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第1802話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/26 23:52 ID:fFcXtVTF
                  「無神経」
 既に次の大会への準備が始まっているシューキュー大会ですがカンコ君だけは違います。
何とまだ前の大会で四強に入ったことを言っているのです。
「ああ、あの史上最低の大会かよ」
「二度と見たかねえよ」
 あの時の大会の話になるとクラスの皆は忌々しげに吐き捨てます。とにかくあの大会は
皆にとっては不愉快極まる大会だったのです。
「特に審判カードは破り捨てろ」
 皆そう言います。あのモレノカードは皆の憎悪の的となっています。
 その悪名高きモレノカードですがカンコ君家ではレジェンドカードになることに
なりました。
「何イイィィッ!?」 
 皆それを聞いてカンコ君に対しあからさまに怒りと侮蔑のの目を向けます。
「ニダッハッハッハ、ウリナラの輝かしい偉業を称えるニダ!」
 皆の怒りなぞ目にも耳にも入りません。カンコ君一人上機嫌です。
「そしてこのカードも記念品にするニダ」
 彼はそう言って二枚のカードを取り出しました。
 
「・・・・・・・・・」
 それを見た皆もう呆れて何も言いません。何とそのモレノが大活躍した
マカロニーノ君との試合でマカロニーノ君の家の看板トッティカードを退場
させた時の二枚の警告カードです。
「これこそウリナラの栄光の証ニダ、ウリナラマンセー!」
 カンコ君は一人絶叫しています。しかし皆もうカンコ君に対して言葉を
失っています。マカロニーノ君の方をチラリ、と見ます。
「いや、僕はあまり気にしていないよ」
 彼は顔を真っ青にしながらも言いました。
「アーリア」
 そして必死に平静を装いアーリアちゃんに声をかけます。
「今日は君をデートに申し込みたいんだけど」
「・・・・・・いいぞ」
 いつもはぶっ飛ばす筈の彼女も今日は優しい言葉で了承しました。
「何処でもいいぞ。今日は最後まで付き合おう」
「・・・・・・有り難う」
 マカロニーノ君は笑顔で頷きました。そして二人で教室を後にします。
 彼は目では泣いていませんでした。しかし背中で泣いていました。
「ニダッハッハッハ、ウリナラの栄華はまだ続くニダ!」
 カンコ君はまだ言ってます。しかし皆はそんな彼から目を離しマカロニーノ君
の格好いいけれど痛々しいその男振りに心を痛めていたのでした。
 その夜カンコ家に黒服の男達がやって来ました。
「またあいつか。うちの坊ちゃんに恥かかせたのは」
 見るからに柄の悪そうな連中です。
「シューキューで懲りてないとはな」
「いっちょ懲らしめてやるか」
 そう言うと鍵をこじ開け家の中に潜入しました。そしてカンコ君の枕元に来ました。
 カンコ君の部屋を家捜ししています。
「おい、カードを見つけたぞ」
 枕元を漁っていた一人が言いました。
「よし、燃やしとけ」
「おう」
 ライターでカードに火が点けられます。カードはどれも燃やされました。
「あれは持って来てるな」
 男達の中の一人が言います。
「おう」
 別の一人が答えました。そして何かをカンコ君の枕元に置きました。
「これでよし。目が覚めたら驚くぞ」
 それを見た彼等はニヤリ、と笑いました。
「うちの報復を思い知れ」
 かくして黒服の男達はカンコ家を去りました。

 翌朝
「ふう、よく寝たニダ」
 カンコ君背伸びしながら目を覚まします。
「さあカードは・・・・・・」
 枕元を見ます。しかしカードは一枚もありません。替わりにあるのは。
「アーーーーイーーーーゴーーーーッ!」
 血塗られた馬の笑う生首が描かれたカードを見て絶叫するカンコ君
でした。マカロニーノ君はともかく家の人には気をつけましょう。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/26 23:57 ID:fFcXtVTF
 韓国サッカー界の貴公子のボールと例の審判の服とカードが寄贈された話です。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/03/08/20040308000017.html
 オチは映画『ゴッド=ファーザー』より。モレノがイタリアン=マフィアに
始末されたという噂もありましたので。
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~movie/ko-page/godofa.htm
 しかし買収を公言するような行動を。何を考えているのか。

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