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第1542話 書き人知らず 投稿日: 03/05/30 01:13 ID:WS3YyX+z
〜 空耳ケーキ 〜 その1

少年は腹が減りやすいものニダ・・・(カンコ 心の声)

珍しくニホンちゃんにからむこともなく、学校から帰ってきたカンコ君。 家ではチョゴリちゃんが、
おまんじゅうを食べていました。
「今日のおやつはまんじゅうか・・・しけてるなぁ。」 見るからに貧相なまんじゅうを横目に、カンコ君は
冷蔵庫を開けました。
なにやら甘い芳香がただよい、カンコ君の嗅覚をくすぐります。 どうやらその香りは、小さな箱からのようです。
その中には、白いクリームをまとったスポンジケーキが! 上には見るからに甘酸っぱそうなイチゴが、つつましく
お座りしています。
「ウリホ〜! ケーキニダァ!」
「オモニは「今日のおやつは、おまんじゅう」って言ってたよ。 食べちゃいけないと思うな。」
チョゴリちゃんの警告に、カンコ君は、しばし止まりました。
(ウリは成長期ニダ。 たくさん食べないと大きくなれないニダ。 小さいままではニホンにバカにされるニダ。
でも、オモニのアレは・・・)
そう、カンコオモニの体罰、もとい折檻、ではなく教育は、とても厳しいのです。 カンコ君が今まで受けてきた
それは、両手両足5人分でも数えられません。
カンコ君の心中では、悪魔がけしかけます。食っちゃえよと。 しかし、天使(いるのだろうか・・・)は、
こう言います。「あなたはお兄さんでしょう? 妹に言われて恥ずかしくないの?」
「食ったあと、箱ごと始末しとけ。 バレねぇよ!」
ワンパンチで天使はKOされ、カンコ君は突撃開始! とってもおいしいケーキは、あっという間にカンコ君の
胃袋へと落ちてゆきました。
「美味かったニダァァ!」 フィルムについていたクリームも、ちゃんと舐めとるカンコ君。 ちょっと
おげふぃんですよ。
「ム、食べ物を粗末にしないだけニダ! そんなことを言うなら謝罪(略」
・・・作者に突っ込むのは止めてください。
〜 空耳ケーキ 〜 その2

その日の夜。 冷蔵庫を開けたカンコオモニは、ケーキの箱がないことに気づきました。
すっとぼけるカンコ君。 しかし母親の目は、子供の全てを見透かす恐怖の視線なのです。「本当に知らない?」
「知らないニダ。」
「そう、ところで口を洗ってきなさい。 クリームがついているわ。」
えっ、と口の周りに手をやるカンコ君、カンチャンずっぽし、勝負アリ。
「やっぱりアンタね! 来なさい!」
「ウリは成長期だから、大きくなってニホンに負けないように、おやつも大事な栄養で・・・。」
「なにをワケの判らないことを言ってるの! だいたいアレはお客さん用のケーキで、あんたたちのおやつじゃ
ないの! そんな高いおやつ買うわけないでしょ!」
こうして、アジア町名物<カンコのアイゴー>は、今日も町じゅうに響き渡るのでした。

「お隣さんは、いつもにぎやかね。」 ニホンママが、呆れたようにつぶやきます。
そうねぇ・・・といいつつ、ニホンちゃんは箸をのばし、から揚げをつまみました。
「姉さん、それ俺のだぞ!」
「ずっと残ってるから、いらないのかと思って。」
「んなわけないだろ! あとで食べようと残してたんだ!」
「さくら! 武士! いいかげんにしなさい!」 とうとうニホンママのカミナリが落ちました。
どこの家も、似たり寄ったりのようです・・・。

解説 書き人知らず 投稿日: 03/05/30 01:16 ID:WS3YyX+z
>>77-78の作者です。

今回のネタもとは
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030526-00000099-kyodo-int
です。
まあこのあたりの話は、日本でもよくある話で・・・。

あと、ごく一部に私自信の実体験が・・・ケンチャナヨ。


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