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第1856話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/07 22:27 ID:tiSt+dP8
                「命懸け」
 ニホンちゃんとアメリー君、チューゴ君、カンコ君がボートに乗って
釣りをしていました。急にカジキの体当たりを受けボートが沈みそうになって
しまいました。
「これでサメが出たら老人と海ニダな」
「こういう時に余裕ぶっこいてんじゃねーーーー!」
「大体あの話は船は沈まないアルぞ!」
 必死の形相の二人に早速怒られるカンコ君でした。
 そうこうしている間にボートはさらに沈んでいきます。浸水がもう
止まりません。
「ど、どうしよう・・・・・・」
 気の弱いニホンちゃんはもう真っ青になっています。とりあえず
ボートの中の中を探します。
「良かった、これがあったぜ」
 アメリー君が何をを見つけ出しました。それは救命胴衣です。
「丁度人数分あるアルな、これで何とかなりそうアル」
「じゃあ早速着けましょう」
 こうしてそれぞれに胴衣が手渡されました。しかし。
「・・・・・・ちょっと待て」
 皆その胴衣を見て目が点になりました。
 何とそこに書いてある文字はカンコ君の家の文字なのです。当然
他の三人は殆ど読めません。
「・・・・・・読んでみろ」
 三人はカンコ君に読ませようとします。しかし。
「・・・・・・読めないニダ」
 カンコ君は俯いて答えました。
「そりゃどういうことだ!?」
「ちゃんと説明するよろし」
 ボートはさらに沈んでいきます。もう膝から下は水に浸っています。
「漢字が入っているニダ」
 カンコ君は哀しい声で言いました。
「ちょっと待て、御前は自分の家で書いた文字が読めないのか!?」
「ウリナラは偉い両班の家ニダ、だからアボジが見栄を張って見よう
見真似で書いたニダ、ウリは知らないニダ!」
「御前は自分が読めねーー字を使うのかよ」
「・・・・・・だから漢字を勉強しておけと言ったアル」
 いまさら言っても後の祭りですが言いたくもなるものでしょう。しかし
ここで救いの女神が現われました。
「わたし、半分位なら読めるけれど」
「やった!」
 喜ぶ二人。しかしここでカンコ君がファビョーーンです。
「待つニダ、ウリが読めないのにニホンが読める筈ないニダ!チューゴ君
なら漢字が読めるニダ!」
「・・・・・・字が汚なすぎて読めないアル」
 カンコ君、相手が相手だけに怒れません。アメリー君がたまりかねて
言いました。
「仕方無い。僕が書いておこう」
「アメリー君、もうそんなことしてる時間ないよ」
「・・・・・・そうだった」
 もうボートは顛覆寸前です。
「どうしよう」
「・・・・・・どのみちこの胴衣は使えないアル。泳いでいくしかないアルな」
「そうなのよねえ、トホホ」
 こうして四人は泳いで岸まで行きました。途中やっぱり出て来たサメ
に襲われたりと散々でしたが何とか辿り着きました。
「さてと・・・・・・」
 アメリー君とチューゴ君はカンコ君を取り囲みました。そして
思いっきり問い詰めます。
「この救命胴衣についてアルが」
 まずチューゴ君が口を開きます。
「字を変えろ。せめて二つの家の言葉を使え。何なら僕が書いて
やるよ」
「・・・・・・それは嫌ニダ」
 しかしカンコ君はそれに対し首を横に振りました。
「何でだ!?」
「これはウリナラの救命胴衣ニダ!それに他の家の文字を使う
ことはウリナラの誇りが許さないニダ!それだけは嫌ニダ!」
「そうか、よくわかった」
「ではいつものフルコースアル」
 二人の目が光りました。そして袋にされるカンコ君でした。
「・・・・・・変に意地を張らなきゃいいのに」
 それを横目で見るニホンちゃんの意見でした。以後カンコ君は
漢字を強制的に勉強させられ胴衣にアメリー君の家の字で説明を
書くよう義務付けられたという話です。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/07 22:31 ID:tiSt+dP8
 今回のソース。救命胴衣がそれではまずいでしょう。
ttp://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/04/27/20040427000048.html

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