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第1693話 名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 03/10/24 03:37 ID:JRC4ZJV7
               「歌に生き 愛に生き」
 今日も女の子に声をかけるマカロニーノ君。クラスの女の子はもうなれっこです。
 「ニホンちゃん今日うちに来ない?スカラでニホンちゃん家を舞台にしたオペラやるんだよ」
 「『蝶々夫人』か。うーーん、けどあれってわたしの家と微妙に違うし・・・」
 押しの弱いニホンちゃんなんかはいつも口説かれています。そしていつもやって来るあの天敵が。
 「ほう。『フィデリオ』はやらないのか」
 「あれはベートーベンの作品にしてはいまいち・・・ってうわあっ!」
 アーリアちゃんです。長身のマカロニーノ君と同じ位の背の彼女に頭を掴まれます。
 「御前には節操というものが無いのか?さっき私には『ローマで『魔弾の射手』やるけど来ない?』
と言っていたな。その舌の根も乾かないうちに」
 「ま、まあ演奏にもよるし・・・」
 「ほう、私の見たところ蝶々さんはかなり人を選ぶ役だがな」
 目が座わっています。
 「ま、まあ二人共良かったら来てよ。パスタもワインもあるし」
 「だから小学生という事を無視するな」
 「あれっ、アーリアの家でも飲んでなかったっけ」
 「だから設定を無視するなと言っているのだ」
 「まいいや。来る?来ない?」
 聞いちゃいねえ。
 「わたしはいいけど・・・アーリアちゃんは?」
 「そうだな。プッチーニも嫌いではない。いいか」
 おおっ、意外な趣味ですね。
 「私がプッチーニを聴いて悪いか?」
 いえ。
 さてデートの待ち合わせ、藤色の着物を着たニホンちゃんと黒ズボンのアーリアちゃん。
しかしアーリアちゃん何かイライラしている様です。
 「待ち合わせはいいが何時来るのだ、あいつは」
 「アーリアちゃん、もう時間を二十分も過ぎてるよ」
 腕の時計を見てニホンちゃんが言います。そこへようやく登場。
 「やあ、女神達に会いたくて急いで来たよ」
              C R A S H
 アーリアちゃんの必殺ブローが炸裂。
 「い、痛いなあ何するんだよ」
 「急いでいる奴が二十分も遅れるか?御前の時計はどうなっているのだ?」
 「時計?そんな事気にしてちゃ駄目だよ」
 よく見たらマカロニーノ君の時計は三十分遅れています。どうも壊れているみたいです。
しかし全く気にしていません。
 「じゃあ行こうよ。ディナーを食べてから行こう」
 かくしてマカロニーノ君家の料理に舌づつみを打った後オペラです。
 「結局蝶々夫人か」
 アーリアちゃん少し残念そうです。
 歌劇も終わり三人は劇場を後にしました。
 「良かったね」
 「うむ。演出も演奏も素晴らしかった」
 「歌も良かっただろ?やっぱり歌はああでなくちゃ」
 身振り手振り付きで言います。
 「マカロニーノ君って歌をまず見るのね」
 「そうさ、何と言っても『歌劇』なんだから」
 「確かにそうだが演奏や演出も大事だ。全てが良くなくてはな」
 完璧主義のアーリアちゃんらしい意見ですね。
 「参ったなあ、歌は第一じゃないのかい?」
 「そうは言ってはいない。だが他をおろそかにしては駄目なのだ」
 「うーーん、演出家みたいな事言うなあ」
 マカロニーノ君渋い顔です。
 「まあいいや。夜は長いんだし語り明かそうよ。ワインもあるし」
 「だからそれは止めろ」
 「いいじゃないか。たまには設定や規則を無視するのもいいよ」
 「・・・おい、一言言っておくが規則は絶対に守れ」 
 「固いなあ、アーリアは。たまにはハメを外そうよ」
 「御前はいつも外しているだろうが。今度時間に遅れたら冬の北池を寒中水泳してもらうからな」
 「そんなああーーー」
 「うふふ」
 情け無い顔になるマカロニーノ君。そんな二人のやりとりを笑いながら見るニホンちゃんでした。

解説 名無しさん ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 03/10/24 03:42 ID:JRC4ZJV7
 今回のソース。
ttp://www.geocities.co.jp/SilkRoad/1310/italiano.html
ttp://minori.interfree.it/back/italia_20030730.html
 イタリアで憎めないな、本当に。
 オペラはこっち。タイトルもプッチーニの名作「トスカ」のアリアから取りました。
ttp://homepage2.nifty.com/pietro/storia/puccini_madama_butterfly.html
 どうもイタリアオペラが歌に比重が重くドイツが演出の割合が高いのは
ヴェルディとワーグナーの影響かも。

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