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第2135話
シェロ
投稿日: 05/01/30 20:14:44 ID:NdvAWLij
「傷だらけの少女」
♪ピーンポーン
晩御飯を食べ終わって、リビングでカンコくんからもらったビデオをニホンちゃんが見ているときに、呼び鈴が鳴りました。
「さくら、お客さんかな。ちょっと見ておいで」
「はーいパパ。どなた様で・・・あっ・・・」
ニホンちゃんが玄関のドアを開けるとそこには、小さなリュックを背負っている女の子が立っていました。
「クルちゃん・・・・・・」
「へへ、またトルコと喧嘩しちゃった。
悪いんだけど、ちょっと今日泊めてくれない?
オレ、エリザベスちゃんにも断られて行くとこないんだよね」
クルちゃんは、絆創膏の張られた鼻を擦りながら言いました。
喧嘩してすぐ飛び出てきたのでしょうか、彼女の服はところどころ破けています。
「頼むよ。今日ホント寝る場所ないんだ。アラブ班の子とも喧嘩しちゃってるし。何でもするからさ、ね?」
クルちゃんは捨て犬のような目でニホンちゃんにすがります。でも、
「・・・・・・ごめんね、あたしんちムリなんだ。パパに言われてるから。
他の子、当たってくれるかな?ごめんね」
ニホンちゃんは顔を曇らせて、そう言いました。
「・・・っっ!そんな、頼むよ。今日だけでいいの。お願いだから!」
「ごめん!ホント無理!ゴメンね!」
食い下がるクルちゃんを締め出すように、ニホンちゃんはドアを強く閉めました。
「・・・ニホンちゃん!ニホンちゃぁん!」
クルちゃんはそれでも諦めずに、しばらくドアをドンドンと叩き続けます。
ニホンちゃんはドアに寄りかかり、開けてしまいたくなる衝動に耐えながら、クルちゃんが去るのを待ってました。
「なんで、クルちゃん入れてあげないの?」
一部始終を見ていたアサヒちゃんがやってきます。
「ねぇ、困ってる人がいるってのに、何でニホンちゃんは助けてあげないの!?」
「だって・・・・・・」
「だって何よ!あなたがトルコちゃんと仲良しだから?友達がいじめてる子だから助けてあげないっていうの?」
「・・・・・・・・・」
「なんなのよ。黙ってないで、何とか言いなさいよっ!」
パシッ!
「・・・・・・っっ!最低っ!あたし、ニホンちゃんのこと、見損なった!」
目に涙を溜めてニホンちゃんの頬を叩くと、アサヒちゃんは背を向けて階段を駆け上がっていきます。
「・・・・・・だって、あの子は・・・・・・」
アサヒちゃんに叩かれた右頬に手を当てて、ニホンちゃんは一人呟きました。
解説
シェロ
投稿日: 05/01/31 01:02:58 ID:8K1jsFk3
シェロでございます。
つ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050119-00000009-maip-soci
前スレで投下されたクルド難民問題(強制送還したアレ)を元ネタに。
ニュースソースだとこの辺までなんですが、何かニセ難民だとかそうでないとか色々あるらしいですねコレ。
ただその辺のソースがどうも見当たらなくて探してます。
「・・・だって、あの子は・・・」で終わってるのは、続けるための伏線です。
奥が深いクルド問題、調べるための文献やサイトなどの情報提供お待ちしてます。
今回の問題に限らず、クルド関係でオススメあったら教えてほしいな〜。
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