戻る <<戻る | 進む>>
第2458話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2005/12/23(金) 14:08:40 ID:SFnMnYtL
『産地偽装』

「まいど、お米一袋と長芋ね。お待たせしました」
 ニホンちゃんは、お家のお手伝いでタイワンちゃんの家まで品物の配達です。

 地球町では、どの家も昔は農漁業や牧畜で生計をたてていましたが、エリザベスちゃん
の家を皮切りに、多くの家が工場を建ててその経営で生活するようになりました。
 でも、そうした家でも、みんな先祖から受け継いだ農地で作物を作っています。
 そして日ノ本家では、このごろ、自家用に作物を作るだけでなく、質の良い物を作って
町内に売り込むのに熱心になっているのです。

 タンワンちゃんは、品物を受け取りながらニホンちゃんに言いました。
「ニホンちゃんのお家のものは高いんだけど、おいしいから買っちゃうのよね。でも…」
「ん、どうしたの?」
 ニホンちゃんは聞き返しました。
「このあいだのリンゴ。あれは、あんまりおいしくなかったなあ」
「あれ、最近リンゴは注文してなかったでしょ」
 いぶかしがるニホンちゃんに、タイワンちゃんが答えました。
「投げ込まれてたチラシを見て通販で買ったんだけど」
 ニホンちゃんは、びっくりして答えました。
「うちはチラシの投げ込みはしてないよ」
「でもここにそのチラシがあるんだけど」
 差し出されたチラシを受け取ったニホンちゃんは、ある言葉に目をとめました。
「日ノ本青森謝罪?ははぁ、そういうことか」

 翌日、学校でチラシを手にしたニホンちゃんがカンコ君を呼び止めました。
「ねえカンコ君、ちょっと体育館の裏まで来てくれない」
「む、ニホンもようやくウリの魅力に気がついたニカ。まあ、そんなに言うならデートして
やってもいいニダ」
「カンコ君、私は鉄拳による制裁はもめごとを解決する手段としては永久にこれを放棄して
いるんだけどね、じっくりとお話し合いをさせていただきたいことがあるの」
 カンコ君は、小一時間問い詰められたということです。

解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日: 2005/12/23(金) 14:10:28 ID:SFnMnYtL
(ソース)
やや古いネタですが、
[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
● ひとつ2000円のりんご
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2004/1209.html
海外に日本農産品売り込め/中台のWTO加盟で攻めに
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/scramble/scramble2003/20030623.html
韓国語では、リンゴ(沙果)と謝罪(謝過)はおなじ発音(sagwa)です。

この作品の評価を投票この作品の評価   結果   その他の結果 Petit Poll SE ダウンロード
  コメント: