戻る
<<戻る
|
進む>>
第1745話
無銘仁 ◆uXEheIeILY
投稿日: 04/01/19 12:47 ID:AhBZWfhx
「我が偉大なる革命的商法」
ニホンちゃんは打ちあげ花火が好きなので、ときどき花火を買ってきては
打ちあげて遊んでいます。
いつもは上手に打ちあげて上空に綺麗な花を咲かせるのですが、
ここ数回は続けて失敗してしまい、すっかり落ち込んでしまいました。
「どうしよう……別の方法でもう一回やってみようかな……」
「あぁあ、また無駄遣いしちゃって。チューゴ君は上手にあげたのにねえ。
いっそのことチューゴ君から花火買ったら」
あきらめずに頑張るニホンちゃんを、アサヒちゃんがはやし立てます。
「そういえばチューゴ君も花火をあげたんだったっけ」
「そうよ。すごいでしょ。ロシアノビッチに打ちあげ方を教わったって聞いたわ。
近頃は懐が寂しいとか言って、教授料を取るかわりに奥義を授けたって」
「ふうん、それで上手くいったんだね」
ニホンちゃんは大空を見上げたまま、生返事をしました。次の打ちあげで
頭がいっぱいのようです。
この顛末を見ていたキッチョム君は、いいことを思いつきました。
「ロシアノビッチのまねをしてウリも花火を売りまくれば、もうかるに違いないニダ。
これで……これでやっとまともな飯が食えるニダ」
すきっ腹をさすりながら感慨にふけるキッチョム君ですが、はてさてそう上手く
いくのでしょうか。
なんと、お客さんはすぐに見つかりました。イラク君です。不良少年の
イラク君は、番長のアメリー君から態度を改めるよう迫られていました。
そこで、もし喧嘩になったら花火を使おうと考えたのです。
「ようキッチョム。とりあえず『のどん』花火をくれ。大至急だ。金は払う」
小学生とは思えないひげを蓄え、小学生とは思えない台詞を吐くイラク君。
キッチョム君も欠食児とは思えない肥満体を揺らしながら応じます。
二人が肩を寄せ合う様は、さながら時代劇の悪代官と悪徳商人のようです。
「前金1000円よこすニダ。ブツは後日受け渡しを行うニダ」
イラク君は前金を払うと花火を受け取る日を決め、急いで帰って行きました。
アメリー君が留守を狙ったら大変ですからね。
さて、約束の日がやってきました。ところが、決めた時刻になっても、
キッチョム君はいっこうに現れません。
焦ったイラク君はキッチョム君に電話を入れました。
が、つながりません。何度かけてもお話中になるのです。
「ええいくそ、あいつは約束を守ることも知らねえのか」
やけになって何度もかけ直していると、何十回目かでようやくつながりました。
「やいキッチョム、てめえよくもかつぎやがったな」
「諸般の事情で、のどん花火の用意が遅れてしまったニダ。
もう数日待ってほしいニダ」
「もういい。いらねえから金を返せ」
「それはできないニダ。アメリーの奴が迫ってる今はあまりに危険ニダ」
「ふざけんな、とっとと返すんだ。こらキッチョム何とか言わねえか、お――」
ガチャ。ツーツーツー……。
イラク君は激怒しましたが、アメリー君との駆け引きに忙しかったので、
それ以上の追求はできませんでした。
数日後、ついにイラク君はアメリー君と喧嘩をしましたが、腕力にまさる
アメリー君にこてんぱんにやられてしまいました。今では暴れた罰として、毎日
トイレ掃除をやらされているようです。めでたしめでたし……かな。
「それにしても、あのキッチョム君を信じるなんて、信じられないよ」
「今まで信じ続けてたのはニホンちゃんだろ。だめだよ、そんな弱気じゃ」
「そんなことよりアメリー君さあ、イラク君をいつまで身勝手にいじめるのよ」
「ああもう、アサヒちゃんは黙ってて、話がこじれるからっ」
「ウリの偉大なる革命的商法で、大もうけニダ。ウェーッハッハッハ」
みんなも悪徳商法には気をつけましょうね。
おまけ
「チューゴ君は無知だからアイヤーと言って喜んでる」
「ちょっとニホンちゃん、余計なこと言わないでよ。せっかくあたしが大成功の
記事書いたのに」
この作品の評価
結果
その他の結果
選択して下さい
(*^ー゜)b Good Job!!
(^_^) 並
( -_-) がんばりましょう
コメント: