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第1846話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/04/28 17:01 ID:j1af4J54
                     「置物」
 今カンコ君の家は流行のリフォーム中です。今まで何かとゴミゴミしていた
のを片付けて見栄えよくしようとしています。
「ほら、兄さんもやるニダ」
 チョゴリちゃんはボーーッとしているカンコ君に対して注意します。
「わかってるニダ、チョゴリはいちいち口やかましいニダ」
「兄さんは口うるさく言わないと動かないニダ。少しはきちんと働くニダ」
 カンコ君は妹に言われ嫌々家の片付けに参加しました。片付けているうちに
一つの紙粘土の人形が出て来ました。
「兄さん、それ何ニダ?」
 チョゴリちゃんはその人形を見て尋ねます。
「これはウリが小さい頃作った銅像ニダ。イースンシン提督の人形ニダ」
 昔トヨトミとの戦いで活躍した人です。
「アボジに作れと言われて作ったニダ。苦労して作ったら珍しくアボジに
褒められたニダ」
 カンコ君はその時のことを思い出し嬉しそうな表情をしました。
「兄さん、それはよかったニダな」
 チョゴリちゃんも兄のそんな表情を見て嬉しい気持ちになりました。
その顔がほころんでいます。
「けれど」
 しかしここで表情を元の険しいものにしました。
「邪魔ニダ。何処かへやってほしいニダ」
「この人形をニダか!?」
 カンコ君その言葉に対し凄く嫌そうな顔をします。
「これはウリがアボジに褒められた数少ないものニダ、これを捨てる
のだけは嫌ニダ」
 彼は何時になく必死の表情で妹に対し言いました。
「じゃあ他のを何とかするニダな。そしてその人形は何処かへやるニダ」
「・・・・・・わかったニダ」
 カンコ君は彼にしては珍しく元気のない声で答えました。
「しかし一体何処にやるニダ・・・・・・」
 答えたもののいい知恵が浮かびません。
「大体それもこれもニホンのせいニダ。この人形もニホンの家の
トヨトミとの戦いがもとニダ・・・・・・」
 いつも通りニホンちゃんに責任転嫁をはじめました。
「二ダッ!?」
 その時あることに気がつきました。
「そうニダ、ニホンのせいニダ。だったらニホンに見せ付けてやれば
いいニダ。ニダッハッハッハ、ウリはいつもながら頭がいいニダ」
「また馬鹿なことを考えているニダね・・・・・・」
 チョゴリちゃんはそんな兄をいつもの呆れた目で見ていました。
 後日ニホンちゃんがカンコ君の家に呼ばれた時です。玄関のところに
あの人形が置いてありました。
「カンコ君、この人形何?」
 ニホンちゃんは尋ねました。
「それはイースンシン提督の人形ニダ」
「ふうん」
 ニホンちゃんはいつも聞いていることなのでカンコ君の自慢げな声も
聞き流しています。
「じゃあチョゴリちゃんの部屋に案内して。わたし今日はチョゴリちゃんに
お呼ばれしたんだし」
 そう言ってその人形の前を通り過ぎました。
「ま、待つニダニホン、これはイースンシン提督の人形ニダ、ニホンが
怖がる人形ニダぞ〜〜〜〜〜」
 しかしニホンちゃんの背中に描かれた紋を見てその顔が凍りつきました。
「アイゴ〜〜〜〜〜、その家紋も駄目ニダ〜〜〜〜〜〜っ!」
「?」
 走り去っていく兄を見て不思議に思ったチョゴリちゃん、ニホンちゃんの
振袖の背中を覗き込みます。
「成程ニダ」
 そこには円の中に十字が書かれた家紋が描かれていました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/04/28 17:05 ID:j1af4J54
 今回のソース。李瞬臣提督の銅像です。
ttp://japanese.joins.com/html/2004/0409/20040409192548700.html
こっちが清正公の銅像作ったら怒るだろうな。うちの祖父の故郷熊本ですが。

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