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第2122話 シェロ 投稿日: 05/01/23 00:41:10 ID:ZxMjfAFn
「鶏肉の隆起」

AM2:00、踏み切りに望遠鏡を担いでった。
ラジオが言うには、今夜雨は降らないらしい。
「アメリー君!・・・っ、ごめんね、待った?」
ニホンちゃんが息を切らしてやってきた。
「ん、今来たばっかりさ。って、何だよその荷物」
自分とそんな変わらないくらいのドラムバッグを担いできたニホンちゃん。
あのさ、キャンプしに来たわけじゃないんだから。
「あ、え、えへへ。ほら、今日寒いし、それに、アメリー君の役に立つもの持ってきたほうが良いかなって」
ちょっとはにかむニホンちゃんの頭を軽く撫でて、俺は望遠鏡を組み立てる。
「・・・でも、ホントにあたしでいいの?」
「ん?なにが?」
「あたし、ただ好きなだけで見てただけだし、アメリー君みたいに家族みんなでやってるわけじゃないし・・・」
ニホンちゃんはそう言うと、口ごもる。こういう子だってのは、知ってたけど。
「・・・・・・馬鹿だな。ニホンちゃんが好きだから、俺は呼んだんだよ」
「えっ・・・・・・」
「好きなんだろ?星」
「えぁっ、あ、そっち?・・・う、うん」
ニホンちゃんは顔を真っ赤にして俯いてそう言った。そんな恥ずかしいこと、俺言ったか?
「星追っかけるのが好きで、自分で色々やってたら、何か色々見っけた。
 そういうことが出来ることって、凄いと俺は思うよ。
 ・・・・・・さ、始めようか。ほうき星を探しに行こう」
ちょっと寒くなってきた。後ろからニホンちゃんを包み込むようにして、二人で望遠鏡を覗き込む。

見えないものを 見ようとして。

解説 シェロ 投稿日: 05/01/23 00:49:02 ID:ZxMjfAFn
趣味高じてNASAに“協力”…彗星観測の研究員(読売新聞)という見出しを見てエイヤっとw

個人的に趣味で天体観測を続け、電機メーカーからぐんま天文台研究員に転職した河北秀世さん
NASAの「ディープ・インパクト計画(彗星の構造の探査)」に協力するらしいです。

すごいね。と俺は思いました。


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