連続ドラマ小説「ニホンちゃん」第2499話「化けて出ちゃうぞ」　作：黄色いリボン

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第2499話黄　色　い　リ　ボ　ン　 ◆JBaU1YC3sE 投稿日： 2006/03/12(日) 14:23:22 ID:diiTG9mG: 　　　「　化けて出ちゃうぞ　」
僕の名はヘルちゃん。今は天国にいる名犬。
大昔、アメリー家の番犬としてニッテイさんとの戦いに活躍したんだ。
あの喧嘩の時の番犬で、一番活躍したんだよ。
先輩の犬達がペロ８とか鰹節とか嗤われていたけど、僕が現れてから形勢逆転させたのさ。
同じパワーのコルセアよりも僕の方が恐れられていたんだよ。凄いだろ、エヘン！

・・・それなのに・・・それなのに！
ご主人様の一家が僕のことを忘れたがっているなんて！
コルセアやペロ８は思い出してもらっているのに！
ムスたんは今でも自慢されているのに！
理由は知ってる。僕が日之本家の名犬、ゼロに似ているから。
ゼロに似ている、あいつの血を引いてるって昔から言われてるんだ。
僕がまだ生きている時から、アメリー家の人はみんなそう噂していた。
違うよ、それは誤解なんだ。よく調べてもらえれば分かるのに！
僕の誕生日を良く見て！犬の飼育がもっと時間がかかる事ぐらい何故わからないの！
少しは調べてからにしてよ！アメリー家を守ったのは僕なんだ！

おや？地上で僕を語る声がする・・・日之本家の方からだ。
元敵国の子孫なら、僕を恐れていたことはよく聞いているよね。
あれはサヨックさんだ。確かニッテイさんを悪く言いたがる人だっけ。
「皆さん、いよいよゼロにも敗れる時が来ました」　あ、僕の出番だ！
「ゼロを見習って育てたアメリー家の番犬、『ヘル』が現れたのです。
見てください、良く似ているでしょ」
ひどい！うちの人と同じこと言ってる！だから調べてもらえたらわかるっていうのに！
よりによって、ゼロの国の子孫にまで誤解されたままなんて嫌だよ！
も、もしかして、もしかして僕ってさ、このまま忘れられていくの？
やだ、そんなのいやだ！化けて出ちゃうぞ、本当に出ちゃうからね！
僕を、僕を思い出して！
　　　おしまい
解説解　説投稿日： 2006/03/12(日) 14:32:54 ID:diiTG9mG: 零戦に似ていないのに、素人目には似ていると言われたため
アメリカでは評価の低い戦闘機、Ｆ－６Ｆヘルキャット（化け猫）
http://military.sakura.ne.jp/world/w_f6f.htm
ＮＨＫ「その時歴史が動いた」では零戦の分析と並行して開発された、となっていました。
数年前作成の番組が本にもなっていますが、零戦を研究して作ったと説明しています。
そして両方とも「人命軽視の文化が（ry」でしたね。
「人命を尊重され、生きる覚悟で戦った米軍パイロットは、
　特攻隊よりも、もしかしたら勇敢だったかもしれないとの思いを強くした」
ドキュメント太平洋戦争３「エレクトロニクスが戦いを制す」１４３ページより

「似てない！」と言う声はおいておくとして、Ｆ－６Ｆは零戦に関係なく設計されており、
アリューシャンで無傷のゼロ戦が入手される頃には開発を終え、間もなく初飛行をしています。
にもかかわらず昔のスカイアクション映画やドラマでは、
Ｆ－４Ｕコルセア、Ｐ－３８ライトニング（日本のパイロットが付けたあだ名はペロ８）、
Ｐ－５１ムスタングが出演しても、Ｆ－６Ｆは全く出なかったとか。

強さの理由は２０００馬力級のエンジンです。
また艦載機である限り、着陸性能が良い、即ち仰角でも揚力を失いにくい、
旋回性能が良い機体設計だということでもあります。
そのために艦載機出身の空軍機が多いのは、ジェット時代でも同様です。