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第2057話
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/11/25 01:20:25 ID:nhufCamJ
「悪夢の法則」
ロシアノビッチ君には極めて深刻な悩みがあります。言わずと知れた
『あの』法則です。
「まだ大丈夫だな」
鏡の前で言う言葉はいつもこれです。彼の目はいつも自分の頭に向け
られています。
「禿ない、俺は禿ないぞ」
パパさんの頭をチラリと見る度に自分にそう言い聞かせます。とにか
く髪の毛を気にしています。
「アルコールは関係ない、食べ物にも注意している」
彼はとにかく細心の注意を払っています。
「頭も的確に洗っている、間違っても禿たりはしない筈だ」
クラスでも同じく気にしているゲルマッハ君とも話して対策を講じて
います。禿ない為には今からです。しかし、これには一つ冷徹なる事実
があります。それは『禿る時は何をしても禿る』ということです。
「だが君のお父さんは禿ている。あの法則から言えば大丈夫だろう」
「ゲルマッハ、おめえ一つ大切なことを忘れているぜ」
「大切なこと?」
彼はそれを聞いて首を傾げずにはいられませんでした。
「何かあるのか」
「俺の間に誰か入るかも知れねえだろ」
「しかし普通は親から子供だろう」
「うちの家じゃわかんねえんだよ。色々あるからな。それに実はな」
「実は?」
「俺に兄貴と姉貴がいるのは覚えているな」
「そういえばそうだったな」
もう誰も覚えていない話でした。さしものゲルマッハ君ですらとう
の昔に忘れていた話です。
「お兄さんとお姉さんは元気か。最近お会いしていないが」
「知っていると思うか?何処にいるのかさえわからねえのに」
ソビエトスキーさんは今他の町に、ミグ姉さんはあちこちで警備員
をしています。何時何処にいるか掴めない状況なのです。
「兄貴が戻るか姉貴が結婚して家に戻って来たらどうなると思う?」
「当然どちらかが家を継ぐな」
「その後で俺だ。そうしたらこの髪の毛は」
自分の髪の毛を指差します。今のところは綺麗な金髪です。
「なくなるだろうな、見事に」
「あっさりとこの世の終わりを言うんじゃねえよ」
「安心しろ、僕も同じだ。男の家族は皆禿だ」
「そうだったな。すまねえ」
「いや、いい。事実だからな」
将に同病相哀れむといったところです。
「気をつけているんだけれどな・・・・・・。けれどあの法則が」
「遺伝は怖いぞ。僕の家なんか先祖代々皆禿ている。僕もいずれは・・・・・・」
「ああ、そうなんだよな。遺伝も法則も怖いよな」
今から自分達の未来が怖くて仕方ない二人でした。
解説
熱血君 ◆O4x3A1GrPw
投稿日: 04/11/25 01:23:12 ID:nhufCamJ
今回のソース。ロシアの禿の法則。
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/7769/rekishi/hage.html
ゲルマッハ君はやっぱり西原理恵子さんの漫画より。できるかなリターンズだっ
たかな。
以前ネタにしましたがこれソロでやってみました。ロシアノビッチ君のお兄さん
とお姉さんって滅茶苦茶初期の設定でしたが。
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