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第1420話 AYAORI 投稿日: 03/02/25 02:01 ID:qUHjgH6k
「日中韓A3シューキュー大会」

<その1>

シューキューは地球町で一番人気のあるゲームです。
特にEU地区や南米地区は人気・実力ともにトップクラスで、
残念ながらニホンちゃんの居るアジア地区はちょっと力が落ちてしまいます。
そこで、アジア地区の中では実力があり、場所も近いということで
ニホン家、カンコ家、チューゴ家の3家で強いデッキを持ち寄って
交流試合をして、アジア町のシューキューのレベルアップを計ろうと
いうことになりました。

カンコ家からは城南デッキ、チューゴ家からは大連デッキ、
そして、今回会場を提供するニホン家からは磐田デッキと鹿島デッキの
2チームが出場して、4チームの総当たり戦で試合をすることになりました。

1回目の戦いは城南デッキと磐田デッキの戦いで、調子の出ない磐田デッキが
城南デッキに0-2と完敗してしまいました。
「フフン、四強戦士のウリならば当然の結果ニダ!」
カンコくん、早速ウリナラマンセー節炸裂です。この大会に勝つために、
強力なカードを集めまくって、誰よりも早く練習に取り組んで準備していたと
いうことはナイショです。磐田デッキはダカーカードをゲルマッハ君家の
HSVデッキに貸してしまったのが影響したのでしょうか。
「……いいもん、次の鹿島デッキで頑張るもん」
<その2>

その鹿島デッキはチューゴ君の大連デッキとの対戦です。
鹿島デッキと大連デッキは以前、チューゴ君の家で対戦したことがあり、
その時は鹿島デッキが勝ったのですが、今回も地力に勝る鹿島デッキが
3-1と勝ちました。
「クッ、また鹿島デッキに負けたアル。でも、今回は途中からしか出せなかった
ハオ・ハイドンカードを次は最初から使うアルよ。」

次の戦いはチューゴ君の大連デッキ対カンコ君の城南デッキです。
カンコ君、相手がチューゴ君ということもあって、ちょっとビビリ入ってますが
アジア町ナンバー1のシューキューの実力を自認するカンコ君、
「い、いくらチューゴ君相手とは言え、シューキューで負ける訳にはいかないニダ!」
と気合いを入れ直します。ところが。
「フン。カンコ、これでも喰らうヨロシ!」
チューゴ君必殺のハオ・ハイドンカードが炸裂!なんとハットトリックを決められて
しまいました。カンコ君も2点を取ったものの、結局3-2で大連デッキが勝ちました。
「アイゴー!ま……まあチューゴ君相手ならちょっとは仕方無いニダ……。
そのかわり、ニホンの鹿島デッキはギッタギタに負かしてやるニダ!!」

次はニホンちゃん家同士の戦いです。この戦いにはウヨ君が飛び入り参加して磐田デッキを
使ったようです。ウヨ君はナカヤマカード、ナナミカード、ハットリカードを使うことが
できずに、結局ニホンちゃんの鹿島デッキが2-0で勝ちました。しかし慣れないウヨ君が
扱ったためか、ウヨ君操るニシノカードがニホンちゃんのヤナギサワカードを壊してしまう
アクシデントも発生してしまいました。
「武士……。」
「ごっ、ごめん姉さん!!ワザとじゃないんだよぉ!!」
ウヨ君、ヘビににらまれた蛙状態です。結局、次の試合は磐田デッキもニホンちゃんが
操ることに戻しました。
<その3>

さてこの大会、勝てば勝ち点3、引き分けで1、負ければ0というルールで、
合計の勝ち点が多いチームが優勝します。今までの状態で鹿島デッキが勝ち点6でトップ、
次に勝ち点3で並ぶものの得失点差で上回る城南デッキが2位、3位には大連デッキが
続いています。磐田デッキは勝ち点0で最下位です。

最終戦で鹿島デッキは城南デッキ相手に引き分ければ優勝が決まります。逆に城南デッキは
2点差以上で鹿島デッキに勝たなければ優勝出来ません。
「ニホンの鹿島デッキなんか5-0で下してやるニダ!ウリのサーシャカードの威力を
思い知るニダ!!」
カンコ君、鼻息荒くニホンちゃん操る鹿島デッキに挑みます。

しかしカンコくん、タイトルのかかった試合、しかも引き分けでもオッケーな状況での
鹿島デッキの戦い方を知りません。
「???」
カンコ君自慢のサーシャカードが鉄壁の守備を誇るアキタカードに封殺されています。
鹿島デッキはとにかく点を城南デッキに与えないようガッチリと守ってます。
「アイゴー!ニホンは卑怯ニダ!こんなのシューキューじゃないニダ!謝罪と(ry」
「こういう戦い方だってあるんだもん。卑怯じゃないもん。」
結局、スコアレスドローで引き分けに終わり、しっかりと勝ち点1を取った鹿島デッキが
優勝を決めました。
「アイゴーッ!!ニホンは許せんニダー!!」
<その4>

さてニホンちゃん連戦です。次は磐田デッキを操りチューゴ君の大連デッキが相手です。
流石に勝ち点0では格好がつかない磐田デッキ、何が何でも勝利が欲しいところです。
しかしチューゴ君も、ここで勝てば2位に上がれるので勝ちを狙いにいきます。

ところでこの試合、審判をカンコ君がつとめることになってます。
「ニホンなんかに勝たせてやらないニダ。惨めな気分を味わうといいニダ。」
何やら企んでいるようですね。

試合は一進一退の状況が続いています。と、ニホンちゃん、中盤で良い形になりました。
「よし、ナカヤマカード、2列目からの飛び出しよ!」
絶好の形でボールを受けたナカヤマカードがシュートを放ち、ボールはゴールに
吸い込まれます。
「やったぁ!」
「オフサイドニダ!」
「え?」
「今のはオフサイドニダ!ウリが審判だから言うこと聞くニダ!」
「・・・・・」
確かに、ギリギリの飛び出しだったのでオフサイドに取られても文句は言えないかも
しれません。ニホンちゃんはしぶしぶカンコ君の言うことに従いました。

次の瞬間、磐田デッキのフジタカードが大連デッキのカードを倒してしまいます。
「PKニダ!」
「ええーッ!」
「ウリが審判だからPKと言ったらPKニダ!」
「・・・・・」
確かにペナルティエリア内で倒してしまったのだから文句はいえません。
これもニホンちゃんは大人しく従いました。
結局PKを決められ。前半が終わってニホンちゃん1点ビハインドです。
<その5>

後半、1点を追いかけるニホンちゃんの磐田デッキ、ナカヤマカードが大連のカードの
バックパスをかっさらって猛然と大連ゴールに向かいます。その瞬間……
「オフサイドニダ!」
「ええーッ!ちょっと待ってよカンコ君!今のはチューゴ君のバックパスを
取ったんだよ?相手チームのパスをカットするのはオフサイドにならないよぅ!」
「うるさいニダ!ウリがオフサイドと言ったらオフサイドニダ!!」
「それってシューキューのルールじゃないよぅ……。」
「ウリが審判ニダ!審判に逆らうヤツは退場させるニダよ!」
「うう……。」
納得いかないニホンちゃん、しかし審判の権限を持ちだされては何も言えません。
そのまま釈然としない気持ちを抱えたままプレーを続けます。
結局調子を取り戻せないまま0-1で負けてしまいました。

「ザマー見ろニダ!ニホンは1点も取れないままビリニダァ〜!」
「うう……」
それまで淡々とプレーしていたチューゴ君がニホンちゃんに声をかけます。
「磐田デッキは調子が出なかったみたいアルな。でも、まあ鹿島デッキは
優勝したことだし、とりあえずおめでとうアル。」
「ありがとう。チューゴくんも2位だね。おめでとう。」
「ああ。」
「ニダ?チューゴ君が2位?ってことはウリの城南デッキは……」
「3位だよ。」
<その6>

カンコ君、ニホんちゃんの追い落としに夢中で、チューゴ君が勝てば城南デッキが
3位に落ちるということをすっかり忘れていたようです。
「アイゴォウ!!なんてことニダ!いやしかし、鹿島デッキ戦でサーシャカードが
ミスをしなければ5点は入っていたニダ!実質優勝したのは城南デッキニダ!
あんな引き篭もった戦い方したニホンが悪いニダ!ニホンは謝罪しる謝罪しる謝罪(ry!!」

「・・・・・」
ニホンちゃん、ドッと疲れが襲ってきます。
「ニホン、馬鹿は放っておいて行くアル。表彰式が始まるアルよ。」
「うん……」

表彰式でトロフィーを掲げるニホンちゃんを横目に
「ウリが実質優勝ニダ!ウリナラマンセェーッッ!!」
と、カンコ君の叫びが響く或る日の夜でした。

おしまい。

解説 AYAORI 投稿日: 03/02/25 02:36 ID:qUHjgH6k
初めての投稿でいきなり長文申し訳ありません(汗)。

ソースは先日行われた「日本・中国・韓国A3チャンピオンズカップ」です。
磐田vs大連の「大連のバックパスをパスカット→オフサイド」は、どこのTV局も
新聞も触れてなかったのでソース出せと言われても困るんですが、ドメサカ板の
ジュビロスレか、しお韓あたりで聞けばいろいろ出てくると思われます。
「実質5-0で優勝」も、しお韓から……(w。

余談ですが、会場では鹿島サポと大連サポの交流もチラホラ見られました。
ことシューキューに関しては、日本は中国といい関係を築けている……かも?
ついでに、鹿島と城南の試合後、選手同士友好的に挨拶してました。
とフォローしておきます(w。

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