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第1115話
ab-pro
投稿日: 02/07/16 23:08 ID:ycGCNvtp
チョゴリちゃんと黄金週間
それは今年の黄金週間の最中のことです。
今年も例年に漏れず、お祭り騒ぎに突入しようとする日ノ本家の
人々の中で、チョゴリちゃんの姿が見あたらないことに気が付いた
のはニホンちゃんでした。
「ねえ、お父さん。チョゴリちゃんどこ行ったのかな?
あんなに黄金週間を楽しみにしてたのに」
いつもなら、広い日ノ本家のどこかの部屋から聞こえてくるはず
のチョゴリちゃんの元気な声が、ここ数日全く聞こえないので心配
になってきたニホンちゃんです。
「チョゴリちゃんか。そういえばおかしいね。
・・・ちょっと待ってなさい、家の警備室に行って調べてみよう」
そういうと、これまたちょっと心配になったニホンパパは、ニホン
ちゃんを残して警備室に向かったのですが、その入り口でおそろいの
茶色のトレンチコートを着込んだ特別警備員の皆さんが警備室から出
てくるところに出くわしたのでした。
続きです
「やあ、特別警備員の皆さん。お仕事ご苦労様です」
「これはこれは、ニホンパパさん。
いえ、実は仕事が明けて、今から帰るとこなんですよ」
普段は感情を消した顔で、忠実に職務をこなす特別警備員の皆さん
ですか、今は心なしか顔に朗らかな色が浮かんでいます。
「・・それは珍しいですね。確か例年この時期は仕事で黄金週間は
連日出勤でしたよね」
「ええ、去年までは。
でも今年は先日ご報告しましたような次第でして、今年は久しぶり
に家族サービスが出来ますよ」
完全に笑顔になった特別警備員の言葉で、ニホンパパは先日警備室
から回ってきた報告書の内容を思い出したのでした。
「ああ、そうでしたね!
では、今年は皆さんも黄金週間を存分に楽しんでください」
そして、おのおのの自宅へと帰る特別警備員の皆さんを見送った後、
ニホンパパは、ニホンちゃんにチョゴリちゃんを迎えに行かせること
にしたのです。
多分、チョゴリちゃんは名古屋の間に居るはずです。
名古屋の間
ニホンちゃんがパパに言われて名古屋の間にやってくると、チョゴリ
ちゃんが一人で名古屋の間のテラスの前に座り込んでいました。
実は日ノ本家の各部屋のテラスには、ロープウエイが張り巡らされて
いて、他の部屋や、他の家とも自由に行き来が出来るようになっている
のです。
「どうしたのチョゴリちゃん!こんなところで?」
寂しげなチョゴリちゃんの後ろ姿に、ニホンちゃんはたまらずチョゴ
リちゃんに駆け寄ります。
すると振り返ったチョゴリちゃんは、涙をいっぱいに浮かべながらニ
ホンちゃんに抱きついて泣き始めたのでした。
「毎年ね、黄金週間にはキッチョム兄さんの家から一杯、親戚の人が
おみやげ持って、この部屋のロープウエイでやってきてたニダ。
でも、今年は誰も着てくれないニダ。
チョゴリ、ずっと待っているのに(泣)」
泣きじゃくるチョゴリちゃんを何とかあやしつつ、テラスのロープウエ
イ係の人に事情を聞いてみるニホンちゃん。
「ああ、キッチョム家のロープウエイは、今年の四月から運休なんです
よ。
町内のロープウエイ管理組合が、前からキッチョム家のロープウエイ、
古くて騒音が酷いので改善要求していたんですけど、全然改善してくれな
いので、日ノ本家でも騒音問題が解決されない限り、キッチョム家のロー
プウェイの乗り入れを禁止したんです」
その内容にどこか奇妙に納得するニホンちゃん。
気が付けば泣き疲れたチョゴリちゃんは、ニホンちゃんに抱かれて眠っ
てしまっていました。
その健やかな寝顔を眺めながら、チョゴリちゃんが起きたら思いっきり
遊んであげようと思うニホンちゃんでした。
終わり
解説
ab-pro
投稿日: 02/07/16 23:52 ID:7Vcn05oO
後書き
どうも、初書き込みです。
書いている途中で、ギャグネタにすれば良かったと後悔ししてしまいま
した。つたない文章で申し訳ありません。
ニュースソース
http://www.aerospace777.com/bn/2002_2/20020422.htm
松茸便とともに、ゴールデンウイークには北から観光客(!)が例年
名古屋に着ていたそうですが、今年は上記の通りで直行便は無かったとか。
ただ、今年はロシア経由で着ていたそうで。
まだ、MIG-15が飛んでいる国ですから、名古屋での航空事故の危険性が
減って良かったと言うところでしょうか。
ちなみに、特別警備員=公安です。
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