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第1620話
名無しさん ◆B9.JhkARyE
投稿日: 03/08/15 16:38 ID:aOn1I4px
「散る花 咲く花」
「ピョンヤンを制圧したぞ、カイグンの方はどうだ!?」
「俺はコウカイで勝った、これで我が家は生き残れるぞ!」
命運をかけた日清喧嘩、予想外の勝利を収めました。
「これでよし、リョジュン、ようやく陥落だ」
「皇家の興廃この一戦にあり、各員一層奮闘努力せよ!!」
奇跡でした。圧倒的な力を誇るロシアノビッチ家に勝ったのです。
かって日之本家は今では考えられない程苦しい状況にありました。次々と襲い来る脅威、
しかしそれ等をなんとか凌いできたのです。その時いつも先頭に立ち闘ってきたのはリク
グンさんとカイグンさんでした。仲違いもし独善的なところもあった二人ですがいつも家
のことを考えていました。時は流れました。
「くそ、しぶとい奴等だ」
「だが数が違うぜ。何時まで耐えられるかな」
多くの敵に囲まれ二人は刀を振るっています。しかし多勢に無勢、次第に疲れ傷が増え
ていきます。
「まだだ、まだ倒れんぞ」
「これしきの傷・・・ぐふっ!!」
後ろから何者かが刃を突き刺してきました。ソレン家の者でした。
「ぐっ・・・・・・」
口から鮮血を噴き出します。がくり、と膝を地面に着きそうになります。
しかし二人は倒れませんでした。もう少しで膝を着く寸前で踏み止まりなんとか
立ち上がりました。
「くっ、まだ立ち上がるのかよ」
「死ぬのが怖くないっていうのかよ」
「死?その様なもの怖くともなんともないわ」
二人は不敵に笑いました。
「日之本家の為、家の者の為、その未来の為に」
「ここで倒れる訳にはいかんのだあ!」
刀を大きく振り被ります。そして雄叫びをあげ敵へ向けて突進していきます。夜
の闇に白刃の白銀色の光が煌きます。
「・・・これで終わりか」
「ああ。お互いよく闘ったな」
喧嘩場に立っているのは二人だけでした。他の者は全て立ち去り他には倒れた戦
士達が地に伏しているだけです。
「なんとかお家に雪崩れ込むことは退けたがこれまでだな。我々の負けだ」
「ああ、後は申し訳無いが兄上にお任せするしかないな」
二人が手に持つ敵の血と自身の血で紅く濡れた刀が粉々に砕け散りました。それ
と同時に二人はゆっくりと前に倒れていきました。
二人が亡くなって暫くしてニホンちゃんが生まれました。生まれたばかりの初孫を
ニッテイさんは愛しそうに抱きかかえました。
「・・・お前達か」
障子のところにリクグンさんとカイグンさんが立っていました。何も語らずただ微
笑んで立っています。
「お前達の想いと志、決して無駄にはせん。この娘はお前達が命を賭けて守った価
値があるだけの娘になる。絶対にな。だから・・・何時までもあの場所で暖かく見守
っていてくれ」
ニッテイさんの腕の中でニホンちゃんが目を覚ましました。そしてニッテイさんと
二人の顔を見て笑いました。
その笑顔を見て二人はもう一度優しく笑いました。満足したのか足下から消えてい
きました。
「もうすぐわしも行く。その時が来たら皆でこの家の行く末を見守っていこうぞ」
縁側に出て空を見上げました。蒼い空が天高く澄み渡っています。その中に浮かぶ
二つの雲がありました。ニッテイさんとニホンちゃんを見て優しく笑っているようで
した。
解説
名無しさん ◆B9.JhkARyE
投稿日: 03/08/15 16:42 ID:aOn1I4px
『たとえ花が散ろうとも』と同じくリクグンさんとカイグンさんの話を。
お盆用の作品です。
http://db.gakken.co.jp/jiten/na/404170.htm
http://homepage2.nifty.com/emem/nichiro/topn.htm
http://www.qmss.jp/qmss/pac-war/history.htm
http://www.shalom-web.com/kenchan/history/nenpyo2.htm
http://www.tanken.com/kamikaze.html
以前二人を美化し過ぎとのご指摘がありましたが僕個人としましては靖国
の英霊のことを考えるとこういったふうに書きたいです。
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(*^ー゜)b Good Job!!
(^_^) 並
( -_-) がんばりましょう
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