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第42話 おおつやすたか 投稿日: 2006/08/18 23:32:00
せんたく

 「自分のモノ」についた汚れをきれいさっぱり落とす洗濯は、その人にとってはとても気持ちがいいものです。さて、地球町のみんなは、どんな感じに洗濯をしているのでしょうか。順番に聞いてみましょう。
 まずはニホンちゃん。
「えーっと、この間洗濯したのは、6日前だったかしら……」
 おや、ずいぶんと前のことですね。
「うん。だってあの時にたくさんパンツ盗まれちゃったから、どうも洗濯する気になれなくって。洗濯機も故障しちゃったしね」
 でも、また洗濯しなくっちゃいけないでしょ?
「そうね……今でもわたしが洗濯しようとすると、カンコくんとチューゴくんが変な眼でみるから、とってもやりにくいんだけど、いつかは普通の女の子みたいに、ごく当たり前に堂々と洗濯してみたいわね」
 なるほど。よくわかりました。では、その話に出てきたカンコくんにも聞いてみましょう。
「ウリは、洗濯はずっとしてないニダ。洗濯は人にされる一方ニダ」
 ……それって、自慢になることなのかな?
「なるニダ。自分自身では永遠に洗濯をしない、というのがウリの誇りニダ」
 あれ? でもあそこにある洗濯機には、キッチョム君のパンツと一緒に、カンコ君のパンツも絞って置いてあるみたいだけど? ひょっとして、今も洗濯中?
「……あれは見なかったことにしてくれニダ」
 何だか変な反応を示すカンコ君はおいといて、今度はアメリー君に聞いてみましょう。
「うん。僕は洗濯はしょっちゅうやるねえ。でも、自分の家で洗濯したことは一度もないよ」
 最近では、いつ洗濯しました?
「ほんの数時間前だね。実はさあ、お気に入りのタワーの絵が入ったTシャツに、泥玉を投げつけられちゃってさあ」
 うーん。汚される機会が多いから、洗濯することも自然に多くなっちゃうわけですね。ところで、ニホンちゃんがこの前洗濯したのは、アメリー君と泥玉の投げ合いをしたのが原因だと聞きましたが?
「そんなことは僕にとっては大昔の話さ。もうほとんど忘れちゃったね。僕にとっては、数時間前のが『この前の洗濯』になるわけだし……あっ、こらキッチョム、お前今僕に見えないように泥玉投げただろう! 僕にまた洗濯をさせるつもりだな!」
 なんだか怒鳴りながらアメリー君はどこかに行っちゃいましたねえ。……おや、珍しい。そこでくすくすちょっと陰気に笑っているのは紫苑ちゃんかな? 紫苑ちゃん、洗濯、いつした?
「さっき終わったばかり。でも、またすぐに始めると思うよ」
 キレイ好きなんだねえ。
「うん。あたし、お洗濯大好き。汚れが許せないの。くすくすくす」
 ……なんか、キレイ好きだと言っている紫苑ちゃんのその手が、液状のもので汚れて見えるのは気のせいでしょうか?

解説 おおつやすたか 投稿日: 2006/08/18 23:40:00
せんたく

とりあえずアメリー君の発言までの「洗濯」は単に戦争という意味ですけれど、紫苑ちゃんの場合には、「民族浄化」という意味合いも含まれてます。


ソースはヒズボラvsイスラエルの戦争絡み、ということになるんでしょうね、この場合。

http://www.sankei.co.jp/news/060813/kok075.htm

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