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第2563話 学級費らぷそでぃ(1/2) 投稿日: 2006/07/25(火) 00:19:22 ID:dN2b6uKw
「あの〜、ニホンちゃん?」
おずおずと、ニホンちゃんを呼ぶ声がします。
振り返ると、ガーナちゃんがなんとも気まずそうに指をもじもじとしていました。
「なぁに?ガーナちゃん」
何の気なしにニホンちゃんが問いかけると、ガーナちゃんはますますもじもじします。
首をかしげるニホンちゃんに、ガーナちゃんがやっと口を開きました。
「あのね……学級費のことなんだけど……」
「ああ!」
ぽむっとニホンちゃんは両手を打ち合わせました。
「ごめんなさい!知ってると思うけど、私のうちって毎月4日がお小遣い日なの」
そう言って申し訳なさそうにするニホンちゃんに、ガーナちゃんは何故かうっすら
涙目です。
「……もう、6日だよう……」
「……えっと、そお?」
こくこくと、ガーナちゃんは何度も頷きます。さすがのニホンちゃんも気まずそ……。
そうでもありません。
「ごめんなさい。でも、学級費ってアメリー君のおうちのお金で払うじゃない?
 どうせだったら、私のお小遣いでできるだけたくさんアメリー君のお金が買える
 時に払ったほうがいいと思って。ほら、そうしたほうが学級費の総額が増えて、
 みんなのためになるかな〜って」
そう言って、『申し訳なさそうな眉』をつくって見せます。つくるだけ。
「でもでも!『速さの利益』ってこともあるじゃない!?みんなは期限どおりに……」
「期限どおりに?」
すばやく問い返したニホンちゃんに、ガーナちゃんたじたじ。
「それも解るんだけど、ほら……私って学級費の負担、すっっっっっっっごく多いじゃ
ない?だから、やっぱり馬鹿にならないと思うの。ガーナちゃんには迷惑かけちゃう
けど……ごめんね?」
そう言って、にっこり微笑みます。

「で、そういえば学級会の改革についてなんだけど」

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「いや〜、ニホンも案外えげつないニダ。そこをいくとチューゴ君はいつもえげつな
 ……あれ?チューゴ君どこいったニカ?」
ちょっと離れた席で、そんな二人のやり取りを一部始終見ていたチューゴ君とカンコ君。
気がつくと、チューゴ君の姿がありません。
……考えてみれば、チューゴ君はニホンちゃんのえげつなさを直接肌で感じているのに
対して、カンコ君はそーゆー経験ほとんど無いんですね。
最後の最後で二人の態度が微妙に違うのは、案外そんなところに理由があるのかもしれ
ません。

解説 司馬遼々 投稿日: 2006/07/25(火) 00:22:14 ID:dN2b6uKw
ちょっと面白い話を拾ったので、久しぶりすぎる投稿です。
ttp://www.geocities.jp/kawabe_ichiro/column/200412.html

日本が国連外交で一目置かれてるのって、どうやら分担金の額だけのせいだけじゃない
ですね。
……常識だったらごめんなさいでした。

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