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第2206話
あさぎり ◆WOaKOSQONw
投稿日: 2005/04/04(月) 22:04:16 ID:f437ZtwE
『ソフィアちゃん何となく現る。』
「うちゃりぇー、どすこいん!わほーかったー!」
ここは春休みの日之本家、今日は家族みんなで仲良く紙相撲大会です。
別に紙相撲なんてどこだってできるんですが、こういう勝負事には案外目のないニホンちゃん、
巧みに紙相撲仲間を取り込んで、紙相撲界のステイタスシンボルにまで日之本家の紙相撲を昇華
してしまいました。
昔っからアメリー君も好きだったらしく、結構頻繁に参戦。一時はアメリー時代を築いたもの
ですが、最近は競争相手が日之本家の中から外から次々現れてちょっと目立たなくなってきたのが
寂しいところ…
「ケッ!勝負なんてそんなもんだYO!また勝てばいいのさ!」
でもちょっと悔しそう。そして今一番威勢がいいのがモンゴル君。紙の細工が上手いのか、作る
力士がどれも大活躍。いつの間にか7つも持ち駒があったりします。
そしてロシアノビッチ君が最近参加してめきめき頭角を現しつつあり…と、なかなかバラエティ
に富んでいい事なんですが、肝心のニホンちゃんは…
「はう…マタマケター…」
本家本元のはずが泣かず飛ばず。強いコマを何個か持ってるのは持ってるのですが、何故か最後の
一押しで負けてしまう悲しい現実。いまやコツを掴んだらしいモンゴル君の天下です。
そんな中、いつの間に参加している友達や下級生に混じって、今まで聞いたことのない喚声が聞こえて
きます。
「はいやぁー、うー、のこたのこた!わぁぁ、まけたぁぁ…」
なんだろう、さっきから騒がしい女の子の声…
ふと人だかりの中心に目を向けると、紙の土俵の上で転がった自分の持ち駒を大事そうにしまう姿が
ニホンちゃんの目に飛び込んできました。
『だれだっけ?……』
記憶力には自信のあるニホンちゃんですが、ゆとり教育の影響か少し能力が落ちている模様。
その女の子、民族衣装とおぼしきワンピース、そして3日はお風呂に入っていないであろう風体。
ぱっと見はとても女の子には見えません。しかも、微妙に匂う気が…
「ほい、そんじゃ次ソフィアさんの琴欧丸とモンゴルさんのモーニングドラゴン2世でーす。」
「ほぇーー、またモンゴル君とやるですか。琴欧丸壊れちゃうかもぉーー。」
「そんじゃまあ見合って見合って!光ファイバーコミュニケーション 回路全開 夢操作 1 !のこった!」
『武士…そんなのどこで覚えた?……』
ノリノリで宮司やってるウヨ君に軽いめまいを覚えつつ、さっきからこっちにお尻突き出してふりふり
しながら紙相撲に熱中しているソフィア…ちゃんだったよね?を見ます。第一印象、地味だなー…
ちっちゃいなー、でもからからよく笑うなあ…
タヌキ顔で何考えてるかすぐわかる百面相…はて、こんなキャラクターの話どこかで読んだ記憶が…。
一人ニホンちゃん腕組みして考え中。しかし盤面はえらく白熱して、後からトリコロールな影がニホン
ちゃんを押しのけてかじりつきます。
「ほら、ソフィア、頑張りなさい!」
「頑張ってるよねーさまぁー。」
『あ…ね?』
ぱっと振り向くとそこには何故かフランソワーズちゃんが手に汗握って応援中。名前の刺繍入りのハンカチ
は今にもちぎれそうです。
『はて…フランソワーズちゃんの妹って…いたっけ?え?え?』
わあああぁぁ。
紙の土俵の周りに喚声と嘆息が同時に起こり、勝負の終わりを告げます。
「あーーーん、また負けたぁーー…」
「しかっりなさいソフィア、そんなみっともない声出さないの!」
「はぁぁい…」
仁王立ちでソフィア…ちゃん?を見下ろしているフランソワーズちゃん。確かに貫禄は姉。
「あー、フランソワーズちゃん?」
「何かしらニホンさん?ご覧の通り私今取り込み中ですの。」
「いやあその、フランソワーズちゃんに妹いたっけなあって…思ったわけでして。」
「ああ、さっきのソフィアの…、ホホホ、ご存知の通り私妹なんていませんわ。もっともこれから出来るかも
知れませんし、もう既にどこかにいるかもしれませんが…」
『うわぁ、さらっとすごい事言ってる…』
勿論ニホンちゃん声になんか出してそんな事言いません。
「ソフィアが去年学校統合で他の東欧分校からうちのクラスに来たのは覚えてらして?ニホンさん?」
「う、うん…」
すっかり忘れていました。
「この子人一倍とろくって、今でも服のボタン掛け違いのまま学校に来たりするんですの。私が気になって
毎日直していたらいつの間にか姉妹のような付き合いを…」
「えーと、それ毎朝二宮金次郎の銅像の前でやってた?」
「ええそうですわ。それで私放って置けなくなって…ならばいっそ私に相応しい立派なレディにして見せようと
そう思ったわけですの…」
『あー、いまぜったいフランソワーズちゃんの頭の中花吹雪だよ…』
『あの』フランソワーズちゃんがなんの見返りもなく親身になって世話を焼くでしょうか?ニホンちゃん
頭の中に激しくはてなマークが飛び交います。
「と、言うわけで、私の妹にあまりちょっかい出さないでくださいねニホンさん。」
「へ?いやまあ、交渉優先権は法に則り遵守シマス…」
「よろしくてね。」
いつもの流し目をくれて、少し目頭が赤いソフィアちゃんを立たせると、フランソワーズちゃん華麗に
退場です。何故か条件反射でニホンちゃんも玄関までお見送り。…つか、来てたんならお邪魔しますくらい
言って欲しいものです。
『あ…』
「ねーーさまぁーーー……」
ソフィアちゃんがどたどたとフランソワーズちゃんを追っかけてニホンちゃんの前を通り過ぎた時、最初に感じた
『匂い』が何だったのかニホンちゃんやっと合点が行きました。
「ブルガ印のベビーオイル!」
思わず叫んでしまったニホンちゃん。ソフィアちゃん、その声に玄関口で振り返ってにっこりこっちに笑って
ます。
「ごひーきにどもー!」
屈託なくそう言うと、ソフィアちゃん風のように外に飛び出していきます。
「あ…案外商売上手なのかも…」
ニホンちゃん少し顔に縦縞が浮かんでます。
「フランソワーズちゃんが見込んでるんだから、そりゃそうだよね。」
と暫く一人ごちていたとかいなかたっとか…
おしまい
解説
あさぎり ◆WOaKOSQONw
投稿日: 2005/04/04(月) 22:07:02 ID:f437ZtwE
□解説・立会・制限一杯
※ さて、今回初めて新キャラに挑戦してみました。名前はソフィアちゃん。ブルガリアの擬人化です。ソフィアとは
ブルガリアの首都の名前です。ブルガリアという国の事調べていたら、やたらと薔薇が出てくるもんで、本編にも
某ラノベのようなものが混ざってしまいました。すまん。ついでにエ○ジェリックレ○ヤーとかいう(見た事ない)
の元ネタという噂の脳波でロボットが戦うやつが混じってます。わかんなくてごめん。後者なんてうろ覚えで書い
ちゃったし…すげえ突っ込みきそうだ_| ̄|○
※ 紙相撲は勿論大相撲の例えです。今幕内小結にいるのが琴欧州。ブルガリア出身で『まだ』身長伸びているらしい
幕内最長身力士。今場所は4勝11敗と振るわず。そらそうだ、上位陣とばっかだもんなあ…来場所ガンガレヨー。
※ フランソワーズちゃんとの関係は、対ブルガリア援助で日本の次に援助額が多いということと、特産品である
バラの香水の大口消費先ということあたりですかねえ。だからって姉妹呼ばわりはしないかもですが…まあ、その辺は
大目に見てくれると嬉しいです。蛇足ですが、作中では香水=ベビーオイルですね。
□ソース薔薇の香り
※ 困った時のWiki頼みw。Wikiによるブルガリアデータ。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%82%A2#.E5.A4.96.E9.83.A8.E3.83.AA.E3.83.B3.E3.82.AF
※ 薔薇についてはこれが判りやすいかなあ?
『世界不思議発見』第833回 ブルガリア バラの谷の夏 2003/07/12 (土) 21:00〜
ttp://www.tbs.co.jp/f-hakken/mystery833_1.html
※ goo大相撲(コラムいいよコラム)
ttp://sumo.goo.ne.jp/ozumo_joho_kyoku/index.html
琴欧州 勝紀【goo大相撲内】
ttp://sumo.goo.ne.jp/ozumo_meikan/rikishi_joho/rikishi_2510.html
※ シラク大統領来日 大相撲観戦
ttp://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050327/m20050327005.html?C=S
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