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第1789話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/17 21:47 ID:NhCn8mVR
             「腰を下ろせば鹿の」
 ナコルル改めアイヌちゃんのお部屋は日之本家のホッカイの間にあります。ここは
広いお庭がある緑豊かなお部屋です。
「私こういうのんびりしたところが好きなんです」
 彼女は自然を愛する娘です。動物達も大事にしています。
「動物は好きですよ。だってお友達ですから」
 彼女は博愛精神の持ち主なのです。こういうところは何処かニホンちゃんに
似ています。
 しかし時としてそれが仇になります。今彼女の部屋は少し問題が起こっている
のです。
「鹿が増えてしまって・・・・・・」
 鹿は外見は可愛いですが結構大食です。そして廊下を横切るのに邪魔になったりします。
「どうしたらいいでしょうね」
 彼女はニホンちゃんに尋ねます。
「う〜〜〜ん、そうねえ・・・・・・」
 ニホンちゃんもナラの間で鹿にはかなり悩まされています。ここの鹿はとにかく
根性が悪くひねくれているのです。
「下手にやっても復讐されるし殺しちゃうのも可哀想だし」
 色々と考えます。しかし結論は出ません。
 しかし結論は出ません。とりあえず大人の人に相談してみました。
「鹿ねえ」
 いたのはニホンパパさんでした。パパさんは大学で先生をしているので
こうしたことは得意です。
「お父さん、いいかな」
「ああいいよ。今は暇だしね」
 パパさんは優しい笑顔で答えました。
「じゃあまずはアイヌちゃんの家に行こう。話はそれからだ」
「はあい」
 三人はホッカイの間に向かいました。

 見れば鹿が部屋中にいます。食べ物を食い散らかし糞をしています。
「う〜〜ん・・・・・・」
 パパさんはそれを見て考え込みます。
「確かにこれは多いな」
 しかも鹿の角がかなり伸びていて危険な状況です。中にはオオツノシカ
みたいなのもいます。
「しかし間引くのもなあ」
 そう言いながらチラリとニホンちゃん達を見ます。
(子供達に悪いし)
 あれこれ考えます。
「とりあえずはこの部屋から鹿を減らさないとな」
 パパさんは二人に鹿せんべいを持って来させました。
「これどうするの?」
「うん、これでね」
 せんべいを砕きそれを床に撒いていきます。
「こうして他の場所へ連れて行くんだ」
「あ、これならいいね」
「ええ。鹿も喜んで付いて来ますし」
 こうして鹿は他の場所に誘導されていきます。そこはナラ
の間でした。
「ここなら問題ないだろう。他に鹿が一杯いるし」
「うん、この鹿さん達にもお友達が出来たしね」
「会いたくなればナラに来ればいいですし」
 二人はパパさんの行動に喜びました。
「ハハハ、そんなに喜んでくれるなんてな」
 しかしこれはこれで問題がありました。
 とにかく凶暴で食い意地が張って図々しいので悪名高いこの
鹿達ですがアイヌちゃんの鹿もすぐに染まってしまったのです。
 破壊力は倍増、もうやりたい放題で家の人達や遊びに来た
お友達に迷惑をかけまくっています。
「・・・・・・上手くいかないね」
「・・・・・・うん」
 鹿の角を切りながら頭を垂れて話す二人でした。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/17 21:50 ID:NhCn8mVR
 今回のソース。北海道では鹿が増えているそうで。鹿ってすぐに
増えるんですよね。特に奈良の鹿は。しかも凶暴だし。奈良の鹿は大台ケ原
でも増えて迷惑をかけています。オチは春日と大台ケ原両方に共通する話です。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040306-00000415-yom-soci
ttp://www.kasuga-hotel.co.jp/event/shika/shika.htm
ttp://www.kumanolife.com/Topics/8..4.html
 春日大社の鹿は滅茶苦茶性質が悪いので注意して下さい。油断してたら頭突き
かまされたことがあります。角生えてたら大怪我だったな。

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