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第2355話 マンセー名無しさん 投稿日: 2005/10/03(月) 18:09:49 ID:3A+t7f40
「ツィンキーベル。ツィンキーベル。錫が鳴る−。やあ、みんなお待たせ!」
ひげが六本、口内炎で赤い口から出っ歯がにょき。
全身を灰色のぼろ切れを纏う大きな目のぬいぐるみを着た不審者がチュウゴ家の玄関に突然入ってきました。
「鼠男さんだ!」
香ちゃんがその不審者にダッシュしていきました。
「やぁ!わしが鼠男じゃき!」
鼠男。
それは地球町の遊園地で大人気を誇っているアメリー君家の一企業妖怪出銭楽園のマスコットキャラクターであります。
利己主義で虚言癖。好物は金と食物と女。
そんな最低な性格の彼ですが、大衆的な魅力が何故か世間でHITしました。
「ネズミ男さんて、中身はだかなんでしょー見せて見せて」
香ちゃんが足をけっ飛ばして、ぬいぐるみの頭をとりはずそうとします。
「いてて!」
(このガキャ・・・いや、仕事だ。ふー冷静になれ、冷静になれ)
鼠男のその正体は誰にも空かすことができないのです。
そう堅く心に誓ったアメリー君・・・もといねずみ男さんは腰に手を当てて、世にもおどろおどろしい笑いをチュウゴ家に響き渡らせました。
「HAHAHAHA、中の人なんていないよ!」
「それじゃ、演劇して!演劇演劇〜」
「うーん。その前にジュース買ってくれないかな?」
アメリー君・・・もといねずみ男さんの演劇はタダなのですが、その代わり馬鹿高いジュースを買わされるのです。あ、ちなみに出張料はタダじゃないです。出張しないことはないんですけどね!
「じゃ、チュウゴ家の時期当主である私、チュウゴが受け取るから、香はさきに椅子に座席に座っているアル」
「はーい」
チュウゴ君はちょこんと香ちゃんが座るのを確認すると、値切りに値切って1ドル札をネズミ男さんに渡しました。
ねずみ男さんはちょっと不満でしたが、かよわい下級生からお金をふんだくるのも罪悪感があるので、黙っていました。
「香買ってきたアルヨ〜いや、ネズミ男は商売上手アルネ。10ドルもしたアル」
「エー。今月のお小遣いこれで無くなっちゃうよ」
「うーーん。仕方ないアルネ。ネズミ男さんも商売アル」
「そうだね」
ネズミ男さんはものすごーく言いたいことがありましたが、仕事中・・・ということを反芻して、演劇の舞台に立ちました。
黒子達が飛び交い、瞬く間に中世風のセットが仕上がります。
松の木にでっかい公家屋敷。町を往来するのはちょんまげ頭。
うん。間違いなく、中世の日本ですね。
黒子が白い和紙をぺらりとめくると、そこには『題目 ドル札こわい(原作 まんじゅうこわい)』が出ます。
お話は・・・説明しなくてもわかりますね。
ネズミ男が、ドル札こわーいと叫んで、演劇している子供達からお金をせびろうとしたところ。突然、部屋が真っ黒い煙に覆われました。
「ゲホゲホ、なんじゃこりゃ!」
「あー気にしないアル。ちょっとチベットママが江タクミンパパの命令で中庭でいらなくなったパソコンとかテレビとかたき火で燃やしているだけアルヨ」
いつの間にかチュウゴ君一同はガスマスクを付けていました。
「ゲホゴホ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっと収まった」
バキ!ボキ!
「馬鹿、お前そこどけアル」
「ふん、我が先にとったアルヨ」
「私が座ってた席だったのに・・・・うぇーーーーーーーーん」
煙が収まったと思ったら、座席の取り合いで三人の人物が喧嘩していました。
香ちゃんがトイレに行っていた隙をついて、チュウゴ君が座席をのっとり、タクミンパパが「それは我の席だ!」と拳骨制裁で席を奪ったのです。
「何やってんですか!タクミンパパさん!?」
「だって、その席、一番前じゃん!うらやましかったんだもん!」
「あんた何歳ですが!?」
アメリー君がタクミンパパを諭すとタクミンパパがチッと舌打ちして、自分の部屋にひきこもって香ちゃんが座席に座りました。一応・・・一件落着です。
その時、香ちゃんがもじもじしだしました。
「またおしっこいきたくなっちゃった。」
「そうアルか。我が席を取っておくから安心して、行ってくるアル」
「・・・・・・・・・・もれちゃいそう」
「だからいってこいアル」
「・・・・・・・・・・取られるから嫌」
「ああそう別にいいアルヨ。ここでするアル。いつもしてるし大丈夫じゃないの?」
「え!?ちょっと待って!今、ありえない発言聞いたんだけど!?」
「・・・・・・・・・・もうだめ」
ねずみ男さんは加速装置を発動させ、香ちゃんをトイレに抱えて光速を越えました。
そして夕方。
「ねずみ男さんさよならーーーー」
ねずみ男さんはチュウゴ大家族の手を振られながら、疲労困憊で玄関を出て行きました。
(うー・・・疲れた。でも笑顔で見送られるのはいつもながら・・・悪い気分はしないな)
かーーペッ
時々玄関に唾を吐いたりしてますが、あまり気にしないことにします。悪気はないから悪気はないから悪気はないから。
そして、最後チュウゴ君に頷いた香ちゃんが駆け寄ってきました。
「きちんと言うアルヨ!」
赤い夕暮れに照らされたねずみ男さん。
はにかむ香ちゃんの表情を見て、ねずみ男さんは思いました。
(へへ・・・なんだお礼かな。はっ苦労なんてな皆報われるもんだな)
香ちゃんは大きな声で、ねずみ男さんの表情を注視して言いました。
「ちょーーつまんなかった!もっと、工夫しなさい!お兄ちゃんからも伝言。つまらんヨロシが、上海ちゃんの誕生日に値下げしてもう一回くるアルだって、良かったねお兄ちゃんが寛大で!」
ねずみ男はこの世の不条理を嘆きつつ、泣きながら河川の堤防を走っていきましたとさ。

「ふふふふ・・・・」
その光景を一部始終を草むらの中でデジカメによってとらえた出銭マニアのニホンちゃんは、暗室のなかでマイピクチャに黙々と、ねずみ男の写真集を保存していました。
「姉ちゃん・・・それストーカーだよ」

終わり

解説 マンセー名無しさん 投稿日: 2005/10/03(月) 18:14:36 ID:3A+t7f40
http://www.sankei.co.jp/news/051002/kok061.htm
幻滅!?「夢の国」 香港ディズニーランド
所かまわず子供に立ち小便をさせる母親、禁煙区でたばこをふかし、たんを吐き散らす男たち。9月18日には、演劇の座席をめぐり男性2人が殴りあいのケンカをして上演が30分遅れる事態もあった。

 全体の3分の1を占める中国本土からの客にとっては、175−350香港ドルの入場料やミネラルウオーター1本10香港ドルはばか高い。「金額に見合うサービスでなかった」と、入場料と交通費の返還を求める裁判まで起きる始末だ。

( ゚Д゚)y―┛~~民度たけーーーーーーー!?

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