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第1814話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/28 02:13 ID:d3pLrsmg
                  「LONG ROAD」
 カンコ君は自分の家の歴史にとても誇りを持っています。その為自分達
が他の家の人達にどう書かれているかとても関心があります。
「ウリは一体どれだけ格好よく書かれているニダかな」
 興味の趣旨こそあれですがその関心の高さはニホンちゃんよりも上です。
従ってその中身を見たりもします。
「ちょっと見せて欲しいニダ」
「おい」
 そして皆のを見てみます。
「さてさてウリの人気は・・・・・・」
「さて、と」
 皆これから予想される事態に備えます。

 −数分後ー
 ワナワナワナワナワナワナワナワナ
 カンコ君が怒りで全身を震わせています。
「これはどういうことニダ・・・・・・」
 キッと皆を睨んで言います。
「そのまま」
「ありのまま書いただけよ」
 皆素っ気無く言います。
「これの何処が本当のことニダ!」
 カンコ君ファビョーーンして叫びます。
「ウリナラは属国などではないニダ!アメリー君やチューゴ君の手下になった
こともニホンの子分になったこともないニダ、これは完全な誤りニダ!」
「何処がだよ」
「現に今だってそうじゃねーーか」
 皆それに対して冷めた声で言います。
「それが誤りニダ、ニホン池というのも間違いニダ、あれは東池ニダ!」
 カンコ君必死に力説します。もう必死です。
「黙れ、カンコ」
 そこで誰かが言いました。
「!?」
 皆声がしたほうを振り向きます。見ればコユンちゃんがいます。
「お前がそんなふうなのだから我が一族は町の皆から馬鹿にされ忌み嫌われる
のだろう。いい加減に学習しろ」
 皆よりさらに冷たい声で言います。
「な・・・・・・」
 これにはカンコ君も皆も絶句です。
「少なくともボクはお前のそんな破廉恥な行動は絶対に許さない。どうしても
というのならボクを論破してからにしろ」
「グギギ・・・・・・」
 カンコ君顔を真っ赤にしています。
「フン、まあ今日はいいニダ」
 カンコ君プイッと背を向けました。
「だが覚えておくがいいニダ。ウリは自分が格好悪く書かれることは
絶対に許さないニダ」 
 そう言ってその場を去りました。
「フン、馬鹿者が」
 コユンちゃんはその背中に向けて言います。
「おい・・・・・・」
 皆はそんな彼女に声をかけようとします。
 ジロリ
 しかし彼女の視線の前に沈黙してしまいます。皆はその威圧感に押され
その場を後にしました。
「カンコ君の馬鹿・・・・・・」
 一人になったコユンちゃんは顔を俯けて呟きました。
「・・・・・・どうしてなの」
 コユンちゃんはポツリと言いました。 
「どうしてありのままに受け入れて自分を正しくしようって出来ないの・・・・・・」
 その瞳は泣いていました。彼女はそのまま一人で泣いていました。
「・・・・・・・・・」
 それを遠くから見る娘がいました。
翌日コヨンちゃんはアメリー君とチューゴ君に絡まれていました。
「おい、僕のやり方に不満があるらしいな」
「お前の一族がうちに逆らうとはどういう了見アル?」
 普段は微妙な関係の二人もこういう時には絶妙のコンビネーションを
見せます。
「別に何も」
 コヨンちゃんはそんな二人をいつものクールさで無視しようとします。
「おい待てよ」
「逃がさないアルぞ」
 二人はそんな彼女を呼び止めます。
 皆何も言えません。止めに入るような力のある面々は折り悪く最初から
何処かに行っていていません。
「言っておくが女の子でも容赦はしないぞ」
「手加減はしないアル」
 そして段々危険な雰囲気になります。
「おい、まずいぞ」
 皆が言います。
「それがどうしたの」
 コヨンちゃんも引きません。
「連中止められるのは・・・・・・」
 今いるメンバーではニホンちゃんだけ。しかし彼女は一旦本気で
怒ると手がつけられない諸刃の剣です。
「まずいな」
 しかしそんなところに一人の少年が現われました。
「二人共、止めて欲しいニダ!」
 何とカンコ君です。バッとコヨンちゃんと二人の間に入って来ました。
「え・・・・・・」
 これには皆ビックリです。コヨンちゃんまでもが呆然としています。
「どうしてもというのならウリを殴るニダ。コヨンは女の子、しかも
ウリの同胞ニダ!」
 カンコ君コヨンちゃんを後ろに庇って言います。
「おい、マジかよ」
 それを見た皆が言います。
「・・・・・・しょーーがねーーな。今日は御前に免じて許してやるか」
「気が変わったアル」
 二人はそれを見て踵を返して言います。そして何処かに立ち去って
いきました。
「コヨン、大丈夫ニダか!?」
 カンコ君コヨンちゃんに言います。
「・・・・・・フン」
 コヨンちゃんそんなカンコ君から顔を逸らします。
「どういうつもりか知らないけれど大きなお世話だ。ボクはお前なんかに
助けてもらう程弱くはないし暴力には屈しない」
 冷たく言い放ちます。
「・・・・・・それならそれでいいニダ」
 カンコ君はそれを聞いても怒ることもなく言いました。
「だが礼だけは言っておくか。有り難う」
 そしてプイッと身体も向けて教室を後にしました。
「ニホンちゃん、これでいいかな」
 廊下を歩いていくコヨンちゃんを見ながらさっきの二人がニホンちゃんに
言います。
「うん、有り難う」
 三人は教室の出口のところにいます。
「確かにカンコ君ってあんなふうだけれどね。けれどああした一面もあるんだ」
「意外アルな」
「コヨンちゃんああした態度取ってるけれど本当の気持ちは違うんだ。だから
カンコ君のいい面も知ってもらいたいの」
「成程ね。それで僕達に頼んだのか」
「まあ報酬は得たアルからいいアルけれどな」
 二人もそう言っていますが実は報酬など受け取ってはいません。
「コヨンちゃん本当はカンコ君が好きなんだ。だけどカンコ君にもっと立派に
なって欲しくてあんな態度とってるの」
 ニホンちゃんはコヨンちゃんの後ろ姿を見ながら言いました。
「けれども今のカンコ君のいいところも知って欲しいの。そうしたらもっと
好きになれるから」
「そうか」
 それを聞いた二人は微笑んで言いました。
「成程ね、ニホンちゃんは優しいな」
「あいつが惚れるのも無理はないアル」
「えっ、誰が!?」
 それを聞いて逆にキョトンとするニホンちゃん。
「まだ気付いてないのか・・・・・・」
「鈍感なのもここまで来ると・・・・・・」
 ニホンちゃんのあまりもの鈍感さに呆然とする二人でした。
 三人の向こうには目の前に誰もいないのを幸いに一人顔を俯け手の甲で
ぐしゃぐしゃになってしまった整った中世的な顔からとめどなく溢れ出る
涙を拭きながら歩くコヨンちゃんがいました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/03/28 02:20 ID:d3pLrsmg
 今回のソース。他の国の教科書に文句を言ってもはいそうですか、と
言うのはつい最近までの我が国だけだよ。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/02/27/20030227000026.html
 後半はかなり創作。韓国にもいい部分はありますしそれまで否定するのはね。

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