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第1672話 有閑工房1 投稿日: 03/10/04 11:41 ID:Uvv466qE
『おべんと おべんと』

 秋晴れの朝、今日は低学年の遠足で、ウヨ君とザイ君、ザイニーちゃんは出発も早い
のでいつもより早目に登校です。
「いいなあ、今日みたいに天気が良かったら遠足楽しいよね。私もがっこいこーっと。」
 少しして少々不満そうにニホンちゃんも学校に向かいます。子供たちを送り出した後は、
ジミンパパとニホンママには少しくつろげる時間です。
「ふう。遠足はお弁当作らなきゃいけないから大変よ。」
「おや、そういいながら結構楽しそうじゃないか。」
ニホンパパ、愚痴を漏らすニホンママをからかいます。
「それは…もう、意地悪ねあなたは。ええそうですよ、食べた後でおいしかったって
言われるのが楽しいからですよ。」
 なんだか二人とも新婚当事に戻ったみたいにいちゃついています。お熱いことで。
「あら、たいへん。」
「ん?どうした?」
「ザイ君お弁当忘れてる。」
「おいおい、あいつは相変わらずあわてんぼうだな。まあいい、僕も時間があるし、
届けてくるよ。」
「もう、慌て者はわかるけど、ちょっと面白くないわね。」
「まあそうすねるなって。自転車借りてくよ。」
「え?車で行かないの?」
「そんな大げさにしたらザイ君も嫌がるだろ。」
 ジミンパパは気軽にそう言うとニホンママの自転車『うきしま』号に乗って颯爽と
出かけます。しかし学校の正門が見えたところでこともあろうにバスがちょうど道路
に出てくるところでした。ジミンパパ慌てて追いかけます。当然バスは気が付きません。
ジミンパパは冷静に『3年地球組』のバスを見つけると追いかけはじめます。
「ザイくーーーん!おべんとーーー!」
 ジミンパパは必死にバスを追いますが、勿論追いつくわけがありません。それを
ヨハネ君が見つけてウヨ君に尋ねます。
「ねえウヨ君、あすこにいるのは君の父さんじゃないかい?」
「え?まさか…。あ、本当だ。何してんだろ?」
「きっとウヨ君が心配で追いかけてきたんですよ。」
「えー、まあ気持ちは嬉しいけどちょっと恥ずかしいなあ。別に一生会えないわけでも
ないし。」
「それが主なる御一人子イエスキリストの教えにもある愛と言うものです。嗚呼美しき
かな親子の情愛。それは人の作り出す万物の営みに勝るとも勝らない…」
「お前の説教はいい。おーい、コルシカ、トランプしよーぜ!」
 ヨハネ君は自分の言葉に酔ってウヨ君がいなくなったのにも気が付きませんでした。
ジミンパパ、車内の事情に勿論気づかず追いかけますが、アメリー君がいたずら半分に
撒いていたマキビシをふんずけてタイヤがパンクしてしまい、遂に転んでしまいました。
バスは無情に走り去っていきます。
「あたたたた…。ザイ君もあわてんぼうだな。どうしようこのお弁当…帰ったらママに
何言われるか…」
前輪がひん曲がった自転車を押して、ジミンパパは取り敢えず家に帰ることにしました。
 さてその日の夜、ザイ君がいつまでたっても帰らないのを不思議に思いつつ日乃本家で
晩ご飯を食べている途中…
「ニホォーーン、謝罪シルーーーーー!」
 年中やってくる風物詩のように例の叫びが玄関の方から近付いてきます。心なしかいつも
より足音が多い感じです。
 バターンと勢い良く引き開けられた戸の向こうには、カンコ君、キッチョム君、シャミン
ちゃんにザイ君が立っています。
「どうニダか!今日はキッチョム兄との生ステレオでお送りしたニダ!感謝シルニダ!
ついでにいつもの三倍増しで賠償するニダ!」
 どうりで叫びにヘンなビブレーションがかかっていました。無意味な事に情熱をかける
ものだとニホンちゃん素直に感心してしまいましたが、賠償の三倍増しに根拠が見出せ
ません。ま、理不尽なのはいつものことですが…。
「それで、今度は何なのかな?」
 顔のバンソコウをさすりながら、先にジミンパパが問い掛けます。カンコ君は三人を
代表して尊大に言い放ちました。
「ハッ!ニホンもしらばっくれるのだけは上手くなったニダ(いや、聞いたのはジミンパパ
なんですけどね)!忘れたとは言わせないニダ!今日の遠足でザイの奴はお弁当がなくて
えらい赤っ恥をかいたニダ!ニホンの家にいながらザイはこんなにもひどい仕打ちを受けて
いるニダ!それは人として許してはならないニダ。ニッテイ36年の仕打ちにも飽き足らずに
何でこんなひどい仕打ちを続けるニダ!ニホンはまだまだまだまだまだまだまだまだ反省が
足りないニダッ!よってニホンは謝罪シルッ!賠償シルッ!勿論ここにいる全員にニダ!」
 カンコ君をはじめ、三人とも凄い剣幕です。ただ一人ザイ君は浮かぬ顔。きっと後ろめたい
心がどこかにあるのかもしれません。
「ニホン、お醤油とってくれ。」
「はい、どーぞ。」
 しかし食卓を囲む日乃本家の面々は、カンコ君の長広舌を聞き終えると何事も無かったの
ように団欒に戻ります。
「ウ、ウリたちを…」
「ところでニホン、最近うちも何かと物騒だろう?」
 カンコ君が言い出す前にジミンパパが強引にニホンちゃんに話し掛けます。
「うーん、どうかなあ?わたしはお父さんがいてくれたらいつでも安心だよ。」
「ハハハ、嬉しいことを言ってくれるねえ。けどパパもいつもニホンの傍に居れるわけでもない
からね、こんどまた警備員を増やすことにしたんだ。」
「ふーん。そんなに危ないかなあ?わたしはだいじょうぶだよ。」
「親っていうのはいつでも子供が心配なんだよ。勿論ウヨもザイ君もザイニーも大事だよ。」
 にこやかにジミンパパはニホンちゃんに答えます。そして話を聞いているうちに段々顔色が
青くなってきたザイ君にも軽く目配せをします。それだけでザイ君は黙って食卓につき、
シャミンちゃんも歯列矯正器を気にしながら家に帰ってしまいました。ずっと無視されていた
キッチョム君はいつのまにかいなくなっています。
 あとに取り残されたカンコ君、しばらくファビョっていましたが、仕方なしにすごすご帰って
しまいました。約一名を除いて楽しい団欒の席にあの声がこだまします。いや、こだましかかった
ところで止められてしまいました。
「ア…アイ…」
「カーンーコーーここにいたニダかぁーー!」
 どどどどど…という擬音をつけたいくらいの勢いでカンコパパが日乃本家の玄関に殺到して
きます。
「あ、アポジ、来たニダか!実はニホ…」
 カンコ君の言葉は下顎にめり込んだアポジの拳で掻き消えます。
「ア、アポジなにするニダか!」
「しょんなことはどうでもいいニダ!カンコ、ウリは今日から独立するニダ!カンコ家の将来を
考えるとこうするしかないニダ!勿論カンコもウリに隷属するニダ!事大するニダ!親に子が
従うのは当然ニダ!」
 カンコ君、何がなんだか解りません。そうでなくても最近のアポジは言う事に脈絡が無く、行動
にも全く一貫性がありません。正直そんな父親に『ついてこい』と言われて、素直に『当然ニダ!』
と言えない心境です。
「どいつもこいつもウリをパカにするニダ!もう我慢ならないニダ!ウリはたとえ掘っ立て小屋
でも新しい家を作って真のカンコ家を想像するニダ!事実や現実ケンチャナヨーニダ。さあカンコ
も付合うニダ。」
 そう言ってカンコ君の返事も聞かずアポジはカンコ君を引きずっていきます。ところでアポジ、
取り敢えず今日寝るのはどうするんです?
「当然野宿ニダ!」
 そう誇らしげに言われても困るんですが…ともあれ、改めてカンコ君の叫びがこだますることに
相成りました。
「ア、アイゴォーーーーーーーーーーーー!」

おしまい

解説 【解説】有閑工房【ソース】 投稿日: 03/10/04 11:47 ID:Uvv466qE
解説・繰言・交渉不調
※ 今回は断末魔の叫びにも似た浮島丸訴訟の件を中心にして。狙い定めたゴシップってのは、中国の
買春騒動や毒ガス兵器遺棄事件をこの時期にぶつけてくることを言うのになあ。悔しいけど政略の悪辣
さでは中国がいい模範だね。勿論皮肉だけど。
※ ザイ君のお弁当は帰国事業での帰還船です。ジミンパパが転んで届けられなかったのが例のあれで
す。勝手に来ておいて国に帰せと叫び、アメちゃんのせいで船が沈めば賠償を請求し、返したら返した
で強制送還呼ばわりし、帰らなかった連中は都合のいい権利ばかり要求する。ほんま半島人は『癌』以
外の何者でもないな。
※ 警備員増員は先の警視庁大増員計画。なんでも1万人増やすそうです。
※ 後半のアポジの電波は飯嶋酋長の離党騒ぎ。北のスピーカーに成り下がり、党内調整も出来ずに進
んでボロ小屋に移り住む。気が知れんわほんま。あの国らしいと言えばそれまでだけど…

※あまり直撃していないソース一覧
↓なんで日本の市民団体がピョンヤンにいるんだYO…
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030930-00000110-mai-soci
↓今回の晒しちゃん。俵のホームページ。なんかさあ、こういう連中って…
ttp://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/index.html
 ↓紹介したのは下のリンクがあるから。当の本人たちが言ってるんだから間違い無いんで
 しょ『戦後補償裁判一覧表』良くもまあ次から次へと。
 ttp://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/sengo%20hoshou.html
↓警察官増員関連 警察も本気だ。
ttp://www.sankei.co.jp/news/030826/0826sha041.htm
↓酋長離党。このネタぐぐるといくらでもひかっかるけど…
ttp://news.fs.biglobe.ne.jp/international/ym20030929i411.html

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