連続ドラマ小説「ニホンちゃん」第2477話「初場所」　作：みちのく湊

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第2477話みちのく湊 ◆tWJGbDFyyk 投稿日： 2006/01/04(水) 21:54:56 ID:dMLG4wY0: 　　　「初場所」

年も明けてここはニホンちゃんの家のトーキョーの間の一角…
誇らしげに肩で風を切りながら歩いてくる少年がいます。
「紙も厳選してあるし手入れも十分！　ニホンちゃんには悪いけど今年の紙相撲大会も全部僕の
『朝蒼龍』で頂きだねっ！」
どうやら自信満々のようです。それもそのはず、去年は６回行われた紙相撲大会を総なめにして
しまって、シシローおじさんに表彰されていましたから。
「あ、ニホンちゃん　今年も勝たせてもらうよっ！」
「お、お手柔らかにね…」
（…いいなぁ　けど今はモンゴル君しか横綱の駒持ってないし…）
　一方、我らがニホンちゃんは少し元気がありません。晴れ着姿に沈んだ表情は勿体無いのですが…
一緒に来ていたフランソワーズちゃんも思案顔
「…気持ちはわかりますけど、貴女が塞ぎこんでどうしますの？　そんなことでは貴女の駒も戦え
ませんよ？」
日本マニアのシラックおじさんの薫陶よろしきを受けているフランソワーズちゃんは紙相撲にも造詣が
深いのです。
「そ、そうだね…　今年はきっとこの子たちで横綱を止めて…　きゃん！」
励まされて顔を上げたニホンちゃんが軽く悲鳴を上げます、そして目の前には年下と思われる女の
子が尻餅をついてしまっていました

「はぅ…　おねーちゃんどこ…　ふぇ…」
「あらまぁ！　ソフィアどこに行ってましたの？　迷子になるから離れないでと言ってましたのに…」
「っと　大丈夫？　怪我しなかった？」
「ふぇ？」
こっちを向いた女の子。しかしかわいらしい大きな瞳が少し湿っています。しかし今鳴いたカラスとい
いますか…
「おねーちゃんっ！」
「もう…　怪我もないようで安心しましたわ　それに駒は大丈夫ですの？」
「うんっ　大丈夫だよぉ～　大関になったし、これからだよっ」
仲睦まじい２人。ソフィアちゃんが大事に抱えている駒は最近めきめきと頭角を現した『琴欧丸』。
モンゴル君の『朝蒼龍』との取り組みは見応えがありました。
「………」
相撲談義に華を咲かせる姉妹（？）をよそに、ニホンちゃんの目はソフィアちゃんの手の中の駒に釘付
けです。
（た…　たしかによくできてるのよね…　あの上背と手足の長さ…）
「…さん？」
（そして甘いマスク…　お家の人にも人気みたいだし…）
「…ニホンさん？」
（『琴欧丸』かぁ…　いいなぁ　人気はあるけど『高実盛』じゃイマイチだし…　『千代太海』も…）
「ちょ、ちょっとニホンさん？　なにぼーっとしてますの？」
「…はぅ？」
ただならぬニホンちゃんの視線に２人は引き気味です
「あーもう！　あの２人は止められないの？　誰か出てきてよぉ～っ！」
冬の澄み渡った空の下、ニホンちゃんの叫びが響き渡りましたとさ

初投稿です。お目汚しﾓｳｼﾜｹﾅｻｽ…
2206話の紙相撲ネタで書いてみました。
他にもロシアノビッチ君のところの『露砲』とか『伯露山』もいるわけですが・・・
（力士の名前をそのまま使うのもなんなので変えてあるのはケンチャナヨ）
いつの間にかこんなにモンゴル勢多くなってたんだねぇ…
外国勢の勢いはまだまだ続くんでしょうかねぇ…
日本の力士の健闘を祈って　ということで
解説みちのく湊 ◆tWJGbDFyyk 投稿日： 2006/01/04(水) 22:55:33 ID:dMLG4wY0: ttp://sumo.goo.ne.jp/hon_basho/banzuke/ban_1_1.html

まぁソースというほどじゃないけど一応初場所の幕の内の番付表をば
モンゴル君の誇らしげな顔が浮かぶなぁ