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第1902話
書き人知らず
投稿日: 04/06/16 21:06 ID:qmrDFQL9
〜 Sunnyday Sunday 〜
空はどこまでも青く、そこに浮かぶわた雲が夏の訪れを予感させる、6月の日曜日。
休みの日だというのに、地球小学校のグラウンドにはたくさんの子供たちが来ていました。
ソーセージの焦げる香ばしさ、それは大人子供を問わず、吸い寄せるチカラがあります。 そんな
吸い寄せられた集団の中で、ゲルマッハ君は熱い鉄板相手に、ソーセージをこれでもかと転がしていました。
横では焼きあがったソーセージにケチャップたっぷり、マスタードちょっぴり塗るアーリアちゃん。
ほどよく焼けたソーセージを手にとった子供たちは、お口のよこに赤いものがつくのも忘れ、むしゃぶり
ついていました。
「お兄ちゃん、レタスあと2個しかないよ。」
「もうないのか。 クーロイ、1箱追加頼む。」 アメリー君兄弟はハンバーガーです。
ハンバーグを焼くアメリー君、パンを焼くパツキン君。 それらを手際よくはさんでいくラスカちゃん。
さすが流れ作業の本家本元、といったところでしょうか。
できあがったハンバーガーは、冷める暇ももらえず、集まったみんなの胃袋へ落ちていきます。
ほかほかとした湯気が立ち上り、なぜか甘い香りがする一角では、大きな釜でご飯を炊き上げるコンビがいました。
「うん、塩加減OK。 さあ握るわよ。」
「海苔と梅干もいいぜ、姉さん。」
ニホンちゃんとウヨ君、二人の手の動きは精密機械そのもの。 白いおにぎりは黒い海苔のベルトを巻いて、
塩味がピリッとします。 入っていた梅干に目を白黒させる子供もいましたが、それはご愛嬌。
今日はボランティアの日。 裕福な家は、そうでもない子供たちにせめてもと、炊き出しをする日なのです。
集まった小さな子供たちは、「おなかいっぱい食べる幸福」を心ゆくまで味わっていました。
しかも、みんな礼儀正しい子ばかり。 たどたどしくお礼を言う姿は、まさに天使の様。 たまには、
ただ持っていくだけの子供もいましたが。
オレンジ色が大空のキャンバスを染めていく夕刻、集まった子供たちも三々五々と家路につき、人影も
まばらとなりました。 頃合というものでしょう。 炊き出し組も片付けを始めました。
〜 Sunnyday Sunday (その2) 〜
「武士、お疲れさん。 帰ってお風呂に入りましょう。」
「オレ当分の間、腕あがんないかも。」 おやおやウヨ君、剣道で鍛えた腕も限界ですか。 まあ、朝から
おにぎりを作り続けたのですから、当然でしょうね。
そんな二人の前に現れた風雲。 ペンと紙は手放さない、自称<天声のライター>アサヒちゃんです。
「お疲れさま・・・と言いたいところだけど。 ニホンちゃん、おにぎりの数少ないんじゃない?」
「そんなことないよ。 たしかに去年よりお米の量減らしたけど、アメリー君と同じくらいはあるし、
ほかのお家よりも多いよ。」 疲れたところにこれではたまりません。 ニホンちゃん口をとがらして反論します。
「そんなことじゃだめだめ。 もっとたくさんおにぎり作って配ってあげなさい。」
「でも、家もあんまり余裕なくなって来てるのよ・・・」
ニホンちゃん、いちおうの言い訳をしたのですが、その程度では<天声のライター>には勝てないのでした。
「もしもニホンちゃんが困ったときに助けてくれたり、なにかをしたいときに賛成してくれる味方を増やさなきゃ。
そのためには、ね。 わかった?」
おやおや、最後はお説教ですか。 アサヒちゃん、得意満面です。
「うん、アサヒちゃんの言いたいことはわかったよ。 ところで、ひとつ聞きたいことがあるんだけど。」
「なあに?」
「ニンニクの香りがするけど、ギョーザでも食べたの?
解説
書き人知らず
投稿日: 04/06/16 21:11 ID:qmrDFQL9
ものすごく久しぶりに話を書きました。
覚えていただいてるみなさん、ありがとうございます。
「再びアジア理想を掲げるため! ニホンちゃんよ! 私は帰ってきたぁぁぁぁ!!!」
すぐにいなくなっても石はなげないでください。
あ、そうそう今回のソースです。
ttp://www.asahi.com/business/update/0613/006.html
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