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第2532話
U-33 ◆JOCEixq6zU
投稿日: 2006/06/26(月) 21:43:16 ID:41udkw7Y
『家風』
「アイゴォォォォォォォ!!」
身も世もなく泣き崩れているのはチョゴリちゃんです。
大好きだったハラボジ(おじいちゃん)が亡くなって、お葬式の日、カンコ家の人々は、皆、
大声で号泣していました。
涙を流せば流すほど、大きな声で嘆けば嘆くほど、故人へ想いが伝わる。そう思ってチョゴリ
ちゃんは声の続く限り泣き叫んでいたのです。
でも、参列していたニホンちゃんは思いました。
「カンコ家の人たちって、よその人の前であんなに大声で泣くのって、ちょっとみっともないんじゃ
ないかなあ」
月日は流れ……。
「本日はお寒い中、また雨の中を本当にありがとうございました」
喪服姿のニホンパパ、ニホンママが弔問客の一人一人に丁寧に挨拶しています。
その日、斎場ではニッテイさんの葬儀が行われていました。
カンコ家のハラボジが亡くなったときは、ニホンちゃんはパパ・ママと揃って弔問に訪れたの
ですが、今日はカンコ家はチョゴリちゃんしか寄越していません。
でも、相手が子供だからといっておろそかにせず、パパやママはチョゴリちゃんにも丁寧に頭を
下げるのでした。
二人の目が腫れているのを見れば、他人のいないところでどんなに涙を流したかが分かります。
しかし、二人ともそんなそぶりを見せず、気丈にふるまっています。だから、ニホンちゃんも葬儀の
間、ずっと歯をくいしばって涙をこらえていたのでした。
でも、参列していたチョゴリちゃんは思いました。
「日ノ本家の人たちって、悲しいときに涙も流さないなんて、ちょっと冷情(ネンジョン)じゃないニカ」
(ソース)
特にソースはないんですが、葬儀のときの遺族の様子が、日本と中国・韓国で大きく違うあたりを
書いてみました。なお、ニッテイさんの葬儀にチョゴリちゃんしか来なかったというのは昭和天皇
の大葬のときに、韓国の大統領が参列しなかったことを指します。
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