戻る
<<戻る
|
進む>>
第1374話
ナナッシィ
投稿日: 03/01/12 21:05 ID:91kOuuDP
『ウリナラで食事しる!』
「ニホンがウリナラをもっと理解するため、ウリはニホンを今日の晩飯に招待するニダ!
しかもウリは太っ腹だから家族全員を招待してやるニダ!ニホンはウリに感謝しる!」
「え〜・・・でも前にお食事に誘われた時ひどい目に・・・」
「ニダァァァァ!来なければ謝罪(以下略)」
とまあこんな感じのムチャクチャないきさつで、
ニホンちゃん家のみんなはカンコ君家で晩御飯をご馳走になることになり、
ニホンちゃん家からはニホンちゃん、ウヨ君、パパ、ママ、
それにサヨックおじさんとアサヒちゃんが行くことになりました。
「このたびはお招きいただきありがとうございます」
「フン、日ノ本家はどうもウリナラを誤解しているようだから
今日は正しいウリナラの姿と歴史について十分に勉強しる!それで謝罪(以下略)」
ジミンさんの丁寧なお礼の言葉に対し、カンコックさんは玄関口でいきなりのウリナラ節です。
さっそく逆上したウヨ君が関の孫六を抜こうとするところを
ニホンちゃんとアサヒちゃんが急いで取り押さえました。
「ハハハ、それではしっかりと勉強させていただきますよ」
実ははらわたが煮えくり返っているのはジミンさんも同じですが、
そんなことおくびにも出さず見事な作り笑いで対応していました。それが大人。
カンコ君家からはカンコ君、チョゴリちゃん、カンコアボジ・オモニが参加することになり、
一つの部屋では入りきらないため、大人と子供で分かれることとなりました。
子供達のテーブルではウヨ君の提案により、ニホンちゃんから時計回りに
ウヨ君、カンコ君、アサヒちゃん、チョゴリちゃんの順番に座りました。
不満そうな顔をした約一名は、ウヨ君の鋭い眼光により沈黙です。
さて、食事の時間になりました。メニューはみんなでつつける鍋物:チョンゴルです。
「・・・ねえカンコ君、犬は入ってないよね?」
「お前達が嫌がるだろうから魚介類を主としたものにしてやったニダ。感謝しる!」
「まあ、素晴らしい気の使い方だわ。ニホンちゃんも見習わなきゃダメよ!」
「客人の嗜好にあわせた料理でもてなすのは当然だろうが・・・」
『グツグツグツグツ』
「そろそろ、食べられるニダヨ」
賑やかに会話を続けるメンバーを尻目に、健気に灰汁を取っていたチョゴリちゃんが言いました。
「わ〜い、私もうおなかぺこぺこ〜」
うれしそうに鍋をつつこうとしたニホンちゃんでしたが、何かが足りないことに気付きました。
「あれ、カンコ君、取り箸ってないの?」
「ケンチャナヨ、ウリナラでは鍋は自分の箸でつつくニダ」
〜カンコ君魂の雄叫び〜
「二、ニホンが口をつけた箸でな、鍋をつつくニダ・・・ハァハァ
二、ニホンの唾液が鍋に入るニダ・・・ハァハァハァハァハァハァ
そ、それをウリが、ウリが、こ、このウリがああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『さくっ』
ウヨ君のお箸がカンコ君の細い両目を捕らえました。
「¥#$%&’@*+£☆堰早I!!!!!!」
言葉にならない絶叫を挙げながら床をのた打ち回るカンコ君。
「も〜ダメじゃない武士、お箸を人に向けちゃいけないんだよ」
「ごめんなさ〜い姉さん、ついうっかり」
ニホンちゃんは可愛いゲンコツを作ってウヨ君を打つ仕草をしました。
「(・・・この場合、オッパの目を突いたのは問題にならないニダカ?)」
とりあえず取り箸を用意してもらって食べることにしました。
食事も進んできた頃、ニホンちゃんは喉が渇いてきました。
ニホンちゃん家のキムチと比べカンコ君家のキムチはとても辛かったのです。
「ねぇカンコ君、お水もらってもいいかな?」
「いいニダヨ。ホレ」
と言って赤い目のカンコ君が差し出したのは、先程自分が口をつけた水入りのどんぶりです。
「・・・カ、カンコ君?」
「ケンチャナヨ、ウリナラでは回し飲みが普通ニダ」
〜カンコ君魂の雄叫び〜
「ニ、ニホンがウリの口をつけたどんぶりでみ、水を飲むニダ・・・ハァハァ
二、ニホンはウリとか、間接チゥニダ・・・ハァハァハァハァハァハァ
そ、それを更にウリが、ウリが、こ、このウリがああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「えいっ」『さくっ』
ウヨ君のお箸がカンコ君の細い両目を捕らえました。
「¥#$%&’@*+£☆堰早I!!!!!!」
再び言葉にならない絶叫を挙げながら床をのた打ち回るカンコ君。
「も〜ダメじゃない武士、お箸を人に向けちゃいけないってさっき言ったでしょ」
「ごめんなさ〜い姉さん、ついうっかり」
ニホンちゃんは可愛いゲンコツを作ってウヨ君を打つ仕草をしました。
「(・・・ウヨ君、今『えいっ』って言ったニダ・・・絶対『うっかり』じゃないニダ・・・)」
そこでアサヒちゃんおもむろに立ち上がりニホンちゃんに熱弁を振るいます。
「ダメじゃないニホンちゃん!今日はカンコ君家の文化について勉強に来たんでしょ?
業にいれば業に従え、毒を喰らわば皿まで、さあこのどんぶりで水を飲むのよ!」
「・・・じゃあ、アサヒちゃん先に飲んでいいよ」
「な、何を言っているの?わ、わたしは一報道記者として真実と虚実を伝えることが義務であって・・・」
とりあえず、水は飲まないことにしました。
さて、お食事会も終わり、いまだ一人で悶絶しているカンコ君は放置して
ニホンちゃん達は辞去するべく大人たちの部屋にやってきました。
しかしそこではすっかり泥酔したカンコアボジ、ジミンパパ、サヨックおじさんが死屍累々。
それをカンコオモニとニホンちゃんのママが介抱しています。
呆然としているニホンちゃん達のとなりで、チョゴリちゃんがボソッと言いました。
「また、あれを飲んだニダね・・・」
「あれ・・・って?」
テクテク大人たちのテーブルに近づいたチョゴリちゃんは、
それを手に持ちニホンちゃん達に見せました。
「・・・爆・・・弾・・・酒?」
それはカンコ家名物の庶民的C級カクテル。
ビールに焼酎やウィスキー等をブレンドして飲むという天国への片道切符です。
ブレンドや飲み方・時代により、「原爆酒」「水爆酒」「中性子爆弾酒」「細菌爆弾酒」などがあり、
カンコ家破産時には「IMF型爆弾酒」なるものが流行していたという小粋なコリアンジョーク。
「もう〜前にオモニにやめろって言われてたのに!」
「は・・・はは・・・」
もはや、乾いた笑いしか出てこない日ノ本家の子供達でした。
「・・・いや、見苦しいところを見せてしまったな・・・」
「もう・・・あちらの旦那さんは町内一の大酒飲みって有名じゃない。
いくらお付き合いだからって、あんなに無理しなくても・・・」
ママに肩を貸してもらいながらも、ジミンさんは何とか歩いて帰れるまでに回復しました。
一方後ろではいまだ目が覚めないサヨックおじさんが、子供達にずるずると引きずられています。
「でも、今日は結構楽しかったよ。カンコックさんも案外話せる人だってわかったし。
お隣さんなんだから、これからはもっといい近所づきあいができたらいいねぇ」
「・・・でも、爆弾酒は止めてくださいね」
「は〜い、心からの反省と謝罪を致します」
「あら、賠償は無いのかしら?フフフフフ」
「ハハハハハ」
一方、宴のあとのカンコ君家では・・・
「まったく、ウリを誘わないだなんて不届き千万ニダ・・・」
ご機嫌斜めのキッチョム君がコソーリと食堂を物色していました。
「こうなったら、不良になって原爆酒も水爆酒も飲んでやるニダ!」
カンコオモニがいない間を見計らってキッチョム君は酒のグラスを手にすると、
中身も確認しないままそれを一気にあおりました。
『グビグビグビグビグビ』
「〜〜〜っくぅ〜〜〜〜〜、効くニダ〜〜〜!これでウリの体力は・・・・
ん?・・・なんか・・・調子が・・・・わ・・・・る・・・・」
キッチョム君、いきなりそのままぶっ倒れてしまいました。
やはりキッチョム君には爆弾酒はまだ早かったようですね。
ちなみにそのお酒の名は『北○鮮魚雷艇撃沈酒』というそうです。
おしまい。
(解説)
ナナッシィです。かの国の食文化からちょいネタを、というほど立派なものじゃないですw
鍋をつつく風景はある本からの引用です。
ちょっとだけ強調が入ってますが概ねこういう感じらしいです。
お酒の方は実在するそうで、なかなか笑わせてくれますね。
しかし、かの国の人はやはり飲まなきゃやってられないのでしょうか?
http://www.altasia.org/monsoon3/newspeople99_395.htm
http://jmm.cogen.co.jp/jmmarchive/r003011.html
この作品の評価
結果
その他の結果
選択して下さい
(*^ー゜)b Good Job!!
(^_^) 並
( -_-) がんばりましょう
コメント: