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第1218話 大洞商会 投稿日: 02/09/13 22:02 ID:qiDnLJhP
 「貴女の為に」
紫苑ちゃんは住みなれた家を追い出されてしまいました、
わずかばかりの荷物と小額の旅費を持って野営的生活

そんな紫苑ちゃんが今日の寝る所を探していると、
暖かいそうな家の明かりと美味しそうなスープの香りがただよってきました

「暖かそうな明かり美味しそうな香・・・・・」

紫苑ちゃんはその明かりに引き寄せられるかのように歩み寄ります
ドン ドン ドン
「すみません、何方か何方か居ませんか?」

紫苑ちゃんがドアを叩いても何の返事もありません

「そうよね、私なんかと関わりあったら面倒だものね」

あきらめて立ち去ろうとした時、家の中から声が聞こえました

「は〜い、少し待っててくださ〜い」

そして、ゆっくりとドアが開き、そこからもれて来た、暖かい明かりがシオンちゃんをつつみます

「どちら様でしょうか?」
「あっ、今晩は私 紫苑といいます、今住むとこが無くて困ってるんです、一晩泊めてくれませんか
  いえ泊めてくれなくてもかまいません せめて軒先でも貸してくれませんか?」

「あら、それは、たいへんねぇ いいですよ」
「軒先、貸していただけるんですか ありがとうございます」
「・・・少し誤解してない? 軒先じゃなくて 家の中にどうぞ、お腹も空いているんでしょ
  いま、食事の準備をしますから、少し待っててね」

「そ そんな気を使っていただかなくても」
「いいの いいの 遠慮しないで、それよりも、どうしてそんな生活をしてるの?」
「実は・・・・・」

紫苑ちゃんは、今までのいきさつを話し始めました

「そう大変だったのねぇ いいわ 私にまかして、私がなんとかしてあげる」
「本当ですか!」
「ええ、まかして頂戴!!
  
 『諸君、ユダヤ人諸若は、お気の毒にも世界何れの場所においても
 『祖国なる士』を持たぬ。如値に無能なる小数民族も、いやしくも民族たる限り、
  何ほどかの土を持っている。
  ユダヤ人は、その科学、芸術、席業の分野において他の如何なる民族に比し、
  劣ることなき才能と天分を持っていることは歴史がそれを立証している。
  然るに文明の花、文化の香り高かるべき二十世紀の今日、世界の一隅おいて、
  キシネフのポグロムが行われ、ユダヤに対する追及又は追放を見つつあることは、
  人道主義の名において、また人類の一人として私は衷心悲しむものである。
  −ある一国は、好ましからざる分子として、法律上旧胞てあるべき人々を追放するという。
  それを何処へ追放せんとするか。』
  追放せんとするならば、その行先を明示しあらかじめそれを準備すべきてある。
  当然の処置を講ぜずしての追放は、刃を加えざる虐殺に等しい。
  私は個人として心からかかる行為をにくむ。ユダヤ追放の前に彼らに土地すなわち祖国を与えよ」

「ありがとう、ニホンちゃん・・・・・・ 
  ところで・・・・無能なるって・・・・・誰?」
「それは〜、出来れば聞かないでほしいな」

おしまい

解説
偉大なる人道主義者、ゼネラル・樋口の演説です、
ニホンちゃん風にアレンジしようかと考えもしましたが
それは捏造になるのではと思い、そのまま貼り付ける事にしました
さて、無能なるは、いったい誰の事なんでしょうねぇ 

気になるな〜気になるな〜

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