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第1307話 なー ◆GMi2juaL6k 投稿日: 02/11/28 01:09 ID:3byD+Qor
「ベトナちゃんのお料理修行(1/4)」

「ベトナッ!!!、切ったタケノコの大きさがそろってないアル!!!、これでは火の
通り方にムラができてしまうアル!」
「ああああ、ごめんなさい・・・」
「それから、ナベはもっと大きく振らないとダメアル!!!、ただ混ぜながら炒めるだ
けじゃなく、食材とソースを空気に触れさせながら直火にふれさせて香りを出すアル!」
「ああああ、ごめんなさい・・・」
「まあ、この1000日の料理特訓でちょっとはマシになってきたアル。ベトナにはこ
れからもビシビシいくアル。」
(うう・・・わたし、別にそれほどお料理にこだわりってないんだけどな・・・)

「タイワン!!!、できあがった料理はさっさとお客さんのところに運ぶアル!!!!
さめてしまったらせっかくの料理もツヤ消しアル!!!」

「あ?あ、あ、あ、すぐ運んできます〜」

「まったく、どいつもこいつも料理のことがちゃんと判ってるアルか?」


「あらあら・・・ちょっと来て見たんですけど・・・なんだか美意識のかけらも感じられ
ないお料理ですわね?うふふふ」

「フランソワーズ?、何しに来たアル?」
「ベトナちゃんのお料理修行(2/4)」

「たとえば、この盛り付け・・・平皿に出来上がった料理をただ山盛りにしてるだけです
わ。ガサツですわね・・・お味のほうも、エレガントとは言いがたいですわね。うふふ。」

「何が言いたいアル?フランソワーズ・・・」

「ベトナちゃんはね、わたくしが指導してさしあげたほうがお料理の腕前も伸びるんじゃ
ないかなと、思って来てみましたの。」

「ベトナの料理指導は朕がやっているアル。それとも味勝負でも受けてみるアルか?フラ
ンソワーズ!!!」
「負けるとは思いませんが、面倒ですわね・・・それでは、実力勝負ではいかがかしら?」


手にしていた包丁と中華ナベを調理台に置き、身構えるチューゴ君。そして対峙するフラン
ソワーズちゃんは自然体のままわずかに間合いを詰めました。


一瞬、フランソワーズちゃんの白いふくらはぎが宙で半円を描いたかと思うと、次の瞬間、
フランソワーズちゃんの靴底がチューゴ君の顔面にめり込んでいました。

「ベトナちゃんのお料理修行(3/4)」

「サファーデ!?」
「え???なに?タイワンちゃん?」
「フランソワーズ家に伝わる格闘技の一つよ、ベトナちゃん。ソバットと言ったほうが通り
がいいかしら。後に新日本プロレスの佐山タイガーがデビュー戦でみせた飛び後ろ回し蹴り
のことよ・・・初代の佐山タイガーはイギリス修行時代からサミー・リーと名乗ってあの技
を使っていたの、宮戸選手あたりが使っていたのとはちょっと違うわね、ジャンプして使う
のが本式かどうかは・・・良くわからないんだけど・・・さすがにフランソワーズちゃんの
は安定感が違うわね。」
(は・・・はぁ・・・私は料理オタでも格闘技オタでもないから・・・よくわかんないけど)


チューゴ君はフランソワーズちゃんにKOされてしまいました。

「さて、じゃ、これからはわたくしがベトナちゃんにお料理を教えて差し上げますわ、うふふ」

(うえぇーん、だから、私はそんなにお料理に命かけてたりしないんだけど〜)


「ベトナちゃんのお料理修行(4/4)」

さて、その後、アメリー君からも介入を受けたベトナちゃんですが、チューゴ君やフランソワ
ーズちゃんからお料理の手ほどきを受けたベトナちゃんはアメリー家の料理を受け入れません
でしたとさ。

おしまい

※中国からの1000年にわたる支配の後、清仏戦争を経てフランス植民地を経験したベトナム、
 現在のベトナム料理に中華やフレンチの影響がどれだけ残ってるかは私にはわかりませんが、
 アメリー君のとこの料理をおしつけられでもしたら全力で抵抗するかも・・・とか言ってみま
 す。(まぁ、スルーしてください(w))


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