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第1316話
KAMON ◆9awzJSYC0I
投稿日: 02/12/04 01:50 ID:IyKd0E6p
「エリザベス外伝 その2:火病」
(前回のあらすじ)
激しい受験戦争を勝ち抜いて帝国主義幼稚園に入園したエリザベスちゃん。
進級試験でゲルマッハ君に勝ち進級を果たしますが、
その過酷さから彼女は受験ノイローゼになり、何事に対しても無気力になってしまったのです。
それから、エリザベスちゃんは、勉強する気も失せてしまい、
寝ころんでテレビを見たり、まんがを見たり、
ゲーセンや温泉で怠惰に時間を潰す日々が続きました。
ビクトリアおばあちゃんはそんな彼女にやきもきしていましたが、
最近は持病のリューマチが悪化してベッドで過ごすことが多くなり、
彼女のことはお父さんに任せていたのです。
が、それがいけませんでした。
お父さんは、エリザベスちゃんに気に入られたいが為に、
エリザベスちゃんを甘やかすだけ甘やかしました。
彼女の望むものは何でも買ってあげ、「ゆりかごから墓場まで」彼女の面倒を見ると宣言し、
彼女に受験勉強を押しつけたおばあちゃんを批判しました。
周りに追いつけ追い越せと勉強に必死にならざるを得なかった境遇から、
蝶よ花よとかわいがられ、我が儘放題自由気ままな生活へと堕落したエリザベスちゃん。
当然、成績もどんどん落ちていきました。
そして、次の試験。
あのゲルマッハ君が、突然成績をぐんぐん伸ばして来ていました。
しかも、彼は落第してからおじいちゃんの影響もあって荒れ出し、
彼より成績が低い子はみんな彼の子分にならざるを得なくなってしまいました。
そして、ついに、フランソワーズちゃんが抜かれ、
もうすぐエリザベスちゃんに迫るところまで来てしまいました。
が、お父さんは、そのことを全く気にもとめていませんでした。
「なに、エリザベスは頭がいいから抜かれることはないよ。安心しなさい。」
エリザベスちゃんも、もうあのころのような過酷なお受験スケジュールの日々に戻るのはいやでした。
そのため、彼の楽観主義に甘え、ろくに勉強もしないままその日が来てしまいます。
結果は、惨敗でした。
かつてない惨憺たる成績を取ってしまったエリザベスちゃんは、
単位を落としてしまったばかりか、連日ゲルマッハ君の「子分になれ」という脅しに耐えなければなりませんでした。
彼は、自宅にまで押し掛け、強引に入っては家を荒らし回っていくのでした。
その後、更に成績を伸ばしていたアメリー君が、エリザベスちゃんに勉強を教え、
何とか彼女は幼稚園を卒業し、地球町小学校に入ることが出来ました。
地球町小学校は成績至上主義ではありませんでしたし、
ゲルマッハ君もアメリー君やロシアノビッチ君にコテンパンにされたので、
もう彼の恐怖におびえることもなくなりました。
が、彼女の怠け癖は、そのまま残ってしまったのでした。
その上、幼児期に厳しく躾られた彼女にとっては、遅すぎる反抗期が始まってしまいました。
おばあちゃんが何を言ってもろくに聞かず、酷い時にはぷいっと学校に行かなくなってしまいます。
お父さんは、自分の育て方がようやく間違っていたことに気付き始めてきましたが、
最早後の祭り。彼女の我が儘にただおろおろするばかり。
このままではいけない----
そう考え始めたのが、エリザベスちゃんのお母さんでした。
解説
KAMON ◆9awzJSYC0I
投稿日: 02/12/04 02:04 ID:IyKd0E6p
KAMONです。前回の続きから。
第1次世界大戦後〜第2次世界大戦後、
更に1970年代の「イギリス病」期を書いてみました。
パパのモデルは、労働党政権(特にロイド・ジョージ)です。
「悲しみの大戦」を経験し、エリート層を失い、倦怠期に入った大英帝国の中で、
労働党は、国のことよりも市民のことを優先する政策で大衆の人気を集めました。
誰も国のことを考えず、ナチスドイツの脅威を軽視し、
今の平和が永遠に続くと思いこんで利己主義に陥った英国に、
ナチスドイツが侵攻し、ロンドン市街を空爆したのでした。
戦後も、労働者のストが続発し、経済は滅茶苦茶になり、
労働党政策の弊害が「イギリス病」という形で出てしまったのでした。
これを克服するには、'80年代、マーガレット・サッチャーの登場を待たねばなりません。
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