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第1146話 名無し@三重県 投稿日: 02/07/30 01:27 ID:6ANS41bj
星に願いを (2/1)

夏の太陽の下、ニホンちゃんとタイワンちゃんが歩いてきます。
そして、その後に自転車を引いたウヨ君が続きます。
「武士、自転車に乗ったら駄目だよ。すぐに歌い出すんだから。」
今日、ウヨ君はニホンちゃんのペットボトル・ロケットの打ち上げのお手伝いなの
です。ロケット、空気入れや水を入れたタンクを自転車に積んで運んでいます。
「男女平等とか言うんなら、何で僕だけが運ぶんだよー。」
ぶつぶつ言いながらも、口元が笑っているウヨ君です。
「タイワンちゃん、これ。」
「え、これって鉛筆?あ、チョコレートだ。」
「ふふ、ロケットを打ち上げに行くって言ったらパパがくれたの。」
「でね、ママがパパにまるで子供みたいって。ふふふ。」
「ニホンちゃんのパパとママって仲良しなんだね。素敵ね。」
ちょっとおしゃまな会話をしているうちに、河原に着きました。
「あ、ゲルマッハさん。」
「やあ、ウヨ君。あ、皆でロケットを上げに来たんだ。いいなぁ。」
「ゲルマッハさんのお家がロケットの発祥の家なのに・・・」
「いや、皆がそう言ってくれるけど、決してロシアノビッチやアメリーの家は我が
家の技術を盗んだからロケットの開発に成功したわけじゃないんだよ。」
「ええ、そうなの?」

(2/2)

「ああ、ロシアノの家にはロケットの理論を打ち立てたツィオルコフスキー博士、
アメリーの家には初めてロケットを打ち上げたゴダードって人がいたから全くロケ
ットの知識がなかったわけじゃないんだよ。言うなれば、この二人の先人がいたか
らこそわが家のロケット開発があったんだよ。」
「それじゃ、織田がこね、羽柴がこねし天下餅、座って食べるは徳川。って感じな
んですね。」
「武士、それじゃ分からないよ。それに、フォン・ブラウン博士が何にもしなかっ
たと勘違いされるよ。」
「ブラウンおじさんは、どの家でもよかったんだと思うんだ。ただひたすら子供
のころの月に行きたいって夢を叶えたかっただけなんだと思うんだ。ただ、技術が
あっても、今のわが家は、他のユーロの家々にも配慮もしないといけないからね。」
「ウヨ君が、ロケットを上げようとするとアサヒちゃんとかが騒ぐのと一緒ね。あ
と、もしバカンコがアメリー君の立場ならロケットの起源はウリナラニダって大騒
ぎだわね。」
「はははは。」「うふふふ。」「タイワンちゃん酷い〜。武士、笑いすぎだよ。」
4人で、大騒ぎをしながらロケットの用意をしました。
「3、2、1、発射!」
水を吹き出しながらロケットは高く、高く、大空を駈けていきます。
「やった!姉さん、成功だ!」
日の本家の、いいえ、世界の子供達の夢を乗せてロケットは駈けていきます。
星まで届け、子供達の夢。

おしまい。

解説 名無し@三重県 投稿日: 02/07/30 01:47 ID:Tr9uYk0I
H2の打ち上げ日を勘違いして書いておりましたがさすがに9月までは待てないのと
先日のSSTの実験の失敗への夢の無い批判を込めてうpしました。
ペンシル型のチョコレートっていうのは、戦後、国民に夢を与えた国産初のロケッ
トであるペンシル型ロケットにかけています。その年の10大ニュースに成ったそう
です。
宇宙旅行ってことならドイツ人オーベル(だったか?)もいますがちょっと割愛
映画製作の費用を使ってロケットを作ろうとしたりした人です。
いつもより無駄な会話が多いのは、短い話好き&反萌えの同志には申し訳ありません。
荒らす人が多いですが、右も左も関係無いよ。鏡に映った自分の姿を見てみなさい。
恥ずかしいと思えるなら、まだ大丈夫。止めなさいね。

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