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第1193話
XSF
投稿日: 02/08/30 04:51 ID:HdOfCKar
夏休みのとある一日 アメリーくんの憂鬱
(1)
「なぜなんだ・・・」
暗い部屋の一室で一人の少年がつぶやく。
「なぜなんだ・・・」
夏休みも終りに近づき、子供たちは残された宿題を気にし始める季節。アメリーくんは一人悩んでいた。
「なぜなんだ・・・」
もう何度つぶやいたのだろう。再び自分に問いかけてみる。
「なぜなんだ。なぜ僕はこう嫌われるんだ。」
「僕の家で作った映画や食べ物、決まりごとは地球町中で使われているし、僕は何も悪いことをしていない。」
「なのに、なのに、なんでみんなは僕の言うことをわかってくれないんだ。」
アメリーくんはこうつぶやき、こぶしを強く握り締めます。
「いままでは何も問題なかったのに。すべて僕の思うとおりに行っていたのに。
エリザベスもフランソワーズもニホンも、あのロシアノビッチでさえも僕の言うことを聞いていたのに。いったいどうしちゃったんだ。」
しばしの沈黙の後、一人で悩んでいても仕方がないと思ったアメリーくんは何で自分のことを嫌っているのかを他の人に聞くべく家をでました。
「僕が正しいはずなんだ・・・・。」
そうつぶやきながら。
(2)
「まずユーロ町の連中にあってみようかな・・・。」
そう言ってアメリーくんはユーロ町に向かいました。
ユーロ町は家々の間にある生垣が低くお互いに行き来しやすい町なので井戸端会議にはもってこいです。
ユーロ町につくと、そこにはエリザベスちゃんとフランソワーズちゃん、
ゲルマッハくんとアーリアちゃん兄妹、マカロニーノくん、そして珍しくトル子ちゃんも来ています。
どうやら夏休みの宿題の答えあわせのようです。
周りには他にもポルくんとガルくんがバスクちゃんに宿題を教えてもらっているのが見えます。
アメリーくんは迷うことなくエリザベスちゃん達のグループに近づきました。
そして、アメリーくんが、「実は相談があるんだ・・。」と言いかけたそのとき、
「嫌ですわよ。」と機先を制してエリザベスちゃんが言い放ちます。
「どうせまたアラブ町に遊びに行くから付き合えというのでしょう。貴方の正義にこれ以上付き合うのはお断りですわよ。」
「あ、いや、違うんだ。」
機先を制されたアメリーくんは少々うろたえながら言いました。
「今日はそのことじゃないんだ。」
間髪いれずフランソワーズちゃんが答えます。
「貴方の家のハンバーガー屋のことかしら?それだったら私もお断り。」
「だいたい貴方は家同士の取引のときにアメリー家にとって都合の良いルールを押し付けてくるけどいったい何様のつもりですの?」
「そ、そんな言い方はないだろう。僕の家で決めたルールは地球町で一番のはずだ。」
(3)
「ほ〜う。だから京都の間(日ノ本家の部屋の一つ)できめた約束も守らないと?」
アーリアちゃんが口を挟みます。
ユーロ町きっての論客三人娘の集中砲火をあびてはさすがのアメリーくんといえどもたじたじです。
それでなくても昨年の9月以降、失言や余計な一言が多くなって地球町中から顰蹙(ひんしゅく)を買っているアメリーくん。
彼女たちと議論しても勝ち目はなさそうです。それに、この状況ではアメリーくんの悩みなどとてもじゃないですが相談できる状況ではないようです。
ゲルマッハくんが気を利かせて「何を聞きに来たんだい。」と言いかけましたが団結した女の子グループを刺激しかねないとの配慮が働いたのでしょうか、何も言いません。
マカロニーノくんにいたっては余計なことをいって女の子たちの鉄拳制裁を食らいたくない一心からこの話には加わってきません。
半ば追い出されるような形でアメリーくんはユーロ町を後にしました。
「なんで誰もわかってくれないんだ・・・・」
そうつぶやきながらとぼとぼと歩いています。いつもならせっかくここまで来たついでにアフリカ町やアラブ町にでむいてアメリー家の正義を延々と説いてから帰るのですがさすがに今日はそのつもりにはなれません。
「帰るか・・・。」
「それとも、アジア町にも寄ってみようか・・・。」
セミの声が響く夏休みも終りに近い地球町。アメリーくんは一人、深い悩みの中におりました。
解説
XSF
投稿日: 02/08/30 04:56 ID:HdOfCKar
(4)
【国際】「米国はなぜ嫌われる?」米国務省が討論会★2
http://news2.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1030604347/l50
http://www.asahi.com/international/update/0829/005.html
(転載)
米国はなぜ、世界中で不人気なのか。その原因を探ろうと米国務省が9月5、6の両日、国内外の研究者約20人を招き非公開の討論会を開く。バウチャー同省報道官が28日、明らかにした。
反米感情について調べている国務省情報調査局の企画で、米政府関係者約50人が傍聴し、政策へ反映を図るという。
報道官は「国務省情報調査局は、欧州やロシア、イスラム世界などで見られる反米現象を調べてきた。討論会などを通じて、反米現象への対抗・中和の手がかりをまとめ、政府各部門に提供する」と述べた。
しかし、「米国以外の世界がみな間違った見方をしていると思うのか」との質問には、明確に答えなかった。
一方、28日付のワシントン・ポスト紙は、インド系英作家で著書『悪魔の詩』がイスラム教を冒涜(ぼうとく)したとして、イランの最高指導者ホメイニ師から「死刑宣告」されたサルマン・ラシュディ氏の意見を掲載。
同氏は「ブッシュ政権は外交政策で計算違いを続けてきた。アフガニスタン攻撃について短期間合意形成に動いた後は、鉄面皮な一国行動主義に戻り、本来の同盟国さえ怒らせている」と批判した。
アメリカらしいといえばアメリカらしい行動です。
ま、某国もすこしはみならってくれればいいですね。
ちなみにアメリカにとっては、欧州、ロシア、イスラム世界での不人気を何とかしたいというのが当面の目標で
アジア地区のことは少々優先度が低いようにも見えます。
クリスマスごろには何かに取り付かれてしまったようなアメリーくんがイラクで大暴れするというお話を書くことになるのでしょうか。
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