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第1423話
大洞
投稿日: 03/02/26 21:38 ID:Ri82dxGZ
「白いカラス」
日が西に傾き、ほとんどの生徒が家路につくなか
ニホンちゃんは一人ブランコに乗りうつむいています
人がいなくなり、静かな校庭にブランコが揺れるたびに出す、きぃきぃという音だけが響きます
「姉さん、こんな事にいたんだ早く帰ろ、バカンコのいった事なんか気にすることないよ」
「ウヨ、白いカラスっていると思う?」
「は? 白いカラス? いないんじゃないかな、だって見たことないし」
「じゃあそれを証明できる?白いカラスはいないって」
「証明って、だって見たことないし」
「それはウヨが今まで見たことないだけで、ウヨがいったことない町にいるかもしれない」
「・・・・」
「千羽のカラスが黒くても白いカラスの存在を信じる人は『千一羽目は白いかもしれない』と
言うわ一万羽のカラスが黒くても『一万一羽目は白いかもしれないと』
無いものを否定する事は出来ないのよ」
「姉さん・・・・何が言いたいの?」
「ちょっとね・・・・」
「姉さん・・・・」
「よっと!」
ブランコから立ち上がるとニホンちゃんはいつもどおりの笑顔にもどりウヨの背中を叩きます
「な〜にしけた顔してるのよ! 帰りましょウヨ あんまり遅いとお母さんが心配するわ」
「ぐっ!なんだよ姉さん、それはこっちのセリフだろ! お返しだ!! エイ!!!」
「なにすんのよお姉ちゃんにむかって〜(笑 」
そんな二人のそばを白いペンキをもったアサヒちゃんが駆け抜けていきました
おしまい
解説・
『白いカラス』
超能力や幽霊など存在するか分からないものを完全に否定することは
事実上不可能であることのたとえ話によく使われるやつです
>「白いカラスはこの世に存在しない」という命題は証明できない。
>一万羽のカラスを調べて白いカラスがいなかったことを証明しても、
>一万一羽目が白いかも知れない。日本中のカラスを調べたとしても、
>アメリカにはいるかも知れない。世界中調べていなかったとしても、明日生まれるかも知れない。」
「超常現象の心理学 人はなぜオカルトにひかれるのか」(平凡社新書)より
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