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第2279話
鮮災イルボン
投稿日: 2005/06/23(木) 08:48:33 ID:YJt4cvlk
メ○モちゃんのキャンディ
「ニホンちゃん、ニホンちゃん!キャンディちょうだい!」
コリアンちゃん達がニホンちゃんに擦り寄ってきます。
コリアンちゃん達は三つ子の姉妹で、上をチョウセンちゃん。
真ん中をカンコクちゃん、そして一番下をザイニチちゃんと呼びます。
この三姉妹、姉妹仲は決して良くなく、ザイニチちゃんにいたっては
一番のいじめられっ子で、お隣どうしであるにも関わらず、
ニホンちゃんのおうちにホームステイをしています。
そこで、お姉さん達の顔色をうかがいながら、ニホンちゃんのおうちで
内弁慶を炸裂させるちょっと困った存在です。
まぁ、それはさておき・・・
「いいから寄越しなさいよぅ!おねぇさまに言いつけて
また、ご近所にあること無いこといいふらすわよ!」
この三つ子には、歳の離れたチュウゴクという名の巨漢のお姉さんが居て、
事あるごとに三つ子と共にニホンちゃんの悪口を言いふらすのです。
あること無いことって・・・無いことばかりなのに・・・
心の中で突っ込みを入れるニホンちゃん。
などと考えていたらザイニチちゃんに羽交い絞めにされて
カンコクちゃんにキャンディの入ったビンを奪われました。
ニホンちゃんのママが作ってくれた赤いキャンディに群がる三つ子達。
むさぼり、噛み砕き、味わう事無く飲み込まれていくキャンディ。
「まずい!マズイ!」
食べる手を止めずに口々に罵る三つ子達。
オロオロしながらもニホンちゃんは
「そのキャンディは食べ過ぎると体に良くないのよ」
と、いさめるのですが、聞いてはくれません。
「うるさい!」
チョウセンちゃんに一喝され、三白眼で睨まれました。
その視線が一点に止まります。
ニホンちゃんが、もうひとつのキャンディのビンを
持っている事に気付いたのです。
小さいビンでしたが、中のキャンディはとても綺麗な青い色をしていました。
「そのキャンディもちょうだい!」
チョウセンちゃんがニホンちゃんに飛び掛ります。
すぐにザイニチちゃんとカンコクちゃんが続きます。
仲が悪いはずなのに、この辺のチームプレーにはいつも眼を瞠る思いです。
「ダメ!このキャンディは・・・」
ニホンちゃんの言葉は強烈な蹴りにより最後まで言えませんでした。
体をくの字に曲げて咳き込みます。
そんなニホンちゃんを見下しながら、赤いキャンディの影響で急激に成長した
三つ子達がゲラゲラと笑っています。
その小さな目には知性のかけらも無い残虐な光しか見出せません。
どうやら赤いキャンディには、肉体の成長はされても精神の成長はされないようです。
うずくまるニホンちゃんを尻目に、三つ子達はこれ見よがしに
青いキャンディを口に放り込みました。
すると、どうでしょう。三人は突然苦虫を噛み潰したような表情をすると
青いキャンディを吐き出してしまいました。
青いキャンディだけでなく「げぇげぇ!」と赤いキャンディも残らず吐いてます。
それでも苦しみは治まらず、自らの吐しゃ物の上を転げ回っています。
ようやく呼吸を整えて、立ち上がったニホンちゃんが見たものは
異臭漂う無残な光景でした。
急激にしぼんでしまった三つ子達の皮膚はたるみ、皺だらけになり
その溝に吐しゃ物が入り糸を引いています。
苦しみの余り掻き毟ったであろう髪は抜け落ち、血だらけになっています。
ただ目だけは爛々と光り、ニホンちゃんを睨みつけています。
まるで地獄絵図に出てくる餓鬼の様です。
ニホンちゃんは近づき、そばに落ちていた青いキャンディのビンを拾いました。
チョウセンちゃんが唸り声をあげています。
きっと、毒を飲まされたと思っているのでしょう。
ニホンちゃんは青いキャンディを一つだけ取り出すと、口に含みました。
三つ子達は怒りの表情から嘲笑、驚愕へと変わりました。
ニホンちゃんが自分達と同じ苦しみを味わうと思ったのが裏切られたからです。
ニホンちゃんは大事そうに、青いキャンディの入ったビンをポケットにしまい
ママの作った赤いキャンディが入ったビンを抱き上げました。
そして歩き去ろうとするニホンちゃんの後ろから切れ切れの声が聞こえました。
「・・・たす・・・・け・・・・・・・・」
振り向いたニホンちゃんの表情は悲しく、とても悲しげでしたが
何も言わずに立ち去りました。
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