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第24話 青風 投稿日: 2006/06/23 15:20:00
『友情と絆』

あ〜あ、終わっちゃったかぁ…

カードを一枚手に取るごとに、愛おしむように慈しむように
話しかけ、そっと撫でてからケースにしまう。
全てを仕舞い終わってからも、まだプレーヤー席からは動かない。
溜息をひとつ。
そして、ゲームフィールドを見渡す。
自分の居ないフィールドを。

今日の相手は、ブラジー君だった。
絶対にかなわない、そう言いきれるくらいすごい相手だ。
そんな相手と戦う、負けられない勝負。
神さま、ちょっと厳しすぎない?
だからこそ、最初の攻撃に全てを賭けた。
クリーンヒット!
奇跡のように決まった、入魂の一撃。
渦巻く歓喜。
でも、それだけ。
後は怒濤のような反撃に踏み留まる事すら許されず、
気がついてみれば、全てのカードの体力は無惨に削り取られ、
そして、打ち負かされた。

「ヨォ、良くやったじゃねぇか。
 知ってるか、俺この大会で初めてクリーンヒット貰ったんだぜ」
対戦相手の賞賛も、今は少しつらい。
でも、言わなくちゃ。また、友達に戻るために。
「うん、ありがとう」って。

解説 青風 投稿日: 2006/06/23 15:21:00
【さらに投げやりな解説】

あ〜あ、やっぱり負けたか〜
奇跡を信じていたのにな〜

…ふ、ふん、泣いてなんか無いもんね!



嘆いてばかりでもアレなので、ここで皆様にニホンちゃん世界の
『シューキューカード』について軽く説明しましょう。
(初見の人がいるだろう事をすっかり忘れてました)

これは、ニホンちゃん世界で子供達にとてもポピュラーな
対戦カードゲームと言うことになっています。
サッカーをこの世界で扱う為の、いわば“お約束”なのです。

二人対戦のカードバトルで勝敗を競い、
プレーヤーはカードを集めてデッキを組み、
専用フィールドで対戦する、なんだか遊○王のようなゲームです。

カードのパラメーターは、HP(説明の必要もないかも知れませんが体力)と
攻撃力とその他の特殊能力が有るようですが、所詮お話の中のお約束です
から、深く追求しないでいただけると有り難いです。

ゲームの展開は、攻撃ターンと防御ターンを交互に繰り返し、
相手のカードを全部倒し終えるまで戦うらしいのですが、
そこまで書き込まれた作品を、私は見たことがありません。
どうやら、試合会場の提供者にはアドバンテージが有るようなのですが、
ニホンちゃんが使ったことはありません。
(ルールの存在を認識していないのでしょうか?)
また、カードの中にはプレーヤーカード以外に特殊カードがあって、
試合中にいろいろなトラブル…じゃなくって、効果を引き起こします。
一番有名なのが審判カードで、これを使うと試合がとっても有利に
なりますが、試合後のユニフォーム(謎)交換をしてもらえなくなったり
します。ちなみに、過去にはカンコ君がいっぱい使っています。

さて、特筆すべきは、このカードは成長する点なのです。
練習させたり、試合させたり、他の子のデッキにレンタルすることで、
カードが成長して戻ってくるのです。
また、カードには寿命があって、これが来るとどんなカードでも『引退』
しなくてはいけません。
あと、持ち回りでシューキュー大会があちこちのお家で開かれまして、
前々回はフランソワーズちゃんのお家、前回がニホンちゃんとカンコ君の
家、そして今回はゲルマッハ兄妹の家で行われているのです。

ごちゃごちゃと(本編より長く)書きましたが、
取りあえず、サッカーの空気を作中に導入するためのもの、
とだけ憶えておいてください。

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