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第1869話 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/19 01:11 ID:p75z8THK
                「それでも欠かせない仲間」
 紫苑ちゃんの行いは一向に収まりません。アラブ組のメンバーと喧嘩を
したりパレス=チナ君と喧嘩をしたり。結局誰が何を言っても聞きません
し止めるつもりもありません。
「アメリーの事情もわかるけれどな」
 アメリー君の家は彼女の家の人達の影響が強いのであまり強くは言えません。
彼自身も本当は言いたいのですが言えないのです。
 こんなクラスの状況は彼女自身もわかっています。そこで考えた彼女は
クラス会で皆に自分のいいところをアピールしようと考えました。
「皆、聞いてくれるかな」
 彼女は壇上に登って皆に尋ねました。
「・・・・・・いいよ」
 皆それに対して醒めた目で答えました。口では言いませんが皆彼女がクラス
で一番のトラブルメーカーだと考えているのです。
「皆私のこと誤解してない!?」
「・・・・・・・・・」
「私は本当は被害者なのよ」
 のっけからこれです。
「私の家はマカロニーノの家に追い出されてからずっと町を彷徨って
いたわ。そして皆に苛められてきた」
「・・・・・・それはそうかも知れないけれど」
「ナッチ会やソ連家にはどれだけやられたか。それでも私達はくじけ
なかったわ」
 全く空気が読めていません。ゲルマッハ君やロシアノビッチ君が
嫌な顔をしているというのに。
「私は今まで必死に努力してきたわ。自分の家を、家族を守る為にね。
皆、そんな私を嫌いになんかならないわよね」
「いい加減にしろ!」
 それを聞いた皆が激昂しました。
「聞いてりゃあ一人だけ不幸だ、頑張った、苦労しただって。そんなの
皆そうなんだよ!」
「そうだそうだ、御前一人が苦労ばかりしてきたように言うな!」
「な・・・・・・!」
 紫苑ちゃんは皆のその言葉に対して絶句します。
「何よ、私が間違ってるとでも言うの!?」
「そんなの自分で考えろ!」
 皆一斉に言いました。
「・・・・・・わかったわよ」
 彼女は目を怒らせたまま言いました。
「こんなクラス出て行ってやるわよ!私のこと認められないなんて
最低ね!」
「勝手に出て行け!一人で好きなことやってろ!」
「じゃあそうさせてもらうわ!」
 彼女はそう言って教室を飛び出して行きました。
「紫苑ちゃん、待って!」
 ニホンちゃんがそんな彼女を呼び止めようとします。かれど皆
そんな彼女を制止しました。
「いいよ、行かなくて」
「けど・・・・・・」
「いや、今は行っちゃいけない」
 皆はニホンちゃんを止めました。
「けれど」
「ニホンちゃん、確かに君の気持ちもわかるよ」
「でしょう、だから」
「だからこそ今はあいつに何も言ってはいけないんだ」
 皆がニホンちゃんに対して言いました。
「少しはあいつも頭を冷やした方がいい。あのままだとあいつに
とっても良くないしな」
「けど・・・・・・」
「わかったね、今はそっとしておくんだ」
「うん・・・・・・」
 こうして紫苑ちゃんは暫く放っておかれることになりました。彼女は
学校に来ませんでした。それから数日。

 ある日の給食の時間。紫苑ちゃんは教室に姿を現わしました。
「・・・・・・・・・」
 無言で自分の机に向かいます。そこには給食がもう用意されて
いました。
「これって・・・・・・」
 紫苑ちゃんは驚いて皆の方に顔を向けました。
「どうした、早く食べろよ」
「そうだ、折角用意したんだからな」
 皆は彼女に対して言いました。
「うん」
 彼女はそれに従い席に着きました。そして食べはじめます。
「早く食べろよ。食べ終わったら皆でドッヂボールするからな」
「御前もいないと面白くないからな」
「うん!」
 紫苑ちゃんは食べ終わると皆と一緒にグラウンドに出ました。
そしてドッヂボールをはじめました。
「今は彼女も頑なだけれど」
 ニホンちゃんはそれを見ながら思いました。
「けれど何時か全部打ち解けていつもこうして遊べるようになるよね。
仲間だから」
 それには多くの困難が待ち構えていることでしょう。けれど人間の
世界というものは不可能だと思われる可能なことの方がずっと多いの
です。始めてみなければ何もわかりません。ニホンちゃんはそう
思いました。

解説 熱血君 ◆O4x3A1GrPw 投稿日: 04/05/19 01:14 ID:p75z8THK
 今回のソース。欧州での反ユダヤ主義ですか。くすぶり
続ける問題だなあ。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040428-00000197-kyodo-int
あと下がっていたのであげておきました。

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