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第1249話 黒瓶 投稿日: 02/10/11 13:31 ID:CJvsElkH
剣道

日曜の朝です。
ニホンちゃんの家は朝が早いのです。
あれ?敷地の中を走ってる小さな子は・・・ラスカちゃん?
そうです。
今日お昼からウヨ君と公園で遊ぶ約束をしてたラスカちゃんは、
待ちきれなくてニホン家までやって来ちゃったのです。
ニホンママにウヨ君の居場所を聞き、探しているようです。
「ケンドーのドウジョー、ケンドーのドウジョー・・・」
と、
「いやーーーっ!」パンッ!
「めん!めんっ!」パンパンッ「こてええっ!こてこてこてええ!」
びっくりしたラスカちゃん、奇声が聞こえる建物をのぞき込みます。
「あ!」
いました。ウヨ君です。お姉さんもいます。
他にも何人かのニホン家の人がいます。
でもいつもと雰囲気が少し違います。ラスカちゃんも静かに
してしまうほどの緊迫感が漂っています。
真っ白な道着に真っ白な防具をつけたニホンちゃん。頭に手ぬぐいを
巻き、面をかぶります。凛とした目で正面にいるウヨ君を見つめます。
ウヨ君は、紺の道着に黒い防具をつけてます。負けじとニホンちゃんを
にらみながら面をつけます。
どうやら試合をするようです。
二人は竹刀の剣先をあわせ、蹲踞をします。そう、相撲と同じあれです。
ムサーシ先生が審判です。
「一本勝負、はじめっ!」
「やああっ!」
ウヨ君の気合いが入ります。
剣先をたたきあい、お互いを牽制します。
先に仕掛けたのはウヨ君です。
踏み込んで竹刀を叩き、隙をつくります。
そしてこのときのために練習してきた、
「つきいいいいっ!」
片手つきです。ウヨ君、つきは小中学生では禁じ手ですよ?
しかしニホンちゃんは紙一重でよけます。
表情に焦りもありません。鍔競り合いから横にまわって引き面。
ウヨ君竹刀でうけます。
ニホンちゃんが構え直すその隙にウヨ君
「こてええっ!」
ニホンちゃん鍔で見事にうけます。
一進一退の攻防が数分つづきました。
いや、ニホンちゃんが余裕をもってかわしてるので、
ウヨ君に疲れがでてきたようです。
ニホンちゃんうっすら笑みを浮かべます。
「!」
ほんの少しの心の隙でした。
ニホンちゃんが踏み込んだと思うと、ニホンちゃんの竹刀が
ウヨ君の竹刀に蛇のように巻きついたように見えました。
次の瞬間ウヨ君の竹刀が床に叩き落とされます。
竹刀が落ちる音と同時に
「めええんっ!!」
ニホンちゃんの面がきれいに入りました。
残心もしっかりきめます。
「面あり!」先生がニホンちゃんのほうの手をあげます。
ウヨ君も素直に負けを認めます。
頭をさげて竹刀をひろいます。
「勝負あり」
最後も剣先をあわせて蹲踞で終わります。
「くそおっ!また負けたあああ!」
面をとったウヨ君の第一声です。
一方のニホンちゃんは面をとるといつもの力が抜けるような
優しい笑顔をしてます。
「あれ、ラスカちゃん。きてたんだ。おいで」
ニホンちゃん入り口で固まっていたラスカちゃんを見つけ呼び寄せます。
「うわ、情けないところみられちゃったなあ・・・」
とウヨ君。
ラスカちゃんニホンちゃんのそばに来るなり竹刀を確かめます。
「どうしたの?」
「え?ううん・・・」
ふとラスカちゃんあることに気づきます。
「ふたりとも体から湯気でてる・・・」
「ああ、いっぱい練習したからな」
とウヨ君、お兄ちゃんモードでラスカちゃんの頭をなでようとすると、
ラスカちゃん、少し身をひきました。
「?」 
「お兄ちゃんっ、おててくさぁいっ」
ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッン!!!!
道場中が大爆笑につつまれました。
(ニホンちゃんだけは苦笑いでしたけど・・・)
そうです。剣道の防具のなかでは、小手が一番汗くさぁくなるのです。
ウヨ君真っ赤になりながら走って風呂場へ直行しましたとさ。

そのあとラスカちゃんに謝ってもらったものの、
その日一日はいつもより輪をかけて無口なウヨ君でした。


糸冬
(おまけ)
ところで我らがカンコ君。今日はどうしたんでしょう?
「ニ、ニダ?」
あ、やっぱり覗いてたみたいです。屋根の上で双眼鏡をにぎっています。
いつものことですが、はっきりいって変○です。
でもおかしいですね。いつもなら
『剣道はウリナラが起源ニダ!ニホンに謝罪と賠償を(略』
とわめき散らしながら乱入するはずなのに。
「ニ、ニダ・・・」
そうですよね。ニホンちゃんとウヨ君の迫力に圧倒されて足がすくんでしまった
なんて口が裂けてもいえないですもんね。
「そっ、そんなことないニダ!それは捏造ニダ!謝罪と賠償を・・・」
ほおっ、カンコ君。作者に喧嘩を売るなんていい度胸ですね。
「ニ、ニダ?・・・」
い・い・度・胸・で・す・ね。
「ア、ア・・・」
ガラガラガラッ!ピッシャーーーンッ!ドンッ!
「あれ、こんなにいいお天気なのにかみなり?」
ニホンちゃん、不思議そうに空を見上げます。
「ま、いいかっ」
気を取り直して走って部屋に戻るニホンちゃん。
今日はみんなでカラオケに行くので、その準備をしなくちゃいけません。

屋根の上で真っ黒焦げのカンコ君。
・・・なにか言うことは?
「・・・・・・ア(略」


ちゃんちゃん

解説 黒瓶 投稿日: 02/10/11 13:34 ID:CJvsElkH
連投すまそです。
萌え話かこうとしたらなぜかこうなった・・・
えー、ニホンちゃんの決め技ですが、実際にあります。
名前忘れた・・・巻き落としとかなんかだったような。
初めてくらった時は何がどうなったのかわからないくらいでした。
そういや女子はこてのこと「おこてええっ」っていってたな・・・
「おこてええ」と叫ぶニホンちゃん萌え。

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