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第2328話
ab-pro
投稿日: 2005/08/29(月) 23:59:39 ID:v854Rkv1
ある日の職員室。
フラメンコ先生は、いそがしげに赤鉛筆を走らせていました。
どうやら小テストの採点をしているようです。
”遠い昔にチンパンジーの先祖と枝分かれした私たちのご先祖様は、進化を続けて
今の人類になりました”
「はい、ニホンちゃんには花丸をあげないと。小学生としては、これは上出来な答
えよね」
そういって、可愛いお花の絵を答案用紙に描き出すフラメンコ先生。どうやら生物
の授業で、簡単な進化論に関する問題をだしていたようです。
「さて、次は・・・・」
そう言って、次の解答用紙に取りかかったフラメンコ先生は、解答を一読して思わ
ず眉間にしわを寄せてしまいます。
”人間は偉大なるアッラーの神によって生み出されました”
「・・・・・。
さて、どうしましょう。ペルシャちゃんのお家では、進化論は確か御法度だったの
よね。
ここで×を付けちゃうと、ご両親から人類の誕生を、こう教わっているペルシャち
ゃんが混乱しちゃうし。だからといって、○を付けるのも・・・・」
思わぬ難解答に十分近く迷ったフラメンコ先生。とうとう、「後回しよ」と呟くと
アラブ班の子供達の解答をまとめて机の引き出しの中に突っ込んでしまいます。
「さて、次のはアメリー君か。アメリー君の答えなら安心して・・・・・」
なんだかんだと独り言を呟きながら、アメリー君の解答を一読していたフラメンコ
先生は、今度はそのまま凍り付いてしまいました。
”人類の進化の過程は進化論では説明できないほど、複雑で高度なもので、それは
あたかも高度な知性を持った何者かが設計したとしか思えないものです。
進化論はあくまで仮説にすぎず、実証されたわけではありません。そして間違いも
幾つか見つかっています。
例、キリンの首・・・・・・”
長々と書かれた、まるで学術書のようなアメリー君の解答。
哀れなフラメンコ先生が自然解凍されるまで、ひとときの時間が必要でした。
「・・確か、アメリー君のパパ、最近ヨハネ君の家の教えにはまっているのよね。
私も確かに信仰心は厚い方だけど、でも教師としては・・・」
信仰と職業倫理の対立という、教師になって初めての深刻なジレンマに苛まれるフ
ラメンコ先生。
まじまじとアメリー君の答案用紙を見つめていた先生ですが、やがてため息をつい
て、くだんの引き出しにその紙をしまい込んでしまいます。
「ああ、ただの生物の小テストに、何でこんなに神経を磨り潰されなくちゃならな
いのかしら!
もう、これ以上難解な答えがあったら、この小テストなんかなかった事にしちゃう
んだから!!」
そんな事を言いながら、乱暴に次の解答用紙に取りかかるフラメンコ先生。
一瞬の静寂。
そして、次の瞬間には職員室を揺るがす程の爆笑の発作に襲われていたのでした。
まるで引きつけでも起こしたかのように、お腹を抱えて笑いまくるフラメンコ先生
に、心配になったガリー先生が慌てて背中をさすってあげますが、この笑いの発作は
しばらくは収まりませんでした。
やがて。
やっと発作は収まったものの、まだ瞳に笑いの涙をにじませているフラメンコ先生
は、嬉しそうに何度も問題の解答用紙を読み返しながら、我が意を得たりとばかりに
頷きます。
「そうよ。こうでなくっちゃ。ホンと、彼のこう言うところは憎めないのよ!
今日は本当に救われちゃったかしら。でも・・・」
そう言って、また笑いの誘惑に屈しながらも、フラメンコ先生は嬉しそうに
”熊から生まれたニダ”
とだけ書かれた解答用紙に、大きな大きな×印をつれるのでした。
end
というわけで、ニュースソースはID理論から。
http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh050827.htm
のような理論展開で現在、米国で勢力拡大中です。
イスラム教では厳格に進化論は否定されているようですし、以前アメリカのキリ
スト教系私立学校の教師が、生徒を動物園のチンパンジーの折りの前に連れて行っ
て、面白おかしく進化論を否定している場面をテレビで見た覚えがありますが、い
やはや、日本人に生まれて良かったです。
一様、1996年に、ローマ教皇が進化論を認めてはいますが・・・
確か、各生物の細胞内のミトコンドリアのDNAの突然変異の数の統計を取る事
によって、おのおのの種が、どの年代に枝分かれしたかは統計学的に断定できるの
で、一様、系統樹は信じるに値すると考えるのは、私の早計なのでしょうかねぇ?
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