこりました。先生の眸の色が、寝ぼけたミッドナイト・ブルーから、鮮やか
なトパーズへ変化したのです。
「そら! 心当たりがあるんじゃないか」
「あら? わかる?」
「わかるさ! だって眼の色がトパーズに変わったじゃないか。それは――『やっべー』と思ってる
証拠だ!」
「やあね。嘘のつけない女だわ」
フラメンコ先生が伸びをすると、白のタンクトップにつつまれた張りのあるバストがバスクさんの目の
前で弾けました。いまさら気づきましたがノーブラで、ちったあ恥を知れ、とバスクさんは思いました。
この先生の最大の特徴はその眸なのです。
普段はヴァイオレット色なのですが、感情の変化によってスカイブルーやエメラルドグリーン、クロム
イエロー、スカーレットとまったく違う色彩にかわるのです。
覗く角度によっても色は変化し、人によって理想の色を見るのかもしれないとバスクさんは考えます。
虹の眸――。
不可解な現象であり、心中バスクさんは畏敬の念さえ抱いているのですが、姉にそんなことをほのめか
したことはありません。ますます増長するにきまっているからです。
「ごめんねハプちゃん。すぐ支度するからちょっと中で待っててくれる?」
「はい。お邪魔いたします」
「あら、かわいい格好してるわね。私も着てみようかしら」
「本当ですか! 日ノ本さんにお願いすれば貸してくれますよ」
「んー、ニホンちゃんのお母さんには目の敵にされてるからやめとくわ」
「え、そうなんですか?」
「そうそう。何が不満なのかしらね? 授業だって週に3、4回しかフケないで真面目にやってるのに」
「ははあ……」
ハプスブルク先生はきょとんとしました。
いろんな意味でこの先輩は想像の外にあります。
その身に染みついた最大の悪徳は《怠惰》でありました。
「でも、花火大会ってどこでやるんだっけ」
「え? セーヌ河ですよ。花火といったらセーヌ河にきまってるじゃありませんか。地球町のひとはみ
んな来てますよ」
「なんか、シュールな世界観ね」
フラメンコ先生は目頭を揉んだのです。
(つぎの走者へバトンタッチ)
- 111 名前:北極星 :2004/07/25(日) 08:24
- ビー玉さんの修正済みイラストでしばらくお待ちください。
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725082043.jpg
- 112 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 09:03
- 仮眠終了。ソレデハ行きます
- 113 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 09:36
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第23走者」
アメリー「おいおいフィリピノ、ほんとに帰っちゃうのか?いいのかな?
ペプシおごったの誰だったかな、ピザ一緒に買い食いしたの誰だったかな?」
フィリピノ「それはそうだけど…パパとママがおうちに帰って来いって煩いんだ。
最近アメリー君に付き合い杉だって。」
アメリー「何言ってんだフィリピノ、俺たち兄弟みたいなもんじゃないか!
親が何だってんだYO!」
借金ノートをちらつかせながらアメリー君ある意味必死です。つい先日
フラメンコ先生もアメリー君に愛想つかして此処を後にしました。
アメリー「ナア兄弟、リズやニホンちゃんを見てみろよ、おにゃのこがあんなに
ガンバッテいっしょにイラクんちを何とかしようとしてるんだぜ?」
フィリピノ「うん………でも………ボク……」
親愛を示すためにがっちり肩を抱くアメリー君、しかしそれは逃がさへんでえ
という意思表示でもあったりなかったり。
フィリピノ君意を決してアメリー君の腕を振り払うとばばっと駆け出します。
フィリピノ「ご……ごめんよーーーうアメリー君!でも僕たち友達だよー!!」
どさくさにえらいこと叫んでますが、振り返る勇気はないんですね、フィリピノ君。
アメリー「さあて、オイタの代償は高いぞフィリピノ…」
らしいといえばらしい不敵な笑みを浮かべ、アメリー君自分の家に引き換えしま…
どてっ
何かに躓いてコケてしまいました。
???「アメリーしゃまあ…タベモノ…」
アメリー「ウ…うわ…誰だお前!」
げしげしと足首をつかむ手を踏みつけます。なんせマジで怖かったので。
黒い塊は小さく「哀号」と呟いた気がしましたが、聞かなかった事にして急いで
おうちに帰ることにしました。
全く、今日は変なものが身の回りにいる日だとひとりごちながら…
どぼ…
アメリー「うわぁぁーー!」」
イラク君の家でそこらじゅうにある落とし穴にハマリながら、今日はもう何も
やらないぞと心に誓うアメリー君でした。
[次の走者に続くニダ!]
- 114 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 10:13
- いいの? 私、いっちゃっていいの?
- 115 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 10:56
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第24走者〜今何時?〜」
「……哀号……」
アメリー君に足蹴にされ、カンコ君は地べたを舐めてさせられていました。
朦朧とする意識の中、空腹に引き摺られるかのように、カンコ君は口内の物質を噛み締めました。
口の中に広がる濃厚なコクとヒリヒリするようなキレのじゃりじゃりとした感触がとっても不快。
「ペペペペペペペペ!」
砂粒をショットガンのように吐き出したカンコ君。
空腹は満たされませんでしたが、意識は辛うじて覚醒しました。
そして、熱を持ち始めた砂上に力強く両手をついて体を起き上がらせます。
「……こんなとこで、ウリは寝ているわけにはいかないニダ!」
そう、己が使命を果たすために! 走れ、カンコ!
……と、その矢先、
目の前に一つの大きな影が落ちました。
何かと思って視線を上げると、すっかり昇ってしまった太陽を背に立ちふさがる人影がありました。 濃い土色の肌、乱れきったぼさぼさの黒髪、痩せ気味な体躯、今も残る無数の傷跡を持った少年。
最近漸く学校に登校し始めたイラク君です。
……ですが、
- 116 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 10:58
-
「ヤァオハヨウカンコクンキミニハトテモカンシャシテイルヨコレカラモヨロシクタノムヨヒトツドモドモ」
「……前から思ってたニダガ……イラク……最近感じが変わったニダね?」
以前のイラク君はいつもムスッと眉間に皺を寄せて、何かにイライラしているような表情でした。
でも、目の前のイラク君は、作り物でもこうはいかないほどの不自然に爽やかな笑顔を振りまいてます。
口ではニッカニカ笑ってるのに、目が無機質なガラス球みたいに表情がないのが、ちょっぴり不気味。
「もしかして……中の人が変わったニカ?」
「ハッハッハナカノヒトナンテイナイヨナニヲイッテルンダイチミィジョウダンモホドホドニスベキドボクハカンガエルネ」
「あ……そ、そうニダね……ニダハハハハ……」
褐色の肌に、ハレーションを起こしそうな程真っ白な歯並びを浮かび上がらせて笑うイラク君。
やっぱり……変です。何て言うか……違和感というか……
「トイウワケナンデスヨハイボクモキョウカラミンナノヨウニヨイコニナレルヨウガンガリマスデスハイ」
「……?」
「ソレニシテモヨカッタヨアメリークンニマケテカレハボクニヘイワヲモタラスタイヨウダ」
「……?」
「ミンシュシュギバンザイセイギノシトアメリーサマバンザイジユウノメガミエリザベスサマバンザイ」
「……イ、イラク一体どうしたニダ!?」
「アパムカヴォロセスパメケ……いおあおv、えうえあヴgじゃmr%&#」
壊れたロボットのように抑揚のない声で言葉を連ねるイラク君。
やがて体を意味もなく左右に揺り動かしながら眼球がレム運動のように回転し始めました。
その口からは判別不能な声だか音だかを発しながら、頭を小刻みに振動させています。
カンコ君の半万年培われた生存本能が最大級の危険信号を発しました。
『キムーチキムーチキムーチ!』
- 117 名前:ナナッシィ :2004/07/25(日) 11:02
-
と、唐突にイラク君の揺れが収まり、項垂れたままピクリとも動かなくなりました。
代わりに、ブツブツと口の中で呪詛のように何事かを繰り返しています。
「……オレハアヤツリニンギョウジャナイオレハアヤツリニンギョウジャナイオレハアヤツリニンギョウジャナイオレハアヤツリニンギョウジャナイ……」
(こ、これはマジでやばいニダ! ここは……逃げるが勝ちニダ!)
カンコ君はイラク君の様子に注意を払いながら、コッソリと逃げようとして……
『シギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
両の眼より闇よりも暗く深い光を発し、イラク君はカンコ君に襲い掛かりました。
『 カプッ 』
(解説:喧嘩に敗れたイラクはアメリー・エリザベスの手によって精神操作を受けた!
だがそれは完璧な物ではなく、時にこのような発作症状を発してしまうのだった!
言わばこれは、アメリー達に対する拒絶反応なのである! 巻き添えになったら大変だ!)
「アイゴーーーーーー!!」
頭にしがみ付きガジガジ噛み付いてくるイラク君を両肩に抱えたまま、大粒の涙を流しながら
疾走するカンコ君。
……彼の去ったその後には、だれもいなくなったシルクロードがただ悠然と伸びているのでした。
(次の人へ続く)
- 118 名前:どぜう :2004/07/25(日) 12:04
- 漏れ行きますー。
- 119 名前:どぜう :2004/07/25(日) 12:33
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第25走者」
その1
口の中に広がる、経験したことのない刺激。
意識が徐々に鮮明になってくる。
目を開く、視界一杯に広がる広野ががくんがくんとゆれていた。
「アアアア、痛い痛い痛いニダああああ、イラク君勘弁してくれニダあ!」
「もが?!」
ありゃ、またやっちまったか。
「お、おう悪い悪い」
「も、元に戻ってくれたニカ?」
よりによってカンコに噛み付いてたのか、俺は。
ききききっ、
勢いを緩め、立ち止まったカンコの頭から口を離す。
…なんか酸っぱいような塩辛いような、妙な刺激の味だった。
奴の肩から下りて、改めて向き合ってみる。
カンコの頭には俺の歯形が2つ3つ…たくさんついていた。
「カムサハムニダ、イラク!」なんでか知らないが感謝された。
「いや、詫びを入れんのはこっちの方だ、なんか知らねえけど、
最近妙に胡乱になるときが多くってな」
「ケ、ケンチャナヨ、ウリもニホンに謝罪を要求すると、時々そうなるニダ」
いっしょにすんなよ。
と、いいかけたが、俺の発作が早めに収まったのも、
コイツの妙な刺激のある血のお蔭かもしれない。そう思って云うのをやめた。
「じゃ、ウリは急がなきゃならないニダ、イラク君、これくらいでさよならニダ」
「へ、なんだ?急いでるのか?」
「そうニダ、今日の21時までに宿題を届けなきゃならないニダ」
「あー、そういや、そんな風にフラメンコに云われてたなあ、お前」
- 120 名前:どぜう :2004/07/25(日) 12:33
- その2
「というわけで、さらばニダ!」しゅたっ!と手を上げて、
別れの挨拶をしようとするカンコの肩を、俺はやんわりと掴んだ。
「どうもお前には迷惑かけちまったようだしなあ、ちょっとツラ貸せや。な?」
「ひ?な、何するニカ?ウリはヒゲは生えてないけど、ノーマルニダよ?」
「安心しな、別にハッテンしようとかそう云うこっちゃねえよ、手助けしてやらあ」
「あ、そ、そうニカ?そうしてくれると有り難いニダ!」
そう云って、俺は秘密の隠れ家に奴を案内した。
「ま、最近ちょっと家でゴタゴタがあって整備は怪しいんだが、これ使えば一発で行けるぜ」
「…こ、こ、こ…」
「くれぐれもアメリーの奴には内緒だぜ?」
「…こ、こ、これは…」
「乗るところはないんで、ちょっとロープで縛らせてもらうな、悪ぃな」
俺の秘蔵の特大ペットボトルミサイルだ。
アメリーのやつに渡すくらいならコイツの手助けに使っちまおう。
俺は手早くカンコをミサイルにくくりつけた。
「ちょ、あ、ウリ、ちょっとトイレに行きたくなってきたニダ…」
「大丈夫だよ、すぐつくから、な?我慢しろ」
「〜〜〜〜〜〜〜!」嬉しがってるようだ。
「じゃあ、行くぜ、カンコ?…3、2、1…発射!!」
ごごごごごごごごおおおおおおおおおおおお!!!!
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
水煙を盛大にたてながら、雲一つない青空に、ペットボトルミサイルと一緒に奴は消えていった。
「ふ、嬉しそうだったなあ、アイツ」
柄でもない人助けに、我ながらくすぐったくなりながら、
俺は秘密の隠れ家を後にした。
「さて、また新しく作り直すか、ロケット」
ずぶ濡れの全身を通り抜けていく風が心地いい。
親父に頼まれた買い物を、早いところ済ませよう。
俺は市場への道を、一路、駆け出した。
(次の人に続く)
- 121 名前:KAMON ◆wzJSYC0I :2004/07/25(日) 13:12
- 次、私行きます!
- 122 名前:KAMON ◆wzJSYC0I :2004/07/25(日) 14:17
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第26走者」
イラク君謹製ペットボトルロケットで飛んでいったカンコ君、
飛んで飛んで(略 回って回って(略 落ちていった先は・・・?
「あいごおおおおおおおおお・・・・・・ ふぎゃ!」
何か硬いものを突き破って墜落。
しかし、オモニの折檻やフラメンコ先生の鉄拳やタイワンちゃんの鉄山靠で鍛えられているカンコ君は、このぐらいではびくともしません。
「ううう・・・ここはどこニダ・・・」
お尻をさすって辺りを見回してみても、なんにも見えません。
どうやら、暗くて狭い・・・箱のようなところです。
体を起こしてみると、天井の蓋が開いて、外が見えました。
外はどんよりと曇り空。見上げるとコウモリが何十匹も飛んでいます。
そして、自分が入っていたところを見てみると・・・
「こ、この形は・・・まさか・・・」
「棺桶ニダああああああああ!」
- 123 名前:KAMON ◆wzJSYC0I :2004/07/25(日) 14:18
- 「ふふふ・・・」
その時、後ろから笑い声が。
「カンコ君・・・ようこそ、東欧町へ・・・」
振り向くと、そこにはリボンを持ったレオタード姿のルーマちゃんが。
「ど・・・どうもニダ・・・」
恐怖で引きつった笑いを浮かべるカンコ君。
いくら鈍感な彼でも、これから何が起こるかぐらいは察しがつくようです。
ルーマちゃんはカンコ君にほほえみかけると、甘ったるい声で話しはじめました。
「ルーマねえ、今、新体操の練習してたの・・・」
「でねえ、ルーマ、ちょっとお腹空いちゃったの・・・」
ルーマちゃんの口調が、だんだん冷たくなっていきます。
「そ、そうニダか、お腹空いちゃったニダか・・・」
もう完全に自分の運命を悟ったカンコ君。
しかし、ルーマちゃんの視線に射すくめられて、全く動けません。
ルーマちゃんは真っ赤な目を見開くと、持っていたリボンを振り上げました。
「待つニダ・・・なんでそのリボン、皮で出来てるニダか・・・」
「カンコクン・・・オヒルゴハン、ゴチソウシテネ・・・」
「アイゴオオオオオオオ!」
- 124 名前:KAMON ◆wzJSYC0I :2004/07/25(日) 14:19
- ろくな抵抗もできずに、全身みみず腫れだらけにしたカンコ君。
前には、嬉しそうに舌なめずりをするルーマちゃん。
「じゃあ、いただきまーすw」
ルーマちゃんは、恐怖で冷え切ったカンコ君の首筋に、がぶりとかみつきました。
「!!!!!」
首筋から口を離し、ルーマちゃんはのたうち回りました。
「辛い辛い辛い辛い! 水水水水!」
血中カプサイシン濃度がMax状態のカンコ君の血は、濃厚なキムチ味。
「む、今ニダ! ぐえっぷ!」
我に返ったカンコ君は、うろたえるルーマちゃんの前で毒ガス攻撃!
「う゛・・・ぐ・・・二、ニンニク臭い・・・」
何よりもニンニクが嫌いなルーマちゃん、あえなくノックアウト。
「ウェー、ハッハッハッハ! やっぱりウリは最強ニダ! ウリナラマンセー!」
喉元過ぎればキムチ臭さを忘れる。すっかり復活したカンコ君は、有頂天になってその場を立ち去っていきました。
(次の人に続く)
- 125 名前:どぜう :2004/07/25(日) 14:30
- 作者諸氏、只今昼休みの模様です。
我らがヒーローカンコ君の魂の叫びをドウゾw
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725142614.jpg
- 126 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 15:20
- ウリ逝っていいでつか?
- 127 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 16:13
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第27走者」
「オモ〜… オッパどこ行ったニダ…」
一方、こちらはチョゴリちゃん。カンコ君が忘れていった宿題の入ったかばんを抱えて、途方にくれています。
もうアジア町はくまなく探しました。しかしどこへ行っても「さっき見たよ。行き先? 知らないなあ」といわれるばかりです。
「ひょっとしたらまた人に迷惑をかけて、『シベリア送り』されてるかもしれないニダ。ロシアノビッチさんの家に逝ってみるニダ。」
◆◆◆
「おう、カンコの妹じゃねえか。なんのようだ? ヒック」
クレムリンの豪邸にやってきたチョゴリちゃんを出迎えてくれたのは、ロシアノビッチ君でした。相変わらずウォッカのにおいがぷんぷんします。
どうもチョゴリちゃん、このロシアノビッチ君が怖くて苦手です。ちょっともじもじしながらチョゴリちゃん、ロシアノビッチ君に尋ねました。
「あ、あの… ロシアノビッチさん、オッパ、見なかった…ニカ?」
「オッパ? カンコのことか。さあ、こっちには来なかったなあ。ヒック」
ロシアノビッチ君がぼさぼさの頭をぼりぼりかきながら答えました。これは嘘ではないようです。
「そ…そうでしたニカ…。カムサハムニダ。失礼しましたニダ。」
「まあ待てよチョゴリ。もうすぐうちの妹どもも帰ってくるだろうから、それまで家にあがって待っててもいいぜ。特製のウォッカをご馳走してやるよ、ヒック」
「いっ、いえ! 遠慮しときますニダ。じゃ、アンニョンヒカセヨ!!」
チョゴリちゃんは慌ててクレムリン邸を飛び出しました。未成年がウォッカ飲むのはいけませんね。もちろんロシアノビッチ君もいけないんですよ、デフォルトだけど。
「チューゴさんところにも、ロシアノビッチさんところにもいないニダ… 困ったニダ…」
庭に出て一息つくと、遠くで犬の鳴き声が聞こえます。チョゴリちゃんははっとして、その声のするほうへ行ってみました。
「あっ、イーグル!」
チョゴリちゃんが声を上げました。ウヨ君のイーグルが、ミグとじゃれあっています。
その様子を見たチョゴリちゃん、頭の中で電球がぴかーんと光りました。
「そうニダ! イーグルと一緒に行けば見つかるかも…」
さっそくチョゴリちゃん、イーグルのところへ行くと、かばんの中から宿題のノートを取り出し、イーグルの鼻先に突き出します。
「この匂いのするほうへ、ウリを連れて行ってほしいニダ。」
イーグルはふんふんとそのにおいをかぐと、自信たっぷりにワン! と吠えたあと、たったか走り出しました。
なにせ強烈なキムチ臭です。間違えるはずがありません。
こうしてチョゴリちゃんとイーグルは、カンコ君の足跡をたどって西へ西へと歩き始めたのでした。
(次の走者よろしく)
- 128 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 16:18
- あ、ごめん続きます
- 129 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/07/25(日) 16:27
- 一方、カンコ君は、ペンギンさんと一緒に走っていました…
「アーイーッゴ!!!!!!
ここはどこニダーーー!! ペクチョーーーーーーーーーーン」
(こんどこそ次の走者に続く)
- 130 名前:弓式 ◆QaokVnQg :2004/07/25(日) 16:55
- 終了時間とともに、EU町に距離としても近くなって参りました。
作家諸氏はただいま試行錯誤しております。しばらくお待ち下さい。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725165012.jpg
- 131 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 17:01
- 次、いきます
- 132 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 17:37
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第28走者」
どこまでも広がる海に、一隻の優雅な客船が波を蹴立ててしずしずと航行していました。 船の名は<クィーンエリザベスU>
そう、あの豪華客船です。
そのデッキでは、優雅で物静か、まさに純粋培養のお嬢様といった風情の少女が静かに、ティーカップを手にしていました。
潮風が少女のブロンドをやんわりとなびかせる様は、どこかの絵画を実写したのでしょうか。 やがてティーカップを静かに
おき、なにげなくあたりを見回すと、風にのって不思議な声が聞こえてきました。
「アイゴー寒いニダ〜」
少女はそばにあった双眼鏡をのぞいてみました。 すると、誰も住んでいないはずの南極町で寒さに打ち震える少年が、
レンズに映っています。 さすがに見捨てるわけにもいかないでしょう。 彼女は人をやることにしました。
「私、カンコ君を見直しましたわ。 南極の氷でカキ氷を作るなんて、なかなか風流なことをなさるものですね。」
「助かったニダ。」 毛布にくるまり、それでもなおガタガタを震えるカンコ君、熱い紅茶を飲み、ようやっと
落ち着いたようです。
「まだ助かってはいませんよ。 カンコ君はどちらに行くおつもりでしたの?」
「ユーロ街ニダ。 しかし大きな船ニダ。 これならウリも安心してユーロ街へいけるニダ。」
犬にかまれて、池に落ちて、サメに襲われて、トラップにだまされて、トラに追われて、ロケットで飛ばされた、そんな
冒険譚を延々と解説し、要求もしっかり付け足すンコ君、しかし聞いているほうは、それほど感銘を受けた様子ではありません
でした。
「そう、この船は我が家へ帰る途中。 ですからあなたをユーロ街へ送り届けることは可能ですわね。」
「おおお、半万年の感謝を」 カンコ君、今にもひざまづきそうです。
「ですが、条件があります。」
「ニダ?」
「見てのとおり、この船は大きいのです。 ですから掃除も大変。 というわけで、よろしくね。」 そして、むこうに
あったデッキブラシを指差すと、典雅な身のこなして席を立ち、船室に戻っていきました。
「どうして、四角いスペースを丸く掃除するんだ!」
「まだゴミが残っているぞ。 お前の目ン玉は節穴か?」
「遅い! 日が暮れてしまうぞ。 さっさとてきぱきする!」
「このあたりはフカが多いらしい。 おっと、お前さんを突き落とすことはしないさ。 でも事故で落ちたらしょうがない
なぁ。」
かくして、カンコ君は<クィーンエリザベスU>の清掃係として、船員に怒鳴られながら、広い広いデッキのあちらこちらを
走り回ることになりました。
(次の方、お願いします)
- 133 名前:北極星 :2004/07/25(日) 18:08
- 次をいただきます。
残り3時間、ラストスパートですね。
皆さんに提案なんですが、一回あたりのボリュームを少なめにして、
なるべく多くの作者でまわすようにしませんか。
そのほうがフィナーレに向けて盛り上がると思います。
- 134 名前:北極星 :2004/07/25(日) 18:42
- ユーロ街――。
ここニ百年にわたって地球町の中心地であり、最大の都会。
瀟洒な石畳と漆喰の街並がつづき、すべての流行はここから始まります。
「……ついに」
カンコ君は両手を握りしめて前傾しました。
「つ・い・に」
力を溜め――
「つ・い・に……! ユーロ街に着いたニダ〜〜〜〜ッ!!!」
カンコ君は拳を突きあげ飛びあがりました。
歓びの大爆発でした。昨日の朝からの艱難辛苦のフィナーレがようやく近づきつつありました。
「さあ! メゾン・イベリアにまっしぐらニダ! もうキテレツなトラブルはこりごりニダ」
カンコ君はごみごみした下町に入り、つづら折になった坂道を駆けのぼりました。
道に迷うこともありません。ユーロ街には何度も来たことがあるのです。
「フラメンコ先生〜! カンコニダ。優等生のウリが宿題を持ってきたハセヨ!」
メゾン・イベリアの2階中央の部屋を思いきりノックしました。まるきり乱打にちかいノックでした。
しかし――。
「ん……ニダ」
室内から反応はないのです。
ドアノブを引いてみると、何の抵抗もなく開きました。
「先生、鍵もかけてないニダか。――うっぷ! すごい散らかりようニダ」
魔窟のごとき部屋に、こわごわ足を踏み入れるカンコ君。
めざすフラメンコ先生は影も形もなく、替わりに用もない男どもが転がっていました。
いまだに昏睡しているメゾン・イベリアの住人たちです。
「こら! 起きるニダ、ダメ人間ども!!」
カンコ君はいちばん気弱そうな若い学生服の男の胸倉をつかんで揺さぶりました。
若い男――アンドラさん――はぐずぐず口の中でつぶやいていましたが、頭をつかんでシェイクすると
うすく眼を開けました。
「……うぐぅ……。だれだいキミ?」
「地球町のスーパースター・カンコ様ニダ。おまえは知らんニダか?」
「……聞いたこともない……」
「まあいいニダ。フラメンコ先生はどこにいるニダ? とってもとってもとーーっても大事な用事が
あるニダよ」
「フラメンコ先生……? ああ」
アンドラさんはぼんやりした記憶を追いました。
「管理人さんなら、セーヌ河の花火大会に行ってるよ。バスクさんやハプスブルク先生といっしょにさ」
「ニダ!?」
(つぎの作者につづく)
- 135 名前:北極星 :2004/07/25(日) 18:43
- しまった。
「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第29走者」
を追加します。
うっかりしてました。
- 136 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 18:59
- うはははは、第30走者ゲッチュ!
- 137 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 19:09
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第30走者」
カンコ「だからフラメンコ先生はどこほっつき歩いているニダ!ちゃんと説明汁!」
ポル「えー?マカロニーノんとこじゃないかなあ?…むにゃむにゃ」
ガル「ちがうって、ゲルマッハとお茶会だよう。何でもおいしいワインがどうのって…ふわあぁぁ」
カンコ「ユーロ街の大親友たるウリがしてる質問を寝ぼけまなこで返すんじゃないニダ!」
ポル「安ちゃんカードいらなーい!……」すーーー
ガル「ラジコンボートこっちくんなー……」ぐーーー
ポルとガルは事切れちゃったみたいです。唯一話しが聞けたのがこの二人。
カンコ君究極の選択です。
カンコ君が取った道は−−−−−
そのころニホンちゃんはタイワンちゃんと線香花火を楽しんでいました。
ニホン「うふふふふ…それっ!ひのたまとってやるー!」
タイワン「あっ…このぉ・・・せっかくおっきくしてたのにい!えいっ、とりかえすもんねー」
ニホン「ふふふ、タイワンよまだまだ甘いのう…」
タイワン「あはは、それって誰の真似?」
ニホン「えへへへ、おじいちゃんだよ…」
二人でニホンちゃんの浴衣着込んでお泊りのようですねえ…ああ、平和平和w
[次のスプリンターに続く]
- 138 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 19:11
- 行きます!
- 139 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 19:26
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第30走者」
「なんで、こんなに人が多いニダ・・・」
メゾン・ド・イベリアからフランソワーズ家に向かうカンコ君でしたが、なにやら人出があったようで、なかなか先へ
すすめません。 周りにいるのは、背の高い金髪さんばかりで、おちびさんのカンコ君にはすごいプレッシャーです。
たまに勇気を出して聞いてみようと思っても・・・
「坊やの言うことはよく分からないねぇ。」
「むこうに交番があるから、そっちで聞け。」
「ほほほ、私、急いでおりまして。 こんどのハレー彗星がくるときに、またお会いしましょう。」
などという状態で、コミュニケーションが成立しませんでした。
そんなとき、このあたりではちょっとお目にかかれない服装をした2人の女性と1人の少女が連れ立って歩いて
いるのが、カンコ君の視界に飛び込んできました。
「アレは・・・先生ニダ! やっと捕まえたニダ。」
まるで地中池の青で染めたような地に、青紫の朝顔の図柄の浴衣を、黒い帯できゅっとしめ、髪に光る簪は、情熱の赤。
すれ違う男がみな声をかけ、それらを軽くいなしながら、優雅に歩くその姿は、まさしくフラメンコ先生。
「ああ、夢にまで見た先生ニダァ〜。 せんせぇ〜カンコニダぁ〜!」
カンコ君の声は雑踏にかき消され、先生は振り向いてくれません。 こうなってはしかたありません。 カンコ君は
回れ右をして、先生の後を追い始めました。
<次の走者へ続く>
- 140 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 19:27
- うがああ、30ではなくて、31ニダ。 次の走者は32です。 よろしくお願いします
- 141 名前:ビー玉 ◆UICYi646 :2004/07/25(日) 19:47
- しばらくお待ちください。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725194154.gif
- 142 名前:北極星 :2004/07/25(日) 20:10
- 行きます!
アンカーの方はそろそろ名乗り出たほうが…。
- 143 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 20:22
- アンカー名乗り上げオネガイシマス
- 144 名前:北極星 :2004/07/25(日) 20:29
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第32走者」
「先生! せんせ〜〜い!! こっち向いてニダァッ!」
花火の爆音、辺りの喧騒にかき消され、必死の叫びはフラメンコ先生に届きません。
先生との距離は拡がる一方でした。
「えいシッパル! 先回りしてやるニダ……」
人垣に無理な追越しをかけ、ぐるりと回ろうとした瞬間、
「ニダ?」
彼は足を滑らせ、
「ニダ〜〜〜〜〜!?」
セーヌ河に転落してしまいました。
「だ、だれか助けるニダッ!!」
その時、対岸から聞きなれた声がしました。
「ん、あれはカンコか? えい、まったく手間のかかる――」
だれかがセーヌ河に飛び込む水音がしました。
その人はほんの数十秒で流れの速いセーヌ河を泳ぎきり、カンコ君の髪をつかんで
岸に引きあげました。
「あ、ありがたいニダ。感謝するハセヨ……」
「べつに感謝など要らん。当然のことをしたまでだからな」
押しかぶせて遮ったのは、金髪のショートカットの少女。
矢車草の色の瞳が、カンコ君を眺め回しました。
「どうした? ずいぶんみすぼらしい格好をしているが――。カンコ、おまえも花火
大会に来たのか?」
「アーリア!!」
カンコ君は叫びました。
「フラメンコ先生を探してるハセヨ!! 知らないニダか!?」
「うん? なあ兄者、フラメンコ先生を知らないか?」
アーリアちゃんは双子の兄を振り返りました。
「知らんな……。それほど急ぐのかね、カンコ君?」
ゲルマッハ君は重々しく答えました。
「急ぐニダ!! もう時間がないハセヨ!!」
「そうか。なら協力してあげよう。ちょうどフランソワーズやマカロニーノもいっしょに
いることだし」
(つぎの走者につづく)
- 145 名前:北極星 :2004/07/25(日) 20:40
- バトンの行方はどっちだ!?
緊迫した場面で…
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~yo-in/nihon/img-box/img20040725203652.jpg
「しばらくお待ちください」
- 146 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 20:41
- 隊長! わが隊がしんがりを!
- 147 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 20:48
- 受理しました。よろしくです
- 148 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/07/25(日) 21:07
- 「夏のニホンちゃん祭り『となりのニホンちゃん』第32走者」
漆黒の夜空にあがる大輪の花。 セーヌ河のそこかしこには仕掛け花火。 ユーロ街の皆は、普段お目にかかれない
花火を楽しんでいましたが、なかにはそうでない人もいました。
「ワイン、ないわ。」
「はい!」
「そうねぇ、今度は白がいいかしら。 それとチーズとオイルサーディンね。」
「はい、大至急持って参ります。」
「よろしくねぇ〜、それからこの空き瓶、始末しておいて。 ゴミのポイ捨てはよくないわ。」
ダース単位で転がっているワインの空き瓶をつま先で蹴り飛ばし、フラメンコ先生は上機嫌です。 「花火はいいわねぇ。」
そのころ、ゲルマッハ&アーリア兄妹は必死に、フランソワーズちゃんはてきとーに、先生を探していました。 とはいえ、
これだけの人出です。 そう簡単に見つかるものでもないのでしたが・・・
「たぶんあれだ。」 ちょっとした高台にある一番いい席を広々とぶんどってご機嫌の女性を指差し、アーリアちゃんは
言いました。 「私は先生のところへ行く。 兄上は連絡を。」
「了解した。」 さすが兄妹。 抜群のコンビネーションで、さっと二手に分かれました。
「カンコ、聞こえるか。 先生を発見した。 いまそちらへ行く。」
「さすがゲルマッハニダ。 ウリの感謝は尽きることがないハセヨ。」
「そこを動くなよ。」 カンコ君の感謝をかるく受け流し、ゲルマッハ君はカンコ君のもとへ急ぎました。
「あらぁ 誰かと思えば。 あなたもこっちにくれば?」
「そのつもりです。 先生。」 と言うが早いか、アーリアちゃんは即座に電話を入れます。 「こちらアーリア。
先生を確保した。」
「あらまあ確保したなんて。 もう少し女らしい口調を覚えると、私みたいに楽しく生きられるわよ。」
アーリアちゃんはめまい寸前です。 従者よろしくそばにいる男どもには一瞥もくれず、はっきりと言いました。
「あなたはいい先生だ。 だがそのまねはできない。」
「あらそう。 損をするわよぉ。」 フラメンコ先生は、ご機嫌なまま新しい白ワインの栓を開け、そのまま飲み始め
ました。
そして・・・息も絶え絶え、服装ぼろぼろ、しかし封筒だけはしっかりと持ったカンコ君が、到着しました。
「あらぁめずらしくカンコ君もいるのね。 マラソンでもしてきたの?」 お気楽極楽のフラメンコ先生です。
「ウリは池におちて、サメに襲われて、トラに食われそうになって、ロケットで飛ばされて、ペンギンを見て、船の掃除を
して、ここまでやってきたニダ。 このために。」
カンコ君、宿題を提出しましたが、先生は全然見てくれません。 「ウリは気を利かせて・・・」
「今日は先生お休み。 これ明日が締め切りでしょ? また明日にしましょ。 それより花火きれいよぉ〜」
どーんと大きな花火があがり、観客の目が釘付けになったとき、ひとりの少年がど〜んと倒れふしていました。
いとふゆ
- 149 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 21:08
- はい、終了でーす!!
- 150 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 21:09
- それでは作者の皆さん、補完スレにて後日談でもオネガイシマス
- 151 名前:有閑工房 ◆aKOSQONw :2004/07/25(日) 21:20
- アサヒ「とりあえず作者の皆様ご苦労様でした。そして温かく見守ってくれた読者の皆様、
賛否両論あるでしょうが、本当にありがとうございました。」
サンケイ「えー、いいの?主催者の代弁だよそれw」
アサヒ「まあ、今日は許してちょんまげ!テヘ」
サンケイ(微妙に罪作りな可愛さだ…ハァハァ)
アサヒ「それはともかく前の作者さんの設定からある程度縛りのあるリレー。良くぞタスキを
繋ぎました。おかげさまで大団円を迎え、何とか間に合った私がこうやって解説するのも一つの
ドラマ、いいもんですね、スポットライトって…(ウットリ」
ヨミ「(小声で)いいから先、先!」
アサヒ「はっ……しまった、私としたことが…ま、まあそれはそれとして、結局時間オーバー
だったわけですが、その心中お察しいたします…時間に追われて記事を書くのもじゃあなりすと
の宿命!気持ちは同じです!はは…時間延長なんて野球中継ではざらですよざら…。
でも………○▽■子認定はさせてもらいます!こ、これは苦渋の決断!え?決してアサヒちゃんの
本気ではありません!世論が、国民の総意がそうさせるんです!」
その迫真の演技…失礼、じゃあなりずむに裏打ちされた報道者魂が見てるものを感動に打ち振るえ
させます。まあ、カメラさんと照明さんだけですがw
???「あー、いたいた」
????「ここだったアルか…」
アサヒ「ん?」
アテネ「ちょっとどういうこと?何でうちに来ないのよ!わ・た・し・が今年の主役でしょ!!」
チュウゴ「何でウチはスルーされてるアルか!!アサヒはうちの情報がもう欲しくないアルか!
ああそうアルか!それなら朕にも考えがあるアル!」
オージー「ワスもやられた後何の音沙汰もないダス!この扱いのひ(ry」
マレー「カンコ素通りはいいけどなんでブータンが出て僕でないの?」
タイラン「同じく。」
パキス「上に同じ。」
(以下略
あーあ、アサヒちゃん一杯一杯です。そんじゃ皆さん決め台詞で…
全員「ア・・・アイゴォォォーーーーーーーーー」
ほんとにおしまいw
- 152 名前:D-13@小判ザメ :2004/07/27(火) 02:48
- >>48-151 辺り
夏祭り乙かれ様でした。早朝でもちゃんとカキコがあるあたり凄いでつね。
取りあえずリレーの分を抜粋しました。
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/2004summer_relay/
もし ttp://www.geocities.jp/pepperpot75jp/ で編纂されるご予定なら引っ込めます。
あと、
>目次制作者 様
こちらのβスレ は私の方でナンバリングはじめちゃっていいですか?
- 153 名前:目次制作者 :2004/07/30(金) 20:00
- >>152
ナンバリングの方、よろしくおねがいいたします。
- 154 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/07/31(土) 18:54
- 『天空の守護者』
息子へ−−−
親の得手勝手に自分の子供を巻き込んだのは慙愧の念に耐えない。
今も昔もその思いは変わらない。
その事で近所の子供に除け者にされ、下げる必要のない頭を下げる事
になり、悪意に恭順を誓う事に甘んじさせてしまっている…
人の道理を通せば無理が折れ、無理を通せば道理を曲げる。
父親は不器用だった。そして無力なものだ。
そんな馬鹿な父親が飽きもせず毎日山に登り続ける。
ますます子供に馬鹿にされるかもしれない。道楽と思われるだろう。
だがその日の我が家をしかと眺め、天気を眺めて人に伝える。
今の私にはそれ位しか、人の役に立つ轢蹄を刻む事は叶わない−−−
- 155 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/07/31(土) 18:55
-
「おはよーおとうさん」
あくび混じりにニホンちゃんはジミンパパに朝の挨拶です。
「おはようさくら。ちゃんと朝のラジオ体操は行ってるかい?」
「いってるよう…ふわぁぁ…」
ジミンパパは少し困った顔で笑いかけると、ニホンちゃんの頭を軽く
撫でます。
「パパは朝早いなぁ…どうして毎朝山に登るの?」
「パパのお仕事はお天気が大事だからね、毎朝あそこで風船上げて、
お天気がどうなるか調べてるんだよ。」
「ふぅん、大変だねえ。私もお手伝いしよっか?」
「あはは、大丈夫だよ。そんなに大変じゃないし。調べるのはママが作って
くれた機械が勝手にやってくれるしね。けれども昔は風船なんてなかったから、
おじいちゃんが苦労して自分で計りながら同じことをしてたんだよ。」
「ふうん…おじいちゃんやっぱり凄いんだねえ…」
「はは、そうだなあ。パパは逆立ちしたって敵いっこないよ。」
ジミンパパは優しく笑って答えます。
「さ、朝ごはんにしよう。」
「はぁい。」
ああ、そういえばあのとき母親から手渡された遺書には何が書いていたのだ
ろうか?
封も切らずに棺に押し込んだ時、後悔がなかった訳ではない。
子供っぽい強がりが、真正面から親の気持ちを受ける事への後ろめたさが、
封を開けさせなかった気がする。
読まずに置いて良かった気もすれば、今なら相応に受け止められる気もした。
そしてふと考えた。子供たちは、自分の思いを受け継いでくれるのだろうかと?
『全く、今になって親父の気持ちがわかるなんてな…』
子供に見つからないように苦笑いを一瞬浮かべてすぐに消し、ジミンパパは
ニホンちゃんを連れ立って食堂に向かいました。
おしまい
- 156 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/07/31(土) 18:57
- 解説・予報・天上大風
※ どうも、有閑工房改めあさぎりでつ。タダイマ台風直撃中!というのでネット
をうろうろしてたら、ふと富士山レーダーの記事に行き当たりまして…もう一線
退いていたんですねえ、富士山レーダー…シラナカッタヨ
それにひまわりをかけて仕立て上げてみました。そしたらまあ、見事なまでの
崖っぷち…どうなっちゃうんでしょうねえ、気象衛星(ニガワラ
※ 気象観測の主役が地上から宇宙に移り、おそらくはあったであろう世代交代。
それに親子の相克と理解を掛けたりしてみたりみなかったりw
ソースというかなんというか…
↓大成建設HP内 社内報「たいせい」 2001年6月号「社史探訪」より
標高世界一の気象レーダー 富士山レーダー
ttp://www.taisei.co.jp/special/000/html/taisei.html
↓富士吉田市HP内 富士山レーダードーム館4月24日オープン!
ttp://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/forms/info/info1.aspx?info_id=795
↓まあ、お話よりも現実はうすら寒くなるような状況な訳で…
漂流する日本の宇宙政策、責任を巡って打ち上げ再開にゴーサインが出ず
2004年06月08日 15時54分
ttp://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/312344
- 157 名前:大洞 :2004/08/01(日) 20:37
- 他人の家の火事見物をしない君子はいない。
カンコ「急ぐニダ」
ニホン「あれ、カンコ君急いで何処行くの?」
カンコ「火事ニダ、隣町で火事がおきたニダ、早く見に行かないと、鎮火してしまうニダ」
ニホン「カンコ君・・・・・野次馬なんて悪趣味だよ」
カンコ「そんなこと無いニダ、ことわざにもあるニダ
他人の家の火事見物をしない君子はいない。」
ニホン「そのことわざの使い方間違ってる」
カンコ「ニダ?」
ニホン「だってカンコ君、君子じゃないもん!」
カンコ「<丶`Д´>」
ニホン「それ以前に何でそんなコトワザがあるのよ
有史いらい君子なんていない筈のカンコ君ちに」
カンコ「<丶`Д´>Σ」
おしまい
- 158 名前:大洞 :2004/08/01(日) 20:40
- 朝鮮ことわざシリーズ
なお、今まで書かれたSSはこちらに、さらされることになりました
http://pn-unofficial.hp.infoseek.co.jp/kotowaza.htm
- 159 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/01(日) 21:42
- 〜 WE WILL ROCK YOU (その1)〜
最近ニホン家の庭先には変わった犬がやってくるようになりました。 とはいっても何をするわけでもなく、ただうろうろ
しています。
「あ、あの犬また来た。」
「野良犬? かわいそうにねぇ。」 おっとりニホンちゃんは、やさしくそう言うのですが、ウヨ君は首を振りました。
「首輪はしてたぜ。 野良犬じゃあないと思うな。」
次の日、ニホンちゃんが庭先で洗濯物を干していると、またあの犬がやってきました。 青い空に浮かぶ白い雲・・・
ではなく、青い空に翻る洗濯物を見ているようでした。
「洗濯物が好きなの? 変わった犬ねぇ。」
とはいえ、害を与えそうでもないので、ニホンちゃんは追い払うようなことはしませんでした。
「姉さん、あの犬変だよ?」 冷たい麦茶を二口で飲み干し、ウヨ君が言います。
「変ってなにが?」 <がんばる夏の算数ドリル>をがんばっていたニホンちゃんは、不思議そうに、聞き返しました。
「・・・洗濯物が好きな犬なんて、いるわけない。 きっとなにかある。」
「ふうん、武士は今年の読書感想文、推理ものにするといいんじゃない?」 ニホンちゃんはくすくす笑うだけでした。
「姉さん、オレはマジでおかしいと思ってるんだぜ。 バカにするなよな。」
「ふつうの犬よ。 そんなことより、宿題しなさい。 夏休みの終わりになってあわてても、手伝ってあげないよ。」
またある日。 もう何回目かわからないくらい、あの犬はやってきました。 いつものように歩き回り、いつものように
洗濯物を見上げたあと、いつものようにどこかへ行くかのように見えたのですが、この日は違いました。
夏の南風のいたずらでしょうか、白い靴下が芝生の上に落ちていました。 ちょっと短めで、ひよこのワンポイントと
つつましいフリルがついている靴下は、持ち主が少女であると断定してもいいでしょう。 犬はなにげなく近寄り、すばやく
くわえると、あっという間に駆け出していきました。
- 160 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/01(日) 21:43
- 〜 WE WILL ROCK YOU (その2) 〜
「姉さん、絶対あの犬変だって。 どこの世界に靴下好きな犬がいるんだよ。 もう3足だろ?」<勝負! 漢字100問>と
勝負していたウヨ君が手を止めて言いました。
「この世界にはいた、ってことよね。 まあ靴下くらいならいいわ。 それより手がお留守よ。 今は犬じゃなくて漢字。
これくらいさっさとやりなさい。」 ニホンちゃん案外スパルタです。
「なんで夏休みなのに勉強しなくちゃいけないんだよぉ。 休みくらい休ませてくれよなぁ。」
「それはあんたが子供だから勉強しなくちゃいけないわけで、休みといっても学校がないだけよ。 パパもママも家でも
仕事してるわよ。」
「・・・姉さんだって子供じゃないか・・・」
ニホンちゃんは迷わずハリセンをウヨ君の後頭部に叩きつけ、乾いた音が部屋中に響きわたりました。
「あっ、この犬! また靴下を持っていくのか!」 さすがに何度もやると、失敗もします。 変な犬は、靴下をくわえて
いく現場を、ウヨ君に見つかってしまいました。
「待てバカ犬、靴下返せ!」 というわけで、ウヨ君は犬を追いかけていくことにしました。
追われていると知った犬も必死に逃げますが、ここはウヨ君の執念がまさりました。 というより、バカ正直に待ち人の
ところへ帰ってしまったのです。
「お、今日も獲物をとってきたアルか。 お前はなかなか使える犬アル。」 靴下を手に取り、ご満悦のチューゴ君が
そこにはいました。 「あの<尖閣ぱんつ>もいつかは朕のもの・・・。」
- 161 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/01(日) 21:45
- リレーも終わったことだし、SS書きに精を出そうキャンペーン中です。(意味不明)
今回のネタ元ですけど・・・出さなくてもけんめーな読者には分かると思うので
出さないことにします。 つうかありすぎ(怒
- 162 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/01(日) 22:02
- >本スレ156
あさぎりさん
そうですか、富士山レーダーってなくなってたんですか。
よく天気予報でお世話になった記憶があるのですが、こんなことを書いてるぅ〜おっさんだぁ
などと言った時点で、謝罪と賠償を請求するのでよろしくです。
>本スレ158
大洞さん
拝見しました。 ことわざというかなんというか・・・。 個人的に「ことわざ」って、
教訓とか戒めとか、そういうものだと思ってるんですけど、さすがかの国ですねぇ(w
ってよく考えたら「馬の耳に念仏」とかもあるから、あんまり言えないか。
しかし、あんなおげふぃんな表現しないよなぁ。
でもうちのママンは「味噌もク○もいっしょと」とか言うんだよ・・・
>169
痛い、心が痛いよママン。
できるだけ本筋に戻そう、戻そうとしてみたんですが・・・ムズカシイよね。
と、泣き言を言ってみるテストっと。
ともあれ、次回(あるのか!)は、そのあたりの反省点を踏まえたものにしたいですね。
- 163 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/01(日) 22:03
- すいません。 上のは、議論スレへの誤爆です。
謝罪は謝罪はしますから、賠償だけはご勘弁を・・・
- 164 名前:目次1 ◆D13/XW7M :2004/08/02(月) 02:11
- 第1話「One Night in Heaven」
>>13-14(>>14 解説)
第2話「果てしなき戦ひ」
>>24-27(>>27 解説)
第3話「へんさい」
>>32
第4話「飛べよ大ガメ!」
>>38-40(>>41 解説)
第5話「天空の守護者」
>>154-155(>>156 解説)
第6話「他人の家の火事見物をしない君子はいない。」
>>157(>>158 解説)
第7話「WE WILL ROCK YOU」
>>159-160(>>161 解説)
- 165 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2004/08/02(月) 02:13
- >>164
目次制作者 様と区別の為にトリップ入れてまつ
- 166 名前:火病する名無しさん :2004/08/02(月) 21:33
- >164
お疲れさまです
- 167 名前:火病する名無しさん :2004/08/04(水) 17:39
- >>154『天空の守護者』
いまは20箇所の気象レーダー、津々浦々の測候所がありますから。
ほぼ台風専用だった富士山レーダーはまあ天寿を全うしたとはいいきればせんが、800km先を見通す目は貴重だった。リア消房のころは、テレビの天気予報ではおなじみでした。
いまやアメダスとか気象衛星画像とか便利すぎでつ。
戦時中の等圧線図なんか見てると泣けてくるものがあります。
>>157
妹者 「ところで、兄上? カンコは自分の家の火事を見物するのだろうか」
ゲル兄「するはずがないだろう。むしろ保証金満額回答のために火を煽る」
妹者 「さすがだな、兄上」
カソコ 「アイゴー(ポカポカポカ」
目がショボショボしる・・・
- 168 名前:siki :2004/08/04(水) 22:46
- 「どちらを信じる?」
アサヒ「大変、たいへん、ビックニュース、重大ニュース、スクープよ」
ニホン「なにアサヒちゃん? そんなに騒いで」
アサヒ「これが、騒がずにいられますか
なんとカンコ君が交通事故にあって病院に運び込まれたのよ」
ニホン「え〜〜〜〜!! それ本当なの?」
アサヒ「ほんともほんと 何でも重症らしいわよ」
ニホン「どっどうしよう、とりあえずお見舞いに・・・・
あっでも、面会謝絶かも、でもとりあえず病院へ あっなにか持っていったほうが
いいかな? シクラメンの鉢植えでも持っていこうかな?
え〜と どうしよう」
? ?「ニホン、そんなにあたふたして如何したニダ?」
ニホン「あっ カンコ君、大変なのカンコ君が交通事故で重体らしいのよ」
カンコ「にだ〜〜ウッウリが重体それはたいへ・・・・
おい ニホン!」
ニホン「なに? カンコ君?」
カンコ「うりが重体ならここにいるウリは何だニダ!!!」
ニホン「あれ? カンコ君? あれ? アサヒちゃん カンコ君がここにいるんだけど・・・・
ひょっとしてまた誤報?」
アサヒ「・・・・・・なに ニホンちゃん 私の言う事が信じられないの!」
ニホン「でっでも・・・・」
アサヒ「じゃあ聞くけど 捏造癖のあるカンコ君とクオリティーペーパーのわたしと
どっちをしんじるの!!」
ニホン「・・・・・アサヒちゃんかなぁ?」
カンコ <丶゚Д゚>
アサヒ「でしょ!!」
カンコ「じゃあここにいるウリはいったい誰にだ?」
アサヒ「さぁ〜 そんなの知らないわよ 」汗
おしまい
- 169 名前:siki :2004/08/04(水) 22:49
- 説明 落語の話にニホンちゃん達を当てはめました
・・・・・つまり パクリです
すみません、ごめんなさい 謝罪します
- 170 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/05(木) 08:28
- >>169
面白いのでウリ的にはOKニダ!
- 171 名前:火病する名無しさん :2004/08/05(木) 17:46
- >>159
持ち主はニホンちゃんかもしれませんが、ぢつはウヨきゅんの女装イヒあいてむなのですよ偉い人にはそこがわかっとらんのです。
>>164
乙〜
>>168『どちらを信じる?』
古典落語の熊さん八っあんシリーズのアレですな。シュレディンガー曰く、なんの問題もないでしょう。
ニホソ「で、復活するのはいつになるの?」
ノレ-マ「一両日ちぅにはなんとかなるんじゃないかな」
おお、まんじゅうこわいx2
- 172 名前:どぜう :2004/08/05(木) 18:12
- 『あの暑かった夏休み』(前編)
それは、去年の夏休み直前のお昼休みの出来事でした。
「もうっ!うるさいんだよフランソワーズ!!
あたしはアンタの飼い犬じゃない!」
ばんっ、と机を叩く音と怒声が教室中に響き渡りました。
一瞬にして静まり返る教室。クラスにいる全員が声の方向に注目します。
窓側の一角にいがみ合う女子の影二つ。
腕を組んで立つフランソワーズちゃん。
そして、椅子の上胡座をかいて睨み上げているのは、アフリカ班のギニアちゃんでした。
二人は夏休みの自由研究の事で口喧嘩を始めたようでした。
気まずい雰囲気の中、何人かの他のアフリカ班の子たちがギニアちゃんをなだめようとしますが、
ギニアちゃんは怒り心頭のようです。
腕を振りほどくと立ち上がり、フランソワーズちゃんに突っかかっていきました。
「普段からああしろこうしろ!今日という今日は我慢できない!!」
フランソワーズちゃんもやり返します。
「使用人として貴女たちを使ってあげているのよ?勤勉に働きもしないくせに!
使用人なら、使用人らしく、分際をわきまえなさい!!」
「…なんだと…もういっぺん云って見ろ!」
「何度でも繰り返して差し上げます、使用人風情が!分際をわきまえなさい!!」
諍いはヒートアップするばかり、
実際の所、この手の喧嘩は二人に限らずこの頃は良く見られた光景でした。
またか…みんながそう思っていました。
しかし、今日は違ったのです。
ぼふっっ!!
ギニアちゃんがフランソワーズちゃんの顔に給食袋を投げつけたのです。
ざわめく教室。他のアフリカ班の子の何人かは、口に手を当てて青い顔をしている子もいます。
目にでも入ったのでしょうか?
フランソワーズちゃんは顔を押さえてうずくまってしまいました。
「もう沢山だ!奴隷になってなにか恵んでもらえるよりも、
あたしは貧乏になってでも自由を欲しいんだ!!」
「…やりましたわね…この、私に手を上げましたね?!」
片目を押さえながらフランソワーズちゃんが立ち上がりました。
「……許しませんよ…!今云った言葉、必ず後悔させて差し上げます!!」
肺腑の奥を締め上げるような声でした。
そしてそのまま、フラメンコ先生には「用事ができた」とだけ云い、
フランソワーズちゃんは家に帰ってしまいました。
- 173 名前:どぜう :2004/08/05(木) 18:12
- 『あの暑かった夏休み』(前編)
ギニアちゃんが、フランソワーズちゃんの「用事」の内容を知るのに、
さしたる時間はいりませんでした。
「ああ、ギニア、ようやく帰ってきたよこの子ったら…」
「なによう、あたし怒ってるの!ちょっと静かにしてて!」
まだ怒りが治まらないのか、お母さんを押しのけて、勉強部屋に入っていくギニアちゃん。
所が、いつもの子供部屋と様子が違います。
勉強道具が見当たりません。
机も、ノートも、鉛筆もなにもかもがありませんでした。
「…!」
ギニアちゃんの背中を冷たいものが走りました。
野兎のように子供部屋から飛び出すと、
廊下で様子を見ていたお母さんと鉢合わせしてしまいました。
「あたしの勉強道具は?!」
「…フランソワーズちゃんが持っていったよ…」
哀しそうな顔でお母さんがギニアちゃんに告げました。
そうです。
ギニアちゃんの勉強道具はその殆どが、
フランソワーズちゃんからの貰い物だったのです。
「……く、くそぉっ!」
ランドセルを廊下に叩きつけると、ギニアちゃんは勉強部屋に戻って、
部屋の扉を締め切ってしまいました。
「…う、う、ううう…っ…」
部屋の向こう側から、ギニアちゃんの声が聞こえてきます。
ギニアちゃんのお母さんは声をかけようかどうか、迷いましたが。
ため息を深く、深くつくと、そこから立ち去っていきました。
- 174 名前:どぜう :2004/08/05(木) 18:13
- 『あの暑かった夏休み』(前編)
「――て云う事がね、今日お昼休みにあったんだぁ…」
所変わって、ここは日之本家の食卓。ニホンパパが晩酌をしています。
ニホンちゃんはお父さんのお酒の肴を、少しずつご馳走になっているのでした。
もぐもぐと箸を齧りながらニホンちゃんがお父さんに今日あった出来事を話します。
もちろん話題はフランソワーズちゃんとギニアちゃんの事でした。
「そうかあ、そんなことがねえ…」
お父さんは眉根にシワを寄せて、真剣に聞き入っていました。
「なんですかさくら、行儀が悪い」
台所の後片づけを終えて居間に顔をのぞかせたママが、ニホンちゃんの舐り箸を注意しました。
「あ、はあい」ばつの悪そうな顔でお箸を口から離すニホンちゃん。
「もうこんな時間なんだから、早くお風呂に入りなさい、
夏休みが近いからって、夜更かしなんてママ許しませんからね」
「はあい、はい」肩をすくめながらニホンちゃんが居間から出て行きました。
「……」なにか考えごとをしながら、ビールを傾けるニホンパパ。
「なにか考えごとですか?」
「ん、いや。ちょっとギニアちゃんの家のことをね」
「さくらが云っていた話ですか?」
「うん…大変なことになるかもしれないと。ちょっとね」
「そうですね…あ、私にも一杯下さいな」
「あ、こりゃゴメンゴメン。ささ、お疲れさま」
「いえいえ、どうも」
日之本家では何事もなく、その日の夜は更けていったのでした。
- 175 名前:どぜう :2004/08/05(木) 18:14
- 『あの暑かった夏休み』(前編)
そして、次の日の朝早くのことでした。
アフリカ町の一角に轟音が響き渡りました。
「な?なんだ?なんだ??」
驚いたアフリカ町の人たちが家から飛び出して来ます。
「!」目前に広げられていたのは、息を飲む光景でした。
何十台もの重機が、ギニアちゃんの家の一角を取り壊しているのです。
陣頭指揮を取っているのはフランソワーズちゃんでした。
「なにするんだよっ!やめろよ、やめろっ!!」
フランソワーズちゃんに抗議しようと飛び込んでいったギニアちゃんですが、
あっけなく護衛の人達に取り押さえられてしまいました。
「あら、そんな所で何をしているのかしら?
ともあれ、お早うございます、ギニアさん、今日もいい天気ですわね」
地べたに押さえつけられたギニアちゃんを見下ろしながら、
フランソワーズちゃんは勝ち誇ったような微笑みを浮かべました。
「ふざけるなよっ!あたしんちになにするんだよっっ!!」
「ふ、あははは、あはははははは!」
その抗議の声を聞いたフランソワーズちゃんは、身をよじり、
愉快そうに笑いました。
「貴女の家、ですって?」フランソワーズちゃんが大仰に、意外そうに尋ねます。
「そうだよっ!あたしの家だ!あたしの家族の家だ!!」
「冗談も大概になさいな、この家を作ったのは私ですわ。
設計から何から何まで私が作ったの。
貴女は私の指図で石を運んだり、穴を掘ったり。
その程度しか手を付けていないのに、よくまあ、ぬけぬけと自分の物だと云い張れますわね」
「く…っ」
「けれど、安心なさいな。居間と寝室くらいは残して差し上げますわ。
ああ、そうそう。私が描いた家の設計図も持ち帰らせていただきますわね。
ピエール!ピエール?!」
「…は」影のように執事の一人がフランソワーズちゃんの側にあらわれ、
そして恭しくお辞儀をしました。
「見取り図は?」執事には視線を合わせず、フランソワーズちゃんが尋ねます。
「…ここに」差し出される、何枚ものジアゾで描かれた図面。
歯噛みをしながらギニアちゃんは、ただ壊されていく家と、
持ち出されて行く書類を見ていることしか出来ませんでした。
- 176 名前:どぜう :2004/08/05(木) 18:15
- 見切り発車でうpします。
元ネタ、ソースの説明は完成した後でと云う事で。
判る人には判ってしまうと思いますが。
世間一般が夏休み中にはなんとか終わらせたいです。9月までには…
この話、フランソワーズがひたすら外れくじ引いてます。
フランソワーズファンの方、申しわけないw
- 177 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/06(金) 10:58
- 『おばけなんて だいきらいっ!』
「ベトナーーー!!」
「は、はぁーーい…」
今日も今日とてベトナちゃん、夏休みになってほっと一息と思いきやさにあらず。
待ってましたとばかりにあれこれ家の手伝いを押し付けられます。
しかも前に頼まれた仕事が終わっていようがまだだろうがお構いなし。当たり前の
ように終わってないと怒られます。
「はぁ…早くがっこう始まらないかなあ…」
世の小学生にとって、夏休みは宿題の存在を思い出すまではまさにパラダイスですが、
ベトナちゃんは埒外のようですね。まだ一週間ですが、すでに音を上げてます。
そして今もフエの間の大掃除を言いつけられて、水の入ったバケツをよたよた運び
ながらやりたい事を呟いています。
「今年こそプール行こうと思ってたのになあ…花火行こうと思ってたのになあ…シュー
キュー練習しようと思ってたのになあ……」
外はすっかり夕方。今日もお手伝いで一日が終わりそうです。
憂鬱な気持ちでフエの間のドアを開けて、はっとします。そういえば、この部屋は
家の中で一番嫌いな部屋でした。なんでって、怖いからです。
家の中の古いものを大事にしまっているので、それを壊すのも怖いんですが、何とも
言えない部屋の不気味さが大きな理由です。
古い立派な仏像、年季の入ったお仏壇、そしてご先祖様の写真がたっくさん…
おまけに物音ひとつせず、ベトナちゃんが雑巾掛けする音だけが部屋の中を反響します。
外を雲雀が通り過ぎ、過ぎ行く風に揺れる柳の枝。
お外で眺めていたら心地よいんでしょうが、今は不気味さに拍車がかかるだけ。おまけに
この部屋、窓がひとつしかなく、物が多いもんだからあちこち闇のように暗いところが…
そしてちょっと半べそ気味になりかけて、自分をごまかしごまかしバケツに雑巾を入れた
とき…
- 178 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/06(金) 10:58
- がたっ!
びくぅぅぅぅぅっ!
もうベトナちゃん泣きだす寸前です。細い背中はがたがた震え、水浸しの雑巾をかまわず
握り締めてアオザイに水がだばだば染み込んでいきます。しかしさらに…
ことっ…
瞬間ベトナちゃんは凍りつき、文字に出来ない絶叫を上げると、その場にへたり込んで
わんわん泣き出してしまいました。
何事かと慌ててやってきた家族一同、前後不覚で泣き続けるベトナちゃんを持て余し気味です。
何を聞いても「コン・クィでた、コン・クィでたよぉ」を繰り返すばかり。おまけに腰抜かして
立ち上がれない様子。
仕方なしにホーチミン君がベトナちゃんをおんぶしますが、部屋に連れて戻っても背中から
降りようとしません。
「ベトナ、コン・クィはもういない。兄ちゃんいるから大丈夫だろ?」
「えぐ……っすん……ほんとにぃ?……ひぐっ」
「ああ、だから自分で立つんだ。兄ちゃんも疲れた。」
言われてやっとベトナちゃんも背中から降りました。まあ、ホーチミン君の災難はそれで終わり
にはなりませんでしたが。
晩御飯時にはベトナちゃんはホーチミン君にぴったり寄り添い、ママンに言われても絶対離れ
ようとしません。
おまけにお風呂も一緒に入ると泣き叫び、実際に一緒に入ってしまいました。
ホーチミン君、遠い目でこれは一緒に寝ると言い出すんだろうなあと考えていましたが、案の定
その通りになり、やりたい事も何も出来ずベッドに入る羽目になりました。
しがみつくベトナちゃんは何があっても離してくれそうにありません。半ば諦めて寝付くまで
話しかけていましたが、こうなってみれば中々可愛いもので、自然と妹に愛情が湧くというもの。
ちょっと尋常じゃないしがみつきっぷりですが、たまならいいかなとホーチミン君も仏心が出てき
ました。
やがてベトナちゃんの瞼は重くなり、話しかけても生返事が多くなります。
『やっと寝たか…さて…』
がしっ…
『あれ?』
ベトナちゃんが寝付いたのを確認してベッドを抜け出そうとしたとたん、ベトナちゃんホーチミン
君の首に腕を巻きつけます。
『なんだぁ?もう寝たよな?確実に寝てるよな?』
寝ている女の子と思えない強い力で抱きついているため、はがすのに一苦労・・・しかし寝ている
はずのベトナちゃん、ホーチミン君が引き剥がした瞬間からむずかり始めます。
ホーチミン君、天を仰ぎ、ベッドに戻りました。
『まさかベトナが中学生になってもこのままってないよなあ…』
軽く不安に思いましたが、やがてホーチミン君も眠りに落ちます…随分息苦しかったですが。
- 179 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/06(金) 10:59
- *
さて次の日の朝−−−
「えっ………………」
「だからあ、昨日の続き、ちゃんとおやんなさい。」
「ふぇ…」
「泣いてないでちゃんとする!ホーに甘え倒してどうするつもり?いいからとっとと行きなさい!」
タイガーマダムに逆らっては、この家では生きていけません。ベトナちゃん重い足取りでフエの
間に向かいます。
昨日あんなことがあったため、部屋に入る前から神経過敏なベトナちゃん、置物の猫に魂を感じ、
部屋の端っこにいる人形と自分の距離が変わらないか必死に見直します。
常に背後を気にしながら孤独な作業を続けますが、少し恐怖が薄らいだその瞬間…
かっち かっち かっち かっち かっち
突然止まっていた柱時計が動き始めます。
ちょっとした音でびくついているのに、これはあまりに衝撃的。
余程見たくなかったのですが、見ないと余計に不安になるもの。ベトナちゃん恐怖に引きつった
笑いを浮かべてゆっくりと振り返ります。
ここ数年動く気配もなかった柱時計は元気に律動中。まあ止まっていた時計がいきなり動き出す
なんてよくある事なんだと無理に納得させて仕事に戻ろうとしますが、目に飛び込んできたのは
柱時計に滴る赤い色をした液体……そして部屋のどこからかすすり泣く声が……
ぱたっ……
リミットオーバー。ベトナちゃんその場で気絶してしまいました。
ああ、本当にコン・クィはいたんですねえ。
部屋の隅から姿を現すコン・クィ。すらっとした中年の女性、しかし年を感じさせない美しさです。
「ありゃ?…やりすぎ……ちゃったかな?」
コン・クィの正体はママンですか。しかしタチの悪い悪戯ですなあ…
さすがにやりすぎた自覚はあるようで何よりですが、たちまちは気絶しているベトナちゃんを
何とかしないといけません。
ママンは優しくベトナちゃんを抱っこして部屋を出ようとしますが、ふと入り口を見るとパパが
立っています。
「あれ?帰ってたの?」
取り繕うようにママンは笑みを浮かべて声をかけますが、パパの顔は厳しいまま。さすがにママンも
居心地悪そうです。
「これは?」
「あー、うん、ちょっと悪戯したら、やり過ぎたみたい。」
「ちょっと?」
ぎらっと光るパパの眼光。虎はネコになっちゃいました。
「いやはいごめんなさい。かなりやりすぎました。」
珍しくバツの悪そうなママン。なんだかんだとパパの力は強いようです。
「後でちゃんと謝りなさい。」
「ハイ…ごめんなさい。そうします…」
滅多にない事ですが、ママンえらくしおしおです。しかし不思議なことにいたたまれずに視線を
外したそのすぐ後に、パパはもういなくなっていました。
「あれ?パパ?もう、せっかちだなあ…」
少し納得できない消え方ですが、余程怒ってるんだろうと考えて納得してしまいました。
『それにしても、何であんな古臭い服着てたんだろ?ま、いっか…』
- 180 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/06(金) 10:59
- *
ハノイの間にとって返したとき、そこにいたのはお使いから帰ってきたホーチミン君。ママン
の腕に抱かれているベトナちゃんを見てぎょっとします。
「ベトナ!これは…ママン、いったい何があったの?」
「あーあーあー、ごめんホー、ママンが悪いの。」
「え?」
「いやあ、昨日あんまりベトナが怖がるんで、悪戯しちゃえって思っったんだけど…やりすぎた。」
照れ笑いを浮かべるママンに、ホーチミン君大人びた咎める視線を送ります。
「昨日の今日だよ。ママンもよく考えてよ。」
「だあからごめんって。ママンも反省してるから。さっきもパパに怒られたし。あ、ちょっとそこの
ソファにベトナ寝かせるからタオルケット持ってきて。」
「わかった。」
ホーチミン君がタオルケットをベトナちゃんの部屋から持ってきたとき、ママンはベトナちゃんの
おでこに濡れタオルを乗せているところでした。
「でもママン、パパいつ家に帰ってきたの?」
「え?」
思わず振り返るママン、顔に不審な影がよぎります。
「今日は朝早くから日ノ本家に打ち合わせにいてるはずでしょ?」
「…え?」
そういえば…頭の中をよぎる朝の会話。ママンの顔はお人形さん並みの白さになってきます。
「ほら、経営者の研究会とかで一日缶詰になるって昨日言ってた・・・」
「………ぇ?」
返事はどんどん遅くなり、そして…
ぱたっ
「ママン?ねえ?ちょっと……」
ママンはその場に卒倒してしまいました。
「昨日といい今日といい…何なんだいったい…」
ああそう言えば、一番の被害者はホーチミン君かもしれませんね。
何とかママンをもうひとつのソファに寝かしつけると、珍しくため息ひとつ。そしてふと背後に気配を
感じ、振り向くとそこには…
「あ、じいちゃんだ。」
さっきのママンが言ってた「パパ」はじいちゃんだったようです。じいちゃんはにっこり笑うと、
すうっと隣の部屋に消えていきました。
その日はホーチミン君、寝込んだ二人の介抱に忙殺され、また一日棒に振ってしまいました。
帰ってきたパパともども、寝ても醒めても二人に引っ掻き回されたそうな…
おしまい
- 181 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/06(金) 11:00
- 解説・怪談・夏の風物
※ やあみんな、夏のキャンプで夜中の怖い話に精を出してるかな?あ、漏れは仕事でキャンプ行けそうに
ないですけどね!←ヤケ
※ 今回は抱き癖発覚のベトナ…ではなく、あれだけ強かでしぶといベトナム人が、信心深く迷信に振り
回されやすいというお話をば。
コン・マというのはいわゆる『霊』ですな。人は死んだらコン・マになり、その中からコン・クィ、つまり
『悪霊』になってしまうのだそうで。まあコン・クィといえど人の都合で改心してコン・マになったり、
更にタチが悪くなったりするのはご愛嬌。
※ フエは由緒正しきベトナムの古都。日本で言うと京都に当たるのかな?
ソース夏向き
Cafeひろば
http://javinet.web.infoseek.co.jp/
の中の、
ホーチミン市で長期滞在するための、少々無責任な講座(その5)
8 生活の中に見る「迷信」
ttp://javinet.web.infoseek.co.jp/next/many/cyouki_05.html
- 182 名前:siki :2004/08/07(土) 01:18
- 批判も無いみたいだからまたやってみようかな
>おお、まんじゅうこわいx2
ウリはレスが怖いニダ、自分の書いた話にワラタのレスが付くかと思うと
こわくて こわくて、夜も寝られないニダ
- 183 名前:火病する名無しさん :2004/08/07(土) 01:36
- >>168
ワラタ!
怖がれ〜
- 184 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/07(土) 01:55
- >>182
ワラタ
え?こっちじゃない?w
- 185 名前:火病する名無しさん :2004/08/09(月) 01:09
- 新作マダー?チンチン(AAry)あげ
- 186 名前:目次2 ◆D13/XW7M :2004/08/09(月) 01:57
- 第1-7話
>>164
第8話「どちらを信じる?」
>>168(>>169 解説)
第9話「あの暑かった夏休み(前編)」
>>172-175(>>176 解説)
第10話「おばけなんて だいきらいっ!」
>>177-180(>>181 解説)
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/ も更新しますた。
- 187 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:55
- 『あの暑かった夏休み』(中編)
家の大半と勉強道具がなくなってしまったギニアちゃんは困り果ててしまいました。
家の重要な施設と、見取り図は、ギニアちゃんの手元にはもうないのです。
今ある鉛筆とノートがなくなってしまったら、
ギニアちゃんの家では新しく鉛筆も、ノートも作ることは出来なくなってしまいます。
他の子の家から買おうと思っても、大したお金は残っていませんでした。
水道や電気も、もうまともに使うことが出来ません。
夏休み前だというのに、日に日に元気がなくなっていくギニアちゃん。
アフリカ班の他の子も心配そうに眺めているだけでした。
どんな身の上の子供たちにも、一日は平等に訪れ、過ぎていきます。
「……」
「――さくら?」
「……」
「さくら?」
「へ?!」
「どうしたの?さっきから黙り込んで、今日の晩ご飯美味しくない?」
「え?あ!う、ううん、美味しいよ」
「そう、ならいいんだけど」
晩ご飯が並ぶ食卓の上で、思案顔をしているニホンちゃん。
ママにそう聞かれて否定してみたものの、またすぐになにか考え込んでしまいます。
「なあ、さくら」
箸が止まってしまったニホンちゃんに、今度はニホンパパが話しかけました。
「…え?なに?」
「なにか学校であったのかい?また誰かからなにか云われたのかい?」
「…ううん。私の事じゃないの」
「…なにかあったんだね?」
「うん…ギニアちゃんて子がいるんだけどね――」
頭の中で何が起きているのか、整理しながら、
ゆっくりとニホンちゃんはパパとママに学校での出来事を話し始めました。
- 188 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:56
- 『あの暑かった夏休み』(中編)
食卓を囲んでいる家族の殆どが、ニホンちゃんの話を箸をとめて聞き入っていました。
「そんなことがねえ…」
「なにがしか、困ることになるとは思っていたけれど…」
パパとママも深刻そうです。
「うん…私もそう思ってるんだけど…なにもして上げられることがなくて…」
哀しそうに俯くニホンちゃん。
箸を置いて、目をつぶり、腕組みをしていたジミンさんが、不意に口を開きました。
「なあ、さくら」
「?なに?お父さん?」
「今年の夏休みの自由研究はどうするつもりだ?」
「?」訳も分からず、ニホンちゃんは首をかしげるばかりです。
「まだ決まってないけど…?」
「ギニアちゃんの家の見取り図を調べてみないか?」
「?」
まだ事情が飲み込めないニホンちゃんに、
ジミンさんは判りやすいように説明しました。
「フランソワーズちゃんが壊していった家の部分は、見取り図がないから、
ギニアちゃんの家では作り直すことが出来ないんだよ。
だからノートも鉛筆も作れないんだ。だけど――」
家の見取り図さえ作り直せれば、また以前のように生活品は作れるようになるし、
新しいものも作ることも出来ます。
「どうだ?さくら?作ってみないか?見取り図を」
「う…うんっ!!」
ジミンさんの話が終わる頃には、ニホンちゃんの目は輝いていました。
「けれどさくら、これだけは守ってくれ」
「なに?」
「ちゃんとギニアちゃんと一緒に自由研究は作るんだよ。
さくら一人で自由研究を作り上げても、ギニアちゃんのためにならないからね」
「うん、うんうんっ!」
「とりあえず明日、ギニアちゃんに自由研究の相談をしてみなさい。
ギニアちゃんからOKが貰えたら、自由研究に必要なお駄賃を上げるから」
「わかったよ、お父さん!」
ニホンちゃんは、この素敵な計画に、居ても立ってもいられないようでした。
「あと、早くご飯を食べなさい、おつゆが冷めちゃうぞ」
「はあい」
心配ごとの種がなくなったとたんに元気を取り戻したニホンちゃん。
勢いよくご飯を食べ始めました。
「ほらほら、女の子なのにはしたないですよ、ご飯は掻きこまずにきちんと味わって食べなさい」
ママにそうたしなめられて、また慌てるニホンちゃんを見ながら、
ジミンさんはニホンちゃんに手渡すお駄賃の額面と、
自分のお財布の懐具合を考えて、内心苦笑するのでした。
- 189 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:57
- 『あの暑かった夏休み』(中編)
「ギニアちゃん、一緒に自由研究してくれるって!!」
次の日の夜、開口一番、帰宅したジミンさんに駆け寄ったニホンちゃんが、そう報告しました。
「そうか、良かったなあ」まずは安堵の表情を浮かべたジミンさん。
周りを仔犬のようにくるくると回りながら喜んでいるニホンちゃんをひきつれて、
居間に座ると、懐からお財布を取り出しました。
「さくら、手を出しなさい」
「?」
そう云うとジミンさんはそのお財布からお駄賃をニホンちゃんに手渡しし始めました。
「いーち、にーい、さーん、しーい」
「えっ?えっ?」
手渡されるお駄賃を受け取るニホンちゃんの目が白黒しています。
「なーな、はーち、きゅーう、じゅう」
ニホンちゃんの掌には全部で10枚の漱石さんが神妙な顔をしながら整列していました。
「こ、これ」
お駄賃としては多すぎる額です。
「このお駄賃を使って必要な物をまず買ってきなさい。
ノートや鉛筆、定規にコンパスなんかも必要になるかもしれない。
何にいくら使ったか、きちんとノートに書いてパパに見せるんだよ」
「う、うんっ!」お駄賃の金額にびっくりしたニホンちゃんですが、
金額は多いに越したことはないのです。
「じゃ、今すぐ買いに行ってくるよ!」
と、文房具屋さんに向かって勢いよく家を飛び出してしまいました。
「ああこら、もう時間が遅いから明日にしなさい…って、
聞いちゃいないね、まったく」
ジミンさん、ふう、とため息をつきながらそれでも満更でない様子でした。
- 190 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:57
- 『あの暑かった夏休み』(中編)
ところが、好事魔多し、上手くは事が運ばないものです。
「…あづぃ」
ギニアちゃんの家の一角のバオバブの木陰で、
猫のようにぐなーんと伸びているのはニホンちゃんでした。
「すぅ…すぅ」その木陰の上ですやすやと寝息を立てているのは、
当事者のギニアちゃん。いい気なものです。
『一体気温何度あるんだろう…?』
のろのろと腕時計に付けられた温度計を見るニホンちゃん。
「ふえええええ〜〜〜〜!!」
ばささささささっ、と木に留まっていた鳥が一斉に飛び立ちました。
「んあ…?」
ニホンちゃんの悲鳴に目を覚ましたギニアちゃん、下を覗き込みながら、
「何?何かあったの?ライオン?」
と寝ぼけた調子で尋ねます。
「ご、ご、ごご、五十度?摂氏だよね?華氏じゃないよね?」
「ああ、今日の気温かあ。まずまずだね」
「まずまず、って…」
「しょーがないよ、今日は寝よ寝よ」
結局その日は何も出来ずに終わってしまったのでした。
そしてまたある日。
ざああああああああ…
雨が滝のように降っています。もう数十メートル先も見えません。
そして、やっぱりギニアちゃんはお昼寝です。
「これじゃ外に出られないよう…」
ランドセルの中、巻かれたまま、白紙の状態からろくに進んでいない、
模造紙に描かれた見取り図をニホンちゃんは恨めしげに見つめました。
ぴちょん、ぽたん、ぴたん、ぴちょん、ぽたん、ぴたん。
雨漏りがそこかしこで鳴っています。
床はあちこちが雨漏りで濡れていて、
家の中を調べたくても模造紙も満足に広げられません。
『家の中も調べられないし、はあ…どうしたらいいんだろう…』
今度は窓の外、空一杯に広がった雨雲を、ニホンちゃんは恨めしそうに見上げるのでした。
- 191 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:58
- 『あの暑かった夏休み』(中編)
またある時。
「今日はそんな暑くないから楽に調べられるね」
「雨も当分降らないみたいだし、今日は進むぞー!」
入道雲は空の遠くで日傘のように太陽を遮っています。
二人はせっせと張り切りながら庭の見取り図を描いていきました。
と、その時。
ぷいいいいいーん…
と一匹のハエがニホンちゃんの身体を舐るように飛ぶと、
ぴと。
と、腕に止まりました。
「!」
血相を変えて、ギニアちゃんが丸めたノートで、ハエを叩き落とします。
ぱしーん!
「きゃあっ!!」ぽとり、と力なく潰されたハエが落ちました。
「いきなり何するの?ひどいよギニアちゃん」
じんじんと痛む腕をさすりながら、ギニアちゃんに抗議するニホンちゃん。
何も云わずにギニアちゃんは地面に落ちたハエを拾い上げました。
「…ツェツェバエだ」
「なに?そのハエ」きょとんとした様子のニホンちゃんとは対称的に、
いつになくギニアちゃんは真剣な表情です。
「眠り病を媒介する吸血バエ、体調不良、発熱。
それから精神錯乱を経て、最後には眠るように死んでいく、
とんでもない病気を媒介する厄介なハエだよ」
「……へ、えー…」さーっと血の気が引いていくニホンちゃん。
へなへなへな…ぱったり、と、地面に倒れて気絶してしまいました。
「あ、こら、ニホンちゃん!ニホンちゃーん?!」
そうこうしている間にも、ハエは何匹かまとわりついてきます。
「ああもうっ!世話の焼ける!!」
愚痴りながらニホンちゃんを抱え上げて、家に一路非難していくギニアちゃん。
「来るな、来るな!しっしっ!!」ハエに云っても詮無いのですが、
命からがらと云った状態で、その日の調べ物は終わってしまいました。
- 192 名前:どぜう :2004/08/09(月) 03:59
- 中編です。ひたすら長いです。
申しわけなし。
ニホンちゃんとギニアちゃんの明日はどっちだ?!
- 193 名前:火病する名無しさん :2004/08/10(火) 00:11
- うほッ、よさげなネタ(w
ttp://www.yomiuri.co.jp/athe2004/news/20040809id25.htm
- 194 名前:火病する名無しさん :2004/08/10(火) 12:05
- そんな事よりちょいと聞いてよ。
このあいだ、あまり近所じゃないアテネちゃん家行ったんです。アテネちゃん家。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで通れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、まもなく大運動会開催!、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、運動会如きで普段来てない観光地に来てんじゃねーよ、ボケが。
運動会だよ、運動会。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で運動会か。おめでてーな。
よーしパパ、さくらの勇姿をビデオで撮っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、猫の受け渡し場所用意やるからそこ空けろと。
運動会ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
委員会のメンバーが会場招致を巡っていつ買収工作に巻き込まれてもおかしくない、
やるかやられるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと通れたかと思ったら、隣の奴が、ブラジャーを統一旗で応援するニダとか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、統一なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、南北統一、だ。
お前は本当に統一したいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、南北統一って言いたいだけちゃうんかと――
「……ねぇ、ネシアちゃんが何か一人でブツブツ言ってるんだけど……」
「あー、あの子、お家の事情とかでお父さんたちが運動会見に来てくれないんだって」
「……」
国際情勢通のワタシから言わせてもらえば今、通の間での最新流行はやっぱり、
テロ厳戒態勢、これだね。
大規模テロに備えた警備対策の観察。これが通の楽しみ方。
テロってのは宗教的思い込みが多めに入ってる。そん代わり理性が少なめ。これ。
で、それに犯行声明文。これ最強。
しかしテロを支援すると次からアメリー達にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前は、バトミントンでもやってなさいってこった。
(おしまり)
上のソース +
ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/northkorea.html?d=10kyodo_olympicn125&cat=40
- 195 名前:火病する名無しさん :2004/08/11(水) 11:35
- 激藁w
- 196 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/12(木) 11:33
- 『さくら』
記憶の底に沈んでいた思い出。
満開の桜が雨に落とされ、止みかけの霧が世界を濁らせる。
地面を覆う桜の花びらは、桃色に地面を染める雪。
傘も無く佇む人影は、積年の憂いに沈む。
霧景老影。
誇り高く、儚い夢の欠片…
同じ場所を蝉時雨が覆い、歩む足を木陰が先走る。
零れる日差しが蜩の到来を告げ、音が季節を支配する。
捧げた花束の残り香は、過ぎ去った歳月を連れてくる。
虚空彷徨。
懐かしき、帰らぬ日々の思い出…
巡り来る季節の中で、何故にこの日に御霊は集うのか。
声無き声に導かれ、今日も迎え火を門前に灯す。
私の花を咲かせる木々は、今日も全てを見下ろしている。
了
- 197 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/12(木) 11:41
- 解説・帰省・提灯行列
※ どもどもあさぎりでございます。
わかりにくいよねえ今回は、だってお話じゃなくて詩だもんねえ。
ややこしい言い回しは単に趣味なんです…
そ、それでは念のため読みでも書きます
霧景老影:むけいろうえい…造語です
虚空彷徨:こくうほうこう…同上
※ 終戦がらみで鎮魂の意を込めてと思いましたが、なんかこう
なっちゃいました。雑文失礼!
- 198 名前:火病する名無しさん :2004/08/12(木) 16:24
- 頭文字G(ブラクラ写真有注意)
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/12/20040812000047.html
- 199 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/12(木) 22:46
- 〜 PRIDE 〜 その1
「いい加減にしろよ! これはシューキューの試合だろ!」
もともと気が長くないウヨ君ですが、完全に頭にきています。
4年に一度のアジア町杯のシューキュー大会、今回はチューゴ家での開催なのですが・・・
「ニホンちゃんは前回の優勝者だもん、注目もされるわよ。 チューゴ君の家の人って、弱いほうを応援するのね。
それと、やっぱ反省足りないんじゃない?」
「ケッ、チューゴ家の人は弱いものを助けるって? そんな話聞いたことないぜ。」
アサヒちゃんの言い草には、呆れるほかありません。
一方で、前回優勝者として挑むニホンちゃん、デッキの中身はというと、
「ニホンはカードをまともにそろえていないアル。 まさに小ニホン、つまりは2軍。 可可可。」
と、チューゴ君が冷笑するようなレベルでした。
しかも厳しい日程と、中立の意味を知らない審判のおかげで、ニホンちゃんはかなりの苦戦を強いられていました。
「そうか・・・。 ポルとガルの姉妹に、マカロニーノ、フラメンコ先生もこうやって負けたのか。」
地球最後の日のように落ち込んで帰っていった姉妹。
伊達男の看板を粗大ゴミに出した色男。
激情家の本性を丸出しにした教師。
あの日あの時の4人の気持ちが、少しだけ分かった気がするウヨ君でした。
しかし、ただ手をこまねいているわけにはいきません。 姉思いのウヨ君はとうとう決心しました。
「姉さんだけにつらい思いはさせない。 決勝はオレもチューゴの家に乗り込んでやる。」
「気をつけてな。 コレをよく読んで、変なことするなよ。」
ニホンパパが渡してくれた紙には、こう書いてありました。
1.青い服は<ペキンの間>の中だけで着ること。
2.日の丸は隠しておくこと。
3.勝っても負けても挑発しないこと。
「なにこれ?」
いまから突撃! なのに、思いっきり出鼻をくじかれたウヨ君、恨めしそうにパパを見ます。
「約束を守れるな? 分かっていると思うが、今のあそこはとても危険だ。」
「分かったよ。」
かくしてウヨ君は、チューゴ家<ペキンの間>に乗り込むことになりました。 その後姿を見つめるニホンパパが
そっとつぶやきます。
「あの家にも困ったものだ。 ODA賃、やめようか・・・。」
- 200 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/12(木) 22:47
- 〜 PRIDE 〜 その2
意気込みと鼻息を荒くして、<ペキンの間>に乗り込んだウヨ君ですが、のっけから熱烈歓迎を受けることに
なりました。
「君の席はあっち。」 係員が指差す方角は、場末の安い安い席です。
「なんでだよ。 オレちゃんとチケット持ってるぜ?」
「安全第一。 君のためアル。 嫌なら帰ってもいいアルが?」
そう言う係員の目はしつけの悪い犬を見るようでした。 一方で、チューゴ家の人々は見晴らしのいい席に続々と
入っていきます。
「ふん、これくらいなんだ。」
嗚呼、ツヨガリータの心意気。 この場はおとなしく、ウヨ君はあてがわれた席へと向かいました。
さて、いよいよ試合開始です。 ウヨ君も起立して胸に手を当て、さあ<君が代>の演奏、なのですがチューゴ家の
人は誰も席を立ちません。 代わりに多人数のブーイングの洗礼が待っていました。
「てめえら、そんなことしていいと思ってるのかよ?」
四面楚歌。
多勢に無勢。
ウヨ君の声量豊かな歌声も、かき消されてほとんど聞こえません。
アジア町杯シューキュー大会の決勝が始まりました。 お互いに慎重な出だしですが、ウヨ君の目には姉の動きが
いいとは思えません。 しかも、
「なんであれがファウルじゃないだ! おい審判、いくらもらった!?」
チューゴ家の人々の雰囲気に圧倒されたのでしょうか? 中立であるはずの審判は、かなりチューゴ君よりです。
さらに・・・
「よしチャンスだ、って、なんでオフサイド?」
不可解きわまるジャッジで、ニホンちゃんの攻撃チャンスは芽吹く前に摘み取られる始末でした。
なかなかシュートまで持っていけず、いらつくウヨ君。
そんなとき、ニホンちゃんが得意とする、<セットプレー>のチャンスを得ました。
「がんばれ姉さん、頼むぜ<シュンスケカード>。 よし! やった!」
この試合、初めてのチャンスをニホンちゃんがモノにし、1点先制です。
とはいえ、まだ時間はたっぷりあります。 チューゴ君はニホンちゃん防御陣の弱点、両サイドからの攻撃を開始。
しかもこれはチューゴ君の得意技なのです。
まずい、とウヨ君が腰を浮かせたそのとき、チューゴ君はシュートを宣言しました。
同点。 <ペキンの間>は、「加油! 加油!」の大合唱が始まりました。
- 201 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/12(木) 22:48
- 〜 PRIDE 〜 その3
後半、一進一退の攻防のなかで、ニホンちゃんのチャンス<セットプレー>です。
ボールは抜群の精度を誇る<シュンスケカード>から、ゴール前の密集地帯を越え、<ナカタコカード>へ。
ウヨ君が最も期待した、この大会中のニホンちゃんが持つ最強の攻撃コンボが炸裂です。
「やったぜ! さすが<シュンスケ>、お前最高!」
2−1、ニホンちゃん再びリードを奪いました。
負けられないチューゴ君、攻撃は熾烈さを増してきます。 そのたびに、<ナカザワカード>がはじき返し、
危ないところを<ミヤモトカード>が抑えます。
そして守護神<カワグチカード>が、鉄壁の守りを見せ、チューゴ君の攻撃を止めていたのですが、
ちょっと開いたスペースをついてくるパス。 それをモノにしたチューゴ君のFW陣は、そのままゴールめがけて
突進してきます。
やられた、とウヨ君が思った瞬間、<カワグチカード>のディフェンス力が突如跳ね上がりました。
ノーゴール。
さらにもう一度、チューゴ君がシュートを宣言しましたが、<カワグチカード>の確変状態は続行中でした。
ノーゴール。
「すげえよ、<カワグチ>すげぇ・・・」 思わずへたり込んだウヨ君でしたが、<カワグチカード>は神々しくも
雄々しく、そして不敵に光り輝いていました。
「もう時間もない。 なんとか逃げ切ってくれ、姉さん。 こないだみたいなのはゴメンだぜ。」
そう思うウヨ君の眼の前に、鮮やかな攻撃が展開されました。
<シュンスケカード>が放つ、狙いすましたパス。 DF陣の間を切り裂きぽっかりと開いたスペースへと出された
それは、強力な攻撃コンボ<スルーパス>の発動です。
すり抜けるボールに追いつく、快速FW<タマダカード>。
必死で戻るチューゴ君のDF陣、しかしもう届きません。 <スルーパス>、成功です。
阻止せんと前へ出るGKを軽くいなして、高らかに宣言されたシュートは無人のゴールへ。
あれほど人がいたのに、がらんと静まり返った<ペキンの間>。 うなだれるチューゴ君は銀メダルをもらうと、
そそくさと帰ってしまいました。
「勝った、勝ったぞ! 俺たちは勝ったぞ!」
歌うは、アイーダの凱旋行進曲。 2年前の記憶は、いまなお鮮明にウヨ君の胸中にあります。
こぶしを突き上げ歓喜の雄たけびをあげるウヨ君に、ニホンちゃんは高らかに優勝カップを掲げて見せました。
「武士、意地を見せるって、こういうことよ!」
< おわり >
- 202 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/08/12(木) 22:49
- やあっと書けました。
むろん、先日までのサッカーアジアカップです。
どこで終わりか分かるように、「おわり」の文字を入れておきます(自爆
- 203 名前:ナホトカ@現在工事中 :2004/08/12(木) 23:09
- あれれ!いつのまにかスレが立ってる!
やばい、このままだとリアルでもネットでも流行に遅れる…orz
というよりニホンちゃんリレーっていうのは…もう…終わった…んでしょうか…………
現在、ちょっと工事中使えるコンテンツが少ないので勘弁してください。
- 204 名前:火病する名無しさん :2004/08/13(金) 16:15
- 妊娠してしまいます。
ttp://www.chosun.com/w21data/html/news/200408/200408130153.html
- 205 名前:火病する名無しさん :2004/08/13(金) 20:45
- >>203
リニューアル後のサイト、絶望的に読みにくいです。
- 206 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2004/08/14(土) 06:28
- 「盗み見」
「ま、マカロニーノの仕業ね!? ヒドイわッ!なな何て写真撮ってるのよぉおーーーーーーっ!!!」
わーっ 泣き出してしまったルーマちゃん。
あんな、うっふーん☆なアングルの写真を壁新聞に貼り出されてしまったら、もう恥ずかしくて大運動会に備えての新体操の練習どころではありません。
「ご、誤解だよ、ルーマちゃん! ボクはあんな事してないよ!」
「ほほう!」
「ぃいてて、何するんだアーリア!…て、わわわわ」
ぐい、と腕を捻り挙げられたマカロニーノ君のポケットから、小学生には不釣合いなデジカメ付き携帯が転げ落ちてきました。
「それでも何か言い訳するつもりですの?」
フランソワーズちゃんに死にかけたゴキブリを見下ろすような目で射すくめられても、マカロニーノ君はめげません。
「今時のケータイにカメラくらい普通に付いてるじゃないか! 断じてあれはボクが撮ったものじゃないよ!」
「確かに、携帯電話機に付属する程度のCCDにしては解像度が良すぎるね。あんなキワどいシワまでクッキリと写す為に要するスペックは…いででででっ」
ノーベル君の冷静かつエッチぃ分析にスオミちゃんが無言でホッペをつねりあげます。
「…ホント?本当にマカロニーノ君じゃないのね?…」
「あぁ、もちろんさっ。分かってくれたかい?」
キラりと無駄に白い歯を光らせるマカロニーノ君。伊達男の真骨頂です。
「ボクならもっとこう、下からローアングルで…」
おっと、つい本音が漏れましたね?
「サイテぇーーーーーーっ!!!」
ガブっ!! ルーマちゃんがおもむろにマカロニーノ君の二の腕に噛み付きました。ちょっと不ぞろいな八重歯がキバよろしく、がっちり食い込んでいます。
「イでっ!」
「ゆふははひ!ほふはっははふふほほはひひほはへへほひほふひはっへほはふはほッ!
(許さない!こうなったら運動会にそなえての滋養になって貰うわよッ)」
ぢゅ゙ぅ゙ゔゔーっ、と何か液体を吸い上げるような音がしますが、きっと気のせいです。
「濡れ衣だぁッ! あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ〜〜〜〜」
マカロニーノ君の顔がだんだん青ざめていくのはきっと貧血ではなく痛みのせいでしょう。さすがにルーマちゃんも容赦がありません。
* * * * * * * *
「バカンコ逝ってよしッ!!! つーか、逝け!ゴラァぁああ!!!!」
どかばきぐしゃッ!!!
「ア〜〜イ〜〜ゴ〜〜〜…………☆キラーン」
哀れ、カンコ君はタイワンちゃんの八卦掌ではるか彼方へぶっとばされて、お星様になりました。
* * * * * * * *
「ルーマちゃん、気を取り直して。盗撮魔は駆除したわッ」
「はひへふっへ?(何ですって?)」
「だから、あれは体育館に忍び込んでたバカンコが犯人だったのヨ! 全くあの恥じ知らず!
…って、何してるのルーマちゃん。」
「…………テヘ☆」
と、ルーマちゃんはマカロニーノ君を放して、可愛らしいゲンコツで自分の頭をこつん。
「それにマカロニーノ君、げっそりしちゃってどうしたの?」
「…マ,マンマ〜ミ〜ヤ〜〜……」
いとふゆ。
- 207 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2004/08/14(土) 06:28
- 解説:
ソースは >>204 ご指摘の下記。
>>ttp://www.chosun.com/w21data/html/news/200408/200408130153.html
>>「盗み見しないでください」
前科持ちのマカロニーノかと思ったら、かの国の方ですか。
何処の国にもそういう人はいるというか、何て物を何て所に載せるんでしょうね(;´Д`)ハァハァ
それに釣られてる私などはもうダメダメ過ぎてすっかり挫折グセがついてしまいますた…………_| ̄|○
- 208 名前:火病する名無しさん :2004/08/14(土) 12:14
- <五輪>サッカーギリシャ戦での花交換、うっかりミス
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0813/20040813175208600.html
・・・いやもうカンコ君はネタ提供しすぎでつよw
- 209 名前:目次3 ◆D13/XW7M :2004/08/16(月) 05:32
- 第8-10話
>>186
第11話「あの暑かった夏休み(中編)」
>>187-191(>>192 解説)
第12話「そんな事よりちょいと聞いてよ。」
>>194
第13話「さくら」
>>196(>>197 解説)
第14話「PRIDE」
>>199-201(>>202 解説)
第15話「盗み見」
>>206(>>207 解説)
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/ も更新しますた。
- 210 名前:火病する名無しさん :2004/08/16(月) 12:45
- >>『あの暑かった夏休み』
>>177-181『おばけなんて だいきらいっ!』
キャンプっておいしいニカ?
リンク先のコラムみましたが、やっぱりベトナたそも家では放送コードに引っかかるような呼ばれ方をするのでしょうか。もう口をひらけばピーとかピーとか鳴りまくってもうなにがなにやらw
それからウヨきゅんは女装k(ry
>>194
ワロタ
柔道の審判員。これが通の楽しみ方
審判ってのはルールブックが脳内に多めに入ってる。その代わり私情が少なめ。
それに初の女性審判。これ最強。
しかし捏造判定をすると次からIOCに村八分にされるという危(ry
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/16/20040816000021.html
>>196『さくら』
そりゃあ死体が埋まってまつからねw
ニホソ「お墓参りできないなんて・・・グレテヤル」
カソコ「な、なんかドキドキしたニダ。これってKOI?」
タイワソ「それは変したいだから」
最低にブチコワシテおわる。
>>199-202『PRIDE』
で、そのあと朝までカンキーンなわけでして。
アサp「我慢できないっていうか漏れるっ」
ニホソ「どんだ『おもてなし』だよね」
ツナー「・・・・かゆ・・うま」
アサp&ニホソ「「ヒィィイイイイ!!!!」」
漏らしたかどうかは知りません(w
とりあえずここまで〜
- 211 名前:火病する名無しさん :2004/08/16(月) 12:46
- 書き忘れorz
>>『あの暑かった夏休み』
完結したら感想しる!
- 212 名前:どぜう :2004/08/18(水) 11:15
- >>211
>完結したら感想しる!
頑張りますよ俺!パイティン!!
- 213 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/21(土) 11:16
- 『およげ マラボくん』
「え?なんで?なんで出れんのですか?」
「正直スマン、エントリー用紙に名前書き忘れちゃった、はっはっはっ。いやぁ、パパの
しっぱいだなぁ。」
ギニア・マラボ君、パパの言葉に呆然としています。運動会の競技参加は保護者が責任もって
体育委員に届け出るのが学校の慣わし。マラボ君はパパがてっきり応募してくれると思い込み、
連日夏休み返上で練習していたのでした。しかしパパはうっかり記入漏れをして、参加無効をつい
さっき体育委員から言い渡されたところでした。
「しっぱいもちっとひどすぎだよぅパパ。おらいがいっしょけんめ練習してたのパパ知ってる
はずだぁ。」
「うん。ごめんなあ、すまんなあ、また来年頑張ろうなあ…」
「はぁ…おらいを去年応援してくれたしとに頑張ったところ見せたかったよぅ。お礼したかった
よぅ。」
息子のあまりの落胆振りにパパはちょっとぎょっとします。
「そっかあ、一生懸命やってたんだなあ。」
「ヒミツの特訓をせんせいにさせてもらってたよぅ、去年の半分の時間で泳げるようになって
たんだよぅ…もうビート板ともおさらばしたんだよぅ・・・」
「そっかあ、頑張ったんだなあ。」
パパ、ちょっと後ろめたい気分のようです。
「仕方ないよぅ。来年頑張るよぅ。」
「そっかあ、そうしようなぁ。」
息子の落ち込み加減がちょっとやるせない気分にさせますが、パパも息子に恥をかかせない為に
良かれと思ってしてしまったことでした。
ビート板無しで10メートルも泳げない息子が本気で泳げるように努力しているなんて考えても
いなかったのです。
親にとっては去年の運動会は悪夢でした。保護者が沢山見守るプールで、たった一人で溺れながら
泳ぐ息子の姿。最初は保護者の爆笑が、そして途中から拍手と賛美の声がありました。
参加することに意義がある。確かにそうですが、笑いものにされる息子なんて親としては見たく
なかったのです。親としては、頑張った息子を他の保護者から褒められても、どことなく馬鹿に
されている気がしないでもなかったですし…
しかし、陰ながら努力していた息子の姿を見逃していた上、体面を気にしていた自分をパパは
ちょっぴり恥ずかしく思いました。
『いや、ほんとにうっかり書き忘れたんだけどなぁ…どうしようか悩んでて書き忘れたんだなぁ……』
そういうことは息子にちゃんと言おうねパパ。
おしまい
- 214 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/21(土) 11:17
- ■解説・水際・演者交錯
※やあしょくん、いちにち6じかんはねたほうがけんこうにいいぞ!←あいさつ
※ 今回はシドニーの競泳のアイドル、男子100m自由形の選手、エリック・ムサンバニ
をネタにしてみますた。
ある意味伝説になり、世界最遅という嬉しいんだか嬉しくないんだかの異名をもらった
赤道ギニアの競泳選手です。当方リアルで見てませんが、見てたら画面に向かって拍手
してたでしょうねえ。オリンピックで『参加することに意義がある』というのを体現した
意味では、彼は最高の選手ではないかと思います。
※ 五輪委員会の『写真が見つからなかった』というのは言い訳臭いですが、どこかで
彼を五輪に出させたくなかった人間がいるのかもしれませんねえ。話中のその辺の表現も
創作なんで悪しからず。
■水っぽいソース
「応援してくれた人たちを抱きしめて、キスしてあげたい」
エリック・ムサンバニ(Eric Moussambani)
2000年 シドニー大会
【競泳・男子自由形100m】 予選
ttp://athens.yahoo.co.jp/feature/words/at00001796.html
アテネ五輪:
競泳 赤道ギニア代表・ムサンバニ、五輪委が申請せず出られない!?
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040810dde035050031000c.html
WIKIの記事:赤道ギニア共和国
あーあー・・・独裁国家ですかそうですか……
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E3%82%AE%E3%83%8B%E3%82%A2
- 215 名前:どぜう :2004/08/21(土) 13:51
- 『飛んでけ エリザベス』
カナディアン君の家で行なわれた大運動会の時の話です。
「わ、わわわわわ、わわわわわわっ!」
颯爽とジャンプ台から飛び出した…と云いますか、
転げ落ちた、と云う方が正確か、ともかく、
不格好に手をばたばたとやりながら飛んでいく一人の影。
その人は、普段の優美さとは一線を画すエリザベスちゃんなのでした。
『71m』
電光掲示板に記録が表示されます。
「やった!やったわ!!」
と、一人はしゃいでいる我らが女王さま。
運動会の記録としては、いささか…もとい、最下位なのですが、
最近まで全くジャンプ競技をしていなかったエリザベスちゃんの家では、
歴代一位の大快挙なのです。
…本当なところ、エリザベスちゃんの家でジャンプ競技をしているのは、
エリザベスちゃんだけなのですが。歴代一位もむべなるかな。
「なぜ私を出していただけないの?」
「下手だからよ、では、ごきげんよう」
フランソワーズちゃんの家で行なわれた大運動会の時は、
技量不足を理由に断られてしまいました。
それならば、とノルウェー君の時は不意打ち気味に参加を希望しましたが、
やっぱり駄目。
なにせ、家の中でジャンプ競技に熱中しているのは、
エリザベスちゃん一人だけ。
雪も降らない、山がない。設備もない。ないないづくしなのに、
それでも諦められないのは女の意地か、
七つの海を制覇した家のなせるサガでしょうか。
「今度は裸で飛んでみようかしら。でも転んだら火傷しますし…」
ニホンちゃんちの大運動会の時にはこんなことを云っていたようですから、
どこまで本気か判りませんね。
それでも、やっぱり挑戦する姿は勝敗を超えて美しいのです。
「あわわわわわ!ぶ、ぶつかりますわ〜!」
…でも、ちょっとは身体を大切にしようね。エリザベス。
おしまい
- 216 名前:どぜう :2004/08/21(土) 13:52
- 本歌取りで感想をば。
元ネタはカルガリー・オリンピックの英国出身のスキージャンパー、
マイケル・エドワード氏。
ttp://www.canal.ne.jp/~harushi/jump/jumper/m_edwards.html
ウォーリーを探せ!のウォーリーを思わせる風貌のとぼけた左官屋さんです。
エディ・『ザ・イーグル』・エドワーズの二つ名は伊達じゃない。
この人確か、その後大会でひどく事故ったと覚えてるんですが、
ネット上に記事が見当たりませんでした。
クール・ランニングって映画もありましたねえ。
ベタな展開でしたが、漏れああいうのに弱いんだよなあ。
>ギニア・マラボくん
漏れのギニアちゃんよりもキャラが立ってる、哀しい。とほー。
- 217 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/21(土) 23:26
- >>216
えーと、ギニア≠赤道ギニアです。かぶってないですたぶん…
- 218 名前:どぜう :2004/08/22(日) 09:50
- >>217
うわっ!オツムの出来が判るような発言でした!
是非見なかったことにしていただきたい!ね、ね、ね?
- 219 名前:火病する名無しさん :2004/08/22(日) 12:53
- 『竹のカーテン』の向こう側が悩ましい
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/22/20040822000005.html
- 220 名前:大洞 :2004/08/22(日) 19:45
-
「ちょっとおおきい」
それは少し昔、まだニホンちゃんちが貧乏だったころのお話
運動会の競技で、ニホンちゃんがまさかの優勝
「お父さん、やりましたよ ニホンが優勝ですよ」
「ああ 」
「なんですか、お父さん その気の無い返事は、優勝ですよもっと喜んだらどうですか」
「しかしだな・・・」
「なんですいったい」
「優勝すれば当然、表彰式に立つことに・・・」
「そうですよ、喜ばしいことじゃありませんか」
「表彰式にはきれいな洋服を・・・」
「あっ そうですよ、どうするんですかおとうさん、そんな服は準備してありませんよ」
「だからどうしようかと・・・・」
「どうして用意してないんです」
「だって、おまえ まさかうちのニホンが優勝するとは・・・・」
「そうですけど 優勝したんだから綺麗な格好で式にでないとあの子がカワイソウですよ」
「だからといってどうすれば・・・・あっ!!」
「なんですお父さん」
「あそこの人がもっている服、ニホンにぴったしだと思わないか?」
そこには綺麗な服を手にもって、ニホンちゃんを応援している近所のお姉さんがいました
「あの人に頼んで、あの服を借りよう」
「でも、お父さん」
「しかたがないだろ」
「そうですね、しかたがありませんね」
「ちょっと、すみませんが・・・・・・」
そして
「ニホン にあっているわよ」
「ふみぃぃぃ 手がでないよう この服 ぶかぶかだよぉ」
「じゃあ、表彰式にでるのやめる?」
「でる〜〜〜〜」(泣
おしまい
解説・ソースを探しましたが見つかりませんでした
でも、オリンピックが開催中の方がいいだろうとうpします
その為、あやふやな記憶をたよりに元ネタの説明をします
オリンピックで入賞がまったく期待されていない競技でまさかの優勝
ところが予想外で、掲揚する 日の丸が準備されてなく、関係者は大慌て
急遽、日の丸を振って応援していた観客に借りたのですが
掲揚された日の丸は他の国の国旗より一回り大きかったとか
- 221 名前:目次4 ◆D13/XW7M :2004/08/23(月) 02:41
- 第11-15話
>>209
第16話「およげ マラボくん」
>>213(>>214 解説)
第17話「飛んでけ エリザベス」
>>215(>>216 解説)
第18話「ちょっとおおきい」
>>220
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta も更新しますた。
- 222 名前:火病する名無しさん :2004/08/27(金) 13:43
- 逆鱗に触れる
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/27/20040827000035.html
- 223 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/29(日) 13:31
- 『奔れ!馬鹿正直者!』
サテ宴たけなわの町内大運動会。
勝ち負けの悲喜こもごもは大人も子供も一緒です。
こなたに見えるネーデル君も1番とは行きませんが2等賞をもらって意気揚々と
家路を急いでいるようですね。
「二等賞二等賞♪これでパパにも自慢しまくりだもんねー!ただいまー!」
コンパクトな平屋建ての我が家に戻ったネーデル君、早速家族全員に運動会の
結果報告です。
家族全員息子の半分自慢話の息子を温かい目で見ています。ああみんな、
我が家の誇りとか思ってるかもですね。そしてもらった賞状を鞄の中からごそごそ
探していたネーデル君、暫くすると笑顔が消え、動きがぴったり止まります。
「どしたんネーデル、なんで賞状見せてくれんのん?」
ママが不思議に思って聞きますが、ネーデル君はぼろぼろ涙を流し始めぼそっと
呟きます。
「ドッカニオトシチャッタミタヒ…う、ウワァァァン!」
大きなのっぽのネーデル君、賞状をもらった朝に帰りたい気分です。
今はもうどこにもないあの賞状…なんて言ってる場合じゃありません。ネーデル君
必死の形相で今来た道を引き返します。
そして日もとっぷり暮れてしおしおのネーデル君が帰宅。手ぶらという事は発見
出来なかったようです。
「金ならイチマイ、銀ならゴマイ…つまりウリはおこじゅかい1.2倍をフイにしたニダ。
ああ、おこじゅかいうpおこじゅかいうpおこ(ry」
ああ、どうやらママとお小遣いアップを約束してたようですねえ。そりゃまあ、賞状
一枚必死の眼で探すのもうなずけるってもんです。
しかししかし、失意で開けたドアの向こうは、ご馳走の匂いと家族の笑顔。
何がなにやらわからないネーデル君。なくした筈の賞状をママに見せられてやっと
合点がいきました。
運動会の会場で、ネーデル君のママから連絡受けたアテネちゃん一家は、総出でお家を
大捜索。アテネちゃんが見つけてネーデル君のママの所まで届けてくれた由。
普段は没落したくせに昔の自慢話ばっかするアテネちゃんを快く思ってなかった
ネーデル君も電話でアテネちゃんに感謝のアメあられ。まあよかったですねえ。
そして三日後、学級新聞でこの美談をアサヒちゃんが学級新聞で取り上げました。
しかし、ネーデル君はちょこっと記事に出てるだけで、なぜか扱いは賞状を見つけた
アテネちゃんのほうが大きい始末。でかでかと載っている写真の中で、アテネちゃんは
ネーデル君の賞状を高々と上げています。キャプションには『つかの間の二等賞気分を
味わうアテネちゃん』と書いてあったとか。
まああれです。ネーデル君お小遣いアップおめでとう。
「な、なんか納得イカンのは何故に?」
おしまい
- 224 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/29(日) 13:32
- 解説・美談・地中海風
オランダの選手がうっかりタクシーに忘れた銀メダルの話をば。
見つけた運ちゃんが首にメダルかけて記念写真は本当ですが、他は殆ど創作なんで
あしからずw
ネーデル君がニダニダ言ってるのはあすこが『西朝鮮』とか言われてるのを思い出した
からでつ。
↓ソース適当
毎日インタラクティブより
アテネ五輪:ボート メダル、モドル−−男子エイト「銀」シモン、タクシーから
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/sports/feature/archive/news/2004/08/26/20040826ddm035050095000c.html
- 225 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/08/29(日) 13:35
- >>220
最後の「出るーー」に萌えてしまいましたw
こう考えると主催者って大変なんだろうなあ…
君が世はどうしたんだろうか?あ、金じゃなかったのかなあ?
- 226 名前:大洞 :2004/08/29(日) 23:25
- >>220 のソース 見つかりました。
アムステルダムでの陸上三段跳び・織田幹雄選手が日本人で初めて金メダルを
とった時の逸話のようです。
巨大な日の丸があがった(なんと面積が四倍以上)理由は諸説あるようです
その時の「君が代」の演奏も、音楽隊が練習しておらず、ぐたぐただったようです
ニホン「ふみゅ〜〜 こんなにサイズがおおきいと、服がずり落ちちゃうよー」
- 227 名前:目次5 ◆D13/XW7M :2004/08/30(月) 05:36
- 第16-18話
>>221
第18話「ちょっとおおきい」
>>220(>>226 解説)
第19話「奔れ!馬鹿正直者!」
>>223(>>224 解説)
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/ も更新しますた。
…最近は発表のペースが落ちてるので隔週更新にしようかな…
- 228 名前:火病する名無しさん :2004/08/31(火) 12:39
- ニホンがおこてるアル
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040831-00000668-reu-bus_all
もしかして弄ばれてる?
ttp://www.hokuriku.chunichi.co.jp/nea/vladivo/20040116.shtml
ありえない〜(ナニガ
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/31/20040831000017.html
得炉画像きぼんぬ(脳内変換要
ttp://news.goo.ne.jp/news/picture/jiji/20040831/2022071.html
- 229 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:10
- 『あの暑かった夏休み』(後編)
ある日のことです。
その日もニホンちゃんはギニアちゃんの家で見取り図を作ろうと、
ギニアちゃんの家に歩いていました。
道の先に、ギニアちゃんの家が見えてきます。
と、そこには、一人、ちっちゃい女の子が石を蹴って遊んでいました。
アフリカ班の家は、みな兄弟が多いのです。ギニアちゃんの家も例に漏れず、
姉妹が沢山いるようでした。
「おはよっ!」
そう云って挨拶をしたニホンちゃん。
その瞬間、その子の顔色がさっと変わりました。
その子は怯えたように、怒ったように睨むと、
脱兎のように家の中に逃げていってしまいました。
「あっ…!」
後を追う間もなく、玄関に一人、取り残されてしまったニホンちゃん。
「あれ、こんなところでなにしてるの?」
水汲みでしょうか。大きな水がめを持ったギニアちゃんが、入れ違いに玄関から出てきました。
「ん?あ…ちょっと、ね」
気まずさと釈然としない気持ちを胸にしまい込んで、
ニホンちゃんも、ひとまず水汲みにおつき合いすることになりました。
てくてく、てくてくと川を目指して、ギニアちゃんとニホンちゃんはならんで歩きました。
「ねえ、ギニアちゃん」
「ん?」
「ギニアちゃんの持ち分、どれだけ進んでる?」
「んー、あんまり進んでないなあ」
あっけらかんとギニアちゃんがそう打ち明けます。
「あんまり進んでない、って…」
もう夏休みも残り少ないのです。
あんまりのんびりしているわけにはいきません。
「もうちょっと一生懸命やろうよ、これじゃ間に合わないよ?ギニアちゃん」
おずおずと抗議するニホンちゃん。
「一生懸命やってるよ、間に合わないって思うんだったら手伝ってよ」
そう云ってギニアちゃんは口をとがらせてしまいました。
「ご、ごめんね。でも、お父さんからも云われてるの。
私が出しゃばっちゃうとギニアちゃんのためにならないの」
「なんだよそれ」ギニアちゃんが立ち止まります。
「で、でもね…」
「ためにならない、とか、えらそうなこと云わないでよ、フランソワーズみたい」
水がめを地面に置いて、ギニアちゃんがつまらなさそうに鼻を鳴らしました。
「つまんないの、いいよ今日は、やめやめ」
そう云うとギニアちゃんは、はあっ、とため息をついて、
水がめをもう一度担ぎ上げました。
「あたし妹たちの世話もしなきゃいけないし、今だって、
水持って帰らなきゃいけないんだもん。
水道とか云う便利なもの持ってるニホンちゃんにはわかんないよ、
あたしの一日の手間なんて」
「違うよ!…違うよギニアちゃん…私だってウヨやリュー君の勉強教えたりしてるもん、
そりゃ、水運びとかはないけど…でも…っ!」
こつん!
必死で抗議するニホンちゃんの頭に、何か固いものがぶつかりました。
「?」振り向いたその先には、玄関先で見た小さな子がいました。
「おねいちゃんをいじめるな!」そう云いながら、
その子はニホンちゃんに突っかかっていきました。
「きゃあっ!」
勢いよくぶつかられて、尻餅をつくニホンちゃん。
「えいっ、えいっ!」
「や、やめろよ!こら!」
小さな拳骨を振り上げる妹を引き剥がすと、ギニアちゃんは、
「まあそう云うことだからさ…今からでもニホンちゃん一人で、
別の自由研究やってよ、あたしのせいで迷惑かけるのヤだからさ」
そうギニアちゃんは云い残して、水汲みに行ってしまいました。
- 230 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:10
- 『あの暑かった夏休み』(後編)
「あれ、ニホンちゃん?」
肩を落して一人とぼとぼと来た道を引き返していくニホンちゃんに、
声をかける人がいました。
「ウチの子と水汲みに行ったんじゃないのかい?」
振り返るとギニアちゃんのお母さんが買い物から帰ってきたところでした。
「………」
ふるふると首を振るニホンちゃん。
「…そうかい。
…じゃ、ちょっとウチでお茶でも飲んできなさいな」
そう云って、ギニアちゃんのお母さんはにっこりと笑いました。
「そんなことをあの子がねえ…あ、喉乾いただろ?飲みな?ね?」
木製の椀に注がれた水を出しながら、ギニアちゃんのお母さんが、そう尋ねます。
「あの子はねえ、物心ついたときから人に使われてばっかりなんだよ」
「……」
「かわいそうだとは思ってるんだよ。けどね。
あたしたちが子供の頃も、ずっとそうだったんだよ。長いこと、ずっと」
ニホンちゃんはお椀の中、揺らめく水を眺めながら、口をつぐんで俯いていました。
「対等につきあえる子供たちがいないのが不憫でねえ。
だからね。ニホンちゃん、アンタに誘われた時には、多分あの子嬉しかったんだと思うよ。
あたしだって嬉しかったんだ。ましてや誘われた本人だもの」
「…………」
「…ごめんねえ。やっぱりうまく云えないねえ」
そう云うと、ギニアちゃんのお母さんは、ふふふ、と小さく笑いました。
「……です」ぽそりと何事か呟いたニホンちゃん。
「?」
「…私、ギニアちゃんと自由研究続けます、
間に合わないときには、一緒に先生に叱られます」
「…そうかい」空になったお椀を片付けながら、
そう云ってギニアちゃんのお母さんは小さく頷きました。
「私、もう帰らなくちゃ」
傾きかけた日差しに気がついたニホンちゃんが慌てて帰り支度を始めます。
「じゃ、また明日来ます!」
そう云ってニホンちゃんは帰っていきました。
「さて」ギニアちゃんのお母さんはお盆にお椀を重ねてのせると、
台所の引き戸を開けました。
「――聞いたかい?ギニア?」
台所の片隅で、立てた膝の上に顔を乗せ、ギニアちゃんがうずくまっていました。
その隣にはギニアちゃんの妹が、心配そうに寄り添っています。
「アンタはあの子のために、なにがしてやれる?」
- 231 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:11
- 『あの暑かった夏休み』(後編)
その日の夜、日之本家の書斎の窓をとんとんと叩く音がしました。
「?」不審に思ったジミンさんが、おそるおそる窓を開けてみます。
庭先には、筆記用具を持ったギニアちゃんが立っていました。
「ニホンちゃんのお父さんですね」
「ああ、君はギニアちゃんかい?」
「はい、お願いがあります」
「なにかな?」
「あたし、あたしに測量の勉強を教えてください」
「そうかあ…」ジミンさんがちらりと書斎の置き時計に目をやると、
時間は9時を少し回った所でした。
「いいよ、ただし一時間だけだよ。
それ以上勉強したいんならば、また明日、この時間よりも少し前に来なさい」
「…は、はい!」
「さ、入っておいで」窓越しに手を差し伸べるジミンさん、
その手をギニアちゃんが、しっかりと握り返しました。
「じゃ、まずは三角測量から――」
…
……
………
「ふあ、あああああ…あ」
「なあにお父さん、おおあくびなんかして」
「いや、ちょっと夜更かしをねえ」
次の日、朝食の時間に大あくびをするジミンさん。
「調べものでもあったんですか?」
「うんまあ、似たようなもんだよ。うん」
そう云ってお味噌汁を口に運びながら、ジミンさんは嬉しそうに笑いました。
「あ、いっけない」
居間の時計を見て、急いでご飯を掻きこみ出すニホンちゃん。
「あらなんですか、行儀悪い」
「らって…むぐ、ギニアちゃんと…ごくん、自由研究…むぐむぐ」
「まだ終わらないの?」
「うん…ひょっとしたら、間に合わないかもしれない…
…っと、ごちそうさま!行ってきまーす」
「あ、こら!きちんと食器はかたしなさい!」
そう云うが早いか、ニホンちゃんは勉強部屋に、
ばたばたと支度を取りに駆けていってしまいました。
「ああ、まあいいじゃないか…あふ。今日は僕が洗い物をするよ」
「あら珍しい」
「たまにはね、お手伝いしましょう」
そして、ギニアちゃんの家の前、走って来たニホンちゃんは、
玄関で待っているギニアちゃんを見つけました。
「…ぁふ…ぉはよぅ…」大あくびをしながら出迎えるギニアちゃん。
「おはよう!あと夏休みも残り少ないけど、一緒に頑張ろう!?」
「うん…あと、これ」
と、ギニアちゃんが恥ずかしそうに、
後ろ手に隠していたものを差し出しました。
「こ、これ?!」
それはまだ手慣れてませんでしたが、丁寧に描かれた見取り図の一部でした。
「あれから一人でやってみたんだよ。…その…うまく描けてないけど、さ」
「すごいよ!ほとんど持ち分終わってるよ?」
「うん、ちょっと頑張ってみた」
はにかみながら、ギニアちゃんはそう云って笑いました。
- 232 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:12
- 『あの暑かった夏休み』(後編)
「スース、もうちょっと右…もちょっと」
「…こ、ここ?」
「うん、そこ……ありがと!」
「…うん…!」
ギニアちゃんが妹のスースちゃんと測量をしています。
「これでいいかな?ニホンおねえちゃん?」
「あ、うん…オッケー、次、あっちね?」
ニホンちゃんはギニアちゃんの弟、フルベ君と一緒に測量です。
「みんな張り切ってるねえ!」
そこに大きな籠を担いで、ギニアちゃんのお母さんがやってきました。
「少し休憩したらどうだい?パイナップル持ってきたよ!」
わっ、と、みんながお母さんの周りに集まってきます。
「ああほら、取り合うんじゃないよ、パイナップルは山ほど用意したんだから」
子供たちに、そう声をかけながら、
大きな包丁でお母さんはパイナップルを切り分けていきます。
物陰の水がめの中で冷やされたパイナップルはとても甘酸っぱくて、
見る間になくなっていきます。
「さあさ、食べたら勉強に戻りなさい!」
そんな風に、残りの夏休みは過ぎていきました――
「「――これで、私たちの発表を終わります」」
ギニアちゃんとニホンちゃんが、そう云ってお辞儀をすると、
教室のあちこちから拍手が起こりました。
「……!」なにかに気がついたニホンちゃんが、
ギニアちゃんの袖を引っ張ります。
「?」
「…ほら」
教室の後ろ、ユーロ班の片隅で、ぷいと横を向いた女の子がいました。
フランソワーズです。
横を向きながら、それでもフランソワーズは拍手をしています。
「……あ…」
「…よかったね」
その様子を教壇から見ながら、
二人は顔を見合わせて、微笑んだのでした。
――おしまい
- 233 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:13
- 解説・ソース
どうも、リアル夏休みの宿題状態だったどぜうです。
ワン○ーフェスティバルの準備忙しすぎですよ。まったく!
ともあれ、なんとか後編でっち上げられました。ふいー。
全く後先考えずに書き始めるもんじゃないと激しく後悔しております。
陳謝。
ソースは、NHK『プロジェクトX』から、
「地図のない国 執念の測量1500日」です。
「隷属による豊かさよりも、貧しさのなかの自由を選ぶ」と、一方的に独立宣言を行った同国に対し、
怒ったフランスは、あらゆる国の重要資料を持ち去ったそうです。
ttp://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/ginia.htm
詳しくは上記のURLを参照して下さい。
…なのですが、資料をネットで調べていると、なにやら興味深い情報を発見。
ttp://cache.yahoofs.jp/search/cache?u=www.sahelnet.org/mt/archives/000162.html&w=%E3%82%AE%E3%83%8B%E3%82%A2+%22%E5%B0%91%E6%95%B0+%E9%83%A8%E6%97%8F%22&d=4C9BF3A1FF&ou=%2fbin%2fquery%3fp%3d%25a5%25ae%25a5%25cb%25a5%25a2%2b%25be%25af%25bf%25f4%25c9%25f4%25c2%25b2%26hc%3d0%26hs%3d0
現在はページは閲覧できなくなっていますので、
キャッシュで勘弁してください。
NHKの製作に疑問が投げかけられているようです。
公正を期すために、番外編を用意しました。
では、どうぞ。
- 234 名前:どぜう :2004/08/31(火) 18:13
- 『あの暑かった夏休み』(番外編)
「…ありがと、フランソワーズちゃん」
発表が終わった日の放課後の事です。廊下の片隅でニホンちゃんが、
フランソワーズちゃんに、こっそりと封筒を手渡していました。
「私が撮った航空写真、お役に立てまして?」
「…うん、でも、そのことギニアちゃんに云わなくていいの?」
そうニホンちゃんが尋ねると、ふ、とフランソワーズちゃんは笑いました。
「もうしばらく憎まれてた方が、ギニアのためですから」
「…でも…でも」
「ニホンちゃん、貴女、優しいんですのね」
「…」
「その優しさが、人を間違った方向に導かないことを祈ってますわ」
そうして、フランソワーズちゃんは執事を連れて、
ニホンちゃんに背を向けました。
「一つだけ、聞かせて?」
そのニホンちゃんの問いかけに、フランソワーズちゃんの歩みが止まります。
「なんで…なんで写真を私に見せてくれたの?」
逆光の中、振り向くフランソワーズちゃん。
「――簡単なことですわ…そう、とても簡単なこと」
「?」
「私が心から愛する言葉の一つ…『レボルシオン』、革命。
彼女が成就させるかどうか、今一度、見てみたくなっただけ。
…では、ご機嫌よう」
そして、フランソワーズちゃんは再び背を向けて、
ニホンちゃんの視界から消えていきました。
「どうしたの?ニホンちゃん?」
教室から出てきたタイワンちゃんが、
怪訝な顔をしてニホンちゃんに話しかけます。
「…う、ううん、なんでもないよ」
「そ、一緒に帰ろ?」
『…その優しさが、人を間違った方向に導かないことを祈っています、か…』
ニホンちゃんは教室に目を向けました。
窓際でアメリー君や、チューゴ君と一緒にはしゃいでいる、隣の家の彼。
『私に、出来るかな?』
不意に、そんなことを考えさせられた、夏休み明けの放課後なのでした。
――本当におしまい
- 235 名前:siki :2004/08/31(火) 22:36
- >>224 メダルをなくしたといえば
タイワン「ほんと バカね、もうどうしょうもないぐらのバカ
普通 苦労して手に入れたメダルをなくすなんて
ありえな〜い ほんとおっちょこちょいも、いいとこだわ
ねえ、ニホンちゃん」
ニホン 「うっ うん」
タイワン「あれ、ニホンちゃんどうかしたの? 目なんかそらして」
ニホン 「ど どうもしてないよ 目なんか、そらしてないし」
タイワン「そう? でも目が泳いでるし 」
ニホン 「やっ やだな〜タイワンちゃん 」
タイワン「ワールドレコードたたき出そうってぐらいの勢いで泳いでる」
ニホン 「ほっ ほんと なんでもないって」
おしまい
ソウル五輪のレスリング金メダリストの小林孝至選手
目次にカウントしないでね
- 236 名前:火病する名無しさん :2004/08/31(火) 23:02
- >>233 氏は海○堂の中の人ニカ?
昔N○Kの中の人がプロジェクト×はドキュメンタリーに非ずとか言ってたニダ
- 237 名前:どぜう :2004/09/01(水) 12:25
- >>236
○洋堂の中にはいませんでしたが、国際展示場の中にはいましたよん。
売り物が当日会場に到着(当然梱包状態ではない)って、酷いよママン。
NHKって時々思い出したようにウソツキになりますね。
Nスペかなにか、ちょっと前に大騒ぎになりましたっけ。
これも表沙汰にならなかった一件なんでしょうかねえ。
- 238 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2004/09/03(金) 04:12
- >>228
>>ttp://news.goo.ne.jp/news/picture/jiji/20040831/2022071.html
ウリのフィルタを通しました所、パキスたんがブルカを脱いだらハートをあしらった裸エプロンだった、という訳の分からないモノになりますた。強いて描くとこんな感じで(15禁くらい)。
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/ia/up0629.jpg.html
どこが国際風刺やねん、といった趣旨のツッコミはカンベンして下さい…_| ̄|○
- 239 名前:火病する名無しさん :2004/09/04(土) 16:09
- >>206-207「盗み見」
「ボクならもっとこう、下からローアングルで…」
アテネ公式のカメラワークなんですが、ちょっと玄人とは言い難い感じですた。
漏れならもう怒アップでアレとかコレとかもう嘗め回(ry
>>それに釣られてる私などはもうダメダメ過ぎてすっかり挫折グセがついてしまいますた…………_| ̄|○
健気なるかなニホンちゃん職人、彼らは最も得炉い罠へと嵌まり込んでいく罠(藁
>>213『およげ マラボくん』
>>『いや、ほんとにうっかり書き忘れたんだけどなぁ…どうしようか悩んでて書き忘れたんだなぁ……』
うわぁ、お茶目さんだ。。。と思ったら野球でオランダが控え選手の登録忘れてたりと結構あったりするんだなと。アレで一挙に萎えちゃったよママン
>>216『飛んでけ エリザベス』
出場することに異議があるというか、球技以外は不毛な国ですな。
いやまだ幼いから毛がなくても問題ないニ(ry
陸上のラドクリフたんが棄権したときは国中お通夜のようなふいんきだったそうな。
なにはともあれ今後もめげるなエリザベスたん。
今回はここまで〜
感想を書くペースが速いか、作品うpされるペースが速いか、そこが問題ニダ(w
>>238
カムサムニダ。感謝の汁しとして虹板に晒しておいたニダ(w
- 240 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/05(日) 10:47
- 『Agnus Dei−』
救いを乞う歌は地に満ちている−−
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
傷ついた妹を抱き上げる人影。その表情は心の底からの怒りを浮かべる。
瞳の奥にある怒りは、一体どこに繋がっているのだろうか。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
家の行く先を滔々と語る父親。眺める子は表情に憧れと敬慕を漂わせている。
力を持つ事に、男の子はどうしてそこまで拘るのだろう。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
子供には過ぎた道具を自慢げに見せびらかす。開き直りは誇りへと変化した。
扱いかねるその誇りが、どうして幸せを生むのだろうか。
Lux aeterna luceat eis, Domine:
Domine:
Cum sanctis tuis in aeternum,
quia pius es.
Agnus Dei, dona eis requiem.
私は遠くそれを眺める。何もできない両手を眺め悲しいけれど途方に暮れる。
祈り疲れて心は折れ、いつしか瞼も閉じるのだろうか。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
aeternam dona eis Domine,
et lux perpetua luceat eis.
労わりも罵倒も同じ口から出てくるのに、私たちはどうしてこう不器用なのだろうか。
心をよぎる抽斗の奥にしまった物を、私は今日も打ち消している。
了
Agnus Deiは「神の子羊」つまりイエスキリストの意
↓ラテン語の出典は、とあるゲームでラストステージで流れる曲です。
ttp://www.ne.jp/asahi/mitoro/page/ac04/words/words00.htm
この雰囲気が好きで、昨今の情勢を当てはめてみました。
- 241 名前:火病する名無しさん :2004/09/06(月) 12:47
- カンキーン(;´Д`)ハァハァ
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0902/20040902204256100.html
- 242 名前:リトルボーイ :2004/09/06(月) 13:44
- カンコ「そーらをこーえて、ラララほーしのかーなた。ゆくぞ、あとムッ!!!!」
校舎裏で、ニホンちゃん家の人気キャラクターの歌を口ずさみながら、あれな花火を作っていたカンコ君。
その熱中ぶりに、絶対に知られてはいけないアメリー君の妹ラスカちゃんが、
後ろにいたことに今の今まで気付いていませんでした。
ラスカ「こんにちわ」
カンコ「アイグガゴォォォォォォ」
ラスカ「カンコさん?何か嫌なことでもあったの?」
この花火は、すごい強力であり、地球町では作られないようにされているのですが、やめろといわれれば、やりたくなるもの。
ピンポンダッシュをするような気軽さでカンコ君はやってしまいました。
もし、ばれたら確実に村八分。その後、いたたまれなくなって小学校退学。
そして、小学校中退ではろくな会社勤めもできず、公園でブランコに乗ってるサラリーマンカンコ君になるしか道は残されていません。
カンコ「ラ、ラスカ様!このことはアメリーには絶対黙っておくニダ!」
ラスカ「えーでもお兄ちゃんには毎日、今日したこと教えてるからできないよぅ。」
カンコ「ぬぁああ、き、鬼畜米兵ニダ!ラスカはウリに
ウリなんでこんなんなっちゃったんだろうニダ。ウェハハ鳩はいいニダね。何も考えなくて、今日はパンクズもってきてないけど、謝罪と賠償は要求しないで欲しいニダ・・・
という近所の子供達から、公園おじさんと呼ばれるウリにしたいニダか!?」
ラスカ「カンコさんに悪いことしたいわけじゃないけど・・・でも・・・ぐすん。」
カンコ「泣かせて余計に印象に残ってしまったニダ!?」
カンコ君は慌てて、ポケットから、この間チュウゴ君家にお呼ばれして(勝手に行っただけ)
その時机からパクった袋に入った食玩をラスカちゃんに差し出しました。
ラスカ「くれるの?」
カンコ「そ、そうニダ。これの代わりにこのことは黙っていて欲しいニダ。」
ラスカ「何が入ってるの?」
カンコ「それは帰って開けてからのお楽しみニダ。」
未開封の食玩をじぃっと見つめながらラスカちゃんは、こくんと頷きました。
純粋なラスカなら大丈夫だろう、カンコ君はその日はぐっすりと眠りましたとさ。
- 243 名前:リトルボーイ :2004/09/06(月) 13:44
- 次の日、
号外!号外!
家の外に出たカンコ君は一枚の号外新聞を受け取りました。
カンコ「またアサヒのねつ造記事ニダ?やれやれ、脳内妄想ばっかりのエセインテリちゃんはこれだから困るニダ
ぇん、どれどれ・・・」
[カンコ君があの花火を作っていた!?各家から非難の嵐!詳しい内容はエリザベスTVで]
エリザベスちゃんがにたりと笑い、去っていきました。
カンコ君は青ざめた後、急いで家に入り、TVをつけました。
エリザベス「それでどうなったんですか!?アメリー君!?」
アメリー「どうもこうもないですよ!家に帰って泣いていたラスカちゃんが持っていたのは、イラク君にめちゃくちゃにされたオモチャの復元だったんです!?
それも、壊される所まで忠実に再現してるんですよ!?誰に渡されたんだこんなもん!?ってラスカに問いただしたら、カンコがあれを作っていることを教えないかわりに、貰ったんだとわかったんです。
ボクはラスカがボクに黙っていたことは怒りません。憎むべくはこんなことをしたカンコにあると思ったので、
おい!聞いているかカンコ!?今度から悪の枢軸として、お前を殺・・・」
画面がお花畑の映像になって、真ん中にしばらくお待ち下さいというテロップが現れました。
アメリー君の発言が放送コードを、江頭2:50分並に突き抜けてしまったんでしょう。
カンコ君はショックのあまり髪の毛が真っ白になってしまいました。
ニホン「何だか、みんな今日凄い騒いでるなぁ・・・なんでだろう?」
あさひ(ふふふ・・・情報統制は完璧)
カンコ君の一大事でもニホンちゃんはいつも通りです。
http://www.asahi.com/international/update/0903/004.html
韓国で未申告ウラン濃縮 IAEAが査察官派遣
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200408/sha2004082901.html
“テロおまけ”に米国ア然−メーカー平然と製造
日本は騒がなすぎだってばよ。
- 244 名前:どぜう :2004/09/07(火) 02:04
- >>242-243
>リトルボーイさま
長過ぎず、短過ぎず。ソースの混ぜ方が独特で、
オチも整っていて面白く拝見いたしました。
私見ですが、台詞の改行をもう少し整えれば、
さらに読みやすくなると思いました(あくまで私見です)。
続編期待しております。ではw
- 245 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/07(火) 20:25
- おお、新人さんいらっしゃいニダw
話の流れがいいですなあ!
最後のアメリーの切れっぷりとお花畑のシーンがなんか好きw
次も期待してマース
- 246 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/08(水) 21:01
- 〜 火星 戦いをもたらす者 〜 (その1)
がさがさ。 がさがさ。
朝っぱらから、黒服に身を包んだ怪しげな集団が電信柱の影で、なにやら蠢いています。
熱心にメモを取る黒服。
測定器のようなものをにらみつける黒服。
デジカメで連写しまくる黒服。
仕事は終わったのでしょうか、納得顔の黒服集団は、三々五々と散っていきました。
次の日、ニホン家に訪問者がありました。
「町内会のものです。 お宅さんのゴミの分別状況を確認しましたが、全く問題ありません。
相変わらず見事な分別ですな。」
そういい残し、町内会の人は去っていきました。
「ゴミの分別って、面倒なのよねぇ〜。」
次の日の学校では、いやに所帯じみた話で盛り上がっています。
「全くだね。 けど、しょうがないよ。 ニホンちゃんの家がゴミだらけになったら、俺は嫌だな。」
「アメリー君の家は広いからいいけど、うちは狭いから・・・。」
「パパが言ってたけど、ニホンちゃん家は抜き打ち検査を減らすってさ。」
「ニホンちゃんの家なら私も安心ですわ。」
エリザベスちゃんの言葉に、皆、うんうんといいます。 ニホンちゃんの信用ってかなりあるんですねぇ。
「ウリの家も信用してほしいニダ。」
生ゴミの如きキムチ臭をふりまくカンコ君、ニホン家には負けられるか、とばかりに口を挟みます。
「別にお前の家だけを信用してないワケじゃないさ。 ほかのみんなもチェックされてるんだから、
気にするなよ。」
アメリー君のとりなしで、カンコ君も機嫌を直しました。
「ならいいニダ。 昔はちょっとやばいこともしたけど、今は無問題ニダ。」
「昔?」
ニホンちゃんの何気ない問いが、この事件の引き金をひくことになるとは、誰が想像できたでしょうか・・・。
- 247 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/08(水) 21:02
- 〜 火星 戦いをもたらす者 〜 (その2)
「ペットボトルと生ゴミの始末で、ちょっと試しただけニダ。」
無問題だ、といわんばかりのカンコ君ですが、敏感に反応した人がいました。
「ルール違反。」 エリザベスちゃんの冷い声が響きます。
「カンコ君、それはまずいよぉ〜。」 ニホンちゃんも弁護できません。
アメリー君はといえば、不機嫌そのものに押し黙っています。
「い、いや、違うニダ。 家の人が勝手に実験したんだ。 ウリは知らなかったハセヨ?」
「知らなかったの。 ふ〜ん、そうですか。」
嘘つくなゴルァ な表情でエリザベスちゃんは、アメリー君に問いかけました。
「どうして差し上げましょう?」
「正直に言ったんだから、いいじゃないか。」 アメリー君、意外に冷静です。
「カンコ君、私信じてたのよ。 カンコ君のお家は、そういうことをしないって。」
「ウリナラの技術はニホンごときには負けないニダ。」
論点が全然違います。 ニホンちゃんのトホホ感あふれる表情を見て、カンコ君はお決まりのセリフを
用意していたのですが・・・
「あまりしゃべらないほうがよろしくてよ。 後で、たっぷり話していただきますから。」
純白のハンカチをあてたエリザベスちゃんの人差し指が、カンコ君のアゴを押し上げます。
「その時まで、とっておきなさい。 ま さ か 嫌なんて、申しませんよね?」
エリザベスちゃん、とてもにこやかです。 目以外は。
「わかったら返事なさい。 耳ついてますよね?」
まあまあと、アメリー君が割って入ってきました。
「正直なのはいいことじゃないか。 な、みんな?」
「そうよね。」
ニホンちゃんの発言をきっかけに、絶対零度から室温へ、あたりの空気がゆるみました。
「オレもクラスのみんなも、正直者って好きだってさ。 ところで、お前って、正直者だよな?」
ぽん、とカンコ君の肩にアメリー君が手をのっけます。 その力の入れ具合を知っているのは、
二人だけなのでしょう。
- 248 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/08(水) 21:05
- 皆様、ご存知のネタですので、いまさらソースなんざ(←手抜き
試作をチェックしていただいたお二人には、改めて感謝を。
ちょっと訂正しましたが、
一番変わったのは題名だったりします(w
どうもしかし、このネタ続くような気がしますねぇ・・・
- 249 名前:火病する名無しさん :2004/09/10(金) 16:20
- ニホソ「手前ミソでつね」
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/10/20040910000032.html
- 250 名前:火病する名無しさん :2004/09/10(金) 21:42
- ブルネイに女子高生プリンセス降臨↓
ttp://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=6190096
外務省ブルネイ紹介ページ↓
ttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brunei/
職人さん作話を要求しるニダ!
- 251 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 11:54
- 『めでたし、聖寵充ち満てる…』
「さくらーー」
「はーーい」
「ちょっとお使い行ってきてー。」
「おつかいぃ?」
「そ、お使い。これ持ってブルネイちゃんに渡してちょうだいな。」
「んーいいけど…何かあったっけ?ブルネイちゃんち。」
「ママのお仕事で色々と助けてもらってるからね、お祝い事にはお礼しなくちゃ。
あそこの家の皆さん随分喜んでるみたいだし。」
「ふぅん。でもお祝い事って…」
ニホンママ、一瞬困った顔をしましたが、すぐにニホンちゃんに何事か耳打ち
します。それを聞いたニホンちゃん、赤面してしまい何のお祝いかわかったようです。
「ママ、こういう事って大っぴらにお祝いするものなの?」
「我が家は少なくとも違うけど…まあ、ほら、人それぞれだし…」
二頭波が染め抜かれた風呂敷包みを抱えてブルネイちゃんの家に向かうニホンちゃん。
理由はともかくめでたいことに変わりなしです。女の子同士でその辺が話題に上る
事もたまにありますが、なんかこう面と向かってどうこうされるとどことなく照れくさいもの。
うだうだと考えているうちにはやブルネイちゃんの家の玄関。なにやらお家の中から
賑やかな声が響いてきています。
『まさかねえ…きっと何か他にもお祝い事があるんだよね。』
頭をよぎる嫌な予感を打ち消して、ニホンちゃん呼び鈴を鳴らします。
「はーーい」
聞きなれた声がしてドアの隙間からひょっこり顔を出したブルネイちゃん。何やら
盛装している様子。青を基調にしたドレスはヒカリモノのコントラストとあいまって
実にきらびやか。
「あ、ブルネイちゃん。これうちのお母さんがブルネイちゃんにって、お祝いだって。
…ところでなんかのパーティー?」
「え?ま、まあね。わあぁありがと!(棒読み。でもこれなあに?」
「私も良くみてないの、渡されたときは包みに入ってたし…」
「へえぇ、なんだろ。ニホンちゃんちのことだから便利でクールなグッズがてんこ盛り
かなあ」
「あはは、買いかぶりだよう。」
- 252 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 11:55
- おせきはん……
一瞬固まったブルネイちゃん目が、
『ニホンはん、これはどういうことでっしゃろか?うちはようわかりまへんえ。』
と言っています。
「あうぅぅぅ…これはね、『おせきはん』って言って、我が家でめでたいことがあると
出すご飯なの。ほら、うちだと赤はめでたい色だから、小豆ともち米合わせて炊いて、
お祭り気分を盛り上げるの!」
ニホンちゃん、ちょっとヤケっぱちのマリア。
「へーえ、…でもやっぱりこれ私へのお祝いなのかなあ…」
「あ…あははっは、ホラ私もただのお使いだし、良くわかんないまま来てしまったわけで、
正直何が何やらワケワカメなのよねえ…あは、あははっはははっはは…」
「あっそ。まあ、もらえるんなら貰うけど…」
それから少しちょいとクールでファンキーな時間が容赦なく流れますが、二人とも突っ
込まれたくないのは共通利害。何となく「あがってく?」「そうだねえ」ということになり、
ニホンちゃんおうちに上がりこみました。
まず目に付くのが派手派手の横断幕。金モールで飾り立ててニホンちゃんの色彩感覚から
すると目が眩むようです。そして書かれている文字は、
『おめでとうブルネイ。君は今シンデレラ』
もはや何のパーティーなのかわかってない感じです。そしてパーティーの席で横断幕の
意味を丁寧に説明してまわるブルネイちゃんのお父さん。なんていうか、頭のネジが何本か
飛んじゃったようですね。
百歩譲って親として娘の成長を喜ぶ気持ちはわからなくもありませんが、物事には方法と
程度があるのもまた事実。表現できないくらいの金ぴかな衣装でゴージャスに振舞うお父さんは
やり過ぎ感200%です。
お客さん相手に『これでうちも大安心!子種確保マンセーーーー!!』なんて自慢している
姿を眺めていて、他人事ながらニホンちゃんちょっと同情します。なんか色々サラサレて、
ちょっとブルネイちゃん気の毒です。
「ねえ、ブルネイちゃん…こういうのってやっぱどうかと思うんだけど…」
「うん。私もちょっと嫌だけど、パパが喜んでるから我慢する。」
「いや、我慢って言うかなんといいますか…」
「えとね、正直めっちゃ嫌だからやめて欲しいけど…うちのパパ言い出したら聞かないから。」
「あー、どこも大変だよねぇ。」
ふたり憂いを帯びたアイコンタクトを交わして盛大に溜息をつきましたが、その後意気が通じた
のか、
『やってらんねいぜベイベー!』
とばかりに一気に弾けたようです。
えー、詳しくはニホンちゃんコードに引っかかりそうなので書けませんけど。
おしまい
- 253 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 11:58
- 失礼!
>>251-252
はなかったことにしてくだしゃんせ。真ん中すっ飛んでしまいました…
つうわけで再うp
↓
- 254 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 11:59
- 『めでたし、聖寵充ち満てる…』
「さくらーー」
「はーーい」
「ちょっとお使い行ってきてー。」
「おつかいぃ?」
「そ、お使い。これ持ってブルネイちゃんに渡してちょうだいな。」
「んーいいけど…何かあったっけ?ブルネイちゃんち。」
「ママのお仕事で色々と助けてもらってるからね、お祝い事にはお礼しなくちゃ。
あそこの家の皆さん随分喜んでるみたいだし。」
「ふぅん。でもお祝い事って…」
ニホンママ、一瞬困った顔をしましたが、すぐにニホンちゃんに何事か耳打ち
します。それを聞いたニホンちゃん、赤面してしまい何のお祝いかわかったようです。
「ママ、こういう事って大っぴらにお祝いするものなの?」
「我が家は少なくとも違うけど…まあ、ほら、人それぞれだし…」
二頭波が染め抜かれた風呂敷包みを抱えてブルネイちゃんの家に向かうニホンちゃん。
理由はともかくめでたいことに変わりなしです。女の子同士でその辺が話題に上る
事もたまにありますが、なんかこう面と向かってどうこうされるとどことなく照れくさいもの。
うだうだと考えているうちにはやブルネイちゃんの家の玄関。なにやらお家の中から
賑やかな声が響いてきています。
『まさかねえ…きっと何か他にもお祝い事があるんだよね。』
頭をよぎる嫌な予感を打ち消して、ニホンちゃん呼び鈴を鳴らします。
「はーーい」
聞きなれた声がしてドアの隙間からひょっこり顔を出したブルネイちゃん。何やら
盛装している様子。青を基調にしたドレスはヒカリモノのコントラストとあいまって
実にきらびやか。
- 255 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 11:59
- 「あ、ブルネイちゃん。これうちのお母さんがブルネイちゃんにって、お祝いだって。
…ところでなんかのパーティー?」
「え?ま、まあね。わあぁありがと!(棒読み。でもこれなあに?」
「私も良くみてないの、渡されたときは包みに入ってたし…」
「へえぇ、なんだろ。ニホンちゃんちのことだから便利でクールなグッズがてんこ盛り
かなあ」
「あはは、買いかぶりだよう。」
ああ、いつから自分はこんな社交辞令じみたことを言えるようになったんだろうと
思いつつ、風呂敷包みを解くブルネイちゃんをニホンちゃんは眺めていました。
そして風呂敷包みから出てきたのは…
おせきはん……
一瞬固まったブルネイちゃん目が、
『ニホンはん、これはどういうことでっしゃろか?うちはようわかりまへんえ。』
と言っています。
「あうぅぅぅ…これはね、『おせきはん』って言って、我が家でめでたいことがあると
出すご飯なの。ほら、うちだと赤はめでたい色だから、小豆ともち米合わせて炊いて、
お祭り気分を盛り上げるの!」
ニホンちゃん、ちょっとヤケっぱちのマリア。
「へーえ、…でもやっぱりこれ私へのお祝いなのかなあ…」
「あ…あははっは、ホラ私もただのお使いだし、良くわかんないまま来てしまったわけで、
正直何が何やらワケワカメなのよねえ…あは、あははっはははっはは…」
「あっそ。まあ、もらえるんなら貰うけど…」
それから少しちょいとクールでファンキーな時間が容赦なく流れますが、二人とも突っ
込まれたくないのは共通利害。何となく「あがってく?」「そうだねえ」ということになり、
ニホンちゃんおうちに上がりこみました。
- 256 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 00:00
- まず目に付くのが派手派手の横断幕。金モールで飾り立ててニホンちゃんの色彩感覚から
すると目が眩むようです。そして書かれている文字は、
『おめでとうブルネイ。君は今シンデレラ』
もはや何のパーティーなのかわかってない感じです。そしてパーティーの席で横断幕の
意味を丁寧に説明してまわるブルネイちゃんのお父さん。なんていうか、頭のネジが何本か
飛んじゃったようですね。
百歩譲って親として娘の成長を喜ぶ気持ちはわからなくもありませんが、物事には方法と
程度があるのもまた事実。表現できないくらいの金ぴかな衣装でゴージャスに振舞うお父さんは
やり過ぎ感200%です。
お客さん相手に『これでうちも大安心!子種確保マンセーーーー!!』なんて自慢している
姿を眺めていて、他人事ながらニホンちゃんちょっと同情します。なんか色々サラサレて、
ちょっとブルネイちゃん気の毒です。
「ねえ、ブルネイちゃん…こういうのってやっぱどうかと思うんだけど…」
「うん。私もちょっと嫌だけど、パパが喜んでるから我慢する。」
「いや、我慢って言うかなんといいますか…」
「えとね、正直めっちゃ嫌だからやめて欲しいけど…うちのパパ言い出したら聞かないから。」
「あー、どこも大変だよねぇ。」
ふたり憂いを帯びたアイコンタクトを交わして盛大に溜息をつきましたが、その後意気が通じた
のか、
『やってらんねいぜベイベー!』
とばかりに一気に弾けたようです。
えー、詳しくはニホンちゃんコードに引っかかりそうなので書けませんけど。
おしまい
- 257 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/13(月) 00:04
- 解説・祝祭・虎穴虎児
※ 今回は危険度ギリギリの比喩でお題を消化……したつもり_| ̄|○
※ ブルネイの皇太子御成婚はめでたいことですが、まあ何かと話題づくりな結婚式で、
しかも男衆のリビドー鷲掴みなネタであることやら。
※ ちょいと結婚ネタってのは扱いが難しいなあと書きながら思いマスタ…
しかし比喩利かせ過ぎて逆にわかりにくくなっちった(てへ
↓ソースとかなんとか
>>250氏提供による
ブルネイに女子高生プリンセス降臨↓
ttp://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=6190096
外務省ブルネイ紹介ページ↓
ttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/brunei/
↓ちなみに二頭波は斉藤道三の紋。特に意味はなく単なるシュミです。
ttp://www2.harimaya.com/sengoku/html/saito_k.html
- 258 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/13(月) 00:17
- 〜 モーニングコーヒー #1 〜
私がちょっと大運動会の取材でいない間に、やってくれるじゃないの。
だいたいさあ、人の家でラジコンヘリ飛ばすなんて非常識よ。 許さないわ。 しっかり壁新聞に
書いてあげるから、覚悟しなさいよね。
これだから、お家に歴史のない家はキライなのよ。 ちょっとお金があって、ちょっとケンカが
強いからって威張ってるのなんて、不合理極まりないわ。
50個も星を並べた旗を振りまくるあのセンス、なんでも自分が一番じゃないと気に入らないあの態度、
バカよねぇ。 バカ。
お家に歴史のある家は、そんなことしないものなの。 そのあたり、あのお調子者はわかってないのよね。
まあ、かわいそうといえば、かわいそうなのかも(笑
その点、チューゴ君はいいわねぇ。 あれだけ古い歴史のあるお家なんて、ちょっとないわ。
いいえ、全くないわ。 まったく奇跡よねぇ。
だけど、あのお調子者ときたら、今度はニホン(東海)池に、自慢のボートを並べてやるんだ、
って言ってる。
どうしてあいつは、軍靴の音が好きなの? 牛を食べ過ぎると、ああなるの?
わからないわねぇ。 わかりたくもないけど。
だけどね、私は知ってるの。 チューゴ君、いま一生懸命に潜る練習してるのよ。 どうする
つもりかは知らないけどね。 ホントにホント、私は知らない。
私が言いたいのはね、目標にむかって努力する姿がかっこいいってことなのよ。
私ってばオトメ(はぁと
なのに、サンケイときたら、しっかり壁新聞でネタにしてるのよ。
私の恋路をジャマするの?
犬にでも噛まれるといいわ!
ってあいつがポチだったわよね(大笑
- 259 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/13(月) 00:19
- ニホンちゃんというより
アサヒちゃんですねぇ(←いちおう自覚はある
ええと、
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1094586432/
をベースに、アサヒちゃん日記っぽく書いてみましたが
どんなもんでしょう。
もしモンダイなければ、次のネタに取り掛かります(マテ
- 260 名前:目次6 ◆D13/XW7M :2004/09/13(月) 02:04
- 第18-19話
>>227
第20話「あの暑かった夏休み」
>>229-232(>>233-234 解説)
第21話「メダルをなくしたといえば」
>>235
第22話「Agnus Dei」
>>240
第23話「カンコ君があの花火を作っていた!?」
>>242-243
第24話「火星 戦いをもたらす者」
>>246-247(>>248 解説)
こちらも更新しますた
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/
最近、ウチだけでなく ttp://funshei.at.infoseek.co.jp/ も検索できるようにしてみますた。
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/cgi-bin/nihon_tmp_archive/pnamazu.cgi
他所のサイトまで勝手にインデックス作ってたら怒られるかな…(^^;
- 261 名前:250 :2004/09/13(月) 03:28
- >>254-257
わーい、師匠カンサハムニダ。
まさか女になった記念日で来るとは思わなかったニダ。
10年後には資源が枯渇してバブル崩壊との噂のブルネイちゃんは今後も要チェックや!
- 262 名前:名無しさん@お腹いっぱい :2004/09/14(火) 20:48
- ある日、カンコ君がたき火していました。
しかも、校庭のどまんなか。
「やーい、ニホン!お前の名札を燃やしてやるニダ」
またニホンちゃんにいじわるしていたようです。
その時、ニホンちゃんは校舎の隅の、池のほとりにある鉄棒で、逆上がりをしていました。
ついでにタイワンちゃんも一緒です。
「何言ってるのかなぁ?名札はちゃんとポケットの中にあるよ」
ニホンちゃんはタイワンちゃんに見せます。
「あーあれ、国語の時間中にさぼって作っていたやつだわ、
後ろの方でガリガリ何鉛筆走らせてるんだろうと思っていたら、こんなアホなことやってたのね。
偽物とはいえ・・・ニホンちゃん怒らないの?」
「いつもやってるからね・・・慣れちゃった」
「うーん。慣れたくないもんね。」
アイゴぉ
何やら小さな叫び声が聞こえて、カンコ君がこっちに走ってきました。
「ニホン!一緒に謝罪と賠償をするニダ!」
「ちょっと何なのよ?謝罪するのはそっちのほうでしょ?」
「別にウリがニホンに謝罪するようなことはしてないニダ!」
「はぁ・・・なぁに?カンコ君」
「いちいち相手にするなよ。こんな奴。」
「それが、ニホンのだと思って燃やした名札が、間違ってアメリーの名札とすり替わっていたニダ。
あれは途中で拾って、アメリーに届けてやろうとしたやつニダ。(まあ拾った代わりに少しお金を貰おうとしたんニダが)
大体こんなことをしようと思ったのは、ニホンのウリに対する日頃の行いが悪いせいニダ。
名札を燃やすことは良くないことニダ。早く謝罪と賠償をしにいくニダ」
「おいおい、カンコ。ニホンちゃんの名札を燃やしても何も言わない癖に?アメリー君なら、謝罪と賠償だって?
全く筋の通らないことを平気でするわねぇ。もうニホンちゃんとこいつにがつんと言ってやりなさいよ。」
「へー。ふーん。はー。そうなんだ。へー。私はアメリー君より下なんだ。へー」
「な、何ニダ?」
ニホンちゃんはボソッと言いました。
「経済制裁」
タイワンちゃんとカンコ君はその一言を一生忘れることはありませんでした。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/09/05/20030905000033.html
米国旗燃やした大学生に実刑
核兵器開発でめちゃやばのカンコ君。ニホンちゃん。この際ガツンと言ってみてはどうかな?w
- 263 名前:火病する名無しさん :2004/09/14(火) 22:41
- こっちのスレ応援してます。
どこかの胡散臭い空気のスレに負けないよう頑張ってください。
- 264 名前:どぜう :2004/09/22(水) 06:39
- 『ヒゲのおっさん、その苦悩』
1.
紆余曲折を経て、なんとか映画を公開できたヒゲのおっさん。
ニホンちゃんの家で公開もされ、最近なんだかホクホク顔です。
「あ、ヒゲのおじさーん、サイン下さいサイン下さい!」
「OK、いい子だねえ(きゅきゅきゅっ)キミ、名前は?」
「あ、アサヒでーす(はぁと)、
あと『アホでマヌケなアメリー家』って書いて下さい、えへ♪」
「OKOK、まかしてよ、アサヒ(きゅきゅきゅきゅ…っ)っと、
これでいいかい?」
「ばっちりですぅ!きゃうーん、宝物のヨ・カ・ン☆」
…と、まあ。あっちこっちで引っ張りだこのようでした。
ぽん。
と、不意にヒゲのおっさんの肩を、筋張った掌が叩きました。
「――やあ、マイケル」そして、柔らかな声。
瞬間、ヒゲのおっさんの顔が紙よりも白く青ざめました。
「や、やあ。レイ」
ヒゲのおっさんが振り向くと、
そこには白髪に眼鏡の老紳士がにこやかに立っていました。
「どうしたんだい?青ざめてしまって可哀想に。
…おやおや、汗をかいているじゃないか?具合でも悪いのかい?
あそこにベンチがある。あそこで休んだ方がいいんじゃないかな?」
と、レイと呼ばれたお爺さんは、
二回り以上も大きそうなヒゲのおっさんの肩を抱くように、
仲よくベンチへと連れだって行きました。
「ああ、お嬢ちゃん。もしも用事があるのなら、
今日は早めに済ませておいた方がいいと思うよ。
ねえ?そう思わないかい?マイケル?」
噛み締めるような笑顔でこくこくと頷くヒゲのおっさん。
「?」不思議に思いましたが、アサヒちゃん。
なんだか大人の会話には近寄り難く、
明日の壁新聞の校正をするために、家に帰っていきました。
- 265 名前:どぜう :2004/09/22(水) 06:40
- 『ヒゲのおっさん、その苦悩』
2.
「さ、座りなさい」
そう、お爺さんが細い手を差すと、心細そうな表情でヒゲのおっさんは迷っていましたが、
さ、ともう一度お爺さんが促すとおとなしくベンチに座りました。
それを見届けて、お爺さんもベンチに座ります。
「……」
「……」
二人の間に沈黙が流れていきます。
聞こえてくるのは、草が風に揺れる音と、遠くから聞こえてくる、
学校の吹奏楽の音色だけ。
「――なにか」
お爺さんが口を開きます。
「――なにか、云うべきことがあるんじゃないかね?」
困惑したようにヒゲのおっさんはお爺さんを覗き込みました。
ふう。とため息をつくお爺さん。
「…私は老人だよ。もう老い先は長くはない。
眼鏡も強い老眼だ。耳も遠い――だがねえ。マイケル?」
「あ、ああ」
「君は、私よりは若いはずだろう?違うかね?」
ごくり。
ヒゲのおっさんが唾を飲み込む音が、辺りに響きました。
「聞こえなかったかね?私の質問が?どうも君は耳が遠いようだねえ。
君の家には随分と電話をかけたんだよ…一度も出てくれなかったようだが、
そう。今度近い将来君に暇ができたら、いい耳鼻科の医者を紹介してあげよう」
にこにこと笑いながらお爺さんが言葉を続けます。
「ここで君の耳元に口を近づけて、
君にも聞こえるようにもう一度問いかけてもいいんだが、
あのウディのいいネタにされるのは私としても不本意だ。
だから、こうすることにしよう―――」
そう、言い終わると、お爺さんは立ち上がりました。
そして、ヒゲのおっさんのTシャツをやおら掴むと――
- 266 名前:どぜう :2004/09/22(水) 06:42
- 『ヒゲのおっさん、その苦悩』
3.
「貴様は私の『華氏451度』を無断で盗用したな!!」
北米町全体に聞こえるような大きな声でお爺さんは、怒鳴り付けました。
「い、いやレイ、誤解だよ誤解。
僕は君の作品から、そう!インスピレーションを」
「口で糞垂れる前と後にサーと云え!私は貴様をファーストネームで、愛称で、
しかも代わりがいる戦う美少女のような名前で、私を呼ぶ事を許可しておらん!!」
「さ、サー・ブラッドベリ…サー」
「よろしい」
「…でも、インスピレーションを受けたのは本当ですよ。ミスター。
僕は『自由が燃え尽きた日』として華氏911とタイトルを付けたんだ」
「いいかね、ミスター・ムーア」
Tシャツから手を放すと、ブラッドベリさんは腕を組み、
ベンチの上で縮こまっている、ヒゲのおっさんを見下ろしました。
「君は、私に許可を求めたかね?ミスター・ムーア。
一度たりとも求めた事がないような気がするのは、
私が気がつかないうちに、アルツハイマー病の症状を発症していたからか?
アメリー家の事情?政治的見解?そんなものには私は興味はない。
私が書き上げた小説はSFだ――『Science-"Fiction"』なのだ。
現実の、くだらん諍いに盗用されては迷惑だ。」
「で、でも…」流石に食い下がるヒゲのおっさん。
「世の人は私を差して『衰えたり、レイ・ブラッドベリ』と嗤うだろうさ。
――だがな。私は、私が心血を注いで書き記したものを、
そう易々と盗用させるつもりはないぞ。
くれぐれも、紳士的な対応を期待しておるよ。ミスター、マイケル・ムーア」
そう言い残すと、ブラッドベリ翁はベンチから立ち去ってしまいました。
- 267 名前:どぜう :2004/09/22(水) 06:43
- 『ヒゲのおっさん、その苦悩』
4.
「…どうして、どうして判ってくれないんだよう…」
しょんぼりとベンチで、そう呟くヒゲのおっさん。
悄然と座り込んだおっさんに近づいて、声をかける子供の影――
「まったくニダ、あのじいさんはちょっと変ニダよ」
声をかけたのはカンコ君でした。
ヒゲのおっさんの隣に座って、「安心するハセヨ、ウリはヒゲの味方ニダ」
と、云うと、ニカッ!と笑いかけました。
端から見れば、穴開き500ウォンの笑顔でも、
今のヒゲのおっさんには一万ドルの微笑みに見えます。
「カ、カンコ君は、僕の味方なのかい?!」
「イェス、ニダ」そして、再び、ニカッ!と笑うカンコ君。眩しすぎです。
どこかで天使がラッパを吹く音が、ヒゲのおっさんには聞こえました。
「そ、そうだよな…やっぱり男として無くしちゃいけないのは信念だよ!」
「ニダ」
「ありがとう、カンコ君、最近君もいろいろ大変だろうけど…」
「ニダ、ケンチャナヨ」
「いやあ、力強い言葉だなあ」
そう云って涙腺を潤ませるヒゲのおっさん。
「ウリも昔ニホンに散々嫌がらせをされたニダ、
ウリのスペースガンダムVを盗用だのパクリだの…」
腕組みをして、ニダニダと頷くカンコ君、
その目には、ほろり、涙が一筋輝きました。
「…え?」
「まあ、ウリナラではガンダムは大きなロボの一般的名称と位置づけたニダ」
「……」
「だからー、ヒゲも『華氏○○』を、
何かが燃え尽きる一般的な名称とすればいいニダよ」
「……」
「ヒゲ?どうしたニカ?」何も云わずに立ち去って行くヒゲのおっさん。
その日のおっさんの夕食のハンバーガーは、なぜかいつもよりしょっぱかったそうです。
終わる
- 268 名前:どぜう :2004/09/22(水) 06:43
- 元ネタ、ソース:
もう結構前のニュースですが、
『華氏911』の監督マイケル・ムーア監督が、
SF小説『華氏451度』の作者、レイ・ブラッドベリから抗議されたそうで。
ttp://www.oricon.co.jp/movie/special/coverstory040806.htm
ttp://www.eiga.com/buzz/040622/06.shtml
ttp://okweb.jp/kotaeru.php3?q_id=902394
某板某SS見て、無断でヒゲのおっさんを盗用したのは、
内緒でも何でもありませんが、謝罪は一切いたしませぬ(苦笑)。
作中、ブラッドベリ翁の発言にソースから外れたものがありますが、
一ブラッドベリ作品のファンとして、代弁を試みたものですのでご了承を。
(ただし、軍曹ネタとかはこの限りではないw)
実際ニュース見たときに「無許可でタイトル付けたのかよ?!」とちょっと呆れたどぜうですた。
- 269 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/22(水) 10:24
- 『めいきんぐおぶ 屋根の上のニホンちゃん』
ここは日ノ本家の車庫の一角、工作好きの家人の道具のあれこれ、材料のあれこれが色々と
積み上げられている一角。夜な夜な水銀灯の下でトンカチトンカチやっている人影一つ。
やあその人影は日ノ本家の技術オタク、ニホンちゃんのようです。
「姉さん、早く風呂入りなよ。ぬるくなるぞー。」
「うん、あと少しね。」
「その返事今日8回目…」
「うん、もうちょっとだから。」
「それも3回目。」
「ああそうだっけ。」
「うん、そう。」
さっきから呆れ顔で返事が上の空の姉を眺めているウヨ君、もう痺れを切らす寸前です。
ここのところ根詰めて車庫にこもってはあれこれ工作している姉を案じつつ、心配した両親に
度々様子見を命ぜられてちょっと面白くないウヨ君、話しかけるのも面倒になり、ついつい本心
をさらけ出してしまうのも致し方なしです。
「そんな根詰めてやんなくてもいいじゃんかよ…たかが梯子の一ぽ…」
ひゅか……すこーーーーーーん!!
ウヨ君が「たかが」と口走った瞬間、ニホンちゃんの目に火花が散り、時間差なしでウヨ君の
右耳の真横にチップソーの円盤が突き刺さります。
びーーんという円盤の振動がおさまり、右頬に何かが流れ落ちる感触をウヨ君意識していますが、
剣呑な事態はそれどころではないようです。
- 270 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/22(水) 10:25
- 「いま、『たかが』なんて言った?武士?」
ゆっくり立ち上がるニホンちゃん。立ち昇る闘気が目の錯覚であってほしいとウヨ君祈ります。
「その『たかが』が積み重なって、みんなが迷惑したり事故起こしたり面倒になったりするん
じゃない?ねえ?どうなの?お姉ちゃんがなんでこんなに必死にやってるかあなた分かる?」
「いやそれ使うの姉さんだけ…」
かぁーーーーん
今度は左首筋にベビーサンダーが丸ごと突き刺さります。ウヨ君泣き笑い。
これ以上何か言おうものならアセチレンバーナーがボンベごと飛んできそうな勢いです。
「武士、お姉ちゃんあなたをそんな子に育てた覚えないよ。」
『育てられた覚えはそんなにないです。』
ウヨ君もう口に出す勇気は折れてしまったようです。
「こつこつ積み上げる日々の努力、そしてそこから生まれる技術の積み重ね…それが日ノ本家の力
かつ存在意義。そうじゃない?武士。」
ヘッドバンキング並みに頭を上下させるウヨ君。お隣の誰かみたく、こういうときは空気読んで
ます。
水銀灯で半ばシルエットになったニホンちゃん。舞台女優じみた立ちポーズでさらにトリップ。
「きらびやかな我が家の商品の影に隠れる沢山の失敗や努力の積み重ねを、どうして武士は見ようと
しないの?」
背中を向けて訥々と語り、「どうして」のところでばばっと体を回転させ、ポーズをキメてニホン
ちゃんウヨ君を指差します。
『ががーーん!そ、そうだったのか!!』
と、いうのを表現する気力もなく脳内で思い浮かべていたウヨ君。そういや姉が夏休み中ズカ
ガールになっていたのを今更ながら思い出します。
- 271 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/22(水) 10:26
- 「さあ、お姉ちゃんが何やってたか、どうして生返事繰り返していたか教えたげる!」
華麗にステップしながらウヨ君に近付いてさっと手を取るニホンちゃん。瞬間二人にスポットライト
が当たり(そんな気がしただけですが)、導かれるままウヨ君ヘリウムの抜けかかった風船のごとく
引きずり回され…
かっ、と立ち止まったそこには溶接真っ最中のアルミの梯子が鎮座おわします。
「これが姉の成果。屋根の上に登るための集大成…」
ちょっと危険な目つきでうっとり組み立て中の梯子を眺めるニホンちゃん。お友達に見られたら
確実に距離を置かれること請け合いです。
ウヨ君、姉の中にあるヤバイスイッチを押した事を心底後悔していますが、もはや後の祭り。
機関銃のようにやれアルミのフレームの厚さを薄くする技術だの、踏面の滑りにくさを追求する
ための切削技術だの、二段伸縮機構の円滑な展開方式の追求だのを聞かされて、川原で石積んでる
光景を見てしまうほど憔悴してしまいました。
「……でね、お小遣い全部つぎ込んじゃったから武士のお小遣いもちょうだい。」
「ソコハユズレマセンオネエサマ…」
「ちっ!」
おしまい
- 272 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/09/22(水) 10:36
- □解説・実験・改良改善
※ 燃える男の工作機械←あいさつ
※ 今回はH2Aロケットの新型ノズル燃焼試験について。JAXAの皆さん、成功おめでとうです。
ロケット不要論うだうだ言ってる人もいるようですが、お天気やらカーナビやら、生活に直結する便利な
もの運んでくれる機械なんだから、もっと温かい目で見たほうがいいと思うんですけどねえ。
※ えー、作中の工作機械とか。ホームセンターで眺めてて『ほしいなぁ』と思ってたもんですな。
いや、何に使うかって聞かれると困るんですがw 男の子なら分かるでしょ、ほら、何か機械見てると自分
がいっぱしの職人になった気がするような感じの気分になれるかもしれないあれです。
□メタルカラーなソース
↓初燃焼実験、ひとまず成功=改良ノズルのH2A補助ロケット−鹿児島・種子島 [時事通信社]9月16日 17時50分
ttp://news.fs.biglobe.ne.jp/social/jj040916-X559.html
↓実験はこんな感じ。
H-IIAロケット固体ロケットブースター(SRB-A)地上燃焼試験の実施 平成10年7月21日 宇宙開発事業団
ttp://www.nasda.go.jp/press/1998/07/srba_980721_j.html
↓おまけ。まあ、ワケワカメなものもたっくさんあるんですがw こういう工具に囲まれたら人間何か
作ってしまいたくなるもの。
ttp://www.kouguya.com/
- 273 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/22(水) 22:20
- 〜 モーニングコーヒー #2 〜
どうして私って、誤解されやすいのかなぁ。
今日もニホンちゃんがやってきて、私にこういうの。
「どうしてカンコ君の家の事件を書かないの? 公平じゃないと思うよ?」
ため息、だだ漏れ。
こういうときはアレよね。 中華まんに福建のウーロン茶。 もちろんチューゴ君の
家に遊びにいったとき、もらってきたの。
ああ癒されるわぁ・・・。
さ、気を取り直してと。
私、ニホンちゃんのためを思って壁新聞作ってるんだけどなぁ。 だけど、ニホンちゃん
全然わかってない。 鈍感というか天然というか(笑
実は私、カンコ君の秘密を知ってるの。 カンコ君ってニホンちゃんが好きなのよ。
証拠? 私の直感よ。
だからちょっかいもかけてくるし、たまにイタズラもする。
なにかにつけて、「ニホンは反省しる!」 「ニホンはもっとウリに協力しる!」
素直じゃないのよねぇ(笑
カワイイじゃない。 ま、所詮はお子ちゃまってことなんだろうけど。
たまにはね、私から見ても、ちょっとオイタがすぎるんじゃない? って思うこともあるけど、
それもこれも、みんな「好き」の裏返し。 私にはバレバレよ。
ともかく私としては、二人に仲良くなって欲しいのよ。
ニホンちゃんって、どうもカンコ君よりアメリー君が好きっぽいけど、あんな野蛮人、ニホンちゃんとは
合わないわよ、きっと。
アジア班はアジア班で仲良くするのが、絶対イイに決まってるの。
やっぱりね、パンとミルクで育った人同士、お米とお茶で育った人同士で相性がいいのよ。
そういうわけで、私はカンコ君の悪口を書かないの。 アメリー君の悪口は遠慮しないんだけどね(笑
一番近いお隣さん同士、仲良くするために私がいろいろ努力してるんだから、ニホンちゃんも
そのあたりわかってよね。
それにしても、他人の恋まで応援してあげる私って、もしかしてキューピット?
- 274 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/09/22(水) 22:22
- 第2弾です。
特定のソースはないんですけどね(ええんかおい
状況証拠とでもいいますか・・・(苦しい
- 275 名前:From: 目次7 ◆D13/XW7M :2004/09/26(日) 21:24
- 第20-24話
>>260
第25話「めでたし、聖寵充ち満てる…」
>>254-256(>>257 解説)
第26話「モーニングコーヒー #1」
>>258(>>259 解説)
第27話「名札」
>>262
第28話「ウはウリナラのウ」
>>264-267(>>268 解説)
第29話「めいきんぐおぶ 屋根の上のニホンちゃん」
>>269-271(>>272 解説)
第30話「モーニングコーヒー #2」
>>273(>>274 解説)
こちらも更新しますた
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/
- 276 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/10/01(金) 19:34
- おはかー。
いつもの登校の光景。
ニホンちゃんとタイワンちゃんが仲良く並んで歩いていました。
「うーん。困ったなぁ・・・」
タイワンちゃんは口元に手を当てています。
「どうしたの?」
ニホンちゃんは不思議そうに訪ねました。
「うーん。困ったなぁ・・・」
ニホンちゃんに気付かないように、タイワンちゃんは先に歩いていってしまいました。
「あ、待ってよぅ」
授業中
「ねぇねぇ。何が困ってるの?」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「ちょっとー。さっきから無視しすぎだよ。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「ぷんぷん。もう怒ったぞ。アメリー君に頼んで、タイワンちゃんにお金貸すの止めちゃうぞー。そしたら、一家みんな飢え死にしちゃうぞー・・・」
「うーん。困ったなぁ・・・」
空を見て、虚ろげな表情で、その後もタイワンちゃんはぶつぶつと言い続けていました。
「だめだこりゃ」
帰り道
「じゃあね。家はあっちだから。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
別れた後、ニホンちゃんはタイワンちゃんのおかしくなった原因を探るため、電柱に隠れて、彼女をつけていきました。
ちなみに、尾行には最低8人の人間が必要です。
メールで、ウヨ君、サンケイ君、パパ、ママ、ハイチちゃんに呼んで貰ったニッテイジジ、ババ様、そしてアサヒちゃんに緊急要請をしました。
「みんな用意はいい?タイワンちゃんの行動は逐次メールで連絡してね」
「おー」
- 277 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/10/01(金) 19:34
- CC ウヨ
件名 ターゲットはハンバーガーショップに入店した。
彼女はキョキョロ当たりを見回しつつ、入店して、店員に歩み寄る。
その後、バイトをさせてくださいませんかと頼み込むが、小学生なのでと断られた。
かわいそうだ。
それから、とぼとぼと、帰路につく。
(タイワンちゃんはおこずかいが欲しかったのかな?)
CC サンケイ
件名 ターゲットは裏山へ登っていった。
タイワンさんは自宅にまで至る。
そのまま、家に入っていくかと思ったが、裏山の方へ走り去ってしまった。
ちなみに自宅にいたる間、チュウゴ君の家を通り、表札に一蹴を加えていた。
(裏山に何があるんだろう?)
CC ぱぱ
件名 たいわんちゃんはどこかいせきみたいなばしょにいたよ。
いしがいっぱいあるところ。あれていた。
(うわーん。漢字変換されてないよTT)
CC ママ
件名 タイワンちゃんはお墓にいました。
うちのパパがこんなに機械類が下手ですいません。
それはともかく、タイワンちゃんが行ったのは、お墓でした。双眼鏡で氏名を読むとタカサゴという名前でした。
ずいぶん荒れ果てていて、それを彼女は必死で直していました。(ついでに私も参加。)
この頃あまり彼女の家に行っていないので、久しぶりによく話しました。
けれど、これをやってる理由は語ってくれませんでした
(お墓?タイワンちゃんのおじいちゃんのお墓かな?)
CC ニッテイジジ
件名 ツートントンツートントン
ツーツートントンツートントンツーツーツーツートントンツートントン
ツーツーツーツーツートントンツーツーツーツートントントン
ツートンツートンツートントン
トンツートンツートンツーツー
(きゃー!モールス信号だよ!)
- 278 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/10/01(金) 19:35
- プルルルルル
「もうすもうす、ニッテイジジにありならん」
「もしもし?えっと、メールがよくわからないので、口で教えて貰いたいんです。タイワンちゃんは何をやっていたんですか?」
「パープル暗号は解かる可らず哉。されば伝えたるなり。かのタカサゴ、亜米利ゐとの戦を共に戦いたる盟友にて、其の働き尋常ならざるや、音を立てずにアメリーに忍びより、敵状を完璧に索敵す、
又突撃においても、毎度多大なる戦果をあげ、我を助けれり。将に是覇王項羽のごとくなり。是かのものの墓なり。さればとて、台彎恩義を感じる故・・・」
(きゃー、口で言っても分かんないよー!)
「ごにょごにょ・・・少し変わってくださいな。・・・えーもっと孫と話したきに候。・・・怒りますよ。・・・代わらないこと非ざるなり。ウワーン」
「はいはい、代わりました。」
「えっと、なんでタイワンちゃんはお墓を直してるんですか?」
「あの墓はね。タカサゴさんっていって、お爺さんとの旧友なのね。昔は宿敵だったんだけどねぇ、アメリー君との喧嘩で意気投合しっちゃったのよ。
その時、大怪我を負ってねぇ。チュウゴ君の親戚にも色々虐められてねぇ、今、どうなってるかと思ったら、お墓があんな風に荒れちゃってたなんてねぇ・・・」
「はぁ・・・」
「アメリー君のお父さんは昔はそれはそれは怖かったんです。まあ、浮き世でも変わってませんが。その時、ちっちゃいタイワンちゃんを必死で守ってたんですね。それを彼女が知ってるのかもしれません。」
「えっと、じゃあ、タイワンちゃんは」
「それを知ってなおそうとしてるんでしょうね。でも、人力じゃあねぇ・・・ブルドーザー等使って、やっぱりお金が必要だと思います。」
「・・・」
「ふっ・・・それを聞いたら、日本男児として、助けなきゃいけないな!」
「ウヨ!」
「はいはい。募金は私が集めますよ。じゃあ、さっそく明日の夕刊に載せますかね。そうなると明日はタイワンさんの家には配れないかな」
「サンケイ君!」
「とうさんがせわになったなら、わたしもやらなければならないか」
「今月の家計を切り詰めなきゃ」
「パパ!ママ!」
「遺産を使うこと良きなり」
「私は死んじゃったから何もないけどねぇ。祈るだけでもやってみます」
「ニッテイおじいちゃん、おばあちゃん!」
「みんな、私の友達のためにありがとう!」
「それは、できてから言うセリフですよ」
それから、
「うーん。困ったなぁ・・・」
「タイワンさん。これをあげます。」
「うーん。困ったなぁ・・・」
「タカサゴさんのお墓を直してね。」
「うーん。困ったなぁ・・・え?」
「言わなかったのに、何で知ってるの?」
「友達だもん。」
終わり。
- 279 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/10/01(金) 19:35
- 「高砂義勇伝」
http://www.takashago.com/index.html
高砂義勇兵の慰霊碑 資金難で存続危機 台湾
http://www.sankei.co.jp/event/takasago/0806.html
【義勇兵慰霊碑の義援金に3000万円】
台湾先住民出身の「高砂義勇兵」戦没者を祭る慰霊碑保存のため、
「高砂義勇兵英霊慰霊碑を守る会」が行ってきた義援金の受け付けが30日、締め切られた。
産経新聞読者などから寄せられた義援金は総額3145件、
3075万8511円に上った。同会は台湾側へ寄付する手続きに入る。
義援金は慰霊碑保存を求める国民の声にこたえ、8月6日から守る会を中心に呼びかけてきた。
ttp://v.isp.2ch.net/up/4baae2a10d03.jpg
記念小説でござる。
- 280 名前:火病する名無しさん :2004/10/05(火) 16:32
- ネタ投下してみるテスツ
ttp://www.yomiuri.co.jp/main/news/20041005i206.htm
- 281 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/10/08(金) 23:08
- β>>276-278
名無しさん
ええ話ですねぇ。 うんうん。
しかしモールスなメールってどうやったんだろう(w
>>228-229
sikiさん
ウリは30代だけど、スペースデカなんてじぇんじぇん知らないニダ。
- 282 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/10/08(金) 23:10
- >>281
誤爆しちまった orz
- 283 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/10/20(水) 16:03
- 『けいどろをしたこと 1ねんちきゅうぐみ ひのもとさくら
けいどろのことをはなします。
こないだ、くらすのみんなとけいどろをしました。
わたしのチームがどろぼうになりました。
けいさつには、あしのはやいアメリーくんやエリザベスちゃんがいたので、ちょっとこわかったけど、わたしのチームには、ゲルマッハくんがいるからだいじょうぶ、とおもいました。
アメリーくんとエリザベスちゃんは、やっぱりあしがはやくて、タイワンちゃんもインドネシアちゃんもシンガくんもチューゴくんもマレシアくんも、みんなつかまってしまいました。
でも、わたしは、つかまりませんでした。ゲルマッハくんとマカロニーノくんときょうりょくしてにげていたけど、マカロニーノくんはあしがおそいので、すぐつかまってしまいました。
わたしはアメリーくんとエリザベスちゃんにおいかけられました。わたしはにげながら、ろうやにいるタイワンちゃんたちにタッチしてたすけました。
でも、ゲルマッハくんがつかまってしまいました。
なかなかわたしがつかまらないので、アメリーくんが、はなびをうちました。
せなかとあしにあたりました。
いたくってないていたら、アメリーくんとエリザベスちゃんとロシアノビッチくんにはさみうちされて、つかまってしまいました。
たすけたひともみんなつかまりました。
けいどろのあと、かんこくんが、「うりはけいさつにだ」といいました。
「たけしまパンツをよこすにだ」といいました。
かんこくんにたのまれて、いっしょににげるれんしゅうをしたのに、ひどいです。
チューゴくんも「ちんはけいさつある」といいました。
フィリピノくんは、「じぶんでにげようとしたのにひどい」といいました。
ロシアノビッチくんはパンツを4まいももっていってしまいました。
でも、インドネシアちゃんは、「たすけてくれてありがとう」といってくれました。
がっきゅうかいで、アメリーくんが「にほんちゃんがいるとけいどろがおわらないので、にほんちゃんはでるな」といいました。
わたしはもうけいどろはしません。けいどろはきらいです。』
- 284 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2004/10/20(水) 16:07
- …ども、久々に書いてみました。
ネタはまあ見てのとおりです。
町内大喧嘩以外でこのネタで今まで出てきたレクは
ドッジボールとバレーボールぐらいだったと思いますが、
今回は「助ける」という要素をもりこんだけいどろにしてみたです。
けいどろに花火を持ち出すあたり、アメリーくんの行動は明らかに反(ry
- 285 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/10/24(日) 01:05
- 〜 Good Taste その1 〜
どんぶりの中のそれは、とても無造作におさまっていて、およそ売り物とは思えません。
「あとは醤油をまわしかけてと。 そうそう薬味がないとね。」
ネギを一束、ニホンちゃんはハサミでジョキジョキ。
「これが名物なのよ。 カンコ君も食べて。」
透明感のある白に、ネギの青と醤油色がうっすら。 箸で持ち上げると、切れてしまいそうな
危うさが。
しかし実際に持ち上げてみると、切れることなくちゅるちゅるとすすりこめるのです。
口あたりやわらかいくせに、噛むと不思議な弾力で口の中をはねています。
薄口なのに自己主張する醤油と、ときおり紛れ込むネギがちょっとした辛味をアピール。
単純な三重奏でありながら、なかなかどうして飽きのこない味をだしてます。
「どうしたのカンコ君? おいしいよ、さぬきうどん。」
言われるままに、カンコ君もすすりこみました。
「まあまあニダ。」
「まあまあって、あまり好みじゃなかった?」
ニホンちゃん、残念そうです。
「ウリはキムチと韓国料理がないと不満ニダ。」
カンコ君の言い分にも一理あることはあるのですが、やっぱりニホンちゃんには、
納得できません。
「普段行かないところへお出かけしたら、そこのおいしいものを食べようって思わない?」
「思わない! ウリナラ一家は、キムチと唐辛子と焼肉とポシンタンがあれば誰にも負けないニダ!
こんなガムみたいなのを食べてるから、ニホンはどろけいで負けたニダ!」
- 286 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/10/24(日) 01:05
- 〜 Good Taste その2 〜
しょうがない、といったふうでニホンちゃんが切り出しました。
「キムチはあるんだけど、チューゴ君の家から買ったキムチでいい?」
「ウリをパカにするニカ? チューゴのキムチは、パクリなニセモノで、ウリナラの敵ニダ!」
ニホンちゃん、地雷踏みましたね。
「とにかく、ニホンのもてなしではウリは満足しないニダ。 遊びに来て欲しいなら、ウリ好みの
食事を出すニダ!」
「カンコ君の言うことはわかるんだけど・・・」
「だったら、ちゃんと用意するニダ。 来た人が満足する食事が出せないから、ニホンの家は
遊びに来る人が少ないニダ!」
ニダッ、と決め付けるカンコ君。 手入れの行き届いていない鼻毛がふんふん、と見え隠れします。
「じゃあさあ、家から持ってくれば?」
「せっかくニホンが来いっていうから、ウリは手ぶらで来たニダ。 わざわざ食事を持ってくるなんて
失礼にあたるハセヨ?」
おやおや? いつものカンコ君のセリフとは違います。
「ニホンの家の玄関には、爆発物センサーは付いてないニカ?」
「付いているけど?」
「ウリの家にも今度新型をつけたニダ。 ニホンの家のは古いから、キムチに反応するニダ!」
「やだぁ、そんなことあるわけないよぉ。」
半分呆れて、半分冗談と解釈したニホンちゃんは笑っています。
「ととと、当然ニダ。 キムチは爆発なんてしないニダ。」
カンコ君の額に、やな汗が。
「・・・センサー反応したのね?」
脱兎よりも早く逃げ出すカンコ君、遠くからあの声が響いていたのはきっと幻聴なんでしょうね。
- 287 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/10/24(日) 01:10
- おひさしです。
決算業務と試験が重なって、なかなかネットにつなげませんでした、
と言い訳をひとこと(w
さて今回のネタは、
「キムチを爆発物と誤認」
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1098151062/
「香川県への旅行者、料理に不満」
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1098167683/
です。
- 288 名前:どぜう :2004/10/27(水) 17:47
- 『希望、掘り起こす物へ』
今も思い出す。あの日のことを。
僕らがあの朝、身体に感じたそれは、ほんの些細な揺れだった。
だがしかし、速報画面で報じられたそれは、
予想よりも遙か遠く、強いものだった。
『震災』
その二文字がじくじくと不気味に脳裏に浮かび上がった。
僕ら3人はすぐに身支度を整えた。
あの震度では相当の被害が出ていることは容易に予想できた。
数分、数十分が経過した。しかし、待ち望んだ電話はかかってこなかった。
痺れを切らした僕は、観測用のヘリを飛ばした。
眼下の家が、街が。赤く染まっていた。
生活が、日常が、焼け爛れ、崩れ落ちる瞬間を、僕は目の当たりにした。
僕たちは、自らに制約を課している。
『自分自身の判断で、勝手な行動はしないこと。』
誰かからの命令や、要請があるまでは自分勝手に動けないのだ。
已むを得ず、僕は約束を破った。
独断で、人を搬送した。後悔は、今もない。
帰還。しかし、まだ電話は来なかった。
そして、無為の数十分、数時間が経過する。
「お願いします、自分らを使ってください!お願いします!!」
ヘリの整備を終えて、部屋に帰ってくると、
リクジ兄さんが電話で要請の督促をしている最中だった。
その、約二時間後。
電話が鳴った。
…
……
………
昨日もリクジ兄さんは泥まみれで帰宅した。
傷付いていない指先はない。
日を追って、全身に目立たない傷跡が増えている。
けれど、兄さんは嬉しそうだ。
そういう兄さんを見るのは、僕も嬉しい。
「リクジ兄さん、信濃川流域で不明の親子3人の車を見つけたって報告が!」
興奮して、受話器を手で押さえることも忘れたカイジ兄さんが、そう叫ぶ。
「判りました、容体の確認ですね?すぐそちらへ向かいます!」
昼食を切り上げた兄さんが身支度を始めた。
「おお、リクジくん」
「シンタローさん?今俺も出るところです」
「そうか、うちの連中も行かせるからな。
難しい作業だろうが、頑張ってくれ」
「判っています、それじゃ!」
いつの日か、兄さんが僕に打ち明けてくれたことがある。
『土砂災害や、崩落現場。辛い出来事は無数にある。それこそ瓦礫の数程に。
けれど俺は何があっても掘り起こす。
あの下には、希望が埋もれているんだから』と。
- 289 名前:どぜう :2004/10/27(水) 17:49
- 余震続く中での救出作業に従事する全ての人達に敬意を。
http://www.benri.com/forum/anything/messages/5374.html
- 290 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/11/08(月) 22:59
- 〜 金星 平和をもたらすもの 〜
むす〜っとした顔のチューゴ君がどっかと座っています。
アメリー君は不機嫌そのもので、<話しかけんなオーラ>が漂っています。
つつましく座るニホンちゃんも、いつもの愛想がありません。
アルコール度数の高いもやのなかに、ロシアノビッチ君がふんぞりかえっています。
「カンコがこないニダ。 ウリは忙しい身の上だから、早く来ないと困るハセヨ?」
チューゴ君提供の福建ウーロン茶を、がぶ飲みしているキッチョム君。 なんだか悠々としています。
「何について忙しいか、ちゃんと聞かせてくれよな。」
アメリー君の口調は、一足早いシベリアの寒気団並みです。
「ヒーローは遅れてやってくる、それがウリナラ流ニダァ!」
騒々しく扉が開いて、毎度毎度のお騒がせ、カンコ君がやってきました。
「ウリはアジア町に平和をもたらすヒーロー、さあヒーローの席はどこニカ?」
キッチョム君を除く全員が、無言で指し示しました。
「どうして、ウリの席がそんなところニカ?」
「うるさい、さっさと座れ。 それとも自分の足で座るのは嫌アルか?」
重々しくチューゴ君が開会を告げます。
「朕の顔に泥を塗った罪は万死に値するが、せめて言い訳の機会くらいは与えてやる。」
アメリー君は手紙を取り出しました。
「こいつは、ペルシャからの手紙だ。 ノーペナルティってのはフェアじゃないって。」
ロシアノビッチ君は左腕の傷をさらけ出し、思うところを言います。
「新しくテロ支援家を加えようと思うんだ。」
ニホンちゃんは疲れた顔をしています。
「ここまでややこしくしちゃったんだもん、しょうがないよ。」
「ようこそ、マイぶらじゃー。 ウリ達は一心同体ニダ!」
- 291 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/11/08(月) 23:02
- 下のAAに笑わせていただいたお礼(というのもなんですが)に
さくっと書いてみました。
全てのAA職人さんに感謝を・・・(ずれてないことを祈りつつ)
早速イランが
調子に乗ってきたじゃねぇか!!
.∧_∧
(# ´_>`)
よくも揃いに揃って / ̄ ̄ ̄米 ̄ ̄ ̄\
私の顔に泥を ./ /| ̄ ̄ ̄ ̄|\ \ テロリストにお前らの仲間が
塗ってくれたアルね! / /∧_∧ ∧_∧\ \ 居たそうだな
∧∧ / / <`∀´; ><; `Д´> \ \ ,,,,,,,,,,,,,,
/ 中\.| | / ̄北 ̄ ̄ ̄韓 ̄\ | | {,,,,,,;;;;;;;}
(# `ハ´)|中 | | ̄ ̄何でウリ達は ̄ ̄| | 露|(´<_` #)
| | | 囲まれているニカ? .| | |
|\ \ ./ /|
| \ \________/ ./ |
\ 日 /
\___∧_∧__/
.| (; ´Д`) |
どんどん問題が
ややこしくなってるよ・・・
- 292 名前:火病する名無しさん :2004/11/12(金) 00:30
- 庇鰤のソース投下
ttp://k-tai.impress.co.jp/cda/article/review/21297.html
- 293 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/11/13(土) 00:52
- 『ともだちひゃくにんできるかな』
「っちゅうわけで晴れて私たちはお友達だね!」
「だねー、そんじゃ約束の釣りの仕方教えてね!」
「もっちのロンよ。明日今度の日曜に釣道具持ってくるから一緒に行こうね!」
「うん、楽しみー。」
今日は今日とてタイワンちゃん、コクレン校長先生が『ともだち』の証として作っている
ともだちカード片手にバヌアツ君と楽しく歓談中。
ともだちが出来たのをカードで証明するということ自体がPTAで物議を醸すような内容
ですが、今のところ親御さんたちも沈黙中。そして子供たちはより多くのクラスメイトとステディ
な間柄になろうと今日も躍起になってカード交換しています。まあ、あれです。牛乳瓶の蓋を
どれだけ持っているか、しかもレアモノをどれだけ持っているかが勝負な世界と同じなわけですな。
「そんじゃこれ、友達カードねー。」
「うん…でも…ボク…チュウゴ君ともカード交換してるけど…」
「あー、いいのいいの。別にそっち捨てろとか言わないしさ。」
「あ、そか、別にこのまんまでいいんだ…」
「そ、そ。大体おかしいと思わない?何で誰かと友達になったからって他の友達と絶交しなきゃ
いかんのかと問いたい、問い詰めたい、特に誰とは言わんけど四千年くらい問い詰めたいわ!」
「いやそんな拳突き上げて力説しなくても…」
「大有りなのよワタシには!」
「は、はあ」
バヌアツ君の肩をがっしと掴み、血走った目でタイワンちゃんは迫ります。
バヌアツ君少しタイワンちゃんと友達になったのをを後悔してみます…。
「そして特に…」
「特に?なんすか?」
- 294 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/11/13(土) 00:53
- 「「「斜め左後方40メートルの草葉の陰からお母さんに『小皇帝』ってわざわざ刺繍してもらった
ハンカチをギリギリくわえてこっちをじっと見つめてるナリはでかいのにやることが姑息で小汚い
小心者の策士策に溺れるを地で行くような某同級生に声を大にして言ってやりたいのよ!
なんだコノヤロー!おにゃのこの友達に難癖つけて横取りして…特に男友達に何でそんなに執拗
に粘着した挙句親使って家族巻き込んで脅迫したり捏造したりなりすましたり自作自演したり自分は
いかにも何にも知らないピュアな存在だって吹聴してるのよ!!バレバレだっちゅーの!!それで何?
『朕とオマエは運命で結ばれた一体の存在アル!』とか大真面目に言っちゃったりして、何様だっ
ちゅーのよ、今時そんなサッカリンの砂糖漬けみたいな台詞ぺ様だって言いやしないわよ!送りつけた
犯行声明みたいな(゚∀゚)ラヴィ!!レターの山学校にコピーしてばら撒くぞゴルァ!!
はあっはあっはあっ」」」
「あのー、タイワンちゃん、ボクの友達カー…」
「バヌアツ君はそんなことないよね?心優しい海の男だもんね?」
「え?…………」
「わかってる、恥ずかしがり屋さんのバヌアツ君が 自 分 の こ と 素 直 に 表 現
で き な い の。恥ずかしがりやさんなんだからぁ(はぁと」
おしまう
- 295 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/11/13(土) 00:53
- ■解説・外交・友人不在
このたびは台湾が展開する外交努力をば。いやいや、ニホンも他人事じゃないアルよ。日中国交正常化
の折台湾と形式上断交しとりますからな。まあ、今の国際情勢を見る限り、当時の判断はあながち間違い
ではない(名目上断交、しかし国交は事実上あり)とは思いますけどね。それは日本の国益という観点
からですが…とうぜん周辺各国が総じて日本と同じ立場をとったら台湾は孤立してしまうわけで、あちら
さんにはたまったもんじゃない態度でしょうね。
■富士山の上でおにぎりなソース
↓見てるこっちとしては歯がゆいねえ、こういう外交展開…判官贔屓と云う勿れ
台湾、バヌアツと外交関係樹立…これで27か国に 11月4日 00時05分 更新 [読売新聞]
ttp://news.fs.biglobe.ne.jp/international/ym20041103i212.html
↓なるほどユーゴの中国大使館誤爆の遠因はこの辺かと。
日本の外交政策を考える 〜台湾とパプアニューギニアとの国交樹立について〜
<- 矢板 明夫 (松下政経塾 第18期生)
Copyright(c) 2000 The Matsushita Institute of Government Management
ttp://www.mskj.or.jp/getsurei/yaita9906.html
↓外務省HPより バヌアツ共和国(Republic of Vanuatu)
ttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/vanuatu/data.html
- 296 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/12/08(水) 01:26
- 『すばる』
目を閉じて、私は瞼の裏を追いかける。
暗闇の中、見えないものを追いかける。
凍てつく風に耐え切れず見た風景。見えるものはおぼろげで、
急に不安になって背後を振り返る。
そこには見守ってくれる人もなく、ごうごうと風が吹きすさぶ。
頬にじんわりと広がる冷たさに、訪れる季節を自覚する。
ああ、また笑いが凍りつく季節が来た。
どうしてこういう時は、一人で歩かなければいけないんだろうか。
ずり落ちたマフラーを元に戻し、思う。
風の音に怯えて、すんでのところで涙を堪える。
頼りにしている人々の顔がよぎる。けれども頭の中では前に進むんだ進むんだと声が響く。
聞きたかった言葉は迂闊さの中に沈んで、後悔だけが胸を締め付ける。
歪んだ笑顔の向こうにあるものを、私は今でも探し続ける。
今の思いを一番伝えたかったのだと信じて、私は家路を急ぐ。
アスファルトを叩く靴音は、いつの間にか雪を踏みしめる音になった。
音の消えた世界は、自分の歩く先が正しいのか不安にさせる。
誰かが私の後ろをついてきている気がする。でも振り返っても誰もいない。
不思議なことに、何だか嫌な気持ちではなかった。
それはたぶん、きっとみんな歩いているこの道が不安なのだと思っているからだった。
私は、歩き続ける。帰る場所はそこに在るから。
そう、みんな怖いんだよ。大丈夫、私がそこにいると思うから。
ぼうっと浮かぶ灯りが見えたとき、私はいつものように元気に言うだろう。
ただいま。と。
了
- 297 名前:Cielo :2004/12/11(土) 01:18
- 「少女の決意」
trrr・・・・・・・・・、trrr・・・・・・・・・
「もしもし?」
「ニホンちゃん?あたし、アサヒよ。今どこにいるの?」
「・・・イラク君のところだよ」
「まだそこにいるの?話が違うじゃない!早く帰ってきなさいよ!」
「・・・ダメだよ。まだ帰れない」
「何言ってるの?ネーデル君だってもう帰るって言ってたじゃない?そこ危ないんだよ!?」
「あ、あたしのところは大丈夫だよ。シシローおじさんもそう言ってるじゃん。
アメリー君もエリザベスちゃんもいるし、だから心配しないで、ね?」
「・・・・・・バカッ!これ以上バカなこと言わないでよ!!お願いだからもう止めて帰ってきてよ!!ねぇっ!
あたしもうイヤなのぉ!これ以上あたしの大切な人が傷つくの見たくないのよぉぉっ!」
「・・・・・・・・・・・・アサヒちゃん、泣いてるの?」
「な、何言ってるの?あたし泣いてなんかないわよ!」
「・・・・・・ごめんね、でもあたし、今更後戻りなんてできないんだ」
「待ちなさい!!ニホンちゃ」
ピッ・・・
「どうしたのニホンちゃん?」
「ううん、なんでもないよアメリー君」
あたしはアメリー君に微笑みかけた。すこしやつれた、彼の横顔。
イラク君のところに来てから、アメリー君は苦しい思いばかりしてる。
あたしも、すごく辛い、泣きたくなるような目にあった。
でも、だからこそ、ここで帰ったら全てが無駄になっちゃうんだ。
あたしは、ここに残る。それが正しいのかどうか、今はまだわからないけど。
- 298 名前:名無しさんお腹いっぱい :2004/12/13(月) 02:39
- 学生服がするりと抜け、真っ白な肌とかわいい下着が見えました。
ニホンちゃんはお部屋でお着替えしています。
(ん・・・)
窓の方を見ました。
(何だか見られてる気がする・・・)
ニホン池の中
シューコー
(ニホンのガードは甘いアルネ。)
潜水ボンベ(通称漢級)を着て、ニホンちゃんの部屋を潜望鏡で見ていた、無駄に技術力使いまくった男の子が一人。
体は子供、頭脳は大人、アソコは漢級、
チュウゴ君です。
(これは、ニホンが花火とか作ってないか調べるための必要的行為アル!)
アソコ押っ立てて、言っても説得力ないです。
ピコーンピコーン
(ん、なんか聞こえるアルネー、ポンコツボンベの駆動音かしら。ま、そんなこと気にしても仕方ないアル、そんなことより、ニホンの方は・・・おお!パンツに手が!)
ですが、よく見えません。もっと近づこうと思いましたが、そこに問題が起きます。海中に線が一本、通っていました。そこはニホン家が主張する敷地を区分する線。
(ここを超えたら、完全にニホン家の敷地アル。この先我を煮ようが焼こうがニホンの勝手・・・フ・・・だがな。この股間みなぎる我に超えられない恐怖などないアル!)
変なところが突き出てつっぱてしまい、足をかきにくいのもなんのその、
性欲を燃料にひたすら手でもがいて、あっさりその線を越えていました。
(さ〜て、これで解像度は数倍アル〜・・・ん!?)
いきなり部屋のカーテンが閉まりました。
ピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコ
連続ですごい音が鳴ってきます。
(止まれ、チュウゴ、お前は完全に見つかっている、お前は完全に見つかって・・・)
(な、何故ばれたアル!)
最新式酸素ボンベを着たウヨはタイワンちゃんの写真を取り出して、指さしました。
(なぁ!?罠アルか!)
(おとなしくすれば、手荒なことはしない。)
(フフフ・・・そうか、そうあるか。でも、ウヨ、お前は我のことを知らない!我は、我自身の性欲に従って生きる龍なのアル!)
(え?壊れた?)
そうして、彼は何がしたいんだか、ニホン池の中を突っ走っていきました。
(後、少しで!ニホンのおパンツが!)
だが、無情にもタクミンパパにもらった無線機から帰還命令が。
彼は、海面を漂いながらおうちに帰っていきました。
翌日、チュウゴ君はエンガチョというあだ名になっていました。
「これで、懲りたでしょ、こういうことは今度からやめてね」
「フン・・・見たものの勝ちアルヨ。そんなことより!今度また、ニッテイの墓参りになんかいったら、いけないアルよ!」
馬鹿は死んでも直らない、そんな言葉がニホンちゃんの脳裏をかすめました。
- 299 名前:From: 目次8 ◆D13/XW7M :2004/12/13(月) 04:45
- 第25-30話
>>275
第31話「おはかー。」
>>276-278(>>279 解説)
第32話「けいどろをしたこと」
>>283(>>284 解説)
第33話「Good Taste」
>>285-286(>>287 解説)
第34話「希望、掘り起こす物へ」
>>288(>>289 解説)
第35話「金星 平和をもたらすもの」
>>290(>>291 解説)
第36話「ともだちひゃくにんできるかな」
>>293-294(>>295 解説)
第37話「すばる」
>>296
第38話「少女の決意」
>>297
こちらも更新してまつ。
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/
- 300 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/12/23(木) 23:30
- PROROGUE
「こちらAWACSチェリー5、各部隊応答願いまーす。」
「こちら大洋池のウォリアー3。犬のこんごうの機嫌が悪い以外は良好です。」
「えーと、こちらえすきもーないん。寒いからおうち帰ってもいいですか?」
「こちらカウボーイNORAD管制室。感度は良好。エスキモー9、寒いのは兄ちゃんも一緒だから
帰るな。毎年サンタさんに会うまで起きているとか言ってったのはどこの誰だ?」
「だってー、…ブツブツブツ……」
「こちらサンタ監視所のグリペン。こっちもまだ動きはありません。シベリア11、そちらは
どうですか?」
「…」
「ちょっと、シベリア11……」
「…んごっ!もう飲めねぇぞ…注ぐんじゃねえウクライナ…ふごっ……」
「おいこら酔いどれ!さっさとおきんかいボケ!!!」
「こちらチェリー5、グリペンは諦めてください。余計な事だけどキャラ変わってるよ。」
「りょーかい…ったく、一番ノリノリだった奴が何真っ先に寝てるのよ!」
「こちらカウボーイ。奴に何か期待するのが間違いと思う。」
「おにいちゃーん、ラスか眠いよぅ…」
「こら、ラス…じゃないエスキモー9!朝の元気はどうした!今日までの積み重ねをおじゃんにする
気か?サンタの正体確かめるんじゃないのかよ!」
「こちら世宗5000、さっきからウリを無視して何盛り上がってるニダ!特に官制のニホ…じゃないチェリー5
には謝罪とば(ry」
「えー、こちらチェリー5。世宗5000はがんばってね。あとしゃ(ryはしません。これお遊びだし。
それとコールのない各部隊、早めに応答しないと始まっちゃいますよー」
「こちらメッサーシュミット。準備万端だ。」
「こちらビッグベン。紅茶の時間以外はお付き合いしますわ。」
「はいはいはい…チェリー5はせっかちですわね。ミラージュ2000、準備完了ですわ。」
「ハァイ子猫ちゃんたち!コードネームコロッセオも準備万端だよー。」
「あのぅ…ボクは何て言えばいいのかな…ここにはいるんだけ
「きりがないのでこの辺で。時刻合わせ、時間は2330。作戦開始は1224-000。…4、3、2、はい、マーク!」
「清野1224作戦開始!!」
- 301 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/12/24(金) 00:58
- 『突っ張るクリスマスR&R 高校編』
「あ、ニホンちゃーん、めりーくりすまーす。」
「あ、タイワンちゃんいらしゃーい。」
「ちょっとー、花の乙女が恋人達の一大イベントの
日になんでジャージにちゃんちゃんこ着込んでるのよ!」
「ついでに言うとおこたでテレビ見ながらミカン食べてました。」
「なんってババくっさいことしてるかなあ。」
「だって落ち着くんだもんこの方が…それにクリスマスなんて我が家じゃ元々何の関係も
ないイベントなのにパパが新し物好きだから飛びついて云々…」
「あーはいはい、言い訳はどーでもいいから、上がっていい?」
「どーぞ。そういうタイワンちゃんも今日はオフ?」
「う…親友を心配して家に来てやったのにぶつけられるのは皮肉?皮肉なわけ?」
「あーはいはい。悪かったわよ。」
2時間16分後−−。
「ふうやれやれ。何でアメリーん所に泊まってかなきゃならんのだよブツブツ………
ただいまー…あれ、姉さん?…とタイワンさん?」
「あぁー、たけひおかえりー…」
「いよっ!日ノ本家の色男!ラスカにま○ぐりしてきたかぁー、アヒャヒャヒャヒャヒャ…」
「……華の女子高生が自宅で二人してクリスマスにヤケ酒でセクハラトークかよ…」
「たけしおなのこに幻想持ちすぎー、ウヒャ」
「そうだぞ若者ぉ、女ってのは男の○○○を××××させて▽▽ってナンボのイキモノ
なんだがだぁ」
「今の録音して素面のときに聞かせてやりてえよ。」
ぴんぽーん
「あ、おきゃくさん。」
「らすかちゃんだぁ!」
「違うと思うぞ。」
ぴんぽーんぴんぽーんぴぴぴぴぴぴぴぴんぽーん
- 302 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2004/12/24(金) 00:59
-
「たけしー、おきゃくさーーん」
「そうだぁっ!お客さんだ武士。ラスカちゃんがスパンコールでお出迎え!!」
『黙ってろヨッパライども…とにかく逃げよ。』
「はいはーい、どちらさ…」
「ハラショーーーー!!!グレイトな俺様がウォッカ片手に華麗に登場!」
「カエレ。」
「歓待ありがとう武士君!そして俺様のクリスマスプレゼントを受け取りたまえ!」
「はぁ?あんた確かに赤い服着てるけど、何その錨マーク?」
「がっっはっはっっ、相変わらず背丈もハートも○○○もちいせえ野郎だ!うちの倉庫に
あったあまりもんの赤い布だ!使わなきゃ意味ねえから妹どもに作ってもらったんだよ。」
「それよりなんだよプレゼントって。」
「クリスマスといえば本場もんに限るとオモワネエか若いの!つーわけで本場のスオミたん
持 っ て き た ぞ 」
「何で簀巻きなんだよ?」
「そりゃオマエ、縛っとかなきゃ逃げるだろ?」
「なんつかプレゼントの前提が間違ってる気がするが。」
「何を言うか、北欧の白い妖精、加えて巨乳。他にお前は何を望む?」
「ささやかで平穏な日常を望む。」
「あ、ロシアノだー、酒あるかー、こっちでのもーぜー…アヒャヒャ」
「おう、タイワン、そういうノリ好きだぜぇ!辛気臭いほ○■▽野郎なんぞ無視して盛り上がれぇ!」
「おーー!」
「さくらねえ、さくらねえ、今日いっぱいのんだノー!まだまだのめるのー…」
どかどかどかどか…がらがら…ぴしゃん
「しらねーぞ明日二日酔いになっても………あ、スオミさん、ほどきましょうか?」
「シクシクシク・・・…オネガイ。」
ドッチラケデオワル
- 303 名前:復活の更科 ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:02
- " I hate Christmas "
外は雪が降っています
はしゃぐ子供たち
いつもは雪を見るとうんざり顔の大人たちも
今日はなんだか優しい顔です
一年でいちばん楽しい季節がやってきました「嘘ニダ」
外は雪が降っています
まるですべてを埋めつくてしまうように
この街には、今年もいろいろな事がありました
これからもそうでしょう
でも、せめて今日だけは…
みんなが優しくなれる夜だから…「嘘ニダ」
- 304 名前:復活の更科 ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:03
-
今日は、奇跡が起きる日です
きっと、必ず、
みんなのところに、幸せは降ってきま「嘘ニダ! デタラメ書くなニダ!」
ほの暗い部屋の中で、キッチョム君はひとり悶々としていました。
すえた臭いが辺りに漂い、そこにはイクナイ本や何だかなぁなアニメや
イヤンなビデオがうず高く積まれています。
「───クリスマスなんて嫌いニダ………」
万感を込めた言葉。重い、重いよ。つらいんだねキッチョム君。
- 305 名前:復活の更科 ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:04
-
「………フン! フン! フン!!」
憤懣やるかたない、といった表情でキッチョム君は立ち上がります。
「まったく馬鹿らしいニダ! じぇんぶ憎き米帝のアクラツな工作ニダ!
シホン主義に毒されているニダ! ぴかぴかのクリスマスツリーとか、サンタさんとか、
クリスマスケーキとか、ケンタッキーのチキンとか、しゃんめりーとか!」
キッチョム君、詳しいね。しかも微妙に安い。
「パーティーにお呼ばれとか、みんなでプレゼント交換とか、ウリはそんな事したいとも思わないニダ!」
…ははあ。
ホ ン ト は そ う い う の 大 好 き で し ょ ?
「だから一人でも平気ニダ! フン! フン! フン!!」
キッチョム君はどすどすと歩き回り、ビデオの山にぶつかって雪崩に巻き込まれました。
「アイゴー! おまいらまでウリをパカにするニカ!? そうニカ!?」
ビデオの海にうずもれて暴れまわるキッチョム君、
ふと、不思議な物音に気づき、もがくのを止めました。
- 306 名前:復活の更科 ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:05
-
窓がカタカタなっています。
そして、そうっと窓が細く開いて、こっそりと部屋に入ってくる人影があります。
あ、なぜか顔が窓に引っかかってジタバタしています。
数分にわたる試行錯誤ののち、ようやく顔が窓から外れ、人影はそのまま
部屋の中にずり落ち、窓枠でしたたかに後頭部を打ちました。
「めりーくりすまーす…ニ…ゲフンゲフン」
「ニダ? ……さ、サンタ!?」
そうです、サンタさんです!
真っ赤な帽子。真っ赤なコート。立派なあごひげ。ご自慢のエラ…エラ?
「ウリ…ワシは壮健で優秀なお子様にご褒美をあげておるじいさんじゃ。
よい子のキッチョム君にぷれじぇんとニ…じゃよ〜」
「………。」
「それではそれでは、めりーくりすますあんどあはっぴーにゅーいやー」
「…カンコ」
- 307 名前:復活の更科 ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:06
-
その一言に、こそこそと退散しかけたサンタさんが凍りつきます。
「な、何の事ハセヨ? …事じゃ? ウ…ワシはただの通りすがりのサンタ…」
「……かかかかかっ」
「ニダッ!?」
「ケンチャナヨ、言い慣れていないニダ。カムサハムニダ」
「──ぶらじゃー……」
「お前だけがウリの味方ニダ!」
「ぶらじゃー!」
「カンコ!」
キッチョム君とカンコ君はひしと抱き合い激しく頬擦り、
エラとエラがぶつかり合って、どががががと非常に不愉快な音が鳴り響きます。
フェイスtoフェイスで見事に組みあがったハニカム構造、
兄弟の絆は、血潮のようにキムチ汁のように赤く熱いものなのでした。
今日は、奇跡が起きる日です
きっと、必ず、
みんなのところに、幸せは降ってきます
そう、この兄弟にも…
…って、あかんやん。
- 308 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2004/12/24(金) 22:07
- トウモロコシを10万トン 韓国、WFP通じ北朝鮮へ
ttp://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=23kyodo2004122301000675&cat=38
ゼブラヘッド『アイ・ヘイト・クリスマス』
ttp://www.saturn.dti.ne.jp/~giccho/contents/hatexmas.html
ハイお久しぶりでつ。更科うどんでつ。
鳥変えたけど本物でつよ。…文章でまるわかりか(w
- 309 名前:あさぎり :2004/12/25(土) 00:07
- Epilogue
「こちらチェリー5.作戦終了。各部隊、状況報告せよ。」
「こちらカウボーイ、もう寝たい。」
「了解。私ももうねむいや…えーと、他の人はー?」
「…」
「…」
「…」
「あ、えーと…みんな寝た?」
「こちらウォリアー3…帰って寝ていい?」
「うん、もういいと思うよ。私も寝るわ。」
「チェリー5、明日起きたら宿題一緒にやろーや。」
「そだね、そうしよ。」
「これを毎年繰り返すのかなあ?サンタさんドコー?」
「チェリー5、まあ来年頑張ろうぜ。」
「そだね。そんじゃオヤスミー」
「おやすみー。」
清野2004作戦。終了です。
- 310 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/12/26(日) 00:32
- 〜 Son & Daughter 〜
「父さん、いつまであいつをほったらかしにするつもりなんだ!」
ウヨ君怒髪天です。
「今回ばかりは私も同じ意見。 ねえパパなんとかしてよ。」
ニホンちゃんも同調しています。
「二人とも、おちつきなさい。 暴力は何も解決しない。」
おちついた口調でニホンパパは二人を諭そうとするのですが・・・
「父さんはいつからそんな弱い人になったんだ! もういい、オレ一人でもやる。 やってやる!」
「待て。」
静かに力強く、ニホンパパはウヨ君の肩をつかみました。
「離してよ。 オレはナメた真似をしてくれたあいつを成敗するんだ! カンコがなんだ、チューゴがなんだ、
いざとなったらあいつらもまとめて・・・」
甲高い音が響き渡り、ウヨ君は床にうずくまりました。 その頬はすこし赤くなっています。
「いいか武士、父さんの話を聞きなさい。」
「私にも聞かせて。」
ウヨ君をそっと起こしたニホンちゃんは、まっすぐな瞳でニホンパパを見つめています。
怒りと不満がないまぜになった瞳。 ああそうか、この娘にもわが父の血が流れているのだと、
いまさらのようにニホンパパは思いかえしつつ、口を開きました。
「オレ・・・父さんを甘く見てたよ。」
「私も。」
「だけど父さんもずるいよなぁ。」
いたずら小僧の瞳でニホンパパを見るウヨ君を、ニホンちゃんが軽くたしなめます。
「ずるくなんてないわよ。 日本池が油で汚れたら、みんな困るでしょ?」
- 311 名前:書き人知らず ◆PWTa2EFE :2004/12/26(日) 00:39
- ええっと、お久しぶりです。
忘れてないですよね、皆さん。
ともあれ久しぶりに書いて、そのままあらよっと てな感じで投下しました。
昨今の日朝関係をベースに来年3月施行予定の油濁なんとか法
(良い子のみんなは自分で調べよう)
です。
ちょっとづつヒマを見つけてまた書いていこうと思います。
なにとぞよしなに。
- 312 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2004/12/27(月) 03:21
- 清野1224作戦 乙でありますた。
ろくに参加もしとらんですが、せめてページは作りますたです。
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/2004seino/index.html
- 313 名前:枯れ木 :2005/01/08(土) 00:53
- 「防波堤」
先日タイランくんやネシアちゃんは歩道にとび出してきた大型車にはね跳ばされ
大怪我をして入院してしまいました。
そのお見舞いの帰り道、ニホンちゃんとカンコくんが並んで歩道を歩いています。
でも何故かカンコくんは道の内側を歩きニホンちゃんは車道側です。
カンコ「(ニダニダ、ウリはあんな事故に遭うのはゴメンニダ、ニホンに車道側を歩かせるニダ。
ニホンが隣にいてよかったニダ。だいたいニホンはウリをロシアノビッチやキッチョムヒョンの
防波堤にしてきたニダからお互いさまニダ)」
ニホン(はあぁぁぁ・・・・・またカンコくん思ったことが声にでてるよ・・・・。だいいちお互いさまって
ロシアノビッチくんから守ったのは結局あたしんちだし、今のカンコくんじゃ全然キッチョム
くんの防波堤になってないよ。今のカンコくんならまだテトラポットのほうが役にたつよ。
あのエラはいったいなんのために・・・)
カンコ「やい!ニホン!」
ニホン「なっ、なに、急に?」
カンコ「ウリとニホンはおとなりさんニダ。ウリはニホンがおとなりさんで良かったとおもってるニダ。
これからもずぅっとよろしくたのむニダ」
ニホン「・・・・う、うん、あはは、でもカンコくんももうちょっと警戒してネ」
カンコ「わかってるニダ、心配ないニダ」
ニダニダわらうカンコくんをみながらニホンちゃんはやっぱりいろんな早期警戒システムが必要だなあ、
と思うのでした。
おしまい
- 314 名前:枯れ木 :2005/01/08(土) 00:54
- 解説です。
え〜と今回の話はここの記事を読みながらなんとなく感じたものです。
ttp://japanese.joins.com/html/2004/1230/20041230212537100.html
まあ地理的な要素からお互い防波堤としたりされたりは当然ですが、今のタイミングで
あまり口にするのもどうかと・・・。
あと、ニホンちゃんのセリフは、カンコくんがいてもテポドンLOVEは防げないし、花火に対する
認識もあまいんじゃあないかなあ、とかいった意味で書いたので、あまり深い意味で考えないで
下さい(ニガw
カンコくんにとってはニホンちゃんがとなりというのは幸運なのでしょうが、逆の事ってあったの
でしょうか?
- 315 名前:火病する名無しさん :2005/01/14(金) 11:50
- >>314
韓国が隣で幸運と言うのはないけれど、朝鮮国家が隣にあってよかったと言うのは
ないこともない。
中国侵略の防波堤になったこともあるし、あくの強い中国文化のちょうどいいフィルターになったこともある。
- 316 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/01/17(月) 21:57
- 『或る日のおす饅堂 −またはトル子は如何にして絶望するのを止めてユーロ町の一員になるのか−』
フランソワ 「トル子さん。この饅頭おいくら?」
トルコ 「えへへー、300万ヱン!」
フランソワ 「・・・・・・(憐憫」
エリザベス「・・・・・・(軽蔑」
ゲルマッハ.「・・・・・・(呆」
アーリア. 「・・・・・・(プッ」
トルコ 「・・・・面白くなかったですかそうですかorz」
ttp://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/turkey.html?d=02kyodo2005010201000370&cat=38
アーリア. 「30万ヱン・・・・30万ヱン・・・・クスクス」
ゲルマッハ. 「アーリア? ・・・・なあ、アーリア?」
- 317 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/01/17(月) 21:58
-
旦~ 旦~
旦~ 旦~
旦~ 旦~
旦~ 旦~ オチャドゾー
ヽ○ノ
L ノ
>
Tea Break。小ネタなんで、題名はサービスで長くしときますた(w
- 318 名前:枯れ木 :2005/01/21(金) 11:42
- >>317
(*゚ー゚)⊃旦~ ドーモ イタダキマス ズズズ
うちの近所にもリアで300万ヱンおじさんがいるですよ・・・・いや、それだけなんですけど・・・
ところでウリはなんでアーリアちゃんが30万ヱンで笑ってるか分からないニダ。
謝罪と賠償とついでに解説を要求するニダ!
- 319 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/01/21(金) 20:43
- ×アーリア. 「30万ヱン・・・・30万ヱン・・・・クスクス」
○アーリア. 「300万ヱン・・・・300万ヱン・・・・クスクス」
指摘されるまで気づかなかった・・・・
しかもよりによって最後のオチで・・・・orz
- 320 名前:火病する名無しさん :2005/01/22(土) 11:47
- >>316
なんかアーリアちゃんキャラが立ってていいねw
- 321 名前:どぜう ◆8jIdnlW2 :2005/01/22(土) 02:04
- ああ、やっぱりケアレスミスでつかw
ともあれ、長い充電期間から復帰おめでとうございます。
トルコたん可愛いよ。トルコたん。
漏れもお茶戴きますー。
つ旦~
- 322 名前:火病する名無しさん :2005/01/22(土) 22:47
- D-13さん、アップロード掲示板の保管庫はまだでつか?
漏れはワクワクしておりまつ
- 323 名前:D-13 ◆D13/XW7M :2005/01/24(月) 03:45
- >>322
とりあえず画像置いただけ…_| ̄|○
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/img_upload_archive/
- 324 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:29
- うわ、連投になっちゃうなあ。・・・スマソ
- 325 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:30
- 『ゲージュツはファビョンニダ!』
「・・・・カンコ」
「ムグムグムグ・・・・」
「カンコ!」
「ムグムグ・・・・ムグッ? アボジ何ニダか」
「テレビを見ながら飯を喰うのはやめるニダ」
「でもテコンVが・・・」
「テコンVはどうでもいいニダ。
家 長 で あ る ウ リ が 話してるところニダ!」
そう言ってカンコアボジは、不満げに鼻を鳴らします。
カンコ家はただいま晩ご飯中。アメリーパパからもらったブテチゲをつつきながら、
ニッテイの暴虐とウリミンジョクの優秀性について語り合い、
楽しい一家団欒のひと時を過ごすはずが、これはよろしくありませんね。
カンコ君は気もそぞろ、ご飯をかきこみながら
まだテレビをちらちら見ています。ニッテイの暴虐ぶりには大いに興味ありですが、
でもテコンVも気になっちゃう。男の子だもん。
- 326 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:31
- カンコアボジは気を取り直し、胸が震えるような誇らしいお話の続きにとりかかります。
なかなかうまいもんですが、食事時に同じ話を半万回繰り返し語るのは止めていただきたい。
「・・・・それで、野蛮で愚かなニッテイは、貴族的で聡明なウリナラを乗っ取ってしまったニダ。
ニッテイはウリ達にチョッパリ風の勝手なあだ名をつけてハズカシめたニダ。
タカギとか、トヨダとか、イイジマとか」
「そこニダ! 光子力ビ―――ムッ!」
「光子力ビームとか・・・カンコ、静かに汁。
そのくせ、卑怯なニッテイはウリ達の潜在能力を恐れるあまり、
地脈に鉄杭を打ち込んで、ウリミンジョクの精気を奪う工作までしたニダ。
でもウリ達は世界優秀ミンジョクなので、そんな事ではへこたれなかったニダ。
それを見たニッテイの奴は、更にウリ達の食べるご飯を取り上げたニダ」
「チェゴ! テコンV!」
「ニッテイの奴は困るウリ達にひどい事を言ったニダ。『チェゴ! テコンV!』
・・・って違うニダ! だから、テコンVはどうでもいいニダ!
カンコ、テコンVと 家 長 で あ る ウ リ の話とどっちが大事ニダ?」
- 327 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:32
- カンコ君は上目づかいで、ためらいがちに答えます。
「・・・・うぅ・・・・今は・・・・テコンVニダ」
「ファッファビョ――――――――――――――――ン!!!」
なんという屈辱。カンコアボジのガラスの自尊心を粉々に打ち砕く、まさに妄言です。
カンコアボジは満面にキムチを注いだような表情でテーブルを殴りつけ、火病に任せて
ついにパパ最終兵器『理不尽きわまりない大人の主張』を繰り出しました。
「ええい、うちは今日からテレビ禁止! おまいらテレビばっか見とるとアフォになるニダ!」
カンコアボジはそう言い捨てておもむろに立ち上がり、呆気にとられる家族をよそに
居間のテレビをえいやと担ぎ上げ、ベランダまでずるずる引きずっていきます。
そして、
「こんなもの! こんなものー!」
ぽーい ガシャーン>
- 328 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:33
- 「アッアァァイゴォォォォオオオオオッッ!!!」
この世の終わり、といった表情でへたりこむカンコ君。
しかし、さらにカンコアボジはそのまま居間をつっ切り廊下に飛び出し、
足音も荒く家中を探索しはじめました。
何をする気か悟ったカンコ君、真っ青になります。
さ あ 盛 り 上 が っ て ま い り ま し た 。
「アイゴー!! アボジやめるニダ、やめるニダー!!」
弱々しくいやいやをするカンコ君にかまわず、カンコアボジは
家中のテレビを探し出しては、次から次へと庭へ放り投げていきます。
ぽーい ガシャーン>
ぽーい ガシャーン>
・
・
・
- 329 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:34
- 今宵のカンコアボジはちょっぴり激しめ、カンコ家が騒がしいのには
すでに慣れっこになってしまったご近所さんたちも、テレビが壊れるすさまじい物音に
何事かと外に出て集まってきました。
集まった人々の目に飛び込んできたのは、カンコ家の殺風景な庭に積み上がった
かつてテレビだったものの残骸の山でした。哀れなガラクタと化した
サムソン製のテレビたちは(そこの貴方、「もとからやん」とか言っちゃダメです)、
それでも一応ノイズ交じりのテコンV画像を途切れ途切れに流しています。
ざわめく人々。突き刺さる視線を痛いほど感じて、
さすがのカンコアボジも大人しくなり、居心地悪そうにしています。
その時です!
・・・・おおおおおーっ!!!
嘆声、そして万雷の拍手。集まった人々はそれぞれ、
感に堪えないといった様子でため息をついては顔を見合わせ
うなずきあっています。
- 330 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:35
- 「? ニダ???」
状況が分からないカンコアボジ。
なぜか皆がモーレツに感動していることは確かなようです。
とりあえずぎこちなく手を上げると、更に大きな拍手が沸き起こりました。
「カムサハムニダ! カムサハムニダ!」
なんとなくご機嫌になったカンコアボジ、盛大な拍手に包まれて
両手をふりふり意気揚々と家の中に戻っていきます。
「ウ、ウリのテレビが、テコンVが・・・・」
「テレビ全部壊して・・・・。
ど う す る つ も り ニ カ ? 」
泣き崩れるカンコ君と、般若のごとき形相でたたずむ
カンコオモニが待っているとも知らずに。
おしまい
- 331 名前:更科うどん ◆w/NGE69M :2005/02/05(土) 13:37
- ナム・ジュン・パイク
ttp://www.ycs-ap.com/exhibition_case/2003/paik/paik.html
実際の制作風景がこうなのかは知りませんが(w
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄」
――――――――――――‐――┘
(⌒) |
____ ((、´゛)) . |
| |||||||  ̄| |
| ∧_∧ ∧_∧コンナモノ!
アボジ!!/,ノノ人)<#`Д´>つ ミミ
ヤメテ!ノハ`Д´>⊃ ノ | |ミミ
 ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .____
| ||' ̄ ̄ ̄||
| ||___,|| ピュ‐
| |::::!=== o::|
|
いや、凄い人なんですよ?
かの国には珍しい、世界に誇れる本物の「オリジナル」ですよ?
- 332 名前:火病する名無しさん :2005/02/05(土) 13:40
- >>331
('A`)
- 333 名前:どぜう ◆8jIdnlW2 :2005/02/05(土) 16:17
- 話のネタはどうあろうが、腹抱えてワロタ。
それはともかく、なんとなくカンコ家は平屋っぽいと思ったんですけど、
漏れの勝手な妄想ですね。ええ。いいんです。はいw
- 334 名前:火病する名無しさん :2005/02/05(土) 18:22
- >>331
面白いです。最高!
- 335 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/02/06(日) 12:22
- ナナッシィ氏と並ぶハイスピードコメディの勇者、さすがですわ。
おいらもこんなスピード感あふれるお話書きたいよう…
- 336 名前:ナナッシィ@脱走兵 :2005/02/14(月) 23:15
- 『浮かれポンチな世俗的風習から隔離された生活を送り続けている事に対する腹立ち紛れに
無理矢理バレンタインに掛けた小ネタを書き殴ってみるテスト』
キッチョム「ウェーハッハッハッハァ! ウリはぁぁチョコをぅうおお! ゲットしたニダァァァアア!」
クラスメイト「な、なん(AA(ry」
アメリー 「……(キッチョム必死だなニヤニヤ)」
チューゴ「……(生意気アル)」
ロシアノ 「……生意気だぞ」
カンコ 「ブラジャーの言う事信じるのは時期尚早ニダ!(ウリだってまだ貰ってないのニダー!)」
ニホン 「……(キッチョム君には義理チョコあげないことにしよーかなー)」
おしまい。
……今の私では、これが精一杯orz
- 337 名前:火病する名無しさん :2005/02/15(火) 14:13
- >>336
普通に違和感なく読めるので無問題かと。
新作、待ってるから!
- 338 名前:シェロ :2005/02/22(火) 11:45
- 「3分間クッキング」
「やいニホン!お前ウリがあれだけ言ってるのにトンチャモンをまだ朴ってるニダね?
ウリナラミンジョクの誇りを傷つけられたニダ。謝罪汁。」
「( ゚д゚)ハァ?何言ってるの?あれはカンコ君の方が後じゃない。
ママが考えたニャンコといいテコンVといいいい加減にして欲しいわ。チューゴ君も何とか言ってあげてよ!」
「全くアル。そうやって朴られてたらこっちも迷惑いいところアルよ。やめろカンコ」
「そうそう、良い事いうじゃないチューゴくん」
「朴りと言えばコラニホン、お前朕の呼嵐的幼児を勝手に朴ってるアルね?文化侵略アル。謝罪汁」
「( #゚д゚)アァ?何言ってやがんだこのチャンコロ野郎」
終劇
ソース
クレヨンしんちゃんの起源は中国4千年
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/china.html
タイトル解説:作話時間3分(ヲイ
- 339 名前:Venom ◆7wMBGNJ2 :2005/02/22(火) 11:31
- たまに読むだけだけど、ニホンちゃん面白いなあ。
>南北、ニューヨークで核問題協議か 野党議員が主張
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=050000&biid=2005022275978
カンコ君とキッチョム君が、NYでこそこそ密談してるようだけど
何を話してるか、アメリー君には全部聞かれてるんでしょうね。
- 340 名前:火病する名無しさん :2005/02/24(木) 18:18
- 『だから兄者はダメなんだ』
父子DNA鑑定禁止の法改正案、独で賛否めぐり大騒ぎ
ドイツで、父親が自分の子どもが実子かどうかを確認するためのDNA鑑定をめぐり波紋が広がっている。
同国の民間調査機関の推計によると、新生児の1割(約7万人)が戸籍上の父親以外の子だというが、
女性の法相がこのほど、同鑑定を法律で禁止する意向を表明した。
個人情報保護が主眼だが、男性や保守派知識人は「女性の浮気を助長するだけ」と反発しており、
当地のマスコミは「新たな男女間闘争の火ぶたが切られた」と大騒ぎだ。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ゲル&アーリア:「・・・・・・・」
ゲル:「どうした妹者、顔が赤いぞ、風でも引いたか?」
アーリア:「あ、兄者、わ、私は・・・その、私は兄者だけの・・・・ダカラ。」
ゲル:「心配するな、わかっている、お前は私の正真正銘の『妹』だ。」
アーリア:「・・・ああ・・・ ('A`) 」
トルコ:「ニブチン」
エリザベス:「ホント、鈍いですわね」
フランソワ:「だから一割も違うんですわ」
タイワン:「親近ryはイクナイ! よね?ニホンちゃん?」
ニホン:「・・・」
ttp://poo-chan.com/archives/2005/01/17_2359.php
ttp://www.infonet.co.jp/nobk/other-folk/incest.htm
本スレに立てると賠償させられそうなので・・・
- 341 名前:火病する名無しさん :2005/02/25(金) 02:41
- >>340
ウヨ「ね、姉さんっ!(;´Д`)ハァハァ」
- 342 名前:桐 一葉 :2005/03/03(木) 15:05
- これから書く話はイラストコーナーUに書いた私の絵(漫画?)の続きです
イラストコーナーU→ttp://w3.oekakies.com/p/nihon2/p.cgi
ちょとした前書き{マカロニーノくんの珍しい車を見て乗り込んでしまい二人のドライブと
なっちゃったニホンちゃんそれを陰から見ていたアーリアはウヨ君といっしょにニホンちゃんを
連れ戻すことになったのです・・・}
アーリア「ウヨ!目標をほそくした!目の前の信号のところだぞ」
ウヨ「わかった」
そのころニホンちゃんとマカロニーノ君は?
マカロニーノ「ニホンちゃんこのままこのまま人気のないところで休憩しないかい?」
ニホン「ねえねえどんな人がこの車設計したの?」
マカロニーノ「・・・まあ車のことは置いといてニホンちゃんからする高貴なひのきの匂いを
もっとよく僕にかがせてみないかい?」
ニホン「ねえねえどうすればこんなに背の低いゴーカートができるの?」
マカロニーノ「・・・・・・」
ニホン「ねえねえこの車やっぱり高いんだよね・・・」
マカロニーノ「・・・ニホンちゃんそれじゃあ僕の部屋でいっぱいお は な し しようか?」
ニホン「マカロニーノ君の車の技術に関する本見たいからいくよ〜」
マカロニーノ「イクだなんてニホンちゃんは〜(萌・・・おっと赤信号だ」
少しして横の車線からクラクションが鳴りました
びー! びー! びー!
マカロニーノ「ん?・・・げっアーリア!何でアーリアがこんなところにそれにウヨ君まで・・・」
アーリアはにっこりほほえんでマカロニーノに字を書いた紙を見せました
:お空までたたきとばされるのと腹切りどっちがいい(・▽・)?:
マカロニーノ真っ青です
マカロニーノ「二・・・ニホンちゃんちょっととばすけどイイかな?」
ニホン「車の限界見せてくれるの?いいよ」
マカロニーノ君のゴーカート白煙を上げながら猛ダッシュします
アーリア「!!ウヨ!敵が逃げたぞ!追いかけろやつを捕まえるんだ!」
ウヨ「了解です!」
ウヨ君はダッシュボードに取り付けたボタンのうち一番左のボタンを押しました
ウヨ「スーパーチャージャーがんがん吸気させろよ!」
ウヨ君アーリアちゃんのゴーカートも白煙を上げ猛ダッシュしました
もうこの光景はグランド・セフト・オート(GTA)シリーズのカーチェイス並みです
アーリア「待てまたんかー!」
マカロニーノ「くそっ!なんてはやさだ・・・うわっ!」
いきなりカンコ君が割り込んできたようです後方確認もせず・・・
カンコ「ニダー!ぶつかるニダ!」
こちん マカロニーノ君のハンドルさばきですこし擦っただけでした
カンコ「アイゴー謝罪と賠償を要求するニダ!今追いついてやる二・・・ファビョーン今のでエンジンぱーニダ」
かくかくぷすん・・・・・・
ウヨ「どけろカンコー!」
カンコ「二ダー!」
ウヨ君の片輪走行成功!10,0点!
アーリア「マカロニーノとまらんかー!」
続く
初めて書きました・・・長いです・・・申し訳ないです・・・
誤字があるかもしれません・・・こんな私を許してやってつかあさい
- 343 名前:黄鉄鉱 ◆ZJtWEy4Q :2005/03/03(木) 17:01
- 桐さん乙です。
おお! こっちのほうが断然読める! 面白いよ!
やっぱり別々にして正解だったと思いますよw
続き期待してます☆
- 344 名前:久々に目次9 ◆D13/XW7M :2005/03/08(火) 00:27
- 第31-38話
>>299
第39話「エンガチョ」
>>298
第40話「Son & Daughter」
>>310(>>311 解説)
第41話「防波堤」
>>313(>>314 解説)
第42話「或る日のおす饅堂 −またはトル子は如何にして絶望するのを止めてユーロ町の一員になるのか−」
>>316
第43話「ゲージュツはファビョンニダ!」
>>325-330(>>331 解説)
第44話「浮かれポンチな世俗的風習から隔離された生活を送り続けている事に対する腹立ち紛れに無理矢理バレンタインに掛けた小ネタを書き殴ってみるテスト」
>>336
第45話「だから兄者はダメなんだ」
>>340
第46話「マカロニーノのゴーカート」
>>342
ttp://d_13.at.infoseek.co.jp/nihonchan_temporary_archive/beta/
・βスレ系22クール、46話まで更新しますた。
- 345 名前:桐 一葉 :2005/03/09(水) 22:19
- マカロニーノのゴーカートの続き
マカロニーノ君はどうにかウヨ君・アーリアちゃんの追跡を乗り切りました
マカロニーノ「さあ、ニホンちゃん!これから僕の家で・・・」
ニホン「ねえ・・・前見ないと信号赤になってるよ」
マカロニーノ「・・・」
グオンッグオンッ キイッ・・・マカロニーノ君の車が止まっている横の車線に1台の車が止まりました
マカロニーノ「!(僕のニホンちゃんとのナイトスポーツをじゃまするアーリア達か!?)」
いえいえアーリアちゃん達の車はあなたがブッちぎったじゃありませんか・・・
???「おいっ!マカロニーノ何でニホンちゃんを隣に乗せてるんだYO!」
ニホン「あっアメリー君!やっほー、いまねマカロニーノ君のねすごい車に乗せてもらってるんだよ」
アメリー「ふーん・・・」
ニホン「アメリー君の車もなんか珍しそうだね・・・(どきどき)」
アメリー「これか?、これはフォードおじさんが作ったマスタングだけど・・・乗ってみたい?」
ニホン「乗りた〜い(1秒)、じゃっマカロニーノ君ここでさよならだね(にこっ)」
マカロニーノ「・・・(ニホンタンカワイイ萌!)」
ニホン「じゃあアメリー君の車の性能を知りたいからアメリー君、乗せて」
アメリー「ああいいよ、そうだだったら僕の家の中にあるゴーカートの展示場にいこうか」
ニホン「いく〜」
アメリー「じゃあなマカロニーノ」
マカロニーノ「(ポカーン)」
数分後
マカロニーノ「ああ僕の青春が・・・恋が・・・」
ウヨ「アーリアさん・・・」
アーリア「ウヨ・・・ニホンは大丈夫だ・・・」
ピピピピピピピピピピ・・・
アーリア「むっ電話か・・・もしもしアーリアだ」
???「ニホンちゃんをとられちゃったよ・・・」
アーリア「マカロニーノか・・・誰ニダ・・・じゃない誰にニホンをとられたんだ?」
マカロニーノ「アメリーの奴にさ・・・くやしいなあ・・・後もう少しでニホンちゃんとナイトスポ」
ピッ アーリアちゃんに切られちゃいました・・・
ウヨ「誰からです?」
アーリア「マカロニーノからだ・・・ニホンをアメリーにとられたらしいまあアメリーなら間違いなんか起こさないだろうなんたって第2回地球町大喧嘩で日ノ本家の真の恐ろしさを知ってるからな」
ウヨ「大東亜戦の方が喧嘩が起こった場所がよくわかりますよ」
数時間後
アーリア「アメリーの家にやっとついたな」
ウヨ「ちょっと長かったですね・・・」
とそこにウヨ君につかまる人物が・・・
ウヨ「!ラスカちゃん!」
ラスカ「ウヨ君、ラスカに会いに来てくれたの?」
ウヨ「違うよ」
ラスカ「(がーん)・・・そんな〜」
ウヨ「姉さんがラスカちゃんの家(アメリー家)にいるって聞いたんだけど・・・」
ラスカ「・・・うーん居ることは居るんだけど・・・いまお兄ちゃんのゴーカートの博物館みたいなところで目を輝かせてるよ」
ウヨ「・・・」
ラスカ「私が「遊びに来たの?」って聞こうとして「遊び・・・」のとこまでしか言ってないのに「違う」っていわれちゃったの・・・(ぐすん」
ウヨ「ごめんね・・・ラスカちゃん」
ラスカちゃんの頭なでなで・・・
ラスカ「えへへ・・・」
アーリア「ニホンが大丈夫とわかったから私はかえるぞ・・・ウヨはどうする?」
ウヨ「僕も帰ります・・・それじゃあねラスカちゃん」
ラスカ「うん・・・今度は学校でこんにちわだね」
ウヨ「それじゃ」
アーリア「またな」
こうしてウヨとアーリアの冒険は幕を閉じた・・・一方そのころマカロニーノはというと
マカロニーノ「ニホンちゃんを今度こそ!!」
といいながらニホンちゃんの家に送る馬さんのマークのゴーカートを梱包して送ってました・・・
マカロニーノ「ニホンちゃんまた僕にに興味しめしてよね」
桐 一葉です
またまた長いです 誤字があるかもしれません申し訳なさ120%です・・・
最後の方のマカロニーノの元ネタは
これ→ttp://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050310k0000m020014000c.html
2000万円超えるって・・・すごいなあ・・・
- 346 名前:桐 一葉 :2005/03/09(水) 22:22
- さげるの忘れてた・・・(あせあせ
- 347 名前:Venom ◆7wMBGNJ2 :2005/03/10(木) 12:13
- マカロニーノ、てめえ! 地球町大喧嘩では、一番最初にケツ割りやがって!
- 348 名前:コソーリ置いておきます :2005/03/11(金) 11:38
- (´・ω・`)つttp://pn-unofficial.hp.infoseek.co.jp/NoberuB/b0046.htm
コソーリ置いておきます
- 349 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/03/22(火) 21:02
- 『翌檜の唄』
古い蔵の中、かび臭い匂い、差し込む光のシルエット。
静寂の中で二人の動く音が壁に吸い込まれる。
きっかけは些細な事。一緒に話しをしながら彼女のおばあちゃんの昔の写真を眺めていた時、
そのおばあちゃんの着物がまだあるだのないだのといった押し問答になり、じゃああるかどうか
確かめようという事になった。
白黒の写真だったけど、鮮やかな鳳凰の図柄の着物は、わたしにも興味のあるところだ。
自分の家の倉庫を彷徨うのは怖いけど、人の家だとなんだか平気だった。たぶん、見た事のない
ものがたくさんあるから怖さが紛れてしまうのだろう。
一人張り切って彼女が探し始めたが、わたしは程なく手持ち無沙汰に耐え切れず、探し物が
どこにしまっていそうなものか彼女に聞いた。彼女曰く、キリバコかイショウカンの中に大事に
しまっているはずだとの事。そのキリバコとイショウカンがどういうものか見せてもらって、二人
して手分けして探す事にした。ためしに開いてくれたイショウカンの中の匂いに思わず眉をひそめる。
彼女はそうだろうなあという笑顔でわたしに答えてくれた。
教えない意地悪さといたずら心が笑顔に込められている。わたしは苦笑いでしかそれに答えられな
かった。でも、いやな気分にはならない。不思議な友達だなと思う。
- 350 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/03/22(火) 21:03
- 盥のようなもの、古い本、鎧や兜。
埃にむせながら時は流れてゆく。
ふと自分が何をしているのか忘れてしまいそうな昼の終わり。思わず手に取ったものをしげしげ
と眺めて、我に返って傍らに置く。彼女はそんなわたしを時折見て、物の由来を教えてくれる。
わたしは説明してくれたものを眺めて素直に感心する。そして暫く会話を交わして、ここにいる
目的を同時に思い出して慌ててしまう。そんなことが数回続き、お互い苦笑いの交換をするように
なると、何だか自分の垣根が取り払われたような気分になり、いつのまにか好奇心丸出しで彼女を
質問責めにしていた。
ふたりでどれだけあちこちのものをひっくり返したろうか。すこし肌寒くなってきた頃、
彼女の素っ頓狂な喜びの声に目当てのものが見つかったことを知る事ができた。
早速箱から取り出す。鮮やかな紅の生地に金の鳳凰の刺繍。彼女が誇らしげに語るのがよく判る。
それを眺めるだけで済ますだろうか。晴れ着にはやっぱり袖を通してみたい。口に出さなくても
彼女もわたしもそのへんは同じ思いだったようだ。
- 351 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/03/22(火) 21:04
- 手に取る絹の肌触り、深い深い紅、時代が作った僅かな翳り。
薄暗い蔵の中でそれだけ輝いていた。
いそいそと上着を脱ぎ捨てシュミーズ姿になると、彼女は慣れた手つきで振袖に袖を通した。
ああ、やっぱり血筋だと思う。艶姿はこれ以上ないくらいに決まっている。帯をきゅっと締めた
時の凛々しさは真似ができないなあと思った。彼女に鏡がないのが残念だと伝えると、残念そうで
少し誇らしげに仕方がないよねと同意をしてくれた。
彼女は、しかし着心地や型を確認しただけなのかもしれない。どこか満足そうに帯を解き、
また元の服にさっさと着替えると、その着物をわたしに差し出した。着てみろということらしい。
着慣れたアオザイが肩からずり落ちる。彼女はわたしの羞恥心には気づかない。そそくさと
袖を肩に掛け、しぜんにわたしも袖に手を通す。滑らかな布の触感が、すうっと頭のてっぺんに
通り抜けた。
絹の冷たい肌触りは心地よいくらいだ。彼女はいつの間にかわたしの正面で慣れた手つきで
帯を通している。衣擦れの音が蔵の中で吸い込まれてゆく。誰かが見ていたら、この情景は
目にどう映るのだろうか。
- 352 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/03/22(火) 21:04
- おなかが苦しい。試しに歩くと歩幅が随分と狭くなる。彼女は歩き方から丁寧に教えてくれた。
でも、自然にそういうものだと教えられたのとは違うので、今更こうしろといわれると何だか
戸惑いばかりが先に来てしまう。
ああ、着るもので躾とか身のこなしとか結構勉強するものなのかもしれない。彼女の性格は
この着物そのものなのではないかと思う。
彼女はにっこりわたしに笑いかける。何かわたしに隠し持っているようだった。怪訝そうな
わたしの顔に、さっとそれを差し出してきた。いつのまにか探し当てたのか、少し大きめの
手鏡だった。
燃える様な深紅の着物を纏ったわたしがそこにいる。一瞬それが自分だとわからなかった。
ああ、彼女には勝てないなと心の奥底が疼いた。でもそれはいつか肩を並べて歩きたいという、
自分には珍しい疼きだ。そう、多分これが憧れというものかもしれない。
樟脳の匂いが当たり前になったとき、鳳凰はまたもとの箱に収まった。少し丈の大きかった
その着物は、近いうちまた私の前に現れるかもしれない。彼女は丁寧に元あった場所に箱を置くと、
じゃあ出よっかと短く言った。
重い扉を二人で閉ざし、明るい場所でお互いの姿を見て大笑いした。二人とも埃まみれで、顔も
服もどこでつけたか判らない汚れまみれだったのだ。
笑いあいながら再び彼女の家に上がりこむ。台所から夕飯の用意の匂いがしてきていた。
もうそんな時間だったのかと時計を見れば6時前だった。
少々慌ててわたしは彼女の家から帰ることにした。帰ったらママンは何て言うだろう?多分
問答無用で怒鳴り散らされるんだろう。それは嫌だけど、今日は別にそれでもいいやと思えた。
黄昏に追いかけられるように、わたしは家路を急ぐ。
おしまい
- 353 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/03/22(火) 21:07
-
久々にソースゼロの萌えのみ作品をば。そしてβへも久々のうpですねえ。
なんでもない日常の中の小さな発見や冒険。ああいうのって結構記憶に残るんですよねえ。
でもウリの子供時代には蔵持の同級生はいなかったんで、土蔵探検してないニダ…
やってみたかったなあそういうの。相手がおにゃのこだったら尚更ベたウワナニスルヤメぢぇysgぢ
- 354 名前:火病する名無しさん :2005/04/02(土) 07:13
- (・∀・)イイ!!
- 355 名前:大洞 :2005/04/17(日) 17:22
- 「しゅうれん」
ニホンちゃんが窓の外を眺めため息なんかついています。 なんだかメランコリー
ニホン 「はぁ〜〜 引っ越したい 何所か遠くへ引っ越したい」
アーリア 「ニホンちゃん ため息なんかついてどうした?」
ニホン 「ん? アーリアちゃん じつは・・・・」
アーリア 「まあ 確かに引っ越したくは なるな」
ニホン 「でしょ もしくは引っ越してもらいたい」
アーリア 「しかし 仮に引っ越しても無駄に終わるから やめておいた方がいい」
ニホン 「どうして? 引っ越しても三馬鹿が付いてくるとか?」
アーリア 「そうじゃない 収斂進化というやつだ」
ニホン 「しゅうれん・・・・なに?」
アーリア 「収斂進化 簡単にいうと同じような環境に置かれると種が違っていても
似通った進化をたどる事だ」
ニホン 「収斂進化はわかったけど それとこれとが何の関係が?」
アーリア 「つまり ニホンが引っ越そうが 三馬鹿を追い出そうが、
ニホンのウチの傍いう環境化ではカンコのような人になる」
ニホン 「つまり・・・ わたしが引っ越しても 三馬鹿を追い出しても・・・
第二 第三 カンコ君がわたしの傍にあらわれると?」
アーリア 「まあ そう言うことだな」
ニホン 「ふぇ〜〜〜ん そんなのヤダァ〜〜〜〜」
アーリア 「まぁ宿命 だと思いあきらめたまえ 」
ニホン 「やだ やだ〜〜〜 そんなの やだよ〜〜〜〜」
おいまい
- 356 名前:大洞 :2005/04/17(日) 17:23
- せつめい
斂進進化(しゅうれんしんか)
サメとイルカ コウモリと翼竜は お互いによく似ている
これは水中で高速で運動するためには、体を流線型した方が都合がいい、
その結果必然的に似た形になったと思われる。
また翼竜の翼もコウモリのそれに似ている。
このよに似通った環境下ではその環境に適応するさい
種が違っていても似通った体形に進化する。
こうしたものを収斂進化(しゅうれんしんか)という。
さて 三馬鹿という環境があったから日本が生まれたのか?
日本があったから三馬鹿が生まれたのか?どっちなんでしょうね?
たまごが先か?鶏が先か?
- 357 名前:大洞 :2005/04/17(日) 17:25
- あまりに書き込みがないのでこちらの方にうp
- 358 名前:どぜう ◆8jIdnlW2 :2005/04/17(日) 22:23
- 「レスのつもりがいつの間にか続編(のようなモノ)になってました」
ニホン「し、『収斂進化』デスカ…」
アーリア「うむ…しかし話は変わるが、最近ではこのような論争も起きているのだな…」
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040329303.html
ニホン「『ヒト進化の鍵? 顎に関わる突然変異遺伝子をめぐる論争』?」
アーリア「うむ。概要は、人類がチンパンジーなどと共通の祖先から枝分かれする、
きっかけとなった遺伝子によって顎が小さく、弱くなり、
その結果、脳が大きくなったというものだ、非常に興味深い」
ニホン「顎が小さくなるとどうなるの?」
アーリア「瓜実顔と云う奴になる。ニホンも私もそうだ」
ニホン「逆に顎が大きいままだと、どうなっちゃうの?」
アーリア「うーん。あ、いいサンプルがある、おーい。ちょっと来い」
カンコ「何か呼んだニカ?」
アーリア「こうなるのだ」
ニホン「……」
カンコ「…?」
ニホン「よーっく判った気がするよ…アーリアちゃん」
アーリア「種としては別なのだろうが、生活環境が似ているために、
たまたま同じような姿形になったということだな、これもまた『収斂進化』だ」
ニホン「…種としては…別。別種…」
カンコ「…ニダ?」
- 359 名前:火病する名無しさん :2005/04/17(日) 22:27
- >>355
>>358
ププp
- 360 名前:火病する名無しさん :2005/04/18(月) 04:26
- >>355
歴史的にも哀しいほどにそうなってますね。
唐も元も清も中華思想になったし。
- 361 名前:青風: :2005/04/19(火) 11:58
- >360
中国大陸という広い舞台を占拠するには中華思想な国でないと
無理、って事では?結果、カンコ家の頭は常に中華思想のチューゴ家に
押さえられる・・・・
- 362 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/04/19(火) 20:57
- >>355
大洞さんお久しぶりです。
手堅くまとめる諺シリーズ。ウリも見習わねば…
- 363 名前:大洞 :2005/04/21(木) 21:51
- >種としては別
衝撃 ピルトダウン人の子孫は実在した!!!
いや〜〜わたしもね、そうなんじゃないかと思ってましたよ
あの捏造癖は人間のできる所行じゃないですから、
種としては別 ピルトダウン人だとすれば納得できますね
>>362
確かに久しぶりになりますね ネタのストックはあるのですが・・・・
この所イラストコーナーに製作意欲がシフトしていたもので
こちらの方は、おざなりになっておりました。
- 364 名前:火病する名無しさん :2005/04/22(金) 23:25
- 大洞さん=七升氏?
- 365 名前:改変コピペ :2005/05/17(火) 21:59
- 落ち着きの無いカンコくんは、いつもいつも教室で問題を起こします。
今日もアメリー君にいちゃもんつけています。
「お前がいけないんだ!謝れ!土下座しろ!謝れ!」
と、大声で謝罪の要求を連発するのです。
アメリー君はいつも、ジッと黙って何も言いません。
周りの子は、いつもカンコくんが「謝れ!」って言ってるので、
アメリー君が何か悪い事をしたのだ、とばかり思ってました。
ある日、とうとうカンコくんは周りから白い目で見られながらも、
「お前が謝罪しないなら、お前の机を窓から捨ててやる!」
と叫びながら、アメリー君の机を引っ掴んで揺らしました。
アメリー君が、
「僕は、何もしてない・・・」
と小さな声で言うと、
カンコくんは「ヒィィ、」と奇妙な叫びをあげたかと思うと、泣き出します。
「お前は昨日、こんな事や、あんな事をしたじゃないか!
ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!」
アメリー君は、いわれのない罪を着せられたので、自分の無実を証明しようとします。
「僕が、昨日何をしたの?僕は昨日カンコくんに会ってないよ」
すると、カンコくんはガバッと飛び起きて、アメリー君に掴みかかりました。
「ふざけるな!うちのお父さんから聞いたんだ!しらばっくれるな!嘘つくな!
そんな嘘つくのなら、お前のおこづかい全部持って来い!そしたら許してやる。」
と言いたてます。
実はカンコくんは、・・・こんな事言っていいのか分かりませんが・・・・ キムチなんです。
- 366 名前:火病する名無しさん :2005/05/17(火) 22:00
- 韓国、同意ない米の爆撃あれば47.6%が「北朝鮮支持」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050513AT2M1201N13052005.html
韓国社会世論研究所が12日発表した世論調査結果によると、
米国が韓国の同意なしに北朝鮮を爆撃した場合、韓国民の47.6%は北朝鮮側に立つとし、
米国側に立つとした31.2%を上回った。調査は10日、700人を対象に実施した。
保守層が多い野党、ハンナラ党支持者の間でも、米国側に立つとしたのは38.6%で、
41.1%は北朝鮮側に立つとした。年齢別では若い人ほど北朝鮮側に立つとし、
50歳を超えると、米国側に立つという人が北朝鮮側に立つという人をやや上回った。
(ソウル=共同) (12:14)
ニホンちゃん第2話
http://funshei.at.infoseek.co.jp/html/2.html
いや、なんかスレが寂しかったから・・・。他意はないぞ本当にないぞ!ゴメンヨゴメンヨー
- 367 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/20(金) 20:35
- 『Under the Blood Red Sky』
−Sunday Bloody Sunday−
いくら無作法と言われていても、せめて目立たない位置に立つくらいの配慮は必要だろう。勿論他人
への気遣いとかではなく、単に仕事上必要だからだが。
金が無いというのは不幸以外の何物でもない。おかげで嫌な仕事でもやらなければならない。金欲しさに
依頼も無いのに強請でもやれば、鑑札を取り上げたがっている奴らに協力してやるようなものだ。そんな
面白くない状況は願い下げなので、ぶら下がったニンジンを追って今日も走っている。
名前を聞くだけで一日が憂鬱になる奴が世の中には確実にいる。そいつの顔を見るとなったら嫌な気分は
格別のものがある。事務所の鍵が開いているのを確認して、またリズの浮気調査かと思って入った部屋の
中の人物はまさにそれだ。
「やあ、相変わらず元気そうで何よりだ」
「たった今元気がなくなったところだよ」
「頑張っているようじゃないか。父親としても鼻が高いよ」
屈託のない人柄は表向きだけとはいえ本来歓迎すべきだろう。話をするにも腹を探るにも気休めになる。
しかしあからさまな演技だと鼻について嫌味なだけだ。
「自己満足の目的を果たしただろう。済まないがそれ以上の希望を聞く気分じゃない」
「私は嫌味を言いに来たわけじゃない。どちらかと言うと気紛れで親心を満たしに来たのさ」
「お断りだ」
「意地を張ることは無いだろう。このまま行くと来週にはここを追い出されるそうじゃないか。これは
ビジネスなんだから個人の感情は押し殺すべきではないかな」
- 368 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/20(金) 20:36
- そのあたりを言われれば俺も一言もない。仕事の選り好みをしていたら自動的に無一文になってしまった。
この男はそういう所には異常に目敏い。人の弱みを握るのが得意と言うのは、生きていく上で必須の才能
だろう。それが忌み嫌われる理由でもあるが。
人の言いなりになるのが大嫌いなのは今も昔も変わりない。子供と大人の違いは、言いなりになる時に
言い訳をするかどうかということだ。言い訳はしなかったが、涙を浮かべて無念の気持ちを顕しもしない。
出来る事と言えば、怒らせない程度に憂さ晴らしをする事だった。
主人のいない猟犬は、自分の腹を満たすことしか知らないものだ―――。
*
司祭服に着られているヨハネが祭壇に向かい合いに立っている。
昔は駆け出しの修道士みたいだったが、今は駆け出しの司祭に見える。
参列者を見回すと、昔見かけた顔もちらほら見えるが、こちらに気付く人間は少ない。最も気がついた
ところで関わり合いになろうとはしないだろう。立場が逆なら俺もそうする。
聖堂に荘厳なパイプオルガンの音が響き渡る。お客はみんな立ち上がり、中央に向かって視線を走らせる。
人垣が出来たのをいいことに座ったままでポケットからバーボンを取り出して一気に喉に流し込む。
場違いなのを気にしているのは周りだけじゃない。バーテンをドナルドがやっているようなものだ。近付いて
くる拍手が二人の位置を正確に知らせてくれるが、この拍手や歓声が誰一人心の底からの祝辞でないのは子供に
だって判る。ここには一言で済む事でも、何か型を取り繕わなければ気の済まない連中が集まっているらしい。
一体この新郎新婦はあの悪魔と何の取引をしたのだろうか。
俺が逆らえないのを確認してあの男が俺にぶら下げたニンジンは、ラスカと武士の結婚式の警護だった。
自分の耳障りな事は自動的に聞かなかった事にしてしまうこの迷惑な客の家に、結婚式の妨害予告をFAX
してきた奴がいた。やりたい事と言う点では犯人と俺に反目する理由は何一つない。
- 369 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/20(金) 20:37
-
未来のために今は我慢しろ。
あの二人にそんな気の利いた科白は言えそうも無い。ここにいる人間でそんな殊勝な科白が一番似合わない
のが見張りをやっている。出来る事と言えば与えられた仕事をこなすことだけ。最終的には目的がどうで
あろうと自分の身を守るために。
それは新郎新婦が一番毛嫌いし、蔑む生き方だろう。つまり世の中のほぼ全てが彼らに嫌われると言う
ことだ。
幸せな二人を眺めるのは性に合わない。無事と安全を確認すると踵を返して車に向かった。これで済めば
実に容易い仕事だった。しかしどうも、俺は死神の仲買人を買って出るくらいの資質があるようだ。背後で
爆音が響いたのはその時だった。
駆けつけた場所にはあったはずのワゴン車が木っ端微塵になりそこらじゅうに部品が黒焦げになって散乱
していた。煤けたタキシードの男が血まみれの子供を瓦礫から引きずり出していた。パニックになった女が
神に祈りを捧げている。その両手を使えば助かる人間もいる筈だ。少なくともただ祈るよりは気が利いている。
法衣が煤だらけになったヨハネが呆然と燃え盛る聖堂を眺めている。一緒にヨハネと眺めていたい所だが、
仕事上聞くことは聞かなければならない。
「何があった」
もっと気の利いた事を言って、和ませてやるべきだったかもしれない。だが新郎新婦の門出祝いにしては
程度が過ぎている。
「燃えている。見れば、わかるだろう」
感情も無く平坦な答えだ。しかし聞きたかったのはそんな事ではない。ヨハネの頬を張り倒すと、胸倉を
掴んで立ち上がらせ、もう一度質問する。
「そんなことはわかっている。俺が聞きたいのは誰がやったかだ。」
「わ、わからない。」
- 370 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/20(金) 20:37
- 予想通りの答えだった。結婚式と言えば教会の掻き入れ時だ。出入りする人間も当然多くなる。世間離れ
したヨハネが一々目くじら立てて出入りする人間を調べる訳が無い。
ポケットから招待客リストを出して眺めてみたが、無駄な努力とすぐに知れた。あの男が問題を起こし
そうな客を招待する筈が無い。わかった事は何もわからないという事だけだった。
そういえば今日の主役たちはどうしているだろうか、ふと気になってあたりを探した。しかし迎えに来て
いたリムジンとガードマンが姿を消していて、安全だということだけは確認できた。
いつも思う。何か事が起こって職務を遂行する奴は三流だ。一流と呼ばれる奴は問題になる前に芽を摘み
取る。そうなると俺は二流と言うことになる。しかし二流程度ならまだ満足するべきだろう。
いつの間に出来た人だかりに分け入る。若い男と女が興味深々を絵に描いた様な顔で騒ぎを眺めて声高に
はしゃいでいる。他人の不幸を見て喜んでいる男と女というのは、動物園で人を小馬鹿にするチンパンジーの
様だった。
無神経な輩には、少しでも被害者の気持ちを知って貰うべきだろう。手近な奴から財布を抜き取り、その男の
ジャケットの中に財布をねじ込むと、その場を後にした。
to next story "Staring at The Sun"
- 371 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/20(金) 20:43
- こんばんは、β久々のあさぎりです。
なんか枢軸とかアサヒとか探偵社乱立していますので三番煎じ狙ってみますたw
つか、もう忘れたよなあ、この人でなしの中年探偵なんてw
えー、これ、幸せな人間一人も出てきません。しかも皆30代以上です。
萌え?ナニソレ?
そんでもって一応前回とつながっています。ええ、一応デスガ(汗
それでは続きはまた明晩…
- 372 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/21(土) 16:54
- to next story "Staring at The Sun"
−Staring at The Sun−
『神の名を語り許しを乞い、堕落をむさぼる豚共よ
神がいるのなら、この火を消してみよ』
憔悴しきったヨハネと執務室に戻ったとき、こんなFAXが丁度吐き出されるところだった。全く、神が
いるならもっと人生を実りあるものにできるはずだ。教会に出入りしている業者リストを見るのを止めて、
FAXの文面を追う。送信者番号は非表示だった。
何を考えているのかは知らないが、マカロニーノがヨハネにつかず離れず付き纏って浮ついた励ましの
声をかけていた。今やマカロニーノは立派なマフィアのボスに成り下がって、俺と同じく世間の吐瀉物に
頼って生きている。俺と奴の違いは、その辺の自覚があるかないかということだけだ。
「兄弟、そんなに悲嘆にくれるな、教会なんざ俺がいくらでも作り直してやる。だから元気出せよ」
「マカロニーノ」
後ろ暗い人間の優しい言葉には必ず裏がある。こいつの狙いはなんだろうかとぼんやり考えながら、
薄っぺらなFAXを差し出した。
「何をそんなに暗い顔をしている。『夜の闇が深いのは、夜明けが近いから』ってうちのマンマも言って
いたぜ、だから元気出せ、夜明けは近いんだよ。」
「マカロニーノ」
俺の親切を軽く受け流し、マカロニーノはヨハネにかかずらっている。金と弱味がより多いほうにしか、
注意が行かないらしい。人の弱味を楽に見つけたいなら、医者か弁護士か神父になるのが手っ取り早い。
なれなければそういう友達を見つければいい。うまいやり方だが、こちらはそれに付き合う義理はなかった。
いつまでたってもマカロニーノが媚を売っているので、切り口を変えてみることにした。
「おい、マザコンのインポ野郎」
「何だチンピラ、俺はお前と話すことなんかないぞ」
- 373 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/21(土) 16:55
- 効果覿面だった。こういう状況でなければ足元に銃弾をばら撒いてダンスでもしてもらいたいところだが、
FAXを無言で渡すだけにした。渡せばその煩い口を塞げると思ったからだ。
大仰にFAX用紙を受け取ると、マカロニーノは面倒くさそうに目を通した。その顔が青ざめるに何の苦労も
必要なかった。マカロニーノの救いを求めるような視線が俺の目線とかち合う。今度はこっちが冷たい目で
見下ろす。全くこいつはトラットリアの料理人のほうが性に合っているのではないかと思う。デリバリーの
胸焼けのするようなピザは少なくとも焼かないだろう。
「探偵、俺はここまで陰湿に恨まれているのか」
「否定はしない。だが今回は違う。言っておくがそれはお前宛じゃない」
「どういうことだ」
どうもこうもなく、宛先がヨハネというだけの事だ。マカロニーノは敵意が自分にだけ向くものと勘違い
しているようだ。救いようのない悪人は、得てして自分の罪業には無関心なものだが。
被害妄想の塊になったマカロニーノにヨハネのお守りを任せることにして、俺は車に向かった。
ありがたい神の御言葉をノイローゼ患者のうわごとの様に唱えているヨハネの声を段々小さく聞きながら
思う。知っている事と知らないでいる事はどちらが幸せなのだろうと。
答えは知っていた。どちらも碌なことになりはしないのだ。
- 374 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/21(土) 16:55
- *
「そろそろ来る頃だと思ったよ」
「帰ってシャワーでも浴びたいところだが、生憎と水道も止められていてね」
「君が失業するほうが世の中にとってどれだけ幸福だろうとつくづく思うよ」
「それはお互い様だ。せいぜい殺されない程度に嫌われることにするよ」
「こちらに余計な仕事を増やしてくれないならそれでも良いよ。まあ、無理だろうけど」
「だろうな」
聞き込み捜査から帰ってきたクーロイを捕まえたのはその日の夕方だった。相変わらずこの黒んぼは疲れた
顔をしていて、俺の顔を見た途端にその顔色に嫌悪感が加わった。ささやかな暮らしを誰にも邪魔されたく
ないのだろう。安月給にも重労働にも何一つ文句を言わず、真面目に労働している。最も、不平の一つでも
漏らせばたちまち捨石にされ、運が良くて路頭に迷う羽目になる。悪ければ本当に捨石みたいなものになる。
「大体の用件はわかっている筈だ。」
「首を突っ込みたくはないんだがね。残念ながら察しはつくよ。」
「察しがつかなけりゃ気付かせてやるだけだ。どうせお互い選択肢なんてないんだよクーロイ」
「同感だな」
相変わらずオーシャンブルーの色が目障りなエシュロンの封筒の中を開けると、珍しくノーラッド探偵社の
報告書が混ざっていた。
「巣穴の狼も噛み付いているのか?」
「さあ、見る権限のない書類は見ない主義なんでね。何が書いているかなんてわからないんだ」
「学校でもう少し読み書きを勉強するべきだったなクーロイ」
「なに、後悔はしていないよ」
クーロイの言葉を杓子定規に捉えるほどいい人生は送っていない。内容のヤバさ加減が奴にこんな言葉を
奴に呟かせるのだ。今ここで踏み込まれれば、全ての罪を俺にかぶせるために。
- 375 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/21(土) 16:56
- 男は結婚して家庭を持つとここまで姑息になるらしい。封筒に書類を仕舞い、踵を返すと無言で立ち去る。
クーロイは酸性雨に洗われた彫像のように立ち尽くして見送っている。問題は二人ともコートのポケットに
右手を突っ込んでいるということだ。それがお互いの礼儀であると同時に、乱入する連中への備えでもあった。
最も、クーロイの最初の一発が闖入者にむけられる保障はどこにもない。
乾いた足音を響かせてドアにたどり着くと、クーロイはにやりと笑って闇に消えた。工場脇のドラム缶に
たまった廃油みたいにべとついた笑い方だった。
車に戻って封筒の中身に目を通す。目当てのレポートを探り出すと、他のものは後部座席に放り投げて車を
スタートさせた。エンジンは4回目でやっとかかった。
to next story "Zooropa"
- 376 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/21(土) 17:01
- 今日は早めにこんばんわ…ちゅうか一行目ミスってるし_| ̄|○
次からは気をつけます…
- 377 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 11:56
- −Zooropa−
通い慣れた街だった。行きつけの店で女を口説き、酒を酌み交わして喧嘩をする。
静かにグラスを傾けるこの店も、確か何度か入ったことがあった筈だ。
別に昔の思い出に浸りたくてここにいる訳ではなかった。引っ張り込んだ男を言いなりにするために
この店を利用している貴婦人を捕まえたいだけの話だ。
目当ての人物はショットグラス3杯分の時間を勿体づけて現れた。癪に障る高笑いと、豪華と虚飾を
勘違いした髪型は相変わらずだ。
雇われホストを3人引き連れて、多分ワインでいい気分になっていたのだろう。注目される女という
ものはどういうものか、ご立派なご高説をお示しになっていた。
当たり前のようにVIP席に座り、注文もしないのに酒が出てくるのを満足そうに眺めながら、ホスト
に軽口を垂れ流し続けた。
「失礼マドモワゼル、豚に餌をやる前に俺の質問に答えてもらえるかな?」
瞬間ホストの一人が立ち上がり、胸倉を掴む。首筋に覗く金のネックレスが絞首台のロープに見えた。
金づるの前で虚勢を張るのはいいことだ。のしてしまうにしろやり込められるにしろ、パトロンの
覚えめでたき勇敢さだからだ。黒んぼの顔は全部同じに見えるが、こいつもフランソワーズに目を
つけられて借金まみれにされた口に違いない。
「口の利き方がまずいのは、親に見離されたせいかしらね、探偵さん。」
「なに、取り巻きがいなきゃ安心できないところから成長しただけさ。」
「あら、ご挨拶ですわね。あなたは成長と堕落を取り違えていませんこと?」
「それは言い方を変えた同じ結果だよ、フランソワーズ。」
二人でどうでもいいような笑みを交わし、フランソワーズは目配せで取り巻きを下がらせた。
向かいの席に腰を下ろし、遠慮なしに眺め回す。
寄る年波に勝てないのを色々と工夫してごまかしているのは、どこぞの没落名家のお嬢様と同じだった。
反目し、いがみ合うわりにこの二人は人生の軌跡が呆れるくらい符合する。もしその事を口にすれば
反論の2ダースくらいは返って来そうなのでやめにした。
- 378 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 11:57
- 視線にめげず、フランソワーズはだらしなくソファに寄りかかり、あごを勺ってこちらを見下ろし
ている。目線が同じ高さでも相手を見下す態度が取れるその技術に歓心はしても、見てる側がそれを
気に入るかどうかはまた別の問題だ。
「相変わらず不躾な男ね、あなた。」
「まあ、似たもの同士惹かれあうものだ。気にしないほうがいい。」
「私に同類なんていなくてよ。」
「偶然だな、俺もそうだ。その酒をもらおうか。」
フランソワーズはショットグラスにブランデーを注ぐと、一つを目の前に置いた。甘い香りが漂う。
一気にそれを煽ると、胃の中が焼け付いた。
ポケットからタバコを取り出し、ライターを探っているとフランソワーズが火を差し出した。小ぶり
な銀製のライターで火をつけてもらうと、フランソワーズに向けて煙を吐き出した。
「で、私に何が聞きたいのかしら?」
自分のタバコにも火をつけながらフランソワーズはいらいらと尋ねた。そう、物事を手っ取り早く
終わらせるには、相手に早く終わらせたいと思わせる事だ。
「シリアはどこにいる?」
「誰ですの?その方。」
「調べはついている。今は黒焦げになった教会の出入り業者にあいつの名前があった。雇い主は
君なんだよ、フランソワーズ。」
「従業員の名前なんて一々覚えていると思って?」
「思い出すことは出来るだろう。特に最近は取り立て屋や請求書の類が思い出せないようだね。」
そっとギニア名義の通帳のコピーを差し出す。こんな口座があるなんてギニア本人は多分知らないだろう。
フランソワーズが勝手に作ったものだからだ。
「夜逃げの準備は万端か?」
2本目の煙草に火をつけて尋ねると、フランソワーズは溜息でそれに答えた。
- 379 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 00:00
- *
飲み屋街の近くに深夜営業の肉屋がある。立地も怪しいが、売り物は普通の肉に腸詰、それと愛想の悪い
店主。表向きはまともだった。煙草をゴミだらけの歩道に投げ捨てて、音の割れたラジオを忌々しく思い
ながらその店に近付く。
「商売は順調みたいだな」
肉屋のカウンターの向こうで、血まみれのエプロンで顔を拭っていた人物はゆっくり振り返った。
客だろうが知り合いだろうが表情一つ変えず応対するEU街の肉屋の店主、ゲルマッハ。
「人は何か食べなければ生きていけない。肉屋を継いだのは賢明だったよ」
「夢見がちな妹さんはそうではなかったようだな」
「あれもだいぶ元気になった」
「客を取れるようになったのは良かったじゃないか。でもあまりマカロニーノから怪しげな薬は買わない
方がいいと教えてやれよ。それにしてもまともな家族がお前以外いないのには同情する」
「同情は要らないが、売り上げに協力して頂ければ助かるね。君の父上は我々零細業者の敵だよ。」
「俺も零細業者さ。しかも需要があまり無いんだよ」
「それには同情するよ」
こっちの笑顔にはいつもの無表情がかえってきた。
「話は事務所で聞こうか。どうも昔話をしに来た風情ではない。アルザス、表を頼む」
アルザスと呼ばれた男が不審さを隠さない目で一睨みして店に出てきた。ゲルマッハは事務所の奥に
何もいわず入って行く。やる事といえば、アルザス君の頭をそっと撫でて後に続くことだけだ。アルザス君
はしつけの悪い犬の様にその手を振り払った。
「肉屋だけでは食っていけない訳か」
「そういう事だ。叩いても埃は出ないが」
カマを掛けてみてもいつもの調子だった。昔から証拠と根拠の無いものには一切耳を貸さなかったが、
聖書の厚さと同じでこいつもまるで変わらない。
「どうせ他の連中に保証人を押し付けているんだろう?」
そう言ってフランソワーズから手に入れた求職リストを差し出した。保証人の欄は計った様に同じ名前が
無い。
- 380 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 00:01
- 「調べる側に苦労を押し付けているようなリストだよ。誰かに保証人の身元調査をしてもらいたいもんだ」
「今君がしている」
「確かにね」
「労いを込めて一杯どうだ?」
断りを入れる前にマグカップにウォッカが注がれた。
「よく調べているな」
自分のコップに注いだウォッカを飲みながら、ゲルマッハが言った。相変わらず何の変化も無い。
「タレコミ屋が優秀でね。今頃一杯やって日課の夫婦喧嘩の最中だろうがな」
「シリアは目の前を通って行った気がするが、記憶にはない」
「時々近くのものが見えなくなるほど目が悪くなってるんだな」
「お互いもうそんなに若くはない」
それは否定しないが、改めて言うことではない。
もう少しお話をしたかったのだがいきなり頭が重くなり、持っていたマグカップを床に落とした。零れた
ウォッカが服を濡らす。だがこれはウォッカの酔いではなかった。
「どうした、まだ一杯目じゃないか。早くこれで拭きたまえ」
縫い付けられたように口が開かない。投げてよこしたタオルに手を伸ばせなかった。耐え切れずに椅子の
背中に寄りかかる。
「残念ながらサイズの合う服が無いのだよ。濡れてしまって気の毒だが。」
服はどうでも良かった。ゲルマッハは無表情に続ける。
「死にはしない。暫く大人しくして欲しいだけだ。因みにそのうち成分分解されて検死解剖にも結果は
残らない。そういう薬だよ。」
それはいいものだなと思った。いつかネタを揃えて浚いに来よう。コートのポケットに手を突っ込もう
としたが、もう自由が利かない。全く使える薬だ。
「何も考えなくていい、寝ていたまえ」
語尾は聞き取れなかった。ゲルマッハがもう一人いて、体を覆いかぶせるようにしてのしかかってくる
気がした。
to be continued
- 381 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 22:57
- −Zooropa File-2-
*
「ねえ…何かを守ろうとして何もかも失うのって、それだけで悲劇だと思わない?」
「気にすることは無い。世の中には悲劇しか無いから」
おぼろげな意識の中で、昔交わした会話が思い出された。ベッドの上での話は話半分にしたほうがいいと、
一昨日バーのカウンターで他の客が言っていた。嫌な話題をすれば、現実は倍返しになるという訳だ。
頭の上にゲルマッハがまだ上に乗っている。振りほどくように少し頭を持ち上げると、また床に押し付け
られた。男と抱き合うほど、楽しい気分になれるときはない。
リノリウムがコンクリートに変わったのに気付いたのは、壁に寄りかかりながら何とか上半身を起こした
後だった。ゲルマッハはまだしつこく押し倒そうとしていた。
何とか立ち上がり、暗闇の中で目を凝らした。頭がはっきりしないので何も見えなかった。
いつの間に右手には愛用のオートマチックが握られている。使った記憶は無い。
感覚が戻ってくるにつれ、周囲の状況が段々わかってきた。絡みつくような潮の匂いと汽笛の音、そして
だだっ広い屋内。どうやら倉庫のようだ。
数歩歩いて潮の匂いに何か別な匂いが混ざっているのに気付いた。ジッポーの火をつけると数メートル先
程度までは何とか確認できる。その光の中に足のようなものが見えた。予想はしていたが状況は確認せねば
ならない。
そこにいたのは今日一日探し回ったシリアだ。但し眉間を撃ち抜かれているので聞きたい事も聞けそうに
なかった。弾痕は4ヶ所、腹に3発浴びせられて動けなくなったところで眉間を撃たれた様だ。ポケットを
探ると、札入れには空っぽだった。窃盗の偽装か単にシリアが貧乏だったかのどちらかだろう。
他は特に持ち物を改めたような形跡はなかった。
「お前も運が無いな。のこのこ呼び出されて出てくるからこうなる」
こいつの人生は何が楽しかったのだろう。返事が無いので仕方無しにもう一度全身を調べる。肩の擦り
切れたジャケット、膝に脂の浮いたスラックス、アイロンのかかっていないシャツ。しかしくたびれた
格好に不釣合いな靴を履いている。ぴかぴかに磨かれた靴だけ全てがくたびれているここでは浮いていた。
靴底を指で叩いてみると、右の踵だけ軽い音がした。靴を脱がせて靴底をめくると蓋が出てきた。
バタフライナイフを取り出しこじ開けると小さく畳んだメモとメモリーカードが入っていた。メモは記号の
ようになっていて、ここでゆっくり解読する暇は無さそうだった。
- 382 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 22:57
- 丁寧に靴底を元に戻し、持ち主に元通り返した。これで突然起き上がっても普通に歩けるだろう。人間
は生前どんな悪人だったとしても、死人には優しくなれるものだ。
オイルが切れないうちに素早く周囲を確認した。自分の倒れていた辺りに薬莢が転がっている。4つ
あるのを確認してポケットに入れた。弾倉を抜いて念のためなくなった弾数を確認する。間違いは無さ
そうだ。倒れていた時間は解らないが、ゲルマッハあたりが余計な工作をする時間は無い筈だ。
遥か遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。まだ重い頭を意識しつつ裏口のドアを開け、
ノブを落ちていたウェスで拭った。残念ながら歩いて逃げる以外に方法が無さそうだった。証拠の隠滅と
遺留品の強奪。鑑札が何枚あっても足りそうに無い。
2つ目と3つ目の倉庫の路地を抜けようとしたとき、後ろから銃を突きつけられ、持っていたオートマチック
を手を上げつつ手放した。路地に落下音が反響する。
「動かないで、こんなことして信じられないだろうけど助けに来たの」
「信じられないのは確かだな」
「スポットライト浴びて自己紹介って気分じゃないから勘弁してね」
「それをする時は呼んでくれ、楽屋に花くらい届けるよ」
「スポンサーのお願いが急だったから、こっちも色々準備不足なの。落ち着いて話しする気分になった?」
「そうなって欲しけりゃ俺が死体になるのを待つんだね」
「スポンサーはそれがお望みじゃないのよ。もう手を下ろしていいわ」
突きつけられていた銃は下ろされたようだ。
「俺の銃を拾っていいか?」
「お好きにどうぞ。どうせこの先入用だろうし」
銃を素直に拾って今回はホルスターに収める。ゆっくり振り返ると丁度暗視スコープを外した女が
そこにいた。不思議な光景だった。深夜の港に修道女が、暗視スコープをつけて間抜けな探偵に銃を突き
つけていたのだ。
- 383 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 22:58
- 「どこの教会から派遣されてきたんだ、シスターアンジェラ」
「あなた本当に昔から軽口が治らないわね」
「わからないことをごまかすのに丁度いいんだ、治るわけが無い」
シスターアンジェラは全く聞こえなさそうに銃を下ろすと、巡礼には不都合そうなボストンバッグを
引き寄せて、ジッパーを開く。金属音しかしないから、ここから逃げるのに便利そうなものが多分
詰まっているのだろう。
「さすがにこの格好でピックアップ運転してたら目立ったわ。後の荷台にハロウィン用のかぼちゃを
乗せとけばよかったって本当に後悔したのよ」
「神父を乗せてメガホンで説教させとけばよかったんだよ、シスターアンジェラ」
「あら、まだ私が誰かわからないのね」
確かにそうだったので、素直に頷くことにした。修道女に知り合いはいなかったはずだ。
「死んだことになってるから仕方ないか」
ヴェールをとったその顔は確かに昔の面影があった。
「久しぶりだなタイワン」
「その名前も久しぶりだわ」
印象は昔とあまり変わっていなかった。髪が伸びて線が細くなったが、俊敏な狼の様な体はどちらか
というと洗練されたという感じだった。
「今の通り名は丹陽。かっこ悪いでしょ?」
「そうでもない。なんならシーウルフとかグレイハウンドとでも名乗ればいい」
珍しく気の利かない冗談を言った。タイワンと話しているのが昔を思い出させるからかもしれない。
彼女はそれには答えず、黙って修道服を脱ぎ捨てて、作業服のツナギ姿になった。
突堤の反対側に隠してあったジェットスキーに乗り込み、タイワンはリモコンを操作する。途端に
シリアの最後の家は爆発した。浮気調査が生業の探偵には出来ない芸当だ。
サイレンが更に大きく聞こえてきた.
to next story "Miss Sarajevo"
- 384 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/23(月) 23:01
- えーと、長くてほんとスイマセン…
あと4日で終わりますんで…
- 385 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/24(火) 19:46
- −Miss Sarajevo−
この街は前からずいぶん朽ち果てていたが、今や立派な廃墟になった。
チトー孤児院の子供が切り盛りしていた、落ち目の新聞あたりが喜んで記事にしそうな桃源郷は昔話
になった。ただ、そもそも桃源郷かどうだったかは知ったことではない。
「探偵さん、こっち」
昨日の夜からタイワンが色々世話を焼いてくれている。間抜けな探偵のサポートが契約内容らしかった。
昨日は腕を組んで安ホテルに入り込み、久々に他の誰かとベッドで寝ることになった。多分添い寝も契約の
うちだったのだろう。
絡み付く長い髪から懐かしい匂いがした。酒を酌み交わしてたまに昔話をする。それは昔思い描いた未来
だった。妄想との違いはそれがベッドの中という事と、楽しい思い出がなかったくらいだ。子供の夢想と
大人の現実、その差があることに気付くまで随分時間をかけた。
タイワンに続いて廃墟を彷徨う。ありきたりなクロゼットの扉を開けると、タイワンは慣れた手つきで
床の隠し扉を開けた。狭い階段を先に下りると、タイワンは扉を閉じて先に行くよう促す。
コンクリートの地肌むき出しの地下は意外に広かった。切れかけの蛍光灯が点滅を繰り返していたが、
歩く分には何の問題も無い。無愛想な鉄扉が廊下の突き当たりにあり、タイワンを振り返ると開けるように
再び促す。
手前に扉を開くと、他のものと同じくらい無愛想な調度品が目の前にあった。
少し油断していたのかもしれない。一歩踏み込んだ途端、こめかみに銃を突きつけられた。タイワンに
嵌められたのだろうと冷静に考える自分が少し可笑しかった。
「ちょっと、お客さんに銃突きつけるのやめてよね」
後から平静なタイワンの声がした。さすがに身じろぎは出来ない。
「お客さんの名前は先に言って欲しいものだわ」
「ごめん、時間無くって」
「ま、大体事情は知ってるからいいけど。適当に座ってちょうだいな、名探偵さん」
「わかってるなら銃なんか突きつけて欲しくないものだな」
「文句なら誰が来るのか言わなかった宿無しに言って頂戴」
- 386 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/24(火) 19:47
- 女が持つには不釣合いなリボルバーを下ろして、トル子は手近なソファに身を埋めた。
言われたとおり手近な事務椅子に座り、改めて部屋の中を見回した。
無愛想なコンクリートの壁と天井、申し訳程度に応接セットの下になっているペルシャ絨毯、どこに
でもありそうなスチールの事務机に書棚。不満なのは灰皿が無いことだった。
タイワンもトル子の向かいに腰を下ろし、3人が不思議な沈黙の中で暫く過ごした。先に喋れという事らしい。
「シリアが殺された」
「知ってるわ」
「誰が殺せと言ったんだ」
「ストレートに聞くわね、まるで私が知っているみたいじゃない」
「少なくとも関係者だろう、ゲルマッハと一緒になって使用人の斡旋をしていた」
「調べはついているって言いたいわけね」
「立証は多分殆ど不可能だろう。だが俺の目的は逮捕者を出すことじゃない」
「飼い主はそれを望んでいないということ?」
そういう事だ。別に言い渡されたわけではないが、暗黙の了解というやつだ。どうせ自分の不利益が出て
来そうなら握り潰されるだけだろう。飼い主は頼んだ以上の仕事は要求しない。むしろ余計なサービスは
夜道で背中を人に晒せなくなることになる。
トル子とゲルマッハを叩いても単に斡旋収賄程度の埃しか出てこない。問題はこの二人が誰と組んで
シリアを送り込んだかだった。もしかしたらフランソワーズすら共謀していたのかもしれない。こいつらまで
敵に回せば、電気のつかない事務所で爪の手入れをするくらいしか出来ることがなくなる。名探偵はまさに
危機的状況だった。
「あまり時間はかけたくない」
「ゆっくり調べればいいのに。経費の請求は出来るんでしょ、名探偵さん」
「お得意様にはそうするがね、気に入らない客の時はさっさと片付けるのを信条にしている」
「信条って言うほどのものでは無いわね」
「そうだな。それで、黒幕はロシアノビッチなんだな」
「調べがついているんなら、直接聞いたほうがいいわよ」
「調べはついていない。ただの推測だよトル子」
「タイワン、あなた私を困らせるつもりでこの名探偵さん連れてきたのかしら?」
「お好きにどうぞ。私はここまでが仕事だから」
- 387 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/24(火) 19:48
- タイワンは素っ気無かった。トル子は少し色めき立ったが、何とか感情を抑えるとまたソファに体を戻した。
今度はソファに体を預けたりせず、いつでもこっちにリボルバーの銃口を向けられそうだった。
煙草を取り出して火をつけ、昨日シリアの持っていた暗号文のコピーと、プリントアウトしたデータを
投げてよこした。
「解読は殆どしていない。ホテルからシスターアンジェラの端末じゃおちおち分析も出来なかった」
「お父様自慢のエシュロン社に嗅ぎ付けられるのかしら?」
皮肉と嘲笑のまじったいい顔だった。
「巣穴の狼まで動かしている。だから余計にまずいんだ。連中は灰色が黒に見えるくらい目が悪い」
瞬間トル子の顔に緊張が走った。表沙汰にならないだけで、事が大きくなっていることは理解してくれた
らしい。
「それでわざわざトル子が見たく無いだろう顔を見せに来たの、私は。ここが一番安全でしょ?家主は
内輪もめで皆死んじゃったし、盗聴もされないし」
「どうせ雇い主も早晩嗅ぎ付ける。そこで取引をしようという訳さ」
「人に恩を売りつけるのだけは、相変わらず上手いわね」
「そうでもない、俺も殺人犯の濡れ衣を着せられかけているんだ。飼い主には誠実な報告を、奴隷商人
からは安全保障が欲しいだけさ」
トル子はリボルバーの撃鉄を起こしてこっちに銃口を向けた。重い銃を扱いなれていないのか、狙いが
首辺りに来ている。護衛を人任せにしているから、脅しでしか使えない銃を平気で突きつけるのだろう。
「それじゃ当たらないよ。良く狙うんだ、両手で銃をしっかり持って脇を締めて。それに使ったことの
無い銃なら頭より心臓を狙うべきだね」
「アンタはいつもそうだった。人の弱みを握ったら絶対にそれを捨てない。そうやって人に集り続けて
旨味がなくなるとすぐに捨てる」
「今更奇麗事は止した方がいい」
- 388 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/24(火) 19:48
- トル子はきちんと両手持ちでトリガーを引いたが、後ろの棚に弾がめり込んだだけだった。他の助言を
全く聞いてくれなかったようだ。反動で腕が上に跳ばされた。
軽くパニックになっているトル子に近寄り、素早くリボルバーを取り上げた。反動で腕が痺れたのか、
抵抗は殆どしなかった。
少し正気を取り戻すと力任せに平手打ちをしに来た。咄嗟に左腕でブロックして二の腕をねじり上げる。
半狂乱になりながら残った左でみぞおち辺りに拳をくれるが、幼稚園児の肩たたきみたいな威力だった。
「こけ脅しはクルかソフィアくらいにか通用しないよ、トル子」
トル子は狂気交じりの憎しみいっぱいの目で睨みつける。でもそれは怖気づいている相手にしか効果が
無いのをまだ気付いていないみたいだ。目から狂気が消えると、今度は感情に任せて涙が流れ始める。
同じ泣くならベッドの前かバーのカウンターで流すべきだ。
「もういっそ殺してよ」
何かの拍子で髪飾りが取れたのだろう、左側の髪が肩口から胸のほうにまで垂れ下がっていた。疲れた
自嘲を浮かべ、嗚咽に耐えることもせず、そのままトル子は泣き崩れた。タイワンはつまらない映画を
見るような目つきでずっとこの茶番を眺めている。
こちらとしても、昔から色々役に立ってくれた駒を失いたくは無い。非協力的な中東町のゴロツキに
比べれば、トル子は遥かに協力的だった。昨日のゲルマッハくらいには。
「投げ遣りになる程の事じゃない。気に入らない関係無い奴を呟いてくれれば、それで全て丸く収まる。
司法取引だと思えばいいのさ」
協力的に助言をするのは久々だった。親身になってもいつか裏切られるなら、要求を絞込みさえすれば
いい。
to be continued
- 389 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/25(水) 19:04
- −Miss Sarajevo File-2−
泣き続けるトル子は充分鬱陶しかったが、足音荒くやってきた人物は顔を合わせたくも無い類の人物
だった。
「ズドラーストヴィチェ諸君。今日も空は曇りで朝から最悪の気分だ。しかも辛気臭いボロ屋に呼び
出されて埃でスーツが台無しだ。この中にいい事尽くめの奴はいるか?望みじゃなくても持ちきれない
不幸をブチまけてやるぞ。」
手荒にドアを開けて大声で元気に挨拶だ。サーカスでピエロをやったらさぞかしお客の注意を引ける
だろう。酒焼けした顔と笑顔で人を捻り殺す熊殺し。今は実業家らしいが、詐欺めいたやり口で儲ける
のが実業家なら、ここにいる全員にその資格がある。
悪党ではなく悪党面している奴は口数が多い。
「宿無しに集られ屋に貧乏探偵が廃墟の地下室でお茶会よ。そこに詐欺師がご挨拶。とっても幸せだわ」
俺の煙草を勝手にとって火をつけたタイワンが、気が無さそうに呟いた。
「オー、それは最高だな。詐欺師ってのは大実業家じゃないとなれないもんだぜタイワン、人を呼びつけて
おいてその態度はたいしたタマだ」
「本当に来るとは思わなかったけどね」
「シスターアンジェラには神のご加護があるようだな。お金と薬と女が好きな神様のようだが」
「神様の名前はアマテラスって言うのよ、覚えておいて。それより大事なお知らせ早くしてあげてよ。
大実業家さんはとっても忙しそうだし」
「なんだよ、タイワンと酒付きでお話できるって聞いてたのによ、俺の話し相手は覗き魔かよ」
「覗き魔というよりストーカーだな。ケツを貸してくれればいつでも付きまとうのはやめるよ」
大実業家殿はこっちの挨拶がお気に召さないようだった。手近ななパイプ椅子を引き寄せると遠慮もなく
どっかり腰を下ろす。椅子が鈍く軋んだ。
「同じ事を3度も言うのは嫌なんだけどね、俺とお前のかわいい妹に物騒なプレゼントを贈った犯人が
いただろう。その犯人探しでエシュロンどころか巣穴の狼が噛んできてるんで、大実業家様にお知らせする
方法を皆で考えていたところだよ」
- 390 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/25(水) 19:05
- 「俺はちゃんと花を贈ったんだぜ、多分一番でかい花束だったはずだ」
「花の大きさが問題じゃないんだよ。腹の足しにもならないものは向こうさんも求めてはいない。つまり
もう捜索と言うより取引の段階なのさ。選択肢は二つ。身代わりを立てるか、自分が殉教者になるかだ」
「四角四面に物事を見ちゃいけねえな。誰かが犯人かもしれんし、全員が犯人かもしれない。全員ってのは
てめえのお父上を含めてだけどな。俺にはお前の言う犯人だとかをどうにかする事ができるかもしれないんだぜ」
「それをやると実業家殿は平気で死体の山を作るからな。数が半端じゃないから人身御供をして欲しいのさ」
「俺が喜んで協力するって思ってるのか」
「気持ちの問題じゃないよ。ベストは何か考えることが大事なんだ」
「例えばだ、俺がここで探偵の眉間に銃を突きつけるとだ」
そう言って言葉どおり銃が眉間に突きつけられた。今日は良く銃口が観察できる日だ。
「全て丸く収まる気もするんだがな。どうだい?なかなかクールなアイディアだろう」
「クールというより幸せな考えだな」
「ああ、皆幸せになれる」
トル子の時と違い狙いは正確だったし、こいつの場合撃たない保障はどこにもなかった。背中に冷や汗が
どっと出ている。
「男同士の感動的な会話はいいけど、実業家さんがシリアに預けたデータ、私のスポンサーに渡して
おいたから。スポンサーさんは名探偵さんに今のままでいて欲しいんだって」
「随分とこのハイエナに都合がいい話じゃねえか。おい探偵、全部お前が仕組んでやがるのか」
「いや、シスターの話は知らなかったよ。俺も道化の一人なんでね」
タイワンは睨みつける実業家殿に向けて煙草の煙を吐き出している。色々と知らない所で取引があるの
だろう。おまけにそのスポンサー殿に金でも借りていそうな雰囲気だ。
「自慢の銃を見せびらかしたいのはわかるけど、私の趣味じゃないの、しまってくれる?」
「なんなら二度とそのクソ生意気な口から嫌味を言えなくしてやってもいいんだぞ」
「でも次の日にはあなたも私のお仲間になっちゃうわ。嫌よ熊みたいな人と天国でお近づきなんて」
- 391 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/25(水) 19:05
- >>390投稿ミス
すみませんすみません忘れてください_| ̄|○
- 392 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/25(水) 19:06
- いや、あれ?これでいいのか…ミスじゃなかったっす。
- 393 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/25(水) 19:07
- 「くそっ!」
忌々しそうに実業家殿は銃を収めた。
「アルバニアをくれてやる。折角金つぎ込んで飼い慣らしたらすぐに捨て駒だ。高くつくぞハイエナ野郎」
「脅しをかけているのはシスターの方なんだがね」
「どっちも同じだクソッタレ」
確かにそのとおりだ。一番安全な方法を思いついてくれたのには素直に感謝したい。実業家殿は力任せに
ドアをノックした。鈍い音とともに薄い鉄板がへこむ。呆然としていたトル子はその音で我に返った。
実業家殿はそのままドアを開けて出て行き、トル子はふらふらと後について行った。いつの間に仲良しに
なったのかと素直に感心する。
タイワンはもっと素っ気無かった。
「じゃあ」
と言ってさっさと出て行く。取り残された形になり、取り敢えず一服した。
実業家殿はそのうちアルバニアを警察なりへ出頭させるのだろう。妹や妹の旦那から上納金を吸い上げて
のし上がってきた実業家殿は、調子に乗って金を吸い上げすぎてすっかり干からびさせてしまった。その
代わりの育成に躍起になり、つい最近お眼鏡に適っていたのがアルバニアだ。小遣いと邸宅と女を
あてがってさあこれから搾り取るという所だったのだろう。
自分は指一本動かさずに掻き集めた金で人を食わせ、それを無にされたかっらといって恨まれる筋合いは
無いはずだが、実業家というのは人が汗水流して働いた金を自分のものと勘違いするのが仕事のようだった。
階段を上がってクロゼットの扉を閉め、廃墟から表通りに出る。実業家殿のハイヤーが傍若無人な勢いで
遠くに走り去っていった。タイワンは自分の車でさっさとどこかに消えていた。トル子はどちらかの車に
乗っていったのだろう、やはりいない。
「やれやれ、送りは契約外か」
ひとりごちて歩き出した。何も考えず、自分の部屋で一杯飲みたい気分だった。
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- 394 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:44
- −The Hands That Built America−
「世界が燃えている…」
それが最後の言葉だった。
消えていく意識の中でその声は不確かになり、やがて真っ暗になった。
ベッドの中で何度も確かめた柔らかい肌と悲しそうな目。その目を見るのが嫌で力づくで迫ることの
方が多かった。
「あと少しだけでいいから、ここにいて」
その言葉の真意を理解するほど冷静ではなかった。嵌められたと気付いた時には大体もう遅いものだ。
この時もそうだった。
手荒に車のドアを閉めると、きちんと閉まらずに反動でまた開いて足に当たった。そっと閉めると
半ドア状態になったので、そのままにすることにした。さすがにそろそろ買い換えないといけない。
インターホンで名前を告げると、鋳鉄の門扉がするすると開く。新婚家庭には過ぎた大きさだが、
じゃじゃ馬の檻としては物足りない。
ノッカーも叩かずにドアを開けると、3日前に遠目に見ていた妹が映画のセットのような階段を降りて
くるところだった。
「武士は仕事に行ってるの。」
粋な第一声だ。自分目当てで兄が来たと思ってもいないようだった。
「雇い主にも報告しなければならない所だが、今回はさすがにお前にも言っておかなきゃいけないと
思ってね、ラスカ」
「何年ぶり?」
「忘れたよ」
「そう。こっちへどうぞ、お客用のウィスキーくらいなら用意しているわ」
「ありがたいね。出来ればショットグラスもあればいいんだが」
「ごめん、ワイングラスしかないの」
「別に構わないよ」
- 395 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:44
- 読んだ形跡の無いぶ厚い本が並ぶ本棚、火の気の無い暖炉、樫のテーブルに本皮のソファ、飼い犬の
ような妻。こんなものを手に入れるために必死に働く人間が世の中にはごまんといる。そういう殊勝な
連中は、自分で手に入れたならラスカのような顔はきっとしないだろう。
「幸せそうじゃないか」
「ありがと。お金持ちの親、優しい働き者の夫、快適な家、盛大な結婚式。これで幸せじゃなきゃ
どうしようもないって所ね」
ワイングラスに注がれているのはボンベイサファイアだったが、ラスカに酒を選ばせた自分を心の中で
5回詰って口をつけた。
「多分探偵の兄貴がいるから、その幸せがつまらなくなっているんだろうね」
「嫌味を言ったわけじゃないのよ。誤解しないで」
「別に誤解はしていないつもりだ」
埃の積もっていそうなガラスの灰皿を引き寄せると、煙草を取り出して火をつける。丁度最後の一本
だったので、紙パックを丸めると灰皿に放り込んだ。
「盛大な結婚式ね。演出にしては花火が派手だったな、ラスカ」
「びっくりしたわ。私も間一髪だったのよ」
「ああ、タイミングは丁度よかった。少なくとも新郎新婦と居たたまれなかった護衛役は逃げられた
からね」
「何か、含みがある言い方ね」
「義理の父親の顔に泥を塗れた。さぞかし溜飲を下げれただろう。いやなに、別に責めているわけ
じゃない」
グラスを一気に煽って空にした。昼を抜いてきたので胃の中が焼ける。ラスカの表情が険しくなってきた。
それはそうだろう、事実ならごまかさなければならないし、そうで無いなら濡れ衣だ。
- 396 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:45
- 「まるで私が仕組んだみたいな言い方ね」
「まるで、じゃないだろ」
「何を根拠に言ってるのかわからないけど、犯人呼ばわりされるのは面白くないわ」
「誰だって嫌なもんさ。別に仕組んだのがラスカかどうかはどうでもいいし、証拠があっても俺が握り
潰していたと思う。あの男の面子を潰してくれたんで拍手喝采したい所さ」
「別にあなたがどう思おうとどうでもいいわ。私はそんな言いがかりをいかがわしい飲み屋で言いふらして
欲しく無いだけよ」
「いかがわしくない飲み屋なんてないよラスカ。それにその噂をおおっぴらに言えば俺がパパさんに背中
から刺されてしまうよ」
もうお酌をしてくれそうになかったので、青い瓶を引き寄せるとワイングラスに注ぐ。好きでは無い酒
だったが、無いよりましだ。
「いっそ二人でナイフを持ってチークダンスを踊ればいいんだわ」
「俺が望んでも向こうは望まないだろう」
「そうかもね」
今日ここに来たのは、近所でも有名だった兄妹仲に縋って真相がどうか確かめにきたのだった。別にラスカが
ロシアノビッチに何を頼もうが知ったことではない。ただ単純に巻き込まれた当事者として、どういう
目的で今回の茶番を仕組んだのか確かめたかっただけだ。無論飼い主の事を考えれば、そう簡単にラスカが
白状するはずもなかった。こっちとしても、料金外の業務なので追求する気も更々なかったが。
今回のことをラスカが仕組んだのかどうかは、可能性の問題でしかない。ただ、自分たち兄妹が共に
味わったものが何だったかを考えたら、父親を嘲笑する挙に出ても何の不思議もない。
「今の生活を、どんな思いで選んだかあなたはわからないんでしょうね」
ラスカは自嘲気味に言った。別に解らなくもなかった。むしろダンスを踊る相手が生きていたら、俺も積極的に
同じ道を選んだだろう。それだけの違いなのだ。
「何度でも言うけれど、別段ラスカを困らせようと言うわけじゃない。信じてもらえないだろうけどね」
「信じろと言うほうが無茶じゃないかしら」
「そうだな」
- 397 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:45
- 否定はしなかった。逆の立場なら一体どういう言葉を返すだろうか。語り口や語調の違いだけで、内容は
大差なかったと思う。
「あの男の利益になるような事はしない。目的さえ果たせばそれ以上協力するつもりも無い。それを
周りが信じようが信じまいが気にすることはしない。金をくれればなんでもする。ハイエナはそういう
生き物なんだよ、ラスカ」
飲み慣れない酒に嫌気がさしたのもあって、ソファから腰を上げた。最後の希望は絶望への前奏。それを
認める事は、何か守るものがある人間には辛いものだ。
無言で立ち去り、無言で見送る。この作り物の兄妹には、それがお似合いだ。
*
門を出て車に乗り込んだ。エンジンをスタートさせたがかからない。バッテリーが上がってしまったのか、
ガス欠なのか、持ち主の職業が気に入らないのか、理由はそれのどれかか若しくは全部なのだろう。
レッカーと修理代を考えると中古車を買った方が安い気がした。取り敢えずどうするか考えることにして、
買い置きの煙草の封を切って一服した。半分吸った頃、黒いワゴンが門を潜ろうとして、邪魔なポンコツ
に向けてクラクションを鳴らしてきた。いい車だった。
「故障車なんだ」
窓を下ろしたところに手をかけて、車の中の人物に声をかけた。そこにいたのは日之本武士だった。
多少やつれてはいたが、濁った目の奥には相変わらず何かありそうなままだ。
「ああ、探偵さんか。お久しぶりです」
「久しぶりだねサムライウエスタン。今日は刀が無いんだな」
「生活に困って売り飛ばしましたよ」
「代わりにこの家を買ったということか」
「ついでに女房が付いていましたけどね」
「結構なことじゃないか」
乾いた笑いと嫌味なだけの丁寧な会話。今はそれが心地いい。少なくともそこには理解の範疇に人間の
感情がある。
- 398 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:46
- 「修理も金がかかりそうなんで安いスクラップ屋を紹介してもらえると有難い」
「爆弾積んで爆発させればいいんじゃないですか?場所も丁度おあつらえ向きだ」
「それはいい、ついでに活きのいいレッカー屋とテロリストを紹介してくれ。お前さんの新しいパパに
一発挨拶しに行ってやるよ」
「どこか行きたいところはありますか?タクシーしますよ」
武史は曖昧に笑い、そう言った。昔から気に入らない奴だったが、今は訳の解らない奴になった。
意外だったが、渡りに船だ。お言葉に甘えることにして、排水溝に煙草を投げ捨てた。
「行き先はここじゃないどこか、と、仕事じゃないなら言いたいけどね。パパの家に連れて行って
もらえるかな。道すがらパパの機嫌の取りかたを教えるよ」
「実の息子みたいに捨て駒にされる前くらいまでは役に立つ程度のものですか?」
「ああ充分さ」
「いいですよ、それでチャラにしましょう」
車を半周して助手席に乗り込む。ラジオからはこの二人には不釣合いな曲が流れていた。
静かに車が滑り出し、国道に合流した。車というのは、元々こんなに快適な乗り物だったのかと思った。
数日後の新聞記事を夢想する。重要参考人として出頭するアルバニア。その日の夜拘置所で首吊り、
真相は謎のまま捜査打ち切り。多分こんなところだろう。
良く出来た話だ。そして水面下でまた同じ事の繰り返し。それでいい、誰も自分以外の誰かが一人勝ち
することを望んでいない世界で、これくらいが精一杯だろう。
素直に幸せを望む人間は早死にする。生き永らえる為に悪者や愚者を演ずる他に、生き抜く術の無い
この世界では―――――。
雨が降り始めて武士はワイパーのスイッチを入れた。フロントガラスに退屈そうにワイパーが往復を
始める。
晴れた空を見上げなくなったのは、いつからだったろう。
Ende
- 399 名前:あさぎり ◆aKOSQONw :2005/05/26(木) 18:47
- □あとがき
※ やっと脱稿しまふ…あさぎりです。相も変わらずの救いようが無い中年どもの世界でございます。
長々と投下してしまい申し訳アリマセンでした。明日までの予定でしたが、少々圧縮できたので今日
でおしまいです。
※ 初見の人に説明すれば、主人公はアメリー。元警官の浮気調査が依頼の大多数の探偵です。
この世界ニホンちゃんはいません。タイワンちゃんも宿無しです…あまつ探偵さんやる気あんまし
ないです。おまけにこの探偵さん、コネやサポートがあると思いっきりそれに頼りますw
※ 言い訳じゃあないですが、皆借金まみれだったりってのにはある程度根拠あります。国家が
無借金の健全運営って、ウリの知る限りどこも無いんですよねwヨーロッパなんぞは戦備に
明け暮れて、まともな財政状態が維持できない戦争の歴史みたいなもんですし…後進国は援助や
借款という名の借金漬け。先進国は自らの借金省みず軍備に援助。国家予算すら組めない国も半島に
ありますしねえ(ニダリ
※ ハイ、萌えキャラが悉くえらい扱いなのに皆さんお怒りと存じますが、謝罪には応じても
賠償は致しかねます。それでも賠償請求される場合はハ○信組の今から言う口ざ ウワナニスルニカヤメ…
□おまけ
毎度毎度リクも無いのにタイトルは1グループの曲と決めてまして、この度はU2のアルバム名と曲名を
拝借いたしました。
▽"Under a Blood Red Sky"【アンダー・ア・ブラッド・レッド・スカイ】
1983年発表の4作目のアルバム名。1話目のSunday Bloody Sundayも収録。
"Sunday Bloody Sunday"/収録:War
北アイルランド血の日曜日事件を歌った歌。なんでもこれ発表した後当局にマークされる羽目になった
とかなんだとか
"Staring at The Sun"/収録:POP
何となくウエスタンな気がしたんで…、実際はチガウっぽいけどwオンリーワンではなくなった男への挽歌ですかねえ?
"Zooropa"/収録:Zooropa
ベルリンの壁崩壊による東西冷戦の終結。その熱気が冷めた後の寂寥感ある歌です
"Miss sarajebo"/収録:Original Sound Truck[PASSENGERS] ※PASSENGERSはこのアルバムの為の名前。中の人は殆ど一緒w
ユーゴ内戦への鎮魂歌みたいな感じの曲です。
"The Hands That Built America"
ディカプー主演の映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』の主題歌。ハイ、映画はみてまへん。
- 400 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:33
- 済みません、以下ぬるぽスレで練習をかねて書いた
SS(ここまで長いと既にSSとは云わない気がするけど)
を修正の上、投下致します。桐一葉さま、他の皆様も
文中に潜む”ぬるぽ”を見つけて”ガッ”して下さいませ。
では、参ります。
- 401 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:37
- 「浜辺にて〜夏の海はぬる(っ)ぽい?」
ここは地球町から程近いとある海水浴場。
地球組の女の子達は今日海水浴に来ているのです。
「はい、おまちどおさまでした〜」
茹だる様な暑さに半分目を回しかけながら、
ウヨ君が焼きそばとたこ焼きをフランソワーズちゃんの処へ届けに来ました。
「あら、ご苦労様ですわね。でも残念です事。
お目当てのラスカさんの水着姿が鑑賞できなくって」
「・・あの、ご注文は以上、 全 て 二 人 前 で宜しかったでしょうか?」
「私ひとりで食べる訳ではありませんわ!」
などとやりとりをしている最中、彼方から何やら奇声が響いてきました。
まるでいぬの吠え声の様な奇声の主は、奇怪な笑い声で尚も接近してきます。
ほるほるほるほる・・・・・
なにか、人っぽくすら無いそれは、どうやら人間に近い姿をしていました。
げ、あれは
一瞬で声の主を察知したウヨ君は、
其の儘従業員控え室へ愛刀を取りに引き返しました。
数分後、彼の手を煩わすことなく、その奇怪な生物は
女子一同の協力の下海中深く投棄されました。
- 402 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:38
- ここは地球町からほど近い海。
浜辺では地球組の女の子達がそれぞれに
夏の海を満喫している同じ頃、フラメンコ先生とトル子ちゃんは
素潜りで海中散歩を楽しんで居ました。
ああ、ここから見る太陽ってなんて不思議なんだろう
トル子ちゃんが海の底から海面を見上げ、
その美しさに硬骨としていたその時です。
何か奇怪な生き物が海面に放り込まれ、
其の儘藻掻きならら沈んでゆくのが見えました。
なんだろう、ぬめっとした感じの生き物は?
こちらを見ているあのすがる様な目。
あ、苦しそうにごぽっと息を吐き出した。
嫌な予感に囚われながらも、トル子ちゃんが助けに行こう
としたその時です、誰かが彼女の肩を叩きました。
振り向くと、フラメンコ先生でした。その目は明らかに
”関わり合いに成らないで、浜へ戻りましょう”
と語っていました。トル子ちゃんはとてもよい子です。
だから、素直に先生の云う事に従って、浜に戻りました。
なぞの生物の行方は、誰も知りません。
- 403 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:40
- ここは地球町からほど近い海水浴場。
海岸で、海中で、地球組の女の子達がそれぞれに
夏を満喫している同じ頃、海の家の中でもやはり
ちょっとした騒動が起きていました。
「ラスカは泳がないニカ?」
勝ち誇った様に真新しい水着を見せびらかすチョゴリちゃん。
そんな様子を憤怒の表情で睨み据えるラスカちゃん。
まぁ彼女が怒るのも無理はありません。
折角買ったポシェットも水着も”彼”に見て貰う為だったのに、
アメリーお兄さまの一言、
「オマエにあんな大胆な水着を許す訳に行かない!」
のお陰で全て台無し。
勝ち誇って出てゆくチョゴリちゃんについこんな事を言ってしまいます。
「あんたもお兄ちゃんのお陰で苦労してみたら?」
浜辺で起こったチョゴリちゃんの”お兄ちゃん”らしき怪生物
が引き起こした騒動をまだ知らない二人でした。
- 404 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:42
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
海岸では女の子達がおもいおもいに夏を楽しんでいる中、
ちょっとみんなから離れた辺りでうつぶせになって背中を
焼いている女の子がひとり。
其処へアルバイトの少年がドリンクをトレイに乗せて、
近づいてゆきました。
「ご注文のブルーハワイ、お待たせしました」
少年は女の子をちらっと見て、慌てて目を逸らしました。
女の子がビキニのトップのひもを外して背中を焼いて
居るのに気が付いたからです。
これはせみぬーど・・・
ぷるぷるぷると震える少年
耳迄顔をぽーっと赤く染め、立ちすくんでいます
「あら、ウヨ君じゃないの。どうしたの、顔が赤いけど?」
「ああ、紫苑さん、あ、あのじゃなくって、」
わざとらしくウヨ君に微笑んでみせる紫苑ちゃん。
目を逸らしながらも、ついちらちらと彼女の脇の辺りに目が行って
しまうウヨ君。
そこへ追い打ちをかける様に背後から声が掛かります。
「もしかして、お仕事のお邪魔なのかしら?」
ウヨ君がそっと振り向くと、ぴくぴくと口元を痙攣させている
ラスカちゃんが立っていました。
今日は暑くなりそうね。
そう呟く紫苑ちゃんでした。
- 405 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:43
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
今日は地球組の女の子達で遊びに来ています。
砂浜からちょっと陸地よりになった当たりに椰子が何本か植えてあり、
丁度よい日よけになって居るのが見えます。
その木陰に佇む人影ひとつ。
ああ、いい風が吹くな
少し色の濃い、スレンダーな赤いビキニの少女は、
渡る風の涼しさを楽しんで居ました。
其処へ背後から掛かる声があります。
「ねぇネシアちゃん。泳いだりしないの?それとも男の子に見られるの恥ずかしい?」
図星を指されてぽっと赤くなり、振り向く彼女。
黒く染めたシルクの様な髪に年の割には大胆なビキニの少女が
いそいそとぬれた髪をバスタオルで拭きながら微笑んでいました。
「ああ、まぁそう言う訳でも、、有るんですけど」
そう、お家が厳しいネシアちゃんには、この水着を着てここへ来るだけでも
大冒険なのです。
あはは、と笑う黒い髪の少女、トル子ちゃん。
「家だってそうだったんだけどね。でも、ちょっとは良いんじゃない?
さ、みんなの居るところに行こうよ」
まだちょっと恥じらうネシアちゃんの背中を押して
浜辺の方へ連れて行くトルコちゃん。
そう、まだ日は高く、夏を楽しむ時間はたっぷり残っていました。
- 406 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:46
- ここは地球町からほど近い、とある海水浴場。
今日は地球組の女の子達が夏を楽しみに来ていました。
良い天気と心地よい風に恵まれ、最高の一日を過ごしていた、
その筈だったのですが。
じりじりと容赦なく照りつける太陽の元、少年は絶体絶命の危機に晒されていました。
ガバメントの冷酷な銃口が彼の身体をぴたり、と狙っているのです。
相手との距離はだいたい10歩程。
飛びかかる距離ではなく想い留まるよう説得する言葉も又ありません。
両手を上にして流れ落る汗をぬぐうことも出来ず、虚しく時間だけが過ぎて行きます。
ふあああ、よく寝たわぁ
砂浜にうつぶせになり、背中を焼いていた欠伸の主は
ただならぬ状況に気づき、あらまぁ、とちいさく声を上げ、
それから慎重に解いてあった水着のトップのひもを結び直し、
余り急いでいる様子もなく、傍にあった携帯に手を伸して電話を
かけました。
「ああ、もしもし、ニホンちゃん?
私、紫苑です。ああ、ちょっと弟さんが殺されそうになってる見たいよ。
ええ、誰にって?そんな事しそうな相手って思いつかないかなぁ。
そ、キュートなガールフレンドさんよ。じゃあ、一応連絡したから」
電話を切ると、傍らのドリンクのグラスに手を伸し、
そしてそれが空になっている事に気が付く紫苑ちゃん。
ああ、片づいたらお代りお願いね、店員さん。
取り込み中のウヨ君に声を掛けると、またまどろむ紫苑ちゃんです。
そう、こんな事は彼女にとって騒ぐ程の事でもないのでした。
- 407 名前:青風: :2005/07/17(日) 13:50
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
朝から遊びに来ていた地球組の女の子達も、
流石にお昼も少し過ぎた頃にはおなかが空きます。
海辺でお昼と云ったら、バーベキュー以外に何をする、
と云う感じですが・・・・
「ウヨさん、私ベジタリアンですのよ!
・・・焼いて頂けるのでしたら、豚をお願いできますかしら?」
「了解致しましたぁ。 2 人 前 ですか、フランソワーズさん?」
「おほほ・・・・冗談ですわよね?」
「私、ちょっとピーマンが・・ちょっとだけ、苦手ですの・・」
「メインのイモ抜きか?ジャガイモはないのか、ウヨ」
「ねぇ鯨はある?無ければ取って来てよ!!」
「鯨はねぇ保護するものじゃなかったのかぁ?牛食べよう、牛だ!」
「あれだけ家で飼って居るのに飽きないんですかぁ?」
「家はちょっと、牛は駄目なんですぅ」
「あはは、家はむしろ羊が良いわ」
「ヤッパリ牛肉ニダネ」
まぁ、ひとり働くウヨ君大忙しです。
何しろみんな食生活もまた様々なのですから、
調理担当の苦労も人一倍です。
でも、彼にとって一番堪えたのは此でしょう。
「ねぇ、ラスカちゃん。機嫌直してよ」
「・・べっつに、ぜんっぜんっ、怒ってないわよ・・」
「・・じゃぁ、お願い、黙って睨むのだけは止めて・・」
- 408 名前:青風: :2005/07/17(日) 16:39
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
おなかも一杯になった地球町の女の子達。
当然次にやる事と云ったら・・・・
バシィ、ネットの向こうに打ち込まれるビーチボール。
砂に転がるエリザベスちゃん。
「おーっほっほっ、動きが鈍いですわねぇ。
やっぱりピーマンが嫌いな方はこの程度でしょうか?」
「くっ、球威が重いですわ。
やはり、無駄に2人前食べていらっしゃいませんわね」
「な、何ですってぇ!かくなる上は、ニホンさん!
アナタのボンサイアタック、見せて差し上げて!」
「・・何で私に来るかなぁ?それにボンサイって?
ま、いいか。じゃ行くわよ!」
バシィ、とまたも自分の正面に強烈なスパイクが
打ち込まれるのかと一瞬顔を保るエリザベス。突風の様に飛び込む影ひとつ。
真っ二つになるビーチボール。
臣下の礼を取りつつも、抜きはなったサーベルは離さない、
その人影の美しい横顔。
「エリザベスさま、お怪我はありませんか?」
「まぁ、マルタさん。私、来て頂けると信じておりましてよ」
感激の余り小さなマルタ君を正面から抱きすくめるエリザベスちゃんです。
「どういたしましょうか、この姉妹?」
「どうって、マルタ君って男の子だと思ったけど?」
「おほほほ、些細な事でしてよ」
もちろん、エリザベスちゃんにはこんな周囲の声も、
自分の胸の谷間で窒息し掛かるマルタ君の苦しそうな声も耳に入りません。
だって、彼女は今こんなにも幸せなんですから。
- 409 名前:青風: :2005/07/17(日) 16:46
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
ビーチボールのトーナメント戦も、やむなく中止になり、
結局地球組の女の子達は、元の通りめいめいに夏を楽しむ事
になりました。
「おい、さっさと運べよ新入り!
次は浜辺のデッキチェアにフラッペ3っつだぞ」
「・・何故、君に先輩面されなければいけないのかな、
ヒトモノくん?」
けっきょく、ウヨ君と一緒に海の家のアルバイトをする事に
成ってしまったマルタ君です。同学年の、しかも
私生活に於けるポジションすらも似通った男の子二人、
互いに相手を留め会い、牽制し合うのも無理からぬ事でした。
しかし剣を抜いて睨合うのは少し行き過ぎです。
「オマエ、やる気か?」
「君こそ、異教徒の分際で態度を間違えたと思わないか?」
じりっじりっと間合いを詰め合う抜刀した二人。
最早止めるものはないのか、そう思われた瞬間です。
びしっ びしっ びしっ びしっ びしっいい
二人の周囲に大型の拳銃弾が何発も着弾しました。
「おわぁぁつ、あ、危ない!ま、まさか此は?」
ウヨ君がそおっと銃弾の飛んできた方向を振り返ると、
ガバメントを構えて怒りに震えたラスカちゃんが立っていました。
「また他の女の子とくっついて仲良くしてる!ラスカ、許さないんだからぁ!」
「ちょっ、待って、此はバイト、バイト仲間だって」
「まて、待ってください!落ち着きましょうラスカさん。第一僕は男で・・」
二人の云い訳も聞かずガバメントを撃ちまくるラスカちゃん。
逃げる二人を追って、砂浜を何処までも駆けて行きました。
- 410 名前:火病する名無しさん :2005/07/19(火) 10:24
-
- 411 名前:青風 :2005/07/24(日) 09:28
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
今日は地球組の女の子達(と、若干のおまけ達)は
朝から夏の海を満喫しに来ています。
チョゴリちゃんはいまちょっと気分が良いのです。
恋のライバルのラスカちゃんは”アメリーお兄さま”の
厳しいお達しにより、折角の水着に着替えられません。
もちろん、チョゴリちゃんはこの機会を逃すつもりは無いのです。
「うふふふ、今日でウリはウヨ君とステディな関係に
成るニダ。状況は今、ウリに完全に有利ニダ」
誰も居ない砂浜に打ち寄せる白い波。
波に足を濡らせながら、戯れ追い掛け合う少年と少女。
高く抜ける様な青空にカモメの鳴き声。
振返って歩みを止め、悪戯っぽく囁く少女。
「ねぇ、ウリの事が欲しいニカ? なら、捕まえてみるニダ」
「よーし待ってろよー、チョゴリちゃん」
駆け出す少女と追う少年。
笑い声は少女が少年に追いつかれ、抱きしめられるまで続きました。
自分の想像に、ウットリしながら更衣室を出てきたチョゴリちゃん。
ですが、有り得ない光景を目の当たりにして凍り付きます。
「ウリは何も見ていないニダ。オッパに似た人がマッチョスーツを
着込んでポーズを取っている光景なんて。そう、人間離れしたてかてか
光るスーツを着て得意そうにしている姿なんて見えないニダ」
数秒後、背中のチャックを思いっきり下げられた何者かが、
全身スーツが半分脱げたかけたまま、
階段下の砂浜まで思いっきり蹴り落とされて行きました。
- 412 名前:青風 :2005/07/24(日) 09:30
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
今日は地球組の女の子達が朝から遊びに来ています。
彼女達にとってはまずまずの一日、でもおまけの少年達には・・
「ブラッディマリーとオードブル、お持ちしました」
ウヨ君はパラソルの下で退屈そうにしている少女、ルーマちゃんにに声を掛
けました。色素の存在をまったく感じない程肌の白い彼女は
飲みかけのパック入りトマトジュース(ウヨ君にはそう見えました)
を脇に置き、うっすらと血の色が透けて見える瞳を少年達、
ウヨ君とマルタ君へ向けました。
「ご苦労さまぁ、待っていたのよ。
こんな日射しの中歩くの、肌に悪いでしょ?それでもジュースは
新鮮なものに限るしね。さぁ、早く傍へ持ってきて下さいな」
彼女はウヨ君を濡れた瞳で見つめ、心なしか呼吸も荒い様です。
「ね、ねぇヒノモト君、気をつけて下さい。何だか様子が・・・」
マルタ君が制止するものの、ルーマちゃんの瞳に魅入られた様に
ふらふらと彼女に近づきグラスを恭しく差し出すウヨ君です。
「うふふ、ありがとう。でも私が飲みたいのはあなたの方なのよ」
いきなりウヨ君を抱き寄せると、彼の首筋に齧り付くルーマちゃん。
「あ、いきなり何を、あ、あぁ、うひゃひゃひゃひゃあ」
恍惚の声とも悲鳴とも付かない声を挙げるウヨ君。
後退るマルタ君。
「ああ、やっぱり新鮮なジュースは良いわぁ。
ねぇ、あなたのお友達も注文して良いかしら?私のお願いよ」
満足そうに舌なめずりしながらウヨ君に囁くルーマちゃん。
「はい、かしこまりましたぁ」
惚けた様に返事をするウヨ君。
「ね、ねぇ気を確かに、ヒノモト君、ちょちょっとまってぇ!」
逃げるマルタ君を追って、ウヨ君は何処までも駆けて行きました。
- 413 名前:青風 :2005/07/24(日) 09:32
- ここは地球町にほど近い海水浴場。
今日は地球組の女の子達が朝から遊びに来ています。
もちろん、来ているのは女の子達だけではないのですが・・
たった今階段下へ蹴り落とした不思議な生物の事など
すっかり忘れ、チョゴリちゃんは期待に胸をふくらませながら
ウヨ君を捜しています。
「そう、ラスカが水着に着替えられないうちに、
ウヨ君を捜して夏の恋人達になるニダ。
そして、あそこに見えるカップルみたいに、
海辺を楽しそうにおっかけっこするニダ」
突然、チョゴリちゃんは違和感に気が付きます。
楽しそうなカップル、その追いかけられている少女の方に
見覚えがあるのです。
た、確かあれはマルタ・・
そう、クラス一の美少女(と、誰もがまだ信じている)マルタ君です。
そしてそれを追いかけているのは、
「ウヨ君」
呆然と呟く声にチョゴリちゃんが振り向くと、
真っ青な顔のラスカちゃんが立ちつくしていました。
あはははは、と虚に笑いながら、ラスカちゃんはポシェットから
愛用のガバメントを取り、重量で残弾を確認すると、
普段の彼女からはとても信じられない程の憤怒の表情で
「ゆっるっさないんだからぁぁ」
と、叫び一気に砂浜へ駆け下りてゆきます。
「い、いろんな意味で負けたニダ」
呟くチョゴリちゃんでした。
- 414 名前:青風 :2005/07/24(日) 09:34
- 此処は地球町にほど近い海水浴場。
今日は地球組の女の子達が遊びに来ているのです。
まぁ、一日が過ぎる内には何かと小さな事件も有るのですが。
エリザベスちゃんが海岸の散歩中、ふと見ると、
少年と少女の追いかけっこが目に留りました。
「まぁ、何でしょう、親の保護から抜けきらない癖に」
素直にちょっとうらやましい、と云えない彼女ですが、
其処で二人がマルタ君とウヨ君である事に気が付きます。
すかさず追いかけるウヨ君の前に立ちふさがります。
「ちょっと、ウヨさん!私の妹に何か御用ですの!?」
僕は男です、とこの状況でも主張するマルタ君。
でも、さすがにウヨ君の様子がおかしい事に気が付きます。
目は赤く充血し、表情はどこか夢でも見ている様。
其処へ突然別の悲鳴が聞こえてきました。
「きゃあ、近づいてこないでぇ!いや、イヤだよぅキモイ、
気持ち悪い!こいつ、洗ってないイヌの臭いがするよぉ!」
見ると、ニホンちゃんが不気味な生物に追われて居るではありませんか。
一瞬で正気に返り、抜刀して化け物の前に立ちふさがるウヨ君。
「おまぇえ、姉さんに何をするっつ!!」
殺気を帯びて間合いを詰めるウヨ君。
と、其処へ突然、ちゅいーんと拳銃弾が飛んできて、
怪物の足下に着弾しました。
悲鳴の様なうめき声を上げて海中へ逃げ出す奇怪な生物。
銃声の方を振り向くと其処に居たのは,
愛用のガバメントを構えて肩で息をするラスカちゃんです。
「ラスカちゃん!助けてくれたんだね、ありがとう!」
感激するウヨ君に、さすがに
「実はウヨ君を狙ってたの、えへへ」
とは云えないラスカちゃんでした。
- 415 名前:青風 :2005/07/24(日) 09:54
- 解説もどきなどちょっとだけ。
今回(411-414)の話に特にソースは有りません。
前回同様ヌルポスレに投下した、創作意欲発散用のつまらないものです、はい。
元にしたのはおえび及びあぷろだのkarekiさんとんぼさんおよびドクヤさんの
最近の水着祭り関連の絵であります。
さて、ルーマちゃんですが、これだと完全なヴァンパイア設定ですね。
ラスカちゃんはトリガーハッピー気味だし、
イメージ違い等有りましたらお知らせ下さい。
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