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第1929話
ab-pro
投稿日: 04/07/14 16:40 ID:dZ5gcnjJ
少し前の冬のこと。
ニホンちゃんはクウジ兄さんに連れられて、三沢と名付けられ
ている日ノ本家の庭の一角にやってきました。
ここには、クウジ兄さんとアメリー家の警備員が一緒に働いて
いる場所なのです。
「しかし参ったな。夜の新雪が綺麗だからって、遊んでいるう
ちに庭で迷子になるなんて・・
・・・ちょっとやばいかな?」
月明かりに照らされた白銀の世界を、無邪気に走り回るニホン
ちゃんの姿を目で追いながら、クウジ兄さんは思案顔です。
とは言っても、別に遭難云々という危険はありません。現に近
くに家の明かりが見ているのですから。
その時です!
「フリーズ!」
突然の警告とともに、強力なサーチライトに照らされる二人。
その光の元には、銃をこちらに構えたアメリー家の警備員の姿が
ありました!
「オーケー!アイム、クウジ!
サクラ。怖くないから、絶対動くなよ!」
冷や汗を垂らしながら両手を上げたクウジ兄さんと、訳も分か
らずキョトンとしているニホンちゃん。
雪のために現在地が分からず、ついついアメリー家との領域の
境界を超えてしまった二人に、容赦なく実弾の込められた銃を突
きつけるアメリー家の警備員。
結局、二人が無事解放されたのは、日ノ本パパが迎えに来た後
のことでした。
その暫く後。日ノ本家の玄関。
銃を持ったリクジさんが、玄関に入ってこようとする車に停止
を求めていました。
「こんにちは。日ノ本家に何かご用ですか?」
ニコニコしながら運転手に話しかけるリクジさんに、目深に帽
子をかぶった運転手が、これまた愛想良く答えます。
「はい。銃弾の配達に参りました^^」
その言葉に慌てて銃を構えようとするリクジさんよりワンテン
ポ早く、運転手が物陰から突き出した銃が火を噴きました!
「や、やられた!!」
地面に倒れ込むリクジさんを尻目に、アクセルを踏み込まれよ
うとする暴漢を乗せた車に、今度は玄関の脇から連射された火線
が集中しました。
フロントガラス一面に咲いた赤いペンキの花。
「見敵必殺!」
そう言って玄関脇の茂みから姿を現したのは、見事に暴漢役の
クウジさんを狙撃したカイジさんです。
「状況終了!」
日ノ本パパの声に、それぞれ立ち上がってパパのところに集ま
るリクジ・カイジ・クウジの三人組。
「うーん。リクジ君は名誉の戦死だね。警備方法をもう一回練
り直してみよう」
そしてイラク家のサマワの砂漠。
リクジさんが出張でお仕事に来ているキャンプ地に続く一本道。
早朝だというのに、カンコ家製のマイクロバスに乗った一団が、
一路リクジさんのキャンプ地を目指していました。しかし、
「止まれ!」
もう少しでキャンプ地というところで、サマワのイラク家の警
備員達が設置した検問がマイクロバスを止めます。最近物騒なの
で所々に検問が設けられていました。
「誰だ?どこに行く?」
車の中を覗き込むサマワの警備員達に、運転席の男が答えます。
「ご苦労さんです、御同輩。この先に行きたいんだが」
そう言って、ナジャフの間の警備員の身分証明書を見せる運転
手。しかし、運転手を含むマイクロバスの11人全員が普段着で
すし、時間も時間です。何かがおかしいとサマワの警備員の直感
が囁き続けています。
「では、他の人たちの身分証も確認します」
その言葉は、気まずい雰囲気と沈黙で報われました。
サマワの警備員達は目配せすると、すかさず手にしていた銃を
車に向けて突きつけて怒鳴りました。
「よし、全員身柄を拘束する。おとなしく車から降りろ!」
結局、マイクロバスの男達はおとなしく拘束されましたが、車
の中からたくさんの銃が発見されたのです。
こうしてサマワの警備員によって事なきを得たリクジさんのキ
ャンプ地。
後になってこの事を知ったニホンちゃんは、日ノ本家でリクジ
兄さん達の無事を心から祈るのでした。 END
解説
ab-pro
投稿日: 04/07/14 16:42 ID:dZ5gcnjJ
まずはソースから。
知り合いの自衛官から聞いたのですが、警備勤務のために基地
内の見回りに出た同僚が何時までたっても帰ってこない。そのう
ちアメリカの方から身元の照会が来て、本作と同じ理由で米側の
立ち入り禁止区域に入り込んで米兵に拘束されていた事が判明。
なんでも、例え自衛官でもそう言った場合不審な行動をとれば
実弾が飛んでくるとか^^;
二つめは、今年たまたまリクジの施設警備訓練を見る機会があ
ったのですが、駐屯地への出入り業者を装ったテロリスト役二人
が、車を使ってゲートの突破を試み、激しい銃撃戦(空砲)を目
の前で繰り広げてくれました。
判定は、ゲートで車の対応に出た自衛官、二名が死亡、二名が
重傷。その後テロリストはゲートの障害物を越えようとしたとこ
ろで射殺というものでした。
で、最後のソースは
http://www.sankei.co.jp/news/040710/kok074.htm
今のところ続報がないので彼らの目的は不明ですが、もしその
ままキャンプの前まで来ていたらと、肝が冷えるお話ですね。
ところで、このスレで起きた騒動の当事者達は、一様双方がこ
のスレから旅立ってしまい、当事者はもういません。
いろいろ寂しい限りですが、ここは前向きに心機一転と行きた
いところですね
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