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第1202話 100話作者 ◆UMAIu01k 投稿日: 02/09/05 22:21 ID:MEvI+251
【不審者の目的】その1

カッカッカッ、夜のしじまに靴音が響きます。
「いたか?」
カイジおじさんが、飼い犬のピーサンに声をかけます。
ピーサンは、元気よくワンと一声ほえると駆けていきます。
「今日こそつかまえてやるぞぉ」カイジおじさんは自転車の「むらくも」に乗って
ピーサンの後を追いました。

「こちらでもまだまだわからん。状況がわかり次第ただちに連絡する。」
ニホンパパは、真剣なおももちで電話を切りました。ニホンパパは
カイジ叔父さんといっしょに、ちかごろニホン家の回りをうろうろする
ひとさらいをするという噂の不審者をつかまえることにしたのです。
『いよいよとなったら、クウジ叔父にも頼むか…』ニホンパパが
そう考えながらうーむとうなると、ニホンちゃんが心配そうな
顔をして聞きました。

【不審者の目的】その2

「カイジ叔父さん、大丈夫かしら」
ついこないだ、カイジ叔父さんは、やはり人さらいらしい不振な人を
捕まえようとして、おやうく大けがをしそうになったのです。
「はっはっは、大丈夫だよ。今日のカイジ叔父さんはちゃんと準備して
いったからね。」

そうです。前の時と違って、今度はカイジ叔父さんは剣道の胴と小手を
つけて、竹刀までもっていったのです。
おまけに、カイジ叔父さんはみかけはスマートですが、鋼のような
頑健な身体で、剣道の有段者です。
棒をもっての戦いなら、アメリー家のガードマンとすらやりあえるという
強者です。

「不審人物、発見しました…ニホン家には入らない様子です…
自転車に明かりも付けずに走っています。」
カイジ叔父さんから電話連絡が入ります。
「うむ、慎重に」とニホンパパがいいかけたところで電話が切れます。

【不審者の目的】その3

「そこのキミ! なにをしているんだっ!」
カイジパパが大声で呼び止めました。
すると、怪しい人影はだっと身を翻え……したつもりでしたが、乗っていた
自転車がその動きに反応しきれません。変な音がして、止まってしまいました。
あわてて自転車を降りる怪しい人影に、カイジおじさんは油断無く近づきます。
そして、持っていたライトでその姿を照らしてみると。

怪しい人影はキッチョムパパでした。
「こんなところで、明かりも付けずになにをやっているんです?」カイジさんが
あきれて聞くと、キッチョムパパは真っ赤になって怒り出しました。
「アイゴー、自転車が壊れたニダ、ウリは何も悪くないニダ!」
「ですからなにをやっていたのかと聞いているだけなんですけど…」
「うるさい! おまえんところのシシローがうちに来ると言うから、すこし
でも家の中で見栄を張るために金策しようとして……」
ここまで言いかけて、はじめて自分が何を言っているか気づいたようでした。
「ち・ち・ちがうニダ。ウウウ、ウリは金策のためにこっそり外出
なんかしていないニダ。ウリウリウリーーーーー!!」
言うなり、動かない自転車を担ぎ上げると、そのままキッチョム家に
駆け込んでピシャリと門を閉めてしまいました。

後には、カイジ叔父さんがぽつんと残されました。
「あー、不審者はキッチョム家方向で見失いました。」
カイジさんは、こう言うしかありませんでした。

そして。
キッチョムパパは金策に失敗したことをキッチョムママに厳しく叱られて
やっぱり例の叫びが夜の町にひびきわたったのでした。

「あ〜〜い〜〜ご〜〜〜〜〜〜」
>>407
ミスハケーン すんません。

>「そこのキミ! なにをしているんだっ!」
>カイジパパが大声で呼び止めました。
   ↓
カイジ叔父さんが大声で呼び止めました。


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